風水鑑定士が解説! 運気を呼び込む土地の選び方とお家・間取りづくりのポイント

新築一戸建ての購入時や新居を探す際、「風水」を意識される方は少なくありません。では、土地選びやお家・間取りづくりに風水を取り入れたい場合、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか? 風水鑑定士として、さまざまなメディアでご活躍中の小西紗代さんに解説していただきました。

小西紗代  プロフィール

風水鑑定士小西紗代のプロフィール
小西紗代  プロフィール

風水鑑定士、整理収納アドバイザー、生前整理アドバイザー準一級認定指導員

幼稚園教諭を経て、整理収納アドバイザー1級、風水鑑定士の資格を取得。2011年夏より整理収納サロン「神戸のちいさな収納教室」を主宰。整理収納・風水・Evernoteを用いた21世紀の開運収納を伝えるセミナーや雑誌、テレビ、ラジオでも幅広く活躍中。
著書に『さよさんの片づけが大好きになるベストアイデア』(宝島社)、「さよさんの『物の手放し方』事典(講談社)等、多数。
http://fino-life.com/  

風水鑑定士の小西紗代です。風水は、より良い生活環境を整えるための学問として生まれ、時代に合わせて進化してきました。占いやオカルトのようなものとしてとらえられる方もいらっしゃいますが、現在の価値観に置き換えても納得できる部分はあるかと思いますので、土地選びやお家づくりの参考となれば幸いです。

風水とは

風水は環境学の一種

風水は今から4000年以上前に中国で生まれた学問で、現在では環境学の一種としてとらえられています。日本では1990年代に、Dr.コパ氏がメディアでご活躍されたことで、一般の方にまで知られるようになりました。

風水では、五感に良い刺激を与えることが重要とされています。五感が喜ぶことを積極的に取り入れることで、自らの心身や周りの環境が整えられ、開運につながると考えられているからです。また、五感に良い刺激を与える暮らしをすることで、本来備わっていた第六感が活性化し、普段の生活の中で開運につながる判断が直感的にできるとも言われています。直感的に良いと思って選んだ物件が、後に調べたら風水的にも最高な物件で、業績が上がったり、子宝に恵まれたりといった話も聞きますので、興味を持たれた方はお家選びにも風水を取り入れてみてくださいね。

風水とお家の関係

風水とお家の関係

風水をお家に取り入れる際は、「巒頭(らんとう)法」と「理気(りき)法」という、2つの考え方が大切であると伝えています。「巒頭法」は、土地や周りの環境を重視する考え方で、目に見える土地の形状や住宅環境をもとに、風水的に理想の立地であるかを判断します。

一方で「理気法」は“気”の流れを重視する考え方です。“空気”の流れと置き換えると分かり易いですね。風水では目には見えない陰陽の気が、日常の中に張り巡らされていると考えられています。なので、お家づくりに生かす場合は、玄関の広さや換気の効率などを意識することがポイントです。陰の気が溜まりづらく、陽の気を取り込みやすいお家にすることで、運気が高まり、快適に暮らすことができるわけです。

しかし、風水を意識しすぎるあまり、生活しづらいお家を建ててしまっては元も子もありません。最も大切なことは、五感にとって心地良い状態の住環境を整えること。あくまでも、快適で暮らしやすい住まいが開運への第一歩なので、風水を取り入れる際は、暮らしに不便さを感じない範囲で取り入れるのがオススメです。

新築時に風水を取り入れるには?

新築時に風水を取り入れたい場合は、施工を依頼するハウスメーカーにその旨をしっかり伝えるようにしましょう。ハウスメーカーの営業マンが風水鑑定士を紹介してくれるはずです。私も経験がありますが、風水鑑定士がお家づくりのアドバイスをするケースは少なくありません。双方の意見を取り入れたマイホームであれば、暮らしに不便さを感じることはほとんどないでしょう。

また、どのような土地にお家を建てるかも重要です。風水的に良い、悪いとされている土地がいくつかあるので、ご紹介していきます。

風水で良いとされる土地の特徴

風水で良いとされる土地の特徴

雑草が生い茂っている日当たりの良い土地

雑草がグングンと生い茂った日当たりの良い土地は、土壌が豊かで、良い気が流れている証拠です。見た目は管理が行き届いていない土地に見えるかも知れませんが、風水的に見れば最上級に良い土地と言えます。

