一戸建てを新築するなら知っておきたい「住宅完成保証制度」とは?特徴や注意点を解説

一戸建て住宅を新築する際は、間取りや設備を選んで工事請負契約を締結、着工後は数ヶ月かけて住宅を完成させて引き渡しとなります。長い時間をかけて家づくりを進める中で、もし建築を依頼したハウスメーカーや工務店などの建築会社が倒産してしまったら「建築途中のまま建物が完成しない」「工事の引き継ぎで追加費用が発生してしまった」といった事態に陥る可能性があります。こういった倒産などのリスクに対応するために「住宅完成保証制度」というものがあります。この記事では、住宅完成保証制度の概要や種類、利用にあたっての注意点について解説します。

目次
1.住宅完成保証制度とは?
2.住宅完成保証制度の種類
3.住宅完成保証制度に関する注意点
4.住宅完成保証制度 まとめ

住宅完成保証制度とは?

住宅完成保証制度とは?

住宅完成保証制度とは、一戸建て住宅の新築施工中に建築会社が倒産により工事を完了できない事態に陥ってしまった場合、「住宅完成保証制度」に加入していれば、工事を続けるための追加工事費のうち一定の金額分が保証される、というものです。既に支払った工事費の損失分も保証してくれる保証会社もあります。万が一のことがあっても、最小限の負担で住宅を完成させることができるので安心です。
もし「住宅完成保証制度」に加入していない建築会社に施工を依頼した場合、倒産等により以下のようなリスクが考えられます。

建築会社の倒産で起こりえること1―支払った工事費が返金されない

住宅完成保証制度/建築会社の倒産で起こりえること1―支払った工事費が返金されない

着手金や中間金を支払った直後に建築会社が倒産してしまった場合、それまでにかかった工事費を上回る金額を支払っていた、もしくは未着工だったとしても、支払ったお金は戻ってこない可能性が高いでしょう。それまでに支払った金額よりも実際にかかった工事費が上回っていれば、差額を請求されることもあります。

建築会社の倒産で起こりえること2―工事が中断してしまう

住宅完成保証制度/建築会社の倒産で起こりえること2―工事が中断してしまう

建築会社が倒産してしまった時点で、工事が中断してしまうことが考えられます。住宅を完成させるには他の建築会社に工事を引き継いでもらう必要がありますが、工事を途中から請け負ってくれる依頼先を見つけることは容易ではありません。新たな建築会社に依頼できた場合も状況の把握には時間がかかりますし、建築会社により得意な分野やできること・できないことが異なるので、計画の見直しが必要になることもあります。時間や労力がかかることは間違いありません。

建築会社の倒産で起こりえること3―割り増し工事費が発生する

住宅完成保証制度/建築会社の倒産で起こりえること3―割り増し工事費が発生する

何とか別の建築会社に工事を引き継げたとしても、途中まで進んでいた工事を他社が引き受ける際には、再調査や設計の見直し、工事内容の見直しとそれにともなう再契約費用などが必要になり、プラスの費用が発生します。まったく同じ設計内容であったとしても、トータルコストが拡大してしまうことは避けることができません。

住宅完成保証制度の種類

住宅完成保証制度の種類

建築会社の倒産などによるリスクを軽減する「住宅完成保証制度」は、大きく分けて「保険タイプ」「エスクロータイプ」の2種類に分類されます。それぞれの主な特徴を紹介します。

保険タイプ
保険タイプは、万が一倒産などの理由で建築会社が工事を継続できなくなった際に、保証会社が損失分を補填してくれる制度です。工事を他社に引き継ぐことで発生する追加費用や着手金の損失分などについて補填してくれるものです。補填の範囲は保証会社によって異なりますので、よく確認をしておくようにしましょう。「工事請負額の2割まで」などの上限が設定されていることが多く、全額は保証されないケースもあることに注意が必要です。

エスクロータイプ
「エスクロー」とは、建築会社と施主の間に中立的な第三者である保証会社が入り、両者を仲介することを意味します。エクスロータイプの住宅完成保証制度は、新築のための請負代金をあらかじめ保証会社に預けておく契約となり、工事の進捗状況に応じて保証会社が出来高に応じた金額を職人や協力企業などに支払います。そのため、倒産など不測の事態に陥っても工事を継続しやすく、代わりの建築会社も迅速に手配してもらいやすいことも特徴です。

住宅完成保証制度に関する注意点

住宅完成保証制度は、建築会社が加入する制度です。そのため、家を建てる側が何らかの手続きをしたり、費用が発生したりすることは基本的にないものの、注意しておきたいポイントがあります。順に見ていきましょう。

住宅完成保証制度に関する注意点1-制度に加入していない建築会社もある

住宅完成保証制度に関する注意点1-制度に加入していない建築会社もある

住宅完成保証制度は、すべての建築会社が加入しているわけではありません。審査基準を満たし、事業者登録料を納める必要があり、義務化されている制度ではないので、加入していない建築会社もあります。建築会社と契約をする際には、事前に住宅完成保証制度に加入しているか確認をしておくと安心です。

住宅完成保証制度に関する注意点2-住宅完成保証制度の申請を確認する

住宅完成保証制度に関する注意点2-住宅完成保証制度の申請を確認する

住宅完成保証制度は建築会社が保証料金を支払う制度で、家を建てる側が何かをする必要はありませんし、費用負担もありませんが、自動的に保証されるわけではありません住宅完成保証制度を利用したい場合は、事前に建築会社に確認し、保証契約の利用申請をしてもらいましょう。建築会社によっては保証会社に支払う費用を建築費用に含んでいるケースもあるので、契約前に確認することをおすすめします。

住宅完成保証制度 まとめ

一戸建て住宅を新築するには、契約から着工、引き渡しまで何ヶ月もの時間がかかります。どのような建築会社であっても、倒産するリスクはゼロではありません。多額の損害を負うリスクを可能な限り抑えるために「住宅完成保証制度」に加入している建築会社の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

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