多くの人にとってマイホームの購入は人生で1回の高い買い物です。夢のマイホームを想像しながらワクワクする方が多いでしょう。しかし、中にはマイホームの計画中や購入後に不安感を募らせてしまう方がいらっしゃいます。「マイホームブルー」とは、マイホームの話題になるとイライラしたり、気分が落ち込んだり、不安が募ってしまう状態に陥ってしまうことです。マイホームブルーが原因となって夫婦喧嘩をこじらせてしまい、あげくは離婚してしまう人も。せっかくのマイホーム購入が不幸の始まりのようになってしまいます。では、マイホームブルーにならない幸せなマイホーム購入のためには、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。
目次
1.マイホームブルーとなる主な原因とは?
2.マイホームブルーになるとどんなことが起きる?
3.マイホームブルーを避けるために―気をつけたい3つのポイント
4.マイホームブルーになってしまったときの克服方法
5.マイホームブルーを回避する家づくり まとめ
マイホームブルーとなる主な原因とは?
家づくりは人生で大きなイベントです。検討から購入して実際に生活するまで年単位の時間がかかりますし、多くのやるべきこと、決めるべきことが発生します。時間や費用が限られる中でそれらに対応する間に、さまざまなストレスを抱え、マイホームブルーに陥ってしまうことがあります。家づくりのプロセスの中で、具体的に何が引き金となって気分の落ち込みやイライラ、不安が募ってしまうのでしょうか。
マイホームブルーの原因1.住宅ローンを抱える不安
マイホームブルーとなってしまう原因のひとつとして、1,000万円単位の住宅ローンを抱えることが挙げられます。ほとんどの方が、住宅購入時には住宅ローン契約を結び、何十年もかけて借りたお金を返済します。大きなローンを背負うことにより「本当に返済できるのだろうか」「仕事に何かあったらどうしよう」など、漠然とした不安を覚えてしまう方が多いのです。
マイホームブルーの原因2.家づくりにともなうストレス
通常通りに仕事や家事、育児をこなしながら、並行して家づくりを進めるのは大変なことです。仕事を終えてからや休日の時間を割いて不動産会社や住宅展示場を巡り、ハウスメーカーが決まってからはどのような間取りにするのか、設備や仕様、素材など決めることが山ほどあります。予算との兼ね合いも頭の悩ませどころです。ハウスメーカーの担当者と円滑なコミュニケーションが取れないなど問題が発生すれば、さらなるストレスを抱えることになります。同時並行で家具の購入や引っ越しの準備も行う必要があり、疲れてしまう方も多いようです。
マイホームブルーの原因3.新生活や新居に対する不満
マイホームが完成し、実際に暮らし始めて気づくこともあります。「ご近所付き合いが上手くいかない」「スーパーが遠い」「希望した保育園に入れず送り迎えが大変」「隣の家がうるさい」など新しい居住環境に不満や問題を感じ、ストレスになってしまうことがあります。
また、希望通りに建てた家であっても、実際に住んでみると「こうすれば良かった」「イメージと違う」など、住む前に描いていた理想とのギャップを感じてしまうこともあります。家づくりの中で予算の関係で妥協した部分があれば、余計に不満が募りマイホームブルーの原因となることがあります。
マイホームブルーになるとどんなことが起きる?
