
キッチンは毎日使う場所であり、食べ物を扱うからこそ、常に清潔にしておきたいですよね。しかし、キッチンは換気扇を筆頭に「掃除が大変」「時間がかかる」と、つい後回しにしてしまう方も少なくないでしょう。さらに汚れに合わせた洗剤を揃えたり、ブラシや手袋などの道具を準備したりするのも一苦労……。そんな悩みを持つ方々に朗報です! ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんによると、キッチンの汚れは、「重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・アルコール・石けん」のたった5種類のナチュラル洗剤で十分キレイにできるのだとか。しかも手肌に優しく、赤ちゃんやペットがいるご家庭でも安心して使えるそうです。化学薬品会社で合成洗剤の製造に携わった経験と主婦としての視点を合わせ持つ本橋さんに、キッチン掃除をラクにする秘訣を教えていただきました。換気扇はもちろん、シンクやコンロ、家電まで、キッチンを丸ごとピカピカにする方法を完全保存版でお届けします!

ナチュラルクリーニング講師
北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業。化学系企業に就職し、化学事業部にて水処理事業、化学薬品販売、合成洗剤製造などに携わる。結婚を機に専業主婦へ転身。子どもが自身と同じアトピー体質だったことから、あらためて洗剤に興味を持ち、掃除、洗濯を中心とした家事を主婦目線、かつ化学的に解説するナチュラルクリーニング講座を開始。東京を中心に全国に広がり、現在はオンライン講座にも力を入れている。講師活動のほか、テレビ、雑誌、WEBなどのメディアで取材協力や監修でも活躍中。自宅で飼うかわいい3匹の猫たちのためにも無臭で安心安全なナチュラルクリーニングを実践。著書に『ナチュラル洗剤そうじ術』『ナチュラルおそうじ大全』などがある。
オフィシャルブログ「ナチュラルクリーニング講師 本橋ひろえ」
ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえです。掃除をするとき、多くの方が洗剤を準備すると思います。お風呂にはお風呂用洗剤、トイレにはトイレ用、キッチンでもシンク用や換気扇用と、市販の洗剤は場所ごとに分かれていますよね。でも、ナチュラルクリーニングならどんな場所でも5つのナチュラル洗剤で対応できるんです。それって、とってもラクなことだと思いませんか? 私はアトピーに悩んだことから洗剤に興味を持ち、大学では化学を専攻しました。就職してからは合成洗剤の製造に携わり、知識を深めてから主婦になったことで、洗剤は場所ではなく“汚れで選ぶ”ものだと気付いたんです。ナチュラルクリーニングならキッチンのベタベタ、ギトギトした汚れもキレイに落とせますし、ナチュラル洗剤にはメリットもたくさん! お家の中でもとくに手間がかかるキッチン掃除について、洗剤の選び方から掃除方法までを詳しくご紹介していきますので、ぜひ試してみてください。
目次
1.「重曹・クエン酸・アルコール・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・石けん」5つのナチュラル洗剤で家中がキレイに!
2.【水垢やぬめり・黒ずみ汚れ】キッチンの水回り掃除 手順とポイント
3.【ベタベタ油汚れや焦げ付き】キッチンのコンロ周り掃除 手順とポイント
4.【ギトギト油汚れとホコリ】キッチン最強の敵! レンジフードや換気扇掃除の手順とポイント
5.【油汚れや食品汚れ】電子レンジなどのキッチン家電や食器棚の掃除 手順とポイント
6.油汚れや水垢汚れも簡単に落とせるようになる! 本橋ひろえさんのキッチン家事ラクお掃除術&道具選び
7.ナチュラル洗剤なら油汚れも簡単スッキリ! キッチン掃除術を本橋ひろえさんが伝授 まとめ
「重曹・クエン酸・アルコール・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)・石けん」5つのナチュラル洗剤で家中がキレイに!

まずは、洗剤を“使う場所”ではなく“汚れの種類”で選ぶ理由についてお話します。理論がわかると、汚れごとにどの洗剤を使えば良いかがわかるようになりますよ。
たとえば、お肉をフライパンで焼いてお皿に盛り付けているときに落としてしまい、服と床が汚れたとします。おそらく多くの方が服は衣類用洗剤、床は床用の洗剤、そしてフライパンとお皿は食器用洗剤で洗うことでしょう。しかし、汚れはすべて同じ“お肉の油汚れ”なので、実は「石けん」だけで落とせるんです!
洗剤を使わないと落とせないお家の汚れの8〜9割は、「油汚れ」と言われています。化学的な話になりますが、油汚れは酸性なので、調理中の油・食品から出る油・人の体から出る皮脂は、どれも石けんのようなアルカリ性洗剤で中和することで落とせるんですね。市販されている洗剤は、食器用、お風呂用のようにたくさんの種類がありますが、そのほとんどがアルカリ性だということはご存知でしょうか? つまり、洗剤の性質さえ理解すれば場所ごとに細かく使い分ける必要はないというわけです。
汚れの種類 | 使用する洗剤 |
---|---|
酸性 (油・食品・皮脂) |
重曹 石けん 過炭酸ナトリウム |
アルカリ性 (水垢・石けんカス) |
クエン酸 |
カビ・雑菌類 | アルコール 過炭酸ナトリウム |
色素 (シミ・茶渋・カビによる黒ずみなど) |
過炭酸ナトリウム |
ホコリ・砂・泥 | 洗剤不要 |
水垢や石けんカスの汚れには「クエン酸」、カビ・雑菌には「アルコール」「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」、色素汚れには「過炭酸ナトリウム」を使います。さらに「重曹」を加えた“5つのナチュラル洗剤”を用意すれば、お家の汚れをピカピカにできるのです。キッチンだけでなく、家中の汚れが5つの洗剤で済むので、コストも収納スペースも削減できますし、何より手肌への負担が少ないので肌の弱い方にもオススメ。自然素材の洗剤しか使用しないため、赤ちゃんやペットがいても安心して使えますから、どんな方にも試してほしいですね。
洗浄力も抜群なのにメリットだらけ! ナチュラル洗剤についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
キッチンの汚れとナチュラル洗剤の選び方

キッチンではどのように洗剤を使い分けるのか、詳しくお話ししましょう。キッチンは、水や油、さまざまな食材や調味料などを毎日使うため、お家のなかでも汚れやすい場所だと言えます。キッチンの汚れを見てみると、コンロの周りには油が飛び散り、排水口や三角コーナー、ゴミ箱は油や食品汚れ、加えて臭いも発生します。シンクは水垢と油汚れ、換気扇はホコリに油汚れがくっついてベタベタ……というように、キッチンにはたくさんの汚れがあり、一箇所にいくつも混在しているんですね。とは言え、ほとんどは油が含まれている汚れです。調理に使う油をはじめ、食品や人の体から出るベタベタ・ヌルヌルした汚れは酸性ですから、アルカリ性洗剤の「重曹・石けん・過炭酸ナトリウム」を使います。水垢はアルカリ性なので、酸性の「クエン酸」を使えば良いというわけですね。
「なんだか難しいな」「面倒くさそう」と思った方、ご安心ください(笑)。どの汚れに何を使えば良いのかわからなくても大丈夫! 簡単な判別法もご紹介します。もし、水回りが白くてガリガリ・ザラザラしていたら、それは水垢汚れです。水道水が原因となり発生するので、シンクや蛇口などでは「クエン酸」を使いましょう。基本的にクエン酸は水回り以外では使用しないので、キッチン掃除で使うメインの洗剤は「重曹orアルコール」と覚えておけば、洗剤選びに迷わないと思います。仮に使う洗剤を間違えても問題ありません。ナチュラル洗剤なら“汚れが落ちない”だけで、大きく失敗することがないので安心してお試しください。
ナチュラル洗剤と合成洗剤との大きな違いは、すすぎの簡単さです。食器洗いをしていて、スポンジがいつまでも泡切れしない、なんてことありませんか? これは合成界面活性剤による効果です。5つのナチュラル洗剤は、すすぎが不要、もしくは簡単なので、手肌にも環境にも優しいうえに、掃除がシンプルになりますよ。
キッチンで使うナチュラル洗剤のつくり方と注意点

キッチン掃除をする前に、洗剤の準備をしましょう。重曹とクエン酸は水に溶かし、アルコールは希釈して、「重曹水」「クエン酸水」「アルコール水」をつくります。では、つくり方やポイント、注意点をご説明しましょう。
【重曹水のつくり方と注意点】
・濃度:1%
・分量(例):40℃のお湯1カップ(200ミリリットル) + 重曹 小さじ1/2
・使用目安:当日中
・容器:ボウルやバケツ
重曹は水では溶けにくいので40℃くらいのお湯でつくりましょう。1日しかもたないため、大きめの容器につくって、複数箇所をまとめて掃除すると良いですね。2リットルの重曹水をつくるなら、濃度が1%になるよう小さじ5杯の重曹を入れましょう。重曹水は、濃度1%で十分。濃度が高くても洗浄力は強くなりません。それに濃いと、乾いたときに白く残ってしまって後始末が大変になります。また、重曹は掃除に使うのであれば、スーパーやホームセンター、100円ショップなどどこで買っても同じです。ただし、口にできないグレードなので、歯磨き粉やうがいに使用する場合は「食品用」を選びましょう。
【クエン酸水のつくり方と注意点】
・濃度:1%
・分量(例):水1カップ + クエン酸 小さじ1/2
・使用目安:2〜3週間
・容器:スプレーボトル(金属を使用していないもの)
クエン酸も1%の濃度で十分汚れが落とせます。重曹と同じく、濃くしても洗浄力は変わりませんし、濃度が高いと乾いたときに白く残ってしまいます。スーパーやホームセンター、100円ショップなどどこで購入しても品質は同じです。クエン酸も口に入れるような場合は「食品用」を選びましょう。
ただし、クエン酸を扱う際は注意点があります。塩素系の洗剤と一緒に使わないでください。有毒ガスが発生してとても危険です。「混ぜるな危険」と記載されている市販のカビ取り剤などと“酸性のもの”は絶対に混ぜてはいけません。また、大理石や鉄などの素材は錆びたり傷めたりする可能性があるため、該当する箇所には使わないようにしましょう。もしも目に入ったら強い痛みを発するので、すぐに洗い流してください。
【アルコール水のつくり方と注意点】
・濃度:35%
・分量(例):水110ミリリットル + 消毒用エタノール90ミリリットル(合計200ミリリットル)
・使用目安:3ヶ月
・容器:スプレーボトル ※PP(ポリプロピレン)またはPE(ポリエチレン)
アルコールは使用できる容器が限られます。「アルコールや化粧品を入れないでください」と注意書きされていないものを選びましょう。また、アルコールは引火性があるので、火気厳禁です。頻繁に使うときは、手が荒れないようゴム手袋を着用すると安心です。
それでは、場所ごとの掃除方法を解説していきます。
【水垢やぬめり・黒ずみ汚れ】キッチンの水回り掃除 手順とポイント
お家の水回りのなかで、最も汚れの種類が多いのがキッチンのシンクです。水垢や食品から出る汚れ、調理の油などが発生するので、食器洗いが終わったら毎日1回は掃除しましょう。食器洗いのついでにやれば、ほんの1〜2分で終わります。蛇口のガリガリ汚れも毎日掃除すれば付着しませんよ。
キッチンのシンク&蛇口掃除 手順とポイント

【シンク&蛇口】所要時間:1〜2分
①シンクに重曹(粉)を撒いて、拭き取るようにスポンジで磨き、しっかり洗い流す
②水垢にはクエン酸水をスプレーし、スポンジで擦ってから水で流す(水拭きでもOK)
③乾いたマイクロファイバークロスなどで水気を拭き取る
粉の重曹を使うとクレンザー代わりになり、シンクの水と混ざることで油や食品から出る汚れを落としてくれます。重曹での掃除が終わったら、クエン酸を使って水垢汚れを落としていきましょう。注意点は、重曹とクエン酸が混ざらないようにすること。2つが混ざると中和反応で中性になってしまい、洗浄効果がなくなるので、①では重曹が残らないようしっかりと洗い流してくださいね。
最後に水気を拭き取るのは、残った水気から水垢ができてしまうためです。1日1回でも水気を拭き取っていればキレイな状態を保てるので、②クエン酸水をスプレーする掃除は週1回でOKです。
【蛇口のガリガリ汚れ】所要時間:10分
①蛇口全体にクエン酸水をスプレーし、キッチンペーパーで包んで再度クエン酸水をスプレーして密着させる(クエン酸パック)
②5分ほど置く
③キッチンペーパーを取り除き、スポンジなどで擦り洗いをし、水で流す
④乾いたマイクロファイバークロスで拭き上げる
蛇口にガリガリした水垢がついてしまったら、クエン酸水でパックをしましょう。パックの後は、スポンジやクロスで擦り洗いをしてからすすぎます。最後に乾いたクロスで拭き上げるのは、水滴を残さないため。水滴が残ったままだと水垢の原因になるので、しっかりとおこないましょう。
キッチンの排水口掃除・パイプクリーニング 手順とポイント

排水口は、排水トラップに溜まっている水が古くなると、臭いや雑菌が発生します。キッチンのほかの施設と違って手の届かない部分があるので、過炭酸ナトリウムを使って浸け置きしましょう。
【排水口】所要時間:5分+浸け置き時間
①お湯を沸かす
②ゴミ受けや排水トラップの部品を外し、シリコン製マグカップカバーを乗せて蓋をする
③過炭酸ナトリウム(小さじ1〜2)を排水口に入れ、沸かしたお湯を静かに入れる
④お湯が冷めるまで浸け置きし、水を流す
排水口の掃除は、寝る前やお出かけ前がオススメです。③の手順までやっておけば、あとは水を流すだけなので、朝でも帰宅時でも手軽に掃除の仕上げができますよ。過炭酸ナトリウムは50〜60℃のお湯に溶かすと、発泡して汚れが浮きます。浸け置きすることで汚れを洗浄し、除菌と漂白ができますから、外した部品やゴミ受けも、一緒に浸けてしまいましょう。排水トラップの水に沸かしたお湯を入れると、ちょうど60℃くらいになるので、熱湯を入れても大丈夫です。100円ショップなどのシリコン製マグカップカバーを排水口に乗せると、簡単に蓋ができて便利ですよ。
【パイプクリーニング】所要時間:5分+浸け置き時間
①鍋に水(2リットル以上)とクエン酸(大さじ1)を入れ、沸騰させる
②重曹(1/2カップ)を排水口全体に振りかける
③①を排水口に注ぐ
④化学反応で発泡が起こる。落ち着いたら水を流す
水の流れが悪いと感じたら、パイプクリーニングをしましょう。パイプクリーニングも寝る前やお出かけ前がオススメです。重曹とクエン酸の化学反応による発泡を利用した方法で、膨らんだ泡が配管の汚れをはがして、キレイにしてくれるんですね。排水トラップが掃除できないタイプの排水口は、定期的にパイプクリーニングをおこなうと良いでしょう。また、①で使う鍋の材質には注意が必要です。アルミ製だと変色してしまうので、ステンレス製orホーロー製を使ってくださいね。
【ベタベタ油汚れや焦げ付き】キッチンのコンロ周り掃除 手順とポイント

コンロ周りは油が飛び散って、ベタベタ汚れが発生します。油汚れは、加熱すると焦げ付いてどんどん落としにくくなっていきます。五徳など部品も多くて掃除しにくい場所ですが、取り外せるものはすべて外し、キレイにしましょう。
【コンロ(五徳など鍋に入るサイズの部品)】所要時間:30分
①取り外しできる部品をすべて鍋またはフライパンに入れる
②部品が浸かる程度の水に、過炭酸ナトリウム(小さじ1)を入れる
③石けん(小さじ1)を入れ、火にかける
④沸騰したら火を止め、冷めるまで浸け置きする
コンロの部品で鍋やフライパンに入るサイズのものは、煮洗いをしましょう。しつこい油汚れを落とすには、重曹よりもアルカリ度の高い過炭酸ナトリウムを使うのがオススメ。こびり付きを緩めて剥がし落としてくれるからです。さらに洗浄力を高めるために、石けんも加えます。石けんは、粉石けんでも液体石けんでもOKですよ。
注意点は、洗剤は必ず水に入れること。沸騰したお湯に洗剤を入れると、発泡して吹きこぼれてしまうので、手順通りにおこないましょう。また、鍋やフライパンの材質にも要注意。テフロン加工は、重曹や過炭酸ナトリウムが発泡すると、傷がある部分が剥がれてしまう可能性があります。ステンレス製あるいはホーロー製なら、どのナチュラル洗剤を入れても安心ですよ。
【コンロ(大きい部品)】所要時間:30分
①シンクの排水口にビニール袋を敷き、ゴミ受けを上にはめる
②部品が浸かる程度に蛇口のお湯(60℃)を溜める
③部品と、過炭酸ナトリウム(大さじ2〜3)を入れる
④液体石けん(大さじ1)を入れ、お湯が冷めるまで浸け置きする
⑤汚れが残ったら、スポンジに重曹の粉末を振りかけて擦り落とす
コンロの大きい部品はシンクで浸け置きしましょう。お湯は、給湯器の設定温度を60℃に上げておきます。シンクにお湯を溜めるときは、ゴミ受けにビニール袋を噛ませると簡単ですよ。バケツなど大きな容器だと後片付けが大変ですが、シンクだとゴミ受けに噛ませたビニール袋を抜くだけ。溜めたお湯を一気に流すことで、パイプの詰まりも抜けます。月1〜2回ほど定期的にやると、コンロもパイプもキレイになり、一石二鳥ですよ!
ただし、アルカリ性の洗剤はアルミ製品には使用しないでください。変色する恐れがあるからです。とくに、過炭酸ナトリウムは重曹や石けんよりもアルカリ度が高いので、しっかりと材質を確認してから使用しましょう。
【コンロ本体】所要時間:5分
①部品を外す
②重曹水をまんべんなくスプレーし、使い捨てクロスで拭き取る
③こびり付いた汚れは、ヘラに使い捨てクロスを包んで擦り落とす
コンロの部品を浸け置きしている間に、本体を掃除してしまいましょう。拭き取りは、明らかに油でギトギトなら使い捨てできる布を使うとラクです。私は、使い古したタオルやTシャツなどを切ってストックしていますね。汚れが目立たないようならマイクロファイバークロスを使えば良いと思います。
【コンロ周りの壁・油はねガードなど】所要時間:5分
①重曹水をスプレーする
②重曹水に浸して、軽く絞ったキッチンペーパーを貼る
③5分経ったら、キッチンペーパーごと拭き取る
コンロ周りのキッチンパネルのような水拭きできる壁やガラス製の油はねガードがあるお家は、重曹水を使って汚れを浮かし取りましょう。コンロ近くの窓も同様の方法でキレイになりますよ。ここまでコンロ周辺をすべて掃除しても所要時間は15分ほど、浸け置き時間を入れても30分ほどです。意外と短時間でできるので、ぜひ定期的な掃除をしてみてください。
魚焼きグリルの掃除手順とコツ

【魚焼きグリル】所要時間:10分
①天板全体に、重曹の粉末を振りかけ、お湯に浸す
②焼き網を上に重ね、キッチンペーパーを乗せて、重曹を振りかける
③キッチンペーパーが網にぴったり張り付く程度にお湯で濡らす
④10分置き、水で洗い流す。残った汚れはスポンジで擦る
グリルは受け皿も焼き網も汚れが落ちにくいので、重曹で浸け置き&パックをしましょう。重曹の量は感覚でOK。最後に洗い流すので、濃度も気にしなくて大丈夫です。焼き網は大きくてお湯に浸けられませんが、キッチンペーパーで重曹パックをすると、汚れが緩まりスポンジで簡単に落とせます。食事中に浸けておけば、食べ終わったら洗い流すだけで済みますよ。
【ギトギト油汚れとホコリ】キッチン最強の敵! レンジフードや換気扇掃除の手順とポイント

キッチン最強、お家の中でも一番手強いとも言える汚れがレンジフードや換気扇ではないでしょうか。「掃除してもなかなかキレイにならない」「時間がかかる」など苦労している方も多いと思います。あのギトギトした汚れの正体は“油とホコリ”なんですよ。溜まったホコリに油がくっついて頑固な汚れになっているんです。換気扇は汚れが蓄積すると換気能力が落ちてしまいますから、定期的に掃除するようにしましょう。
キッチンの換気扇に限らず、油汚れは暖かい時期のほうが落ちやすいので、1℃でも気温が高いタイミングを狙いましょう。ただし、油や食品から出る汚れは雑菌の栄養源となるため、梅雨入り前の5〜6月ごろには掃除をしておきたいところですね。
【レンジフード】所要時間:10分
①レンジフードは、重曹水をスプレーし、使い捨てクロスなどで拭き上げる
②油がこびり付いていたら、重曹水を染み込ませたキッチンペーパーを貼る(重曹パック)
③5分置き、キッチンペーパーごと拭き取る
重曹パックは5分でOK。それ以上時間を置いて重曹パックが乾くと汚れが固まってしまうので、濡れているうちに終わらせるのがポイントです。
【フィルターやシロッコファンなどの部品】所要時間:15分
①シンクにお湯を溜め、過炭酸ナトリウムと部品を入れて浸け置きする
②お湯が冷めたら、擦り洗いする
③水で洗い流し、乾かす
排水口にシリコン製マグカップカバーを乗せ、シンクにお湯を溜めましょう。フィルターの擦り洗いには石けんを振りかけ、クロスやスポンジで擦ります。シロッコファンは専用のヘラを使うと良いですね。部品に応じて掃除しやすい道具を選ぶと、キレイに仕上がりますよ。
お家の空気のキレイさはキッチンの換気扇で決まる!? 換気扇掃除の極意

家中の空気をキレイに保つには、キッチンの換気扇をキレイにしておけば良い、と言っても過言ではありません。蒸気や油を含んだキッチンの空気を吸い集めて、換気するのが換気扇の役割です。換気扇がしっかり働いていないと、換気扇で吸い込むはずの油がダイニングやリビングに流れてしまい、家中がベタベタしたり臭ったりなんてことも……。ですから、換気扇の掃除は、年1回の大掃除では少ないんです。時間を置くとホコリと油がくっついて厄介な汚れになるので、こまめに掃除をすればするほどラクになりますよ。
最初は換気扇を取り外すハードルが高いかもしれませんが、月1回でも掃除していれば手がベタベタになることもないので、どんどん気軽に掃除できるようになると思います。換気扇にフィルターを付けているご家庭は、2週間〜1ヶ月くらいで交換しましょう。フィルターに油汚れが見えたら目詰まりしている証拠なので、交換時期の目安にしてください。お湯を沸かすちょっとした待ち時間などにレンジフードの汚れを拭き取るようにすると、さらにハードルが下がると思います。こまめな掃除はキッチンをキレイに保つだけなく、ひいてはお家を長持ちさせることにつながりますよ。
【油汚れや食品汚れ】電子レンジなどのキッチン家電や食器棚の掃除 手順とポイント
家電は水を使えないので、アルコール水での掃除が基本です。電子レンジやオーブントースターのような調理家電も汚れに応じた洗剤を使います。それでは、詳しく解説していきますね。
冷蔵庫の掃除手順とポイント

冷蔵庫の外側を掃除する時期は問いませんが、庫内は寒い時期が良いでしょう。暖かい時期よりも食材が傷みにくいので、掃除しやすいと思いますよ。
【冷蔵庫(外側)】所要時間:3分
①アルコール水を直接スプレーし、マイクロファイバークロスで拭き取る
引き出しの溝に手垢が溜まりやすいので、忘れずに掃除しましょう。
【冷蔵庫(庫内)】所要時間(外側+庫内):10分
①汚れの気になる部分にアルコール水をスプレーし、マイクロファイバークロスで拭き取る
②汚れがひどい部分は、水道水を含ませたキッチンペーパーを置く
③10分したら拭き取る
冷蔵庫は開けっ放しにして乾かせないので、揮発性の高いアルコールが適しています。それに、アルコールは除菌効果がありますから、食品を扱うキッチンにぴったりです。外側や庫内をすべて掃除しても10分あれば終わりますよ。
電子レンジの掃除手順とポイント

【電子レンジ】所要時間:10分
①重曹水を含ませた「ふきん」を電子レンジに入れる
②30〜60秒ほど加熱し、手で触れる程度まで冷ます
③ふきんで庫内を拭く
④ふきんのキレイな面で外側を拭く
⑤こびり付いた汚れはメラミンスポンジで擦り落とす
電子レンジの掃除は、重曹水を含んだふきんを加熱して発生する蒸気と熱を利用すると、拭くだけで簡単にキレイになります。ターンテーブルがある場合は、水で丸洗いしましょう。ふきんの素材は、綿or麻であれば問題ないので、普段テーブルを拭いているものでOKです。マイクロファイバーは熱に弱いので避けてくださいね。
オーブントースターの掃除手順とポイント

【オーブントースター】所要時間:10〜15分
①網などの取り外せる部分をすべて外し、重曹パックをして浸け置きする
②パックを取り、重曹を直接振りかけ、スポンジで擦る
③スポンジで落ちない場合は、目の細かいブラシを使う
④水で洗い流して乾かす
オーブントースターの部品掃除は、基本的に魚焼きグリルと同じです。パンくずなどを取り除いてから、油汚れは重曹パックをしましょう。水で洗い流すので、重曹は計量不要です。
電気ケトルの掃除手順とポイント

【電子ケトル】所要時間:5分
①電気ケトルに水(適量)とクエン酸(小さじ1)を入れる
②沸かす
③しっかりすすぐ
電気ケトルは、底に白いガリガリした汚れが付いたら掃除しましょう。クエン酸を入れてお湯を沸かすことで、汚れを浮かせます。また、クエン酸が残らないようにしっかりとすすいでくださいね。
食器棚の掃除手順とポイント

普段の食器棚の掃除は、食器が入ったままの状態で、空いているところをハンディワイパーで拭き取るだけ。しっかり掃除をしたいときは、次の手順でおこないましょう。
【食器棚】所要時間:10分
①食器をすべて出す
②ハンディワイパーでホコリを取り除く
③重曹水に浸して固く絞ったふきんで拭き、乾かす
食器棚が乾いていないうちに食器を戻すとカビの原因になるので、よく乾かしてください。一段だけ掃除する場合は、アルコール水でOKです。アルコール水は、溶解作用により、皮脂や油を取り除いてくれるうえ、除菌もできる優れもの。水気が苦手な家電などにも使えますし、一度つくれば3ヶ月ほど保存できるので、キッチンに常備しておけばいつでもサッと使えて便利です。
食器棚全体を拭くなら重曹水がオススメ。重曹はアルコールよりもコスパが良く、経済的ですよ。ただ、重曹水は日持ちせず、つくったその日に使い切らないといけないので、複数箇所まとめて掃除するときに使いましょう。ちなみに本棚やキャビネットなどの掃除方法も同じですから、食器棚と合わせて掃除するのも良いですね。
油汚れや水垢汚れも簡単に落とせるようになる! 本橋ひろえさんのキッチン家事ラクお掃除術&道具選び

ナチュラル洗剤を使うと、すすぎがラクなので掃除が短時間で済みます。さらに、こまめにキレイにしておけば、もっと手間を減らすことができますよ。毎日使うところは毎日、そんなに汚れがつかないところは週に1回というように、掃除は“頻度”がポイントです。
キッチンのなかでも、排水口は毎日掃除をしておきたい場所です。たとえば、2〜3日経った排水口のゴミ受けの野菜の皮は、素手で触るのに抵抗があると思いますが、食べ物の形をしているうちなら平気ではないでしょうか? 私が調理をするのは1日2回。使うたびに排水口まで掃除をしているので、排水口のゴミ受けも食器洗いと同じスポンジを使っています。こまめに掃除をすることで、シンクも排水口も、鍋やフライパンと同程度に感じるようになるはずです。
さらに、我が家の排水口のゴミ受けは金属製なので、食器と一緒に食洗機に入れているんですよ。食洗機に余裕があるときは、五徳を入れたり、換気扇のシロッコファンなどの部品も入れたりすることも。毎回掃除をしていると、より手間が省けますし、「さあ、やるぞ!」と身構えなくても掃除を始められるようになりますよ。揚げ物や炒め物の油は、飛んだときにすぐ拭き取る。電子レンジで加熱する30秒の間に周辺のホコリを取る。そんなちょっとした積み重ねが掃除をラクにするんです。
私は、少しの合間を活用できるように、アルコール水のスプレーと、プラスチックケースに入れたトイレットペーパーをキッチンに置いています。油が飛んだらすぐに拭き取れるので便利ですね、とくに油汚れは、加熱するとこびり付いてしまい、簡単に落ちなくなります。汚れは放置せず、すぐに拭き取る習慣を付けましょう。
キッチンのスポンジはトイレブラシより汚い!? 清潔を保つならクロスタイプがオススメ

道具選びも掃除をラクにするコツのひとつです。たとえば、我が家にはキッチンで使う一般的な厚みのあるスポンジはありません。厚いと乾くまでに時間がかかるだけでなく、雑菌が繁殖しやすいからです。キッチンのスポンジはトイレブラシよりも雑菌の数が多いというデータもあって、それを知ってからはクロスタイプの道具を使っています。
キッチンでオススメの掃除道具は2つあり、ひとつはイワシ漁の網を再利用した「天洋丸 網エコたわし」。昔から漁師さんたちは、古い網の端切れをたわしとして重宝していたそうです。2つ目は、富士商「かきとるメッシュクロス」です。どちらも少ない洗剤で汚れが落とせて、すぐに乾きますよ。使い終わったら干して、完全に乾いてから使うとさらに衛生的。私は2枚持っていて、乾いたほうを使うようにしています。
ちなみに、システムキッチンに付属しているスポンジラックは取り外してしまいました。ラックに入れるとスポンジが乾きにくいですし、ぬめりや黒カビの発生源にもなります。キッチンで使う掃除道具周辺を見直してみると、掃除をラクにするポイントが潜んでいますよ。
ナチュラル洗剤なら油汚れも簡単スッキリ! キッチン掃除術を本橋ひろえさんが伝授 まとめ
5つのナチュラル洗剤を使ったキッチン丸ごと掃除術をご紹介しました。キッチンは油汚れや水垢汚れなど、いくつもの汚れが混在しやすく、キレイに保ちたくても維持するのが難しい場所です。ナチュラル洗剤は、間違えて使っても害がないので、まずは水回りならクエン酸水、それ以外は重曹水やアルコール水を使ってみる、と覚えておくのが良いでしょう。掃除を大変にする原因は、何より汚れを蓄積させてしまうこと。気付いたときにサッと拭くなど、こまめに掃除をしていると負担が減らせますよ。「掃除するぞ!」と意気込まず、電子レンジや湯沸かしの“ちょっとした待ち時間を使う”習慣を付けると、キッチン掃除が格段とラクになります。ナチュラル洗剤は洗浄力があるうえに安心して使えるので、ぜひ試してみてくださいね!
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