子どものころ、誰しも一度は折り紙で遊んだことがあると思います。一枚の紙からさまざまなものを生み出す折り紙の面白さに、大人になってから再び夢中になる方が増えているそうです。世界的な折り紙作家として活躍するフチモト ムネジさんによると、動画サービスの普及などによって世界中の人も“Origami”を楽しんでいるのだとか。そこで、さらに多くの方に折り紙を楽しんでもらえるよう、フチモトさんにマイホームマーケットオリジナル作品「お家型フォトフレーム」を創作していただきました。簡単につくれてかわいい、実用的なフォトフレームです。折り方のコツを動画と画像で解説しますので、ぜひご家族でつくり、飾って楽しんでくださいね。
折り紙作家・グラフィックデザイナー&アートディレクター
2005年、当時幼稚園に通う長男の折り紙遊びがきっかけで創作折り紙を開始。動物やロボット等のモチーフを中心に「切らずに1枚で折る折り紙」の創作活動を続けている。
著書に「おりがみペットパーク」「モダンオリガミ」「オリロボ オリガミソルジャー」「オリパペ」「手間を楽しむ折り紙袋」「爬虫類・両生類折り紙」「折り紙昆虫記」「あっぱれ折り紙」「オリガミューズメントパーク」「オリガミアドベンチャーランド」などがあり、海外でも翻訳されている。2021年3月より紙を使ったおもちゃの開発事業を開始。専用折り紙でロボットを作る「オリロボパーフェクトキット」や折り紙熱帯魚でモビールを作る「おりがみモビールキット」、少し難しい折り図が入った「チャレンジおりがみ」など発売中。
フチモト ムネジ Instagramアカウント
折り紙作家のフチモト ムネジです。お家モチーフのオリジナル折り紙作品として、今回は「お家型フォトフレーム」を創作しました。どんな色や柄の折り紙でつくってもかわいく仕上がりますし、シンプルな構造なので初心者の方や小さなお子様でも挑戦しやすいと思います。動画と画像で折り方のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。まずはよりスムーズにつくれるよう、折り紙の基本からお話ししていきます。
目次
1.プロが教える折り紙の基本とコツ
2.【動画付き】簡単かわいい! 「お家型フォトフレーム」の折り方をプロが解説
3.スタンドを付ければ立体的な「お家型フォトフレーム」が完成!
4.フチモトムネジさんに聞く折り紙のトレンドとこれから
5.簡単につくれる立体的な創作折り紙「お家型フォトフレーム」の折り方 まとめ
プロが教える折り紙の基本とコツ
折り紙で大切なのは、丁寧に折ることです。折り紙の「フチとフチ」「角と角」をきっちり揃えて折りましょう。当たり前のように思うかもしれませんが、意識するのとしないのとでは、完成後のクオリティが段違いになります。とくに折り方のガイドラインとなる「折りすじ」を付けるときは、その後の工程にも関わるので、より気を付けると良いでしょう。工程が多い作品ほどズレは生じやすいのですが、最初に「フチとフチ」「角と角」を意識して折っていれば、折り重ねた後の調整もうまくいきますよ。
そして、折り紙の上達に必要なのは“最後まで折ること”だと思います。難しい作品ほど、途中でわからなくなったり折り紙が破れたりして、諦めたくなるかもしれません。しかし、どんな形でも完成させることが大切です。破れた箇所はセロハンテープなどで修復して、とにかく最後まで折ってみましょう。失敗したからと最初からやり直すのではなく、不格好になっても最後まで折って完成させる。それを繰り返すうちに作品の完成度は上がり、折り紙のスキルも高まっていくはずです。これから難しい作品にチャレンジする方は、ぜひ“最後まで折ること”を目指してくださいね。
折り紙動画を見ながら折るときの注意点は?