マイホームブルーになると、気分が落ち込んだり、イライラしたりと精神的に不安定な状態になります。中には食欲の低下や不眠を訴える方もいます。そうした状態で家づくりを続けていると、マイホームブルーがもっとひどくなることもあります。そうなると、夫婦喧嘩が勃発したり、どうしても意見が合わずにマイホームの購入をキャンセルせざるを得ない状況になる方なども出てきます。マイホーム購入からのマイホームブルーをきっかけに、夫婦の価値観の違いが浮き彫りになり、離婚に至ってしまうケースもあります。
万が一離婚することになった場合、融資実行前のタイミングであれば住宅ローン契約をキャンセルできますが、既に新居が完成した後の場合、離婚後は新居に住む・住まないに関わらず、住宅ローンを返済しなければなりません。新居が完成して間もなく売却となった場合、住宅ローンの残債が不動産の時価を上回り、売却してもローンを完済できない「オーバーローン」となる可能性が高くなりますので、注意したいですね。
マイホームブルーを避けるために―気をつけたい3つのポイント
マイホームブルー回避のポイント1.ライフプランに合わせた資金計画を立てる
マイホームブルーを避けるためには、住宅ローンは「借入可能額」ではなく「無理なく返済できる金額」の範囲内で借り入れをして、不測の事態が起きても返済が滞らないように計画することが大切です。
子どもは何人まで考えているのか夫婦で話し合うとともに、不妊治療を受ける可能性や、共働きの家庭では産休や育休による収入減の可能性、子どもの教育資金がどの程度かかるのか考えておきましょう。親の介護や、自身の老後費用なども見据え「いつ」「いくらくらい」お金が必要になりそうか把握したうえで、無理なく返済できる金額を導き出します。頭金を十分に準備することで、月々の住宅ローン返済額を減らす方法も有効です。より詳細な計画を立てたい場合は、FPに相談することをおすすめします。
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マイホームブルー回避のポイント2.新居を建てる予定地は何度も足を運ぶ
マイホームブルーにならないためにも家を建てる予定地は、何度も足を運んで周辺環境をチェックしましょう。できれば朝・昼・夜と時間を変えて訪れることで「昼は静かだけど夜になると騒がしくなる」「朝晩は車の交通量が多く、子どもを一人で歩かせるには危険」など1度行くだけでは分からなかった騒音や交通量に気づくかもしれません。周辺の店舗なども一通りチェックすることで「徒歩5分と書いてあったスーパーへ行くのに坂道がきつい」「街灯が少なくて帰宅が不安」といったマイナスポイントを発見することもあります。別の土地を購入する選択もありますし、家づくりの段階で防音性能を高めるなど対策を講じることもできます。
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マイホームブルー回避のポイント3. 住宅展示場やモデルハウスをチェック
マイホームブルーにならないためには、マイホーム完成後のイメージを持つことが大切です。家そのものに対する不満は、設計段階に気づいていれば解消できることがほとんどです。「間取り図を見てもよく分からない」という方が多いと思いますが、住宅展示場やモデルハウスを積極的に見学することで、これから建てるマイホームの具体的なイメージを掴みましょう。間取りや動線、設備の使い勝手、素材の見た目や質感などを実際に見て、新生活をシミュレーションできます。入居後の住まいを見学できる機会があれば、施主から生の声を聞くこともでき、より参考になります。
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マイホームブルーになってしまったときの克服方法
マイホームブルーになってしまったとき、どうすれば状況を改善できるのでしょうか。
マイホームブルーの克服方法1:原因と向き合い不安を取り除く
家づくりの検討段階でマイホームブルーになってしまった場合、何らかの原因で不安になり、精神的に不安定になってしまうケースが多いようです。多くの人にとって初めての家づくりですから、知識も経験もない中、手探りで進めていれば壁にぶつかるのは当然のことです。
不安なことがあれば、納得がいくまで徹底的に情報を収集しましょう。できればインターネットなどで調べるだけでなく、書籍を読んだり、ハウスメーカーの担当者に相談したり、専門家に相談すると良いでしょう。気になる土地には何度も足を運んだり、勉強会に参加しても良いでしょう。
「時間が足りず、余裕がない」「夫婦でどうしても意見が合わない」「ハウスメーカーから気の進まない提案をされている」と感じたら、一旦計画を中断する勇気も必要です。無理せず、一度家づくりから距離を置くことで冷静になり、すべきことややりたいことが見えてくることもあります。
お金の面で心配なのであれば、頭金をどの程度準備できるのか貯蓄状況を確認するとともに、家計を見直しましょう。保険料や通信費、光熱費などをスリム化することで家計に余裕ができ、住宅ローンの無理のない返済計画が立てやすくなります。
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マイホームブルーの克服方法2:模様替えやリフォームをする
住み心地に関する悩みでマイホームブルーに陥っているのであれば、まずは模様替えやDIYなどにより、住みやすくする工夫をしてみましょう。家具のレイアウトを変えたり、照明を増やしてみたり、カーテンを変えたりするだけで家の印象を大きく変えることができますし、大きな家具を動かせば動線も変わります。
「収納が不足している」「デザインが気に入らない」といった悩みであれば、DIYで解決できるかもしれません。DIYで対応が難しい悩みがあれば、思い切ってリフォームを依頼しても良いでしょう。住みやすく改善できれば、マイホームブルーを乗り越えることができるはずです。
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マイホームブルーを回避する家づくり まとめ
マイホームブルーに陥ってしまうと、せっかくの家づくりや新しいマイホームでの暮らしを楽しめなくなってしまいますし、家族関係にひびが入ってしまうこともあります。漠然とした不安や不満を抱えている場合はそのままにせず、原因を突き詰め、具体的な解決策を考えましょう。行き詰ったら、不動産業者やハウスメーカーの担当者、FPといった専門家や、家づくりを経験した人に相談をしてください。問題をクリアした先には、より幸せなマイホームライフが待っているはずです。
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