子育て世帯が住宅ローンで家を建てるなら活用したい【フラット35】子育てプラスとは?特徴やポイント加算の仕組みを解説

これから住宅購入を考えている方の多くが、住宅ローンの借り入れを前提としているでしょう。日銀がマイナス金利政策を解除し「住宅ローンの変動金利が上昇するのでは?」と心配している方も多いのではないでしょうか。全期間固定金利型の住宅ローンに対する関心が高まるなかで、住宅金融支援機構が少子化対策の推進施策の一環としてスタートした制度、【フラット35】子育てプラスが注目を集めています。対象となる子育て世帯は、良質な住宅を少ない金利負担で取得することが可能です。この記事では、子育て世帯が住宅ローンを利用して住宅を購入するなら活用したい【フラット35】子育てプラスの特徴やポイント加算制度について解説します。

目次
1.【フラット35】子育てプラスとは?
2.【フラット35】子育てプラスの特徴
3.【フラット35】のポイント制度
4.【フラット35】子育てプラス まとめ

【フラット35】子育てプラスとは?

【フラット35】子育てプラスとは?

【フラット35】子育てプラスとは、全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】の金利引き下げ制度のひとつで、子どもの人数に応じて一定の期間、借入金利を最大で年1.0%引き下げることができます。「子ども」には胎児や同居している孫も含まれ、借り入れを申し込んだ年度の4月1日時点で18歳未満であれば対象となります。全国どこでも、所得に関係なく、子どもの人数に応じた金利が引き下げとなる、子育て世帯にとって嬉しい制度です。
また、同性パートナーを含む夫婦いずれかが40歳未満の「若年夫婦世帯」も対象となっていて、子どもがいない家庭も金利引き下げの対象となります。

【フラット35】子育てプラスの特徴

【フラット35】子育てプラスにはどのような特徴があるのでしょうか。主なポイントを紹介します。

【フラット35】子育てプラスの特徴1―子どもの人数に応じて金利を引き下げ

【フラット35】子育てプラスの利用例

子どもの人数当初5年間の金利引き下げ率
0人(若年夫婦世帯)0.25%
1人
2人0.5%
3人0.75%
4人以上1.0%

【フラット35】子育てプラスは、子どもの人数に応じて金利が引き下げとなります。若年夫婦世帯もしくは18歳未満の子どもが1人いる子育て世帯は当初5年間、年0.25%、子どもが2人の世帯は年0.5%、子どもが3人で年0.75%、子どもが4人以上の場合は年1.0%の金利引き下げとなります。

【フラット35】子育てプラスの特徴2-金利の引き下げ幅は最大で年-1.0%!

【フラット35】子育てプラスの特徴2-金利の引き下げ幅は最大で年1.0%!

金利の引き下げ幅は年1.0%が上限となります。例えば、子どもが5人の場合、金利の引き下げ幅は4人の場合と同様に年1.0%となりますが、5人の場合は引き下げ期間が延長となり、当初5年間が年1.0%、6~10年目が年0.25%の金利引き下げとなる仕組みです。

【フラット35】子育てプラスの特徴3―新規借り入れのみが対象

【フラット35】子育てプラスの特徴3―新規借り入れのみが対象

【フラット35】子育てプラスは、新規の借り入れのみが対象となります。既に住宅ローンを利用していて、借り換えを検討している方が【フラット35】子育てプラスを利用することはできませんのでご注意ください。

【フラット35】のポイント制度

【フラット35】子育てプラスの加算ポイント

子どもの人数加算されるポイント
0人(若年夫婦世帯)1ポイント
1人
2人2ポイント
3人3ポイント
N人Nポイント

【フラット35】にはさまざまな金利の引き下げプランがあり、組み合せて利用することができます。「家族構成」「住宅性能」「エリア」のグループごとにポイント化し、合計のポイント数に応じて金利の引き下げ内容が決まります。この記事で紹介している【フラット35】子育てプラスは「家族構成」のグループにあたり、若年夫婦世帯もしくは18歳未満の子どもが1人いる子育て世帯1ポイント、子どもが2人の世帯は2ポイント、子どもが3人の世帯は3ポイントと、子どもの人数に応じてポイントが加算されます。

【フラット35】Sの加算ポイント

住宅性能加算されるポイント
ZEH3ポイント
金利Aプラン2ポイント
金利Bプラン1ポイント

合わせて、耐久性・可変性・省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性の観点から見た「住宅性能」の高い住宅を取得する場合、【フラット35】Sが適用され、ポイントをプラスできます。ZEH住宅の場合は3ポイント、金利Aプランは2ポイント、金利Bプランは1ポイントの加算です。金利AプランとBプランは、住宅の性能により利用できるプランがきまります。

【フラット35】維持保全型の加算ポイント

住宅性能加算されるポイント
長期優良住宅1ポイント
予備認定マンション
管理計画認定マンション
安心R住宅
インスペクション実施住宅
既存住宅売買瑕疵保険付住宅

維持保全や維持管理に配慮した住宅や一部の中古住宅も、ポイントが加算されます。【フラット35】維持保全型の対象住宅のなかで、一戸建て住宅の新築を予定している方にとって対象となるのは「長期優良住宅」で、1ポイントの加算となります。

なお、中古住宅の場合は一定の条件に合致すれば【フラット35】Sの代わりに【フラット35】リノベを利用でき、金利Aプランの場合は4ポイント、金利Bプランの場合は2ポイント加算されます。【フラット35】リノベを選択した場合、【フラット35】維持保全型は利用することができません。

【フラット35】地域連携型・地方移住支援型の加算ポイント

エリアの支援策加算されるポイント
子育て支援・空き家対策2ポイント
地域活性化1ポイント
地方移住支援型2ポイント

子育て支援や地域活性化などに対して積極的な取り組みをおこなう地方公共団体と住宅金融支援機構が連携している「エリア」で住宅を取得する場合にも、ポイントが加算されます。【フラット35】地域連携型(子育て支援・空き家対策)の対象エリアにお住まいの場合は2ポイント、Uターン・Iターン・Jターンなどに積極的な【フラット35】地域連携型(地域活性化)の対象エリアは1ポイント、地方公共団体による移住支援金の交付とセットになっている【フラット35】地方移住支援型の対象エリアは2ポイントが加算されます。なお、【フラット35】地方移住支援型のみ利用する場合は、当初5年間の金利が0.6%の引き下げとなります。

【ケーススタディ】 