
近年、物価の上昇が家計に重くのしかかり、天候不良などによる野菜の価格高騰も続いているため、食費のやりくりに悩むご家庭が少なくありません。「少しでも家計を楽にしたい」「節約しながら我慢のない食生活を送りたい」と思っても、どこから手を付けるべきかわからない方も多いのではないでしょうか? そこで、節約アドバイザーであり食生活アドバイザーとしてもご活躍中の和田由貴さんに、無理なく始められる食費の節約術を伺いました。食費の予算管理のコツ、食費節約の基本となる“食品ロス”の減らし方、ムダ買いを防ぐ買い物テクニック、節約につながる献立の考え方、ネットスーパー活用術などをご紹介します。買い物の工夫から食材の保存方法、日々のメニューの考え方まで、すぐに実践できるアイデアが満載ですよ!

節約アドバイザー
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。著書は『即実践!即効果!節約のプロがおしえる家計防衛術100』など多数。
和田由貴Official site
節約アドバイザーの和田由貴です。物価高騰が家計に大きな影響を与えるなか、どのように食費を節約していますか? 安いスーパーを探して回る、チラシでお得な商品がないか毎日チェックする、特売品や安売り品のまとめ買い……こうした節約方法も間違いとは言いませんが、日々の食費を抑えるためにはもっと重要なポイントがあるんです。もちろん、何かを我慢したり、苦しい思いをしたりする必要はありません。まずは、食費節約の第一歩となる家計管理と予算立てについて解説しましょう。
目次
1.毎月の食費を節約するには「日々の食材:ストック食材 = 3:1」の割合で予算管理
2.毎月5,000円を無駄にしている!? 食費節約のコツは“食品ロス”をなくすこと
3.もう“ムダ買い”はしない! 食費が節約できる買い物テクニック
4.「逆引きレシピ」で食品ロスを防ぐ! 節約につながる買い物・献立づくりのコツ
5.節約のプロが教えるネットスーパー活用術と注意点
6.上手に消費して無駄を削減! 食品ロスをなくす食材の保存法&使い方
7.食費を節約するなら「外食」、デリバリーや惣菜などの「中食」はアリ? ナシ?
8.プロが教える食費の節約術と買い物のコツ まとめ
毎月の食費を節約するには「日々の食材:ストック食材 = 3:1」の割合で予算管理

食費を含め、家計全般の節約で重要になるのが家計管理です。“家計管理”と聞くと、家計簿をマメにつけるようなイメージをされるかもしれません。しかし、大切なのは使ったお金の記録ではなく、月々の「予算立て」です。食費や光熱費、通信費などの費目別に予算を定め、それぞれ枠内に収まるよう出費をコントロールすることで、節約につながるわけです。
節約をするうえで家計簿はマストではありませんが、費目別の出費が把握できていない方は、1〜2ヶ月ほど支出を記録してみると良いでしょう。おおよその支出が把握できたら、予算立てをしていきます。月々の予算は、節約のための目標とも言えますが、“ハードルを高くしすぎない”ことが重要です。これまで月に8万円ほど食費に使っていたご家庭が、いきなり予算を5万円に設定してもうまくいかないと思います。高すぎる目標を立てると、節約を長続きさせるのが難しくなってしまいますから、まずは現状を把握して、達成できそうな範囲で予算立てをしましょう。
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食費の管理には、押さえておくべきポイントがあります。食費の予算を単純に月の日数で割って「1日◯◯円」、もしくは「1週間◯◯円」という感じで設定すると、実は枠内に収めるのが難しくなるんです。たとえば1日の予算を2,000円にしたとして、お米を買った日はそれだけで予算オーバーしてしまい、翌日や翌週の予算から前借りすることになりますよね。醤油や味噌など調味料を買った日もオーバーしやすくなるでしょう。そうして予算から例外的に上回る日が増えてしまうと、結局1ヶ月の予算が足りなくなる事態になりかねません。
そこで実践していただきたいのが、肉や魚、野菜といった生鮮食品などの食材と、お米や調味料などのストック食材の予算をあらかじめ分ける方法です。割合は「日々の食材:ストック食材 = 3:1」がオススメ。まずストック食材は買い置きする量を決めておいて、最後のストックを使い始めた時点で買い物リストに記入し、月に1回まとめて購入しましょう。
我が家の場合、調味料などのストックは、現在消費しているもの+1点と決めていますね。食材の予算を3:1で分けると、ストック分の予算は余剰分が出やすいので、節約できた食費を貯蓄に回すこともできますし、日々の買い物の補填にも使えます。日々の食材分は日数で割って1日あたりの金額を算出し、枠内に収まるようにしましょう。もちろん、3日分や1週間分のまとめ買いもOKです。日々の食材の買い物リストをつくるときは、ストック食材が混ざらないように気を付けてください。
こうしてルールを決めておけば、予算のズレなく食費を管理できて、使いすぎを防ぐこともできます。予算の割合については、「日々の食材:ストック食材 = 3:1」が多くのご家庭に当てはまると思いますが、食生活や家族構成によって異なることもあるでしょう。まずは3:1でトライしてみて、合わない場合は調整してみてくださいね。
毎月5,000円を無駄にしている!? 食費節約のコツは“食品ロス”をなくすこと