整備された公園が近くにある土地

整備された公園が近くにある土地は気の流れが良い

公園が近くにある土地は、活発な子どもたちが集まりやすいことから陽の気が流れやすいとされています。また、周りに樹木が植えられていることが多く、視覚に良い刺激を与えてくれるでしょう。ただし、整備がされていない公園だと景観が悪く、活気が感じられないことも多いので、あまり良くありません。しっかりと下見をし、キレイな状態で人が集まっているかを確認しましょう。

地名に「岡」「丘」「台」「山」「上」などがつく土地

かつて高台であった土地は、地名に「岡」や「丘」、「台」などの漢字が付いていることがあります。高台をならした土地は水はけが良く、地盤もしっかりしていることから安全で、風水的に見ても陽の気を溜めやすいのが特徴です。ほかに「山」や「上」がつく土地も、元は高台であった可能性があるので、地名にどんな漢字が使われているかも注目してみてください。ただし、地名は土地の合併などで変更されることがあるので、実際に住む場合は、役場などで土地の歴史を調べるようにしましょう。

キレイな川の内側にある土地(道路の場合はカーブの内側の土地)

近くにキレイな川が流れる土地は、風水的に良いとされています。川のせせらぎは、聴覚に良い刺激を与えてくれますし、景観も良く、心地良い風が流れてくるので、五感を喜ばせてくれることでしょう。ただし、川の外側は氾濫を起こしやすく、川の外側に面した道路はカーブが多いことから、交通事故のリスクが高まってしまいます。川沿いの土地を選ぶ際は、川の内側で、なおかつ氾濫の心配が少ない高地がオススメです。また、川が近くにない土地でも、カーブの内側が風水的に好立地と言われています。

長方形の土地

長方形の土地は運気が安定する

土地の形状は、バランスの取れた長方形だと運気が安定するため理想的です。後ほど紹介しますが、三角形の土地や旗竿地(はたざおち)のような変わった形の土地はあまり良くないとされています。

風水で悪いとされる土地の特徴

三角形の土地や旗竿地

旗竿地は住み始めてから無駄なスペースに悩まされることが多い

三角形の土地や旗竿地(細い通路上の奥にあるまとまった敷地)は、土地の一部が欠けている状態とされるため、精神や健康に悪影響を及ぼすと言われています。また、これらの土地にお家を建てると、住み始めてから無駄なスペースに悩まされることが多く、生活に支障をきたすこともあるのでオススメできません。

墓地や斎場が近くにある土地

墓地が近くにある土地は陰の気が強い

当たり前に思うかも知れませんが、墓地や斎場の近くは陰の気が強いため、風水的に見ても悪い土地とされています。例えば霊柩車を見かけると、どうしてもネガティブなイメージを持ってしまいますし、墓地は景観が良いとは言えませんので、避けた方が良いでしょう。

高いビルが近くにある土地

高いビルが近くにある土地は陰の気が溜まりやすい

周りに高いビルが多く建っている土地は、心地良い風が流れにくいので、陰の気が溜まりやすいと言われています。お家の窓から見える風景も殺風景になりがちなので、五感に良い刺激を与えることができません。

パチンコ店や公営ギャンブル場が近くにある土地

パチンコ店や公営ギャンブル場など、大きな騒音が聞こえる土地も良くないです。公園の近くで聞こえる元気で活気のある音とは違い、けたたましい音は住生活においてストレスとなり、身体に良くない影響を及ぼしかねません。

地名に「さんずい」の漢字がつく土地

地名に「さんずい」の漢字がつく土地は、過去に水害があったり、湿気がたまりやすかったりする場所であることが多く、風水的に陰の土地だと言われています。風水では、湿気は「邪気」という考え方があり、運気を下げると信じられているのです。ただし、先ほどもお伝えしたように、地名は合併などによって変更されることがありますので、気になったら役場などでしっかりと調べることをオススメします。

開運につながるお家・間取りづくりのポイント

開運につながるお家・間取りづくりのポイント

最も重要なのは玄関

風水を意識してお家づくりをする場合、最も重要な場所は玄関です。玄関はお家に良い気を取り入れるための入り口となるので、新築の際はできるだけ玄関を大きくしてください。また、玄関の戸を開けてすぐの位置に壁や階段、窓があると、せっかく入ってきた良い気が滞ったり、外に逃げたりしてしまうのでオススメできません。お家のエントランスにあたるスペースは、少し広めに設計しておくと良いでしょう。

世帯主の寝室は一番広くする

玄関の次に大事な場所が寝室です。ご家庭によっては、一番大きい部屋を子ども部屋にするというケースを見かけますが、風水ではあまり良いとされていません。一家の主である世帯主がゆったりとリラックスできれば、運気も高められるので、世帯主の寝室は一番大きな部屋にしましょう。

屋根の形は切妻屋根にする

風水的に最も良い屋根の形「切妻屋根」

風水では屋根も重要な要素です。最近は、一方向に傾斜のある「片流れ屋根」のお家が増えていますが、気が片方に流れてしまうため、あまりオススメできません。最も良い屋根の形は、「切妻屋根」です。左右対称でバランスが取れており、屋根の最頂部が天に向かって伸びていることから、創造性と発展性を生みやすいとされています。

運気が逃げる? 家具レイアウトの注意点

運気が逃げる? 家具レイアウトの注意点

窓の正面に机を置かない

お子様の学習を捗らせたい場合や在宅勤務で集中したいときは、窓の正面に机を置かないようにしましょう。窓の方に向いて座ることを風水では「望空殺」と呼び、外の気の力を受けすぎてしまうことで、集中力が長続きしません。実際にやってみると分かるのですが、正面に窓があると、どうしても外を眺めることが多くなってしまいます。なので、机を設置する際は、なるべく壁に向かうようにしてください。

扉の正面にベッドを置かない

寝室のベッドは、扉を開けて正面に見える位置に置くのは控えましょう。扉から入ってくる悪い気に直接触れるのを避けるためです。風水では一般的に、良い気は曲線上に流れ、悪い気は直線上に流れると言われています。就寝時の無防備な状態のときに悪い気を直接受けることがないよう、扉の対角線にベッドを配置するようにしましょう。

【おまけ】鬼門は風水ではない!? 風水と家相の違い

【おまけ】鬼門は風水ではない!? 風水と家相の違い

最後に、お客様から尋ねられることが多い「鬼門」についてもご紹介します。実は、鬼門は「家相」という考え方に基づいたもので、風水と家相は似ているようで違うもの。風水が中国発祥の土地を見る学問であるのに対し、家相は風水をベースに江戸時代中期から後期に生まれ、庶民の間で流行しました。日本の風土をもとにした日本独自の統計学みたいなものと考えてください。

鬼門と裏鬼門の位置に玄関・水回りを置かない

鬼門とは、北東の方角を指します。北東は家相において、鬼がいる不吉な方角とされており、この位置に玄関やキッチン、トイレなどの水回りがあると、男性の運気が下がると言われているのです。また、鬼門と相対する南西の方角は裏鬼門に当たり、女性の運気が下がりやすい方角です。鬼門と同様、玄関や水回りを配置するには良くないとされています。

鬼門と裏鬼門に位置する場所には南天や柊を置くのがオススメ

鬼門と裏鬼門の場所に南天や柊を置くと厄除けになる

家相において、鬼門、裏鬼門は不吉な方角と言われていますが、敏感になりすぎると、お家を建てにくくなってしまいます。また、家相が生まれた400年ほど前の住宅と今の住宅では性能も大きく変わっていることから、あまり気にしすぎるのは良くないという考えもあります。

とは言え、現在でも気にされる方はやはり多いようです。そのような方には、鬼門と裏鬼門の位置に南天や柊の木を設置することを薦めています。南天は「難が転じる」、柊は「葉っぱが尖っているため鬼が嫌がる」という言い伝えがあるため、家相における一種の厄除けアイテムとされているからです。鬼門や裏鬼門に水回りがある場合、置くことを検討してみても良いかもしれません。

運気を呼び込む土地の選び方とお家・間取りづくりのポイント まとめ

風水では、五感に良い刺激を与え、快適に暮らせる住まいが開運につながるとされています。多くの方にとって、マイホームづくりは人生で一度きり。風水を取り入れる場合は、暮らしやすさと両立するかたちで、バランス良く取り入れるのがオススメです。

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