折り紙動画を参考に作品をつくる際、一度で良いので動画を最初から最後まで見るようにしましょう。初見の動画を見ながら折ると、今どの部分を折っているのか、折った後にどのような形になるのかがわかりません。作品がどのように完成していくかがイメージできないと、どうしても混乱しやすいんですね。まずは動画を通して見て、折り紙の形がどう変わっていくのかを確認しておきましょう。
知っておくと役に立つ! 折り紙の記号と基本の折り方
折り紙動画が普及する前は、図解で折り方を示す「折り図」を参考にして作品をつくるのが主流でした。しかし、最近では動画を見て始める方が多く、折り図の見方や基本的な折り方を知らない方も増えているようです。
もちろん折り紙動画だけでも折ることはできますが、折り方の基本を覚えておくと、よりスムーズに作品がつくれるようになりますよ。たとえば料理初心者が「みじん切り」や「千切り」などの基本的な切り方を知らないまま、レシピ動画だけで凝った料理をつくるのは難しいものです。それは折り紙でも同じこと。基本の折り方を知っていれば「ここは中割折りをしている」「途中までかぶせ折りをしているんだな」など、一つひとつの工程が理解しやすくなり、複雑な作品でもつくれるようになるんですね。
上図で紹介した折り方のうち、「お家型フォトフレーム」では「かぶせ折り」と「段折り」は使いませんが、覚えてくとほかの作品で活かすことができますよ。私のYouTubeチャンネルで紹介している折り紙作品でも、これらの基本の折り方は多用しています。お家型フォトフレームを完成させて、もっと難しい作品にチャレンジしたいと思ったら、ぜひ基本の折り方も習得してくださいね。
【動画付き】簡単かわいい! 「お家型フォトフレーム」の折り方をプロが解説
「お家型フォトフレーム」は、実際に写真を入れて飾れる折り紙作品です。壁に貼って飾ることもできますし、追加で作成するスタンドを使えば立てて置くこともできます。難易度が低めのわりに完成度の高いフォルムに仕上がっているので、初心者の方でも挑戦しやすく、かつ達成感も得られますよ。
動画では無地の折り紙を使用していますが、柄物の折り紙やカラフルなデザインペーパーでつくると、よりかわいく仕上がります。写真やプリントシールなどを入れて交換するのも楽しいんじゃないでしょうか。家族や友達同士の写真だけでなく、ペットの写真を入れても良いですね。
では、お家型フォトフレームを折るときのポイントをいくつか解説していきましょう。動画内で「解説あり」と表示されている工程なので、わかりにくいところがあったらチェックしてくださいね。
【お家型フォトフレーム】ポイント①「中割折り」をする
最初のポイントは土台となる部分をつくる3:25〜の工程です。ここでは基本の折り方としても紹介した「中割折り」を使います。一度折りすじを付けて戻し、その折りすじを使って角を押して、内側に折り込みましょう。わかりにくいときは、動画をスロー再生するのもオススメです。
【お家型フォトフレーム】ポイント②「フチとフチ」を合わせて屋根をつくる
4:49〜は屋根をつくる工程。まずは一度折りすじを付けて、上図のように付けた折りすじとフチが揃うよう、斜めに折ります。ここがきっちり揃っていると、屋根がキレイに仕上がりますよ。
5:43〜は、さらに屋根らしい形に折っていく工程です。上図で示した部分が平行になるように屋根の両側を折りましょう。
【お家型フォトフレーム】ポイント③土台を仕上げる
6:08〜は、お家の土台部分を仕上げていきます。ポイントは7:03〜の工程で、土台部分を閉じるときに上図で示したところが「谷折り」から「山折り」に変わります。折りすじを使ってフチとフチ、角と角を合わせることを意識して折りましょう。この工程が上手くできていないと、後から追加するスタンドが入れにくくなるため、丁寧に整えてくださいね。
【お家型フォトフレーム】ポイント④写真を入れる
フォトフレームが完成したら、写真を入れてみましょう。一般的な15センチ✕15センチの折り紙を使用した場合、写真のサイズは7センチ✕7センチくらいが目安になります。写真を入れた後に見えるのは、中心の4センチ×4センチ程度となるため、見せたい部分が範囲内におさまるように写真をカットしてくださいね。
スタンドを付ければ立体的な「お家型フォトフレーム」が完成!