食費を節約するには、「いかに安く買い物するか?」が重要だと思っていませんか? しかし、食費を抑えるために重要なのは、安いものを買うよりも“食品ロスをなくすこと”なんです。特売品など安い食材を買えば、支出を抑えられているように感じるかもしれませんが、ついまとめて買ってしまったものを消費しきれず、ゴミになってしまってはお金を捨てるのと同じことです。環境省によると、平均的な4人家族の家庭で出る食品ロスは、金額に置き換えるとなんと年間6万円! 食材を無駄にしなければ、月々5,000円の節約になるわけですね。安いスーパーをはしごしたり、行きつけのお店のポイントを貯めたりしても、毎月5,000円を節約するのは難しいでしょう。しかし、食品ロスを極力ゼロにすることなら、やればできると思いませんか? 実はこれが、食費を節約するうえでの一番の近道なんです。
一般家庭の食品ロスは、およそ5割が野菜だと言われています。肉類などは使い残しても冷凍保存される方が多いのですが、野菜の場合は賞味期限が表示されていないため、野菜室に入れたままうっかり忘れて駄目にするケースが多々あるのです。つまり、野菜の買い過ぎや使い残しに気を付けることが食品ロスをなくす、ひいては節約への第一歩となるんですね。
では、食費節約のために日々の食材の買い出しや使い方をどのように変えていけば良いのか? 食品ロスをなくすための買い物術についてお話ししていきます。
もう“ムダ買い”はしない! 食費が節約できる買い物テクニック

食品ロスをなくすために重要なのは、食材の“ムダ買い”をしないことです。そして、ムダ買いを防ぐポイントは“買い回りの順番”にあります。多くの方がスーパーの入口付近にある野菜売り場から回ると思いますが、実はそのルートがムダ買いにつながる原因なんです。
ムダ買いを防ぎつつ食事の献立を考える方法としてオススメなのは、メイン料理から決める方法です。スーパーなどで買い物をする際、まず肉売り場や魚売り場へ行き、メインの食材を選ぶようにしましょう。その後、野菜売り場で副菜の食材を買うと無駄が少なくなるわけです。たとえば肉売り場で「今日は豚のロース肉が安いからとんかつにしよう」と決めたら豚肉をカゴに入れ、その後に付け合わせのキャベツを野菜売り場で買う、という流れですね。この順番なら、無駄なく必要なものだけを買うことができるでしょう。
一方で、野菜売り場から先に回ると「今日はレタスが安いから買おう」「もやしも安いからついでに」など、具体的な献立を決める前に食材を買いすぎてしまうんです。その結果、メインに合わせてキャベツも買い足し、その日買ったもやしを使いそびれて冷蔵庫で腐らせてしまう……なんてことも起きかねません。食材の買い回り順をメイン食材 ⇒ 野菜に変えるだけで、食品ロスを軽減させる買い物ができるようになりますよ。
「買い回り順を変えなくても、献立を決めていればムダ買いをしないのでは?」と思われるかもしれませんが、メニューをきっちり決めていると、逆にコストがかかるケースもあるんです。ビーフシチューをつくると決めて買い物に行ったとして、その日に牛のブロック肉が必ずあるわけではないですし、黒毛和牛の高いお肉しかない場合もあるでしょう。これでは決めた献立を立て直すことになるか、あるいは予想以上の出費になりかねません。メイン食材は食事をつくるうえで最もコストがかかる食材ですから、最初にメイン食材の売り場を見て、その日安い食材に合わせて献立を考えれば、トータルの支出を抑えることができますよ。

さらにムダ買いを誘発するのが、調味料やドレッシング、加工食品などが陳列されている“スーパーの中央部分”です。とくに、中華料理などの「おかずの素」は要注意。便利かもしれませんが、通常の調味料や食材を買うよりずっとコストがかかる品です。買ってはいけないとは言いませんが、使う習慣が付いてしまうと食費を安く抑えることは難しくなります。お家にある調味料で代用できるケースもありますから、購入する前によく考える必要があるでしょう。また、スーパーの中央の陳列棚はお菓子など嗜好品のコーナーもありますから、魅力的な商品を見つけると手に取りたくなってしまいがち。何か目的があるとき以外、スーパーでは外周だけを見て回ることをオススメします。
見切り品の購入は要注意! ムダ買い防止のアドバイス

食費を節約するため、見切り品を狙って閉店間際のスーパーに行く方も多いかもしれません。しかし、見切り品の肉や魚は、当日中に使わなければいけないものばかり。つい安いからと買いすぎて、当日中に使い切れず駄目にしてしまっては結局ムダ買いです。また、閉店間際の時間帯にスーパーへ行くとなると、すぐに食べられる惣菜や刺身などに手が伸びてしまって、普通に生鮮品を調理するより高くついてしまうことも。見切り品を購入するときは、ただ「安いから」「お得だから」ではなく、「本当に必要か」「使い切れるのか?」をよく考えてから買うようにしましょう。
同じ見切り品でも、乳製品や豆腐、パック入り野菜などの「日配品」はスーパーの開店後、早い時間帯に出ているものはオススメです。新しいものを品出しする際に日付が古いものに割引シールを貼っているので、朝が狙い目なんですね。朝に購入すれば昼と夜に使えますし、当日中に食べ切れるなら無駄にならないので、安く買えて節約につながりやすいと言えるでしょう。朝にスーパーへ行って買い物するのが難しい方は、休日だけでも早い時間帯に足を運んでみてはいかがでしょうか。
野菜の価格高騰は「カット野菜」と「冷凍野菜」で節約&ムダ買い対策

天候不順などによる野菜の高騰は、たびたび話題になっていますよね。ニュースを見たり、スーパーで値段を見たりして驚くことも多いのではないでしょうか。基本的に、高くなっている野菜は無理に使わないことが重要です。野菜はそもそも季節によって価格が変動しますし、旬で安くなっている野菜を中心に購入する方が多いと思いますから、そのとき手頃なものを選ぶのがベターですね。
どうしても使いたい野菜があるときの強い味方は「カット野菜」と「冷凍野菜」です。どちらも割高ですが、気象の影響などで野菜が高騰した際でも価格の変動がないので、状況によっては割安とも言えます。さらに冷凍野菜なら腐ったり傷んだりの心配が少ないので、無理なく使い切れて経済的。最近は野菜が高いと悩ましい気持ちになりますが、カット野菜や冷凍野菜も選択肢に入れ、上手に使いこなしてくださいね。
また、普段から買った野菜をどんどん冷凍しておくのも節約テクニックのひとつです。トマトやきゅうりなど水分の多いものは難しいですが、ほとんどの野菜は冷凍できるんですよ。買ってきて調理のついでにすべてカットして、そのままフリーザーバッグなどに入れて冷凍保存しておきましょう。白菜やほうれん草などの葉物、にんじんやごぼうといった根菜、きのこ類など、使いやすい大きさに切って冷凍しておけば、腐らせることもなく便利ですね。
「逆引きレシピ」で食品ロスを防ぐ! 節約につながる買い物・献立づくりのコツ

食品ロスを減らして食費を節約するには、「逆引きレシピ」がとても効果的。「今日は◯◯をつくろう」と決めて献立ありきの買い物をすると、必要な材料が高かったり、食材が少し余ってしまったりと、計画的なようで節約からは遠のく結果になりやすいからです。つくりたい料理のために食材を揃えるのではなく、冷蔵庫にある残った食材や安い食材から料理を考える逆引きレシピを活用するようにしましょう。主婦のなかには当たり前にできている方も多いと思いますが、実は食品ロスを防ぐための大切な考え方でもあるんですね。
逆引きレシピのコツは、まず冷蔵庫・冷凍庫をチェックして、残った食材を使い切ることを想定して買い出しへ行きます。残っているものを常に意識しながら、スーパーではメイン食材から見て回り、当日安くなっているものを中心に組み合わせて献立を考えていきましょう。食費のやりくりで重要なのは、調理スキルよりも臨機応変にメニューを考えられることです。自分の引き出しだけでなく、ネット検索などもうまく使って逆引きレシピを強化してくださいね。
料理初心者の方や献立を立てるのが苦手な方は、まずは副菜だけでも逆引きレシピに挑戦してみましょう。たとえば小松菜とにんじんが2分の1ずつ冷蔵庫に残っているとしたら「小松菜 にんじん 副菜」で検索してみてください。ナムルやおひたしなどのレシピがヒットします。同じ食材の組み合わせでも和風や中華、韓国風など、いろいろな味付けの副菜が出てきますから、メインに合わせて取り入れるのが良いと思います。逆引きレシピを続けていくうちに、「今日は何にしよう?」と献立に悩むことも減るはずですよ!
「具だくさん料理」は食費の節約になる!?

料理というのは、実は食材の種類が多くなるほど単価を抑えやすくなるんです。少量の肉を焼いただけの料理ではボリュームが足りないように感じますが、単純に肉の量を増やすとコストがかかりますよね。しかし、そこに刻んだ野菜たっぷりの餡がかかっていれば、肉が少量でも満足度の高い一皿になるのではないでしょうか。いわゆる「かさまし」に近いのですが、コストを抑えて充実した食事をつくるためには重要なポイントなんですよ。
豊富な種類の食材を使うには、毎日少しずつ買い出しに行くよりもまとめ買いをすると良いでしょう。日々の食材の買い物予算が1日1,000円の場合、日ごとに行くと買える量は限られますが、それが1週間分なら7,000円でいろいろな種類の食材が揃えられますよね。まとめ買いするときの注意点としては、足の早い食材から使うことと、きゅうりなどの傷みやすく冷凍もできない食材は大量に買わないこと。とくに「きゅうり1本40円、3本なら100円!」など、お得に見えるまとめ売りでも、使い切ることができる量を買わなければ、ムダ買いになってしまうので注意してくださいね。
節約のプロが教えるネットスーパー活用術と注意点

近年増えているネットスーパーも、節約に役立つサービスのひとつだと言えます。スーパーへ行って、つい予定にないものを買ってしまった経験がある方は少なくないでしょう。ネットスーパーの場合は、必要なもののページだけを見たり、品名で検索して直接買い物カゴに入れたりと、買いたい商品以外が目に入りにくいんです。注文してすぐ手に入るわけではないので、お菓子やパンなどの衝動買いも防げます。商品価格も実店舗とほぼ変わらず、特売品なども店頭と同様に安くなっているので、違う点は見切り品の有無くらいですね。
ネットスーパーならではの利点と言えるのが納品書と購入履歴です。ムダ買いを防ぐためには、余計な食材やストックを増やさないことが基本。ネットスーパーは購入履歴が残るので、冷蔵庫やパントリーを見なくても買ったものがわかりますし、購入時の納品書を「在庫チェックリスト」として見える場所に貼り、使ったものをマーカーなどでチェックしていけば、次の買い物時にも役立ちますよ。
また、ネットスーパーなら重いものを持つ必要がなく、冷凍食品が帰り道に溶けてしまうこともありません。仕事で忙しい方は空き時間や通勤途中に注文しておいて、帰宅時に合わせて届けてもらったり、帰り道に店頭で受け取ったりすれば時短にもなりますね。スーパーが徒歩圏内にないご家庭なら、ガソリン代や交通費がかからないので、その点も節約につながるでしょう。

ネットスーパーを利用するうえで注意したいのが送料です。多くのネットスーパーは、ある程度の金額分をまとめて買うと送料無料になりますが、お店ごとに基準の金額は違うのでよく確認しましょう。私が利用しているネットスーパーでは、5,000円以上の買い物で送料無料になるので、基本的に5,000円以下のときには利用しないようにしていますね。また、配送予定時間に必ず在宅していなければいけない点も気を付けるポイントです。通常のネット通販なら宅配便なので再配達なども無料ですが、ネットスーパーの場合は生鮮品などが含まれるため手数料を取られるケースがほとんど。再配達に対応していないところもありますので要注意です。
まずは利用してみるのがオススメ! ネットスーパーの選び方

ネットスーパー選びで迷ったときは、まず使ってみることが肝心です。一部のネットスーパーを除いて、ほとんどは登録料なしで利用可能なので、自分の住んでいる地域が配送エリアの店舗をいろいろ試してみましょう。ネットのサービスは実店舗とは異なり、インターフェースの使いやすさなども気になる点だと思います。画面が見づらかったり、探しているものが見つかりにくかったりすると困りものです。最近では「Amazonフレッシュ」や「楽天マート」、「楽天全国スーパー」など利用範囲が広いサービスも増えていますから、自分に合ったネットスーパーを見つけて活用してくださいね。
上手に消費して無駄を削減! 食品ロスをなくす食材の保存法&使い方

ここまで、主に買い物に焦点を当ててお話ししてきましたが、食品ロスを減らすには食材の保存や使い方も気を付けましょう。必要なものを使い切れるように買うことも大切ですが、冷蔵庫・冷凍庫内の整理整頓も重要なポイントです。料理に使って半分残った玉ねぎやにんじんが、干からびた状態で野菜室の底から見つかったり、冷凍庫の中から霜だらけになった肉が出てきたり……考えて買った食材でも、ごちゃごちゃに保存していると駄目にしてしまう事態になりかねません。冷蔵庫・冷凍庫内は整理して、使い残しの中途半端な食材はとくに目立つ場所に配置するようにしましょう。

我が家では、冷蔵庫にカゴを設置して、余った少量の食材を入れるようにしています。冷蔵庫を開けるとすぐに目に入る位置にあるので、「玉ねぎが4分の1残ってる」「肉が50グラムくらいあるな」というふうに、食材と目が合うんですよ(笑)。見ると使い切らなきゃと思えるので、その日の献立に加えていくわけです。冷凍庫では、100円ショップで買ったブックエンドに、カットした野菜や肉を入れたフリーザーバッグを立てて並べています。何があるかわかりやすく、取り出しやすいので忘れてしまうこともありません。
食材の使い方でも気を付けてほしい点があります。たとえばレシピでは豚肉300グラムと表記されているのに、1パック350グラムの豚肉をすべて料理に使ってしまうこと。少し残してラップに包んで保存するのは面倒かもしれませんが、食材を無理やり使って料理が余ってしまうのは考えものです。いろいろなおかずが少しずつ余って、結局食べ切れず捨てることにもなりかねないので、余り食材は保存して上手に使い切りましょう。
食費を節約するなら「外食」、デリバリーや惣菜などの「中食」はアリ? ナシ?

それなりにコストがかかる外食ですが、ご家庭によって頻度や理由はそれぞれあると思います。ただ、「今日はごはんをつくるのが面倒だから」など、消極的な理由での外食はオススメしません。せっかく家族で食事に行くのなら「美味しいものを食べたい!」といった前向きな外食のほうが、同じお金を使うにしても有意義ではないでしょうか。たとえば普段の生活で節約を頑張って、その月に浮いたお金を使ってお寿司を食べに行くなど、家族みんなで楽しめるポジティブな外食がベストだと思いますね。
スーパーの惣菜など便利な「中食」は、食事をつくる時間がない日はありがたいかもしれません。しかし、中食に頼りすぎる生活では食費を抑えることは難しいと言えます。私の場合、デパ地下の惣菜を眺めるのは好きなんですが、おしゃれなデリのサラダなどを見ていると、材料や調味料を考えて「つくったら◯◯円くらいなのに100グラムで380円!?」と思ってしまって手が出ないんですよね(苦笑)。「美味しそうだな」と感じても、いったんは冷静になってみるのが大事だと思います。
ただ、1から自分でつくると時間や手間がかかる料理の場合は、惣菜のほうがコスパの良いものもあります。たとえばコロッケは、お家でつくろうと思ったらじゃがいもの皮を剥いて茹でて潰して、炒めたひき肉と玉ねぎを加えて、衣を付けて揚げて……とかなり手間がかかる料理です。でも、スーパーで買えば1個100円もしませんよね。惣菜などの中食に関しては、つくったときの手間やコストを考慮して取り入れることが、食費をやりくりするうえで大事なんだと思います。
プロが教える食費の節約術と買い物のコツ まとめ
食費の節約術についてお話ししました。まずは毎月の食費の予算を立て、日々使う食材とストック食材の予算を分けましょう。そのうえで、予算内に収まるようやりくりします。食費節約の要は、何より食品ロスをなくすこと。安いものを買ったり、スーパーのポイントを貯めたりするより、食材のムダ買いや食べ残しを減らすだけで、大幅に食費を節約することができますよ。さらに買い物では買い回り順や「逆引きレシピ」を意識することでコストを抑え、整理された冷蔵庫・冷凍庫内で食材を管理して無駄を削減していきましょう。食品ロスを減らす意識を持って、無理のない範囲でひとつずつ実践していけば、きっと食費の節約につながるはずです。
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