ナチュラルクリーニングでお風呂&洗面台をキレイに! 簡単お風呂掃除術をプロが解説

リラックスできるはずのお風呂場でゆっくり湯船に浸かっていたら、ふと目に入る黒ずみ汚れ。鏡を覗くと、カチカチのウロコ汚れが……なんてことはありませんか? 毎日使うからこそ、お風呂や洗面台は清潔にしておきたいですよね。ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんによると、浴室はお家の中でもとくに汚れやすい場所なので、毎日のリセットが重要なのだとか。バスタブに湯を張るとお風呂掃除が面倒だからシャワーで済ますという方もいるかもしれませんが、床や壁には汚れが溜まってしまいます。そこで、合成洗剤の製造経験と主婦の目線からナチュラルクリーニングを提唱する本橋さんに、浴室と洗面台の掃除術について伺いました。毎日の掃除法から汚れが発生した後の対策まで詳しくお聞きしたので、お風呂掃除が面倒な方はもちろん、肌トラブルを抱える方や赤ちゃんがいるご家庭も、ぜひ参考にしてみてください!

ナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえのプロフィール
本橋ひろえ プロフィール
ナチュラルクリーニング講師

北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業。化学系企業に就職し、化学事業部にて水処理事業、化学薬品販売、合成洗剤製造などに携わる。結婚を機に専業主婦へ転身。子どもが自身と同じアトピー体質だったことから、あらためて洗剤に興味を持ち、掃除、洗濯を中心とした家事を主婦目線、かつ化学的に解説するナチュラルクリーニング講座を開始。東京を中心に全国に広がり、現在はオンライン講座にも力を入れている。講師活動のほか、テレビ、雑誌、WEBなどのメディアで取材協力や監修でも活躍中。自宅で飼うかわいい3匹の猫たちのためにも無臭で安心安全なナチュラルクリーニングを実践。著書に『ナチュラル洗剤そうじ術』『ナチュラルおそうじ大全』などがある。
オフィシャルブログ「ナチュラルクリーニング講師 本橋ひろえ

ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえです。我が家には、カビが一切発生していません。マイホームを建ててから5年目の点検時に来られた業者の方が、「浴室の床下にカビがない!」と驚かれていました(笑)。一般的に浴室の床下はカビが生えやすいのですが、我が家はナチュラルクリーニングを実践しているので、カビは一切生えていないんです。ナチュラル洗剤を上手に活用してこまめに掃除すれば、カビの発生を抑制するだけでなく、鏡の水垢などしつこい汚れも付きません。浴室や洗面台の掃除は、頑固な汚れにならないうちに対策することが重要ですが、毎日やるならできるだけ簡単に済ませたいですよね? そのためにはナチュラルクリーニングが最適! まずはナチュラル洗剤について解説していきます。

目次
1.「重曹・クエン酸・石けん・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・アルコール」の5つで家中キレイに! プロが教えるナチュラル洗剤のメリット
2.皮脂や水垢、カビ……お風呂の汚れはナチュラル洗剤で落ちる? 重曹やクエン酸などを使う掃除術
3.洗剤不要で毎日たった5分! お風呂掃除がラクになる“究極のナチュラルクリーニング”とは?
4.汚れたら&週1回はやっておきたい! お風呂のナチュラルクリーニング術
5.浴室の黒カビ・雑菌は予防が重要! 対策とあわせて本橋ひろえさんが解説
6.洗面台もナチュラルクリーニングでピカピカ! 重曹&クエン酸で汚れを撃退
7.水垢が発生しにくい!? 新築一戸建てには「軟水器」がオススメ
8.ナチュラルクリーニングでお風呂&洗面台をキレイに! 簡単お掃除術をプロが解説 まとめ

「重曹・クエン酸・石けん・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・アルコール」の5つで家中キレイに! プロが教えるナチュラル洗剤のメリット

「重曹・クエン酸・石けん・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・アルコール」の5つで家中キレイに! プロが教えるナチュラル洗剤のメリット

突然ですが、お家に重曹はありますか? 私の主催するナチュラルクリーニング講座で聞いてみると、ほとんどの方は「重曹がある」と答えます。しかし、棚の奥にしまいっぱなしで使っていない方が少なくありません。理由は「使い道がわからない」から。市販の洗剤には、キッチンの換気扇、お風呂の風呂釜など、使う場所や用途が書かれていますが、重曹には明記されていないので、使い方がわからないそうなんです。

重曹は、油汚れを落とします。キッチンで調理中に出る油汚れも、食品から出る油汚れも、人の体から出る皮脂汚れもすべて重曹のようなアルカリ性洗剤でキレイになります。油汚れは酸性なので、アルカリ性洗剤を使うと、中和作用が働き、化学反応によって汚れが落ちるんです。お家の中で洗剤を使わないと落ちない汚れの8〜9割が油汚れと言われおり、実際に市販されている洗剤のほとんどがアルカリ性洗剤。つまり、台所用やお風呂用というように、場所別に洗剤を揃える必要はないんです。

アルカリ性洗剤なら「重曹・石けん・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」の3つだけで問題ありません。水垢や石けんカスのようなアルカリ性の汚れには酸性の「クエン酸」、カビや雑菌類には「アルコール・過炭酸ナトリウム」と、私が使うナチュラル洗剤はたったの5つ。場所と汚れに応じて洗剤を使い分ければ、「重曹・クエン酸・石けん・過炭酸ナトリウム・アルコール」だけで、家中をキレイにすることができるんですよ。

ナチュラル洗剤は“すすぎが簡単”という点もメリット

ナチュラル洗剤は“すすぎが簡単”という点もメリットのひとつ。台所用やお風呂用の合成洗剤を使うと、少量の洗剤でも泡立ちますよね。たくさん泡が出たほうがキレイに洗えているように感じるかもしれませんが、合成洗剤はよく泡立つぶん、すすぎが大変なんです。私が学生時代に実験器具を洗うときは、実験データに影響が出ないよう、泡切れしてから15回以上もすすいでいました。そのくらい合成洗剤の洗浄成分は残りやすいんですね。洗剤が残ると、カビの発生源になるなど新たな汚れを呼びますから、掃除の面でもしっかりとすすぐ必要があります。

その点ナチュラル洗剤は、すすぎが不要or簡単なので、洗浄成分を残さずに掃除できるだけでなく、手肌に優しく、赤ちゃんやペットがいても安心なんですよ。すすぎに手間がかからないので、時短もできて家事の負担が軽くなります。何種類も洗剤を買い揃える必要がなく、収納も管理も簡単にできて環境にも優しい、メリットだらけのナチュラルクリーニングはどなたにもオススメですね。

ナチュラルクリーニング&ナチュラル洗剤についてもっと詳しく知りたい方はコチラ

皮脂や水垢、カビ……お風呂の汚れはナチュラル洗剤で落ちる? 重曹やクエン酸などを使う掃除術

お風呂は毎日使うので、掃除をしてもすぐに汚れてしまいます。では、お風呂の汚れにはどんなものがあるのでしょうか? 汚れに応じた洗剤とあわせて見ていきましょう。

●湯垢(角質汚れ)・皮脂

【ナチュラルクリーニング】重曹・過炭酸ナトリウムで落とせるお風呂の汚れ

湯垢は、シャワーや湯船に浸かったときに剥がれ落ちる皮膚が原因の汚れです。お風呂の床や浴槽内に付きやすく、ザラザラしています。酸性の汚れなので、重曹や過炭酸ナトリウムのようなアルカリ性の洗剤を使いましょう。とくに浴室は素肌が触れる場所なので、入浴剤の成分としても使用される重曹で掃除するのがオススメ。重曹なら素手で触れるので入浴中にも掃除できますし、すすぎが甘くても心配いりません。皮脂も酸性汚れですから、同様に落とせますよ。

●水垢

【ナチュラルクリーニング】クエン酸で落とせるお風呂の汚れ①

鏡やシャワーヘッドなどに発生する、白くてうろこ状のカリカリ・カチカチした汚れは「水垢」。水垢の原因は、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルです。アルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸を使って掃除しましょう。

●石けんカス

【ナチュラルクリーニング】クエン酸で落とせるお風呂の汚れ②

石けんカスは、シャンプーやボディーソープなどの石けん成分と水道水のミネラルが反応してこびり付いた汚れです。石けんカスがつくのは、洗面器や椅子、シャンプーボトルのようなプラスチック製品の表面。放置するとカビの発生源になる厄介な汚れですね。石けんカスもアルカリ性の汚れですから、クエン酸を使ってください。

●カビ・雑菌類

【ナチュラルクリーニング】過炭酸ナトリウムで落とせるお風呂の汚れ

カビや雑菌は、浴槽のフチのシーリング部分、または排水口に付きやすい汚れです。カビや雑菌には過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)が効果的。漂白と除菌作用があるので、カビや雑菌を除去してくれますよ。予防には、殺菌・消毒作用をもつアルコールを使いましょう。

どの汚れも蓄積すると落としにくくなりますから、お風呂場は毎日の掃除が大切です。毎日と言っても、5分もかからないのでご安心を! それでは、最低限やっておきたいお風呂の毎日掃除についてお話します。

洗剤不要で毎日たった5分! お風呂掃除がラクになる“究極のナチュラルクリーニング”とは?

洗剤不要で毎日たった5分! お風呂掃除がラクになる“究極のナチュラルクリーニング”とは?

お風呂の掃除は、入浴直後なら洗剤がいりません。実は、私が提唱するナチュラルクリーニングは、ナチュラル洗剤を使う掃除だけを指しているわけではないのです。掃除をするうえで最も簡単なのは、洗剤を使わない“究極のナチュラルクリーニング”。洗剤を使わなければすすぐ必要もありませんし、ラクにお風呂をキレイに保つことができます。掃除と言えないくらい少ない手間で毎日継続できる、掃除嫌いの私が編み出した“究極”の掃除法というわけです! 最後にお風呂に入った人のタスクとして家族で共有すれば、誰が使ってもピカピカな状態を保てることでしょう。ここからは、浴室内の掃除方法を場所ごとに解説していきます。

浴室掃除は入浴後がベスト! 毎日のお風呂掃除の方法とコツ

浴室掃除は入浴後がベスト! 毎日のお風呂掃除の方法とコツ

お湯を流したばかりの温かい浴槽は、スポンジで擦って水で流すだけ。浴室はすべて、使ってすぐなら洗剤は必要ありません。さらに、水だけで汚れを落とせる道具を使えば、キレイ度がもっとアップしますよ。

浴槽などで使う掃除道具でオススメなのは、富士商の「かきとるメッシュクロス」。一般的なお風呂用スポンジは厚みがあって乾くのに時間がかかりますが、メッシュクロスなら薄いのですぐに乾きます。湿っている時間が長いと雑菌が繁殖しやすく、カビの原因になることも。「かきとるメッシュクロス」はキッチン用ですが、バスタブを傷付けにくく、汚れがキレイに落ちるので、お風呂用としても重宝しています。

床は、ブラシで擦り洗いをしましょう。もちろん洗剤は不要、擦るのは汚れやすい部分だけでOK! 毎日やるのは、排水口周りとカウンター付近ですね。あとは「今日はドア付近、明日は四隅」というようにローテーションしていきます。

床掃除にはアズマ工業「sm@rt779 浴室床洗い」がイチオシです。スポンジとブラシが合体したような商品で、通常の浴室用ブラシよりもキレイに仕上がるため、掃除が手早く終わりますよ。隅っこの汚れもしっかり落とせて、落ちている髪の毛が絡まないのでストレスフリー。さらに、壁に貼り付け可能なマグネット式ですから、早く乾いて衛生的なので私のお気に入りです。これひとつで床だけでなく壁や浴槽など、浴室のあらゆる場所に使えますよ。

最後は、鏡や壁、窓もシャワーで流して、浴室全体をスクイージーで水切りしましょう。水気が残ると、水垢汚れになったり、カビの発生源になったりしますから、十分におこなってくださいね。スクイージーは長さと横幅のあるものがオススメ。天井から床まで一気に水気が切れるので、より手間が省けます。マグネットタイプだと収納にも乾かすのにも便利ですね。道具選びは掃除をさらにラクにするポイントだと言えるでしょう。

また、入浴前に浴室全体にシャワーをかけておくと、汚れが付きにくくなりますよ。乾いた状態よりも濡れた状態のほうが飛び散ったシャンプーや洗剤類を流しやすいので、家族全員に情報共有しておくのもお風呂掃除をラクにするコツですね。

使うのは重曹だけ! 浴室掃除を翌日に回すときの掃除法

使うのは重曹だけ! 浴室掃除を翌日に回すときの掃除法

浴槽のお湯を抜いて、翌日に掃除をする方もいらっしゃると思います。時間が経つと汚れが落ちにくくなるので、入浴後すぐに掃除ができない場合は、ナチュラル洗剤を使って掃除しましょう。

【浴槽に使う洗剤】
・重曹(粉)

【浴槽の掃除手順】
①浴槽をシャワーで濡らす
②メッシュクロスに重曹粉末を付け、湯垢を落とすように磨く
③水で流す

浴槽の主な汚れは湯垢と皮脂です。重曹の粉末をクレンザー代わりにして擦り落としましょう。前もってシャワーで濡らすことで、浴槽に付着した酸性汚れが緩まって落としやすくなりますよ。ちなみに、重曹は粉の状態では洗浄効果がありません。水と合わさって初めてアルカリ性となるため、重曹は浴槽を濡らしてから使うのがポイント。毎日キレイに使っているにもかかわらず気になる汚れが出てきたら、同じ手順で掃除をすればOKです。

汚れたら&週1回はやっておきたい! お風呂のナチュラルクリーニング術

汚れたら&週1回はやっておきたい! お風呂のナチュラルクリーニング術

毎日のお風呂掃除は洗剤なしでOKですが、汚れを見つけたらナチュラル洗剤を使いましょう。週1回を目安に掃除すると、浴室をキレイに保てますよ。私がお風呂掃除で使うナチュラル洗剤は、「重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・アルコール」の4つ。ナチュラル洗剤の使い方を含めて、それぞれの掃除方法を解説していきます。

重曹でお風呂の「床」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

重曹でお風呂の「床」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

【床に使う洗剤】
重曹(粉末)

【床の掃除手順】
①床をシャワーで濡らす
②床に重曹をまんべんなく振りかける
③浴室用ブラシでこすり洗いする
④水で流す

すすぎ残したシャンプーや体から出る汚れがお風呂の床に残ってしまうと、黒ずみの原因になるので、ブラシを使って隅々までこすり洗いしましょう。浴室用ブラシは、先ほどご紹介したアズマ工業の「sm@rt779 浴室床洗い」がオススメです。

クエン酸でお風呂の「鏡」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

クエン酸でお風呂の「鏡」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

【鏡に使う洗剤】
クエン酸

【クエン酸水のつくり方】
鏡の掃除には、クエン酸を水に溶かした「クエン酸水」を使います。クエン酸水は、濃度が1%になるようにつくりましょう。200ミリリットルの水に、小さじ1/2のクエン酸を加え、スプレーボトルに入れます。クエン酸は金属を錆びさせるので、スプレーボトルは金属を使っていないものを選んでくださいね。つくったクエン酸水は2〜3週間ほど保存可能です。

【鏡の掃除手順】
①鏡全体にクエン酸水をスプレーする
②キッチンペーパーで鏡を覆い、さらにクエン酸水をスプレーする
③5分ほど置いたら、キッチンペーパーを剥がし、メッシュクロスで擦り洗いをする
④水垢が取れない場合は、メラミンスポンジ or 耐水性の紙やすりをヘラに巻き付けたもので擦り落とす
⑤水で流して、マイクロファイバークロスなどで水気を拭き取る

浴室の鏡に付いている白くてカリカリ・カチカチしている汚れは水垢です。水垢は落ちにくいので、クエン酸水とキッチンペーパーでパックしましょう。パック後にメッシュクロスで擦っても落ちない場合は、メラミンスポンジや耐水性の紙やすりで削るしかありません。しかし、メラミンスポンジや紙やすりは研磨力が高く、鏡に傷が付いてしまいますから、あくまで最終手段。ちょっとした水垢を見つけたらすぐにクエン酸パックをする習慣が身に付けば、削らないといけなくなるほどにはなりませんよ。

【クエン酸使用の注意点】
クエン酸を使った直後は、塩素系の洗剤を使わないでください。混ざると有毒ガスが発生して非常に危険です。「まぜるな危険」と記載されている洗剤とは、絶対に一緒に使ってはいけないと覚えておきましょう。また、クエン酸水が周辺の蛇口や鏡の留め具などの金属に垂れた場合は要注意。サビの原因となりますので、必ず流水で洗い流し、乾いた布で拭いてください。

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)でお風呂の「風呂釜・小物」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)でお風呂の「風呂釜・小物」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

【風呂釜・小物に使う洗剤】
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)

【風呂釜・小物の掃除手順】
①風呂釜の穴(循環口)より上に水を張り、桶や椅子などの小物をすべて入れる
②過炭酸ナトリウムを2カップ入れる
③追い焚きボタンを押し、設定温度を最高温度に変える
④追い焚き後、30分ほど放置し、再び追い炊きしてから排水する
⑤再度、水を張って追い焚きする
⑥排水し、水気を取り除く

普段は手の届かない風呂釜の配管も、過炭酸ナトリウムを入れて追い焚きすればキレイになります。一緒に桶や椅子などの小物も入れて浸け置き洗いしましょう。小物は、シャンプーなどのボトルも一緒に入れてOKです。ポイントは、水から追い焚きすること。お湯から追い焚きするとすぐに終わってしまい、しっかり除菌できません。そして、追い焚きが終わったら30分ほど放置し、緩んだ汚れを剥がして流すために再び追い焚きをしてから排水します。⑤で再度水を張り直して追い焚きするのは、風呂釜の配管内を掃除するためです。浴槽に蛇口がない場合は、シャワーで水を溜めてくださいね。

風呂釜が2つ穴タイプであれば、⑥排水した後に水圧を上げたシャワーで、上下の穴から水を入れてください。2つ穴は下の穴からお湯を吸い込み、上の穴から自然と吐き出す仕組みなので勢いが弱く、1つ穴よりも配管に汚れが残りやすいんです。掃除頻度も1つ穴は2ヶ月に1回でOKですが、2つ穴は1ヶ月に1回を目安に掃除しましょう。

また、浴槽にお湯を入れっぱなしにすると風呂釜も汚れます。お湯の温度が30℃を下回ったあたりから爆発的に雑菌が増えるので、毎日お湯が冷める前に排水しましょう。お風呂全体にカビも生えやすくなるため、お風呂掃除を翌日に回すとしても、お湯は抜いてくださいね。

クエン酸でお風呂の「シャワー」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

クエン酸でお風呂の「シャワー」掃除! ナチュラルクリーニング洗剤の掃除術

【シャワーヘッドに使う洗剤】
クエン酸

【シャワーヘッドの掃除手順】
①洗面器にクエン酸水をつくる(例:水1リットルにクエン酸大さじ1)
②シャワーヘッドを浸ける
③10分ほど漬け置きしたら、使い捨ての歯ブラシなどで擦る
④水ですすぎ、マイクロファイバークロスなどでしっかりと乾拭きする

シャワーヘッドに付いている、白くてガリガリした汚れは水垢です。シャワーの出が悪くなったり、水が変な方向に飛んだりしていたら、目詰まりを起こしているかもしれません。クエン酸を使えば簡単にキレイになるので、定期的に掃除するようにしましょう。注意点として、クエン酸水をつくる際は、プラスチック製の容器を使うようにしてください。クエン酸は強い酸性なので、金属製を使うと錆びたり痛んだりする可能性があります。

また、シャワーは「ヘッド」だけでなく、「ホース」も意外と汚れているんですよ。気付かないうちにカビが生えているケースも多いので、シャワーヘッドを浸け置きしている間にホースも一緒に洗いましょう。

【シャワーホースに使う洗剤】
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)

【シャワーホースの掃除手順】
①過炭酸ナトリウムを50〜60℃のお湯で溶かし、キッチンペーパーを浸す
②シャワーホースに貼り付け、30分ほどパックする
③水で流し、乾いたマイクロファイバークロスなどで水気を拭き取る

アルコール(消毒用エタノール)でお風呂の「ドア」掃除! ナチュラル洗剤の掃除術

アルコール(消毒用エタノール)でお風呂の「ドア」掃除! ナチュラル洗剤の掃除術

【ドア(浴室側)に使う洗剤】
アルコール(消毒用エタノール)

【アルコール水のつくり方】
アルコールは、濃度が高いとお家の設備を傷める可能性があるので、35%に希釈して使います。水110ミリリットルに消毒用エタノール90ミリリットルを加え、スプレーボトルに入れましょう。使用できる容器は限られていますが、PP(ポリプロピレン)またはPE(ポリエチレン)であれば問題ありません。容器には注意書きがされているはずですから、アルコールが入れられるものを選んでくださいね。保存の目安は3ヶ月ほどです。

【ドア(浴室側)の掃除手順】
①ドアの溝をブラシなどで擦り洗いする
②水で流し、乾いたマイクロファイバークロスで水気をしっかり拭き取る
③乾いたら、アルコール水をスプレーする

浴室側のドアには、床と同様に湯垢や石けんカスなどが付着しています。とくにドアの溝は普段の掃除では汚れが落ちきっていないこともあるので、細かいブラシを使って掃除しましょう。ドアの汚れを洗い流した後は、水気を十分に取り除いてからアルコール水をスプレーします。アルコールには除菌や防カビの作用があるため、カビの生えやすいドアのゴムパッキンは、できれば毎日乾拭きしてアルコール水をスプレーしておくと予防になりますよ。

浴室の黒カビ・雑菌は予防が重要! 対策とあわせて本橋ひろえさんが解説

浴室の黒カビ・雑菌は予防が重要! 対策とあわせて本橋ひろえさんが解説

浴室にカビが発生すると取り除くのが大変ですから、予防・対策が肝心です。カビが生える条件は「温度」「水分」「エサ」の3つ。浴室に水分が残った状態で室内が20℃以上になると、すすぎ残したシャンプーなどの汚れをエサに繁殖してしまいます。黒カビ以外にもお風呂でよく見かける赤カビは「ロドトルラ」という酵母菌の一種ですが、繁殖しやすい条件は同じです。

初期の黒カビであれば、過炭酸ナトリウムでパックをすれば取れますが、時間が経ち、根が張ってしまうと、カビ取り剤を使うしかありません。そうなる前にできることは、3つの条件のうち、どれかひとつでも除去しておくことです。

最も手軽なのは、浴室の水気をしっかりと取り除くこと。毎日欠かさずにおこなえば、カビの発生を防げます。加えて、排水口に溜まった髪の毛などのゴミを取り除くようにするとさらに良いですね。放置すると、ぬめりや悪臭が発生するので、毎日おこないましょう。受け皿やフタはメッシュクロスでサッと洗い、週に1回は排水口の部品をすべて外して、擦り洗いをするとさらに◎。カビの胞子は低いところから高いところへ飛ぶので、床掃除は重点的におこないましょう。掃除が終わったら、換気扇を回したり窓を開けたりして、一刻も早く浴室内の湿度を下げます。ただし、夏場は換気しても20℃以下にはならないので要注意。浴室掃除の道具は、使ったあとに乾きやすいものを選ぶのも重要です。水切りの良いものを準備して、カビや雑菌の繁殖を防ぎましょう。

洗面台もナチュラルクリーニングでピカピカ! 重曹&クエン酸で汚れを撃退

洗面台もナチュラルクリーニングでピカピカ! 重曹&クエン酸で汚れを撃退

脱衣室に洗面台があるお家も少なくないでしょうから、洗面台の掃除についても解説します。洗面台の主な汚れは水垢です。手洗いや洗顔などをおこなうので、皮脂汚れもありますね。洗面台も普段からこまめに水気を拭き取っておくと、頑固な汚れにはなりませんよ。それでは、掃除方法をお話します。

【洗面ボウルの洗剤】
・重曹(粉)……皮脂
・クエン酸……水垢

【洗面ボウルの掃除手順】
①洗面ボウルを濡らしておく
②汚れが気になる箇所に粉末の重曹を振りかける
③メッシュクロスで磨くように擦り洗いをし、水で流す
④蛇口を含めてシンク全体にクエン酸をスプレーする
⑤蛇口は入念に水拭きする
⑥マイクロファイバークロスでしっかりと水気を拭き取る

洗面ボウルの主な汚れは皮脂汚れと水垢です。皮脂汚れには、重曹を使って掃除しましょう。粉末の重曹をクレンザー代わりにして掃除するのは、浴槽や浴室の床と同じです。汚れがこびり付く前に取り除いておくと掃除がラクなのはどこも変わりません。洗面ボウルが歯磨き粉やメイク用品、洗顔フォームなどで汚れたら、すぐに洗い流すようにしましょう。時間が経てば経つほど掃除は大変になってしまいます。

水垢は、クエン酸水で掃除します。クエン酸は残ると金属を錆びさせるので、しっかりと水ですすいでから水分を拭き取りましょう。洗面台が大理石の場合も、傷んでしまうのを防ぐため、クエン酸水が残らないように水ですすぐようにしてくださいね。

ホコリが溜まりやすい洗面台と壁との隙間やキャビネットなどは、日頃からこまめにハンディワイパーで掃除をしましょう。洗面台の鏡は、ホコリを取り除いたらアルコール水をスプレーし、乾いたクロスで拭き取ります。アルコールは、溶解作用で皮脂汚れを落としてくれるので、ひとつで何役もこなしてくれる優れもの。水分の苦手な照明も乾いたクロスにアルコール水をスプレーして拭き取れば、簡単にキレイになりますよ。ただし、曇り止め加工がされているタイプの鏡は、特殊加工が剥がれてしまう可能性があるので、アルコールの使用は避けてくださいね。

水垢が発生しにくい!? 新築一戸建てには「軟水器」がオススメ

水垢が発生しにくい!? 新築一戸建てには「軟水器」がオススメ

我が家には「軟水器」を設置しています。軟水器とは、水道管の根本に設置して、水道水を軟水に変えてくれる装置です。入浴後に肌がつっぱったり、石けんカスが発生したりするのは、水道水に含まれる「硬度成分」が原因なのだとか。水の硬度が高いと水垢や石けんカスが付きやすくなるので、掃除の面でも軟水のほうが良いんですね。軟水だと少ない洗剤でよく泡立ちますから、食器洗いも洗濯物も手間なくキレイに仕上がって、家事全般に良い影響を与えてくれます。

掃除以外にも、髪がサラサラになったり、素材が引き立つので食事が美味しくなったりとメリットはたくさん! 関東地方は水の硬度が高いので、関東にお住まいの方にはとくにオススメです。これから一戸建てマイホームを建てる方は、軟水器の導入を検討してみてはいかがでしょうか。今のお住まいに取り入れたい方は、シャワーに後付けできるタイプもありますよ。

ナチュラルクリーニングでお風呂&洗面台をキレイに! 簡単お掃除術をプロが解説 まとめ

毎日使うお風呂は汚れやすい場所ですが、1日1回、シャワーをかけてスクイージーで水気を取り除いておけば、簡単にリセットすることができます。もし気になる汚れを見つけても、汚れに合ったナチュラル洗剤を使えば手軽にキレイになりますよ。今現在、カビが生えてしまっているお家も、カビ取り剤で除去した後は、ナチュラルクリーニングでキレイな状態を保ちましょう。汚れたお風呂に入っていると身も心もキレイになった気がしないものです。今回お伝えしたことを参考に、毎日の簡単なお風呂掃除でリフレッシュできる気持ちの良い浴室を目指してくださいね!

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