「お家型フォトフレーム」は、追加パーツのスタンドを付ければ棚や机などに立てて飾ることもできます。スタンドをつくるときは、フォトフレームと同じサイズの折り紙を使いましょう。折り紙の色や柄に関しては、同じほうがまとまった印象に仕上がりますが、好みで変えても問題ございません。
【お家型フォトフレームのスタンド】ポイント①折りすじに沿って斜めに折る
スタンドづくりの最初のポイントは、12:18〜の工程です。12:03〜で付けた折りすじに沿って、斜めに折りましょう。上図のように外側の線と平行になっていればOK。フチを折りすじにしっかり合わせて折ると、真っ直ぐ平行になりますよ。
【お家型フォトフレームのスタンド】ポイント②折りすじを付け直す
続いてのポイントは13:35〜の工程。上図で示した“斜めの線が交差する位置”の折りすじを付け直しています。スタンドをバランス良く自立させるには、ここをしっかり折ることが重要です。
【お家型フォトフレームのスタンド】ポイント③フォトフレームにスタンドを装着
最後はフォトフレームにスタンドを装着して完成! 上図の矢印で示した部分に、スタンド両端の三角部分がぴったり差し込めるように設計しています。もし入れにくい場合は、お家型フォトフレームのポイント③土台を仕上げる の工程でズレが生じているかもしれません。その際は、フチとフチや角と角を合わせて折り直すなど、調整してください。
フチモトムネジさんに聞く折り紙のトレンドとこれから
近年は折り紙を楽しむ方が増えているのではないかと思います。かつては折り紙の本というと専門書寄りでしたが、今では手に取りやすいポップな書籍が増えていますし、難解な折り紙キットが文具店に並んでいることもあるんですよ。100円ショップなどで売られる折り紙や正方形のデザインペーパーも、色柄が豊富になってきていますね。今回ご紹介した「お家型フォトフレーム」も、そうしたさまざまなデザインの折り紙を活用できる作品だと思います。
2023年にはインバウンド向けに「日本の折り紙」をプロデュースしました。日本の伝統をモチーフにしたデザインの折り紙で、かさばらないからお土産向きなんですよ。外国人観光客からの反応も良いようで、文具店や雑貨店だけでなく、空港などでも取り扱われるようになっています。
私個人の活動としては、「suzuri」で折り紙モチーフのグッズも取り扱い始めました。「オリロボ」や「ボス猫」など、オリジナル作品をキャラクター化しています。折り紙の幾何学的なデザインは、アパレルから雑貨までいろいろなアイテムに映えるようで、予想以上に反響がありますね。作品をつくる楽しさからデザイン性まで、さまざまな角度で折り紙を楽しむ方が増えていて嬉しく感じます。
簡単につくれる立体的な創作折り紙「お家型フォトフレーム」の折り方 まとめ
今回ご紹介した「お家型フォトフレーム」は、折り紙初心者の方や小さなお子様でも挑戦しやすい作品です。折り紙の「フチとフチ」「角と角」をきっちり揃える、折り始める前に動画を通して見る、作品を最後まで完成させるといった折り紙の基本を押さえれば、きっと上手につくれるはずです。ぜひ、好きな色や柄の折り紙で折ってみてください。にぎやかな街のように、たくさん並べて飾っても楽しめますよ。そして、折り紙に興味がわいたら、いろいろな作品にもチャレンジしてみましょう。折り紙動画でも本の折り図でも「折りたい!」と感じたものに挑戦して、一枚の紙が形を変えていくワクワクを楽しんでくださいね。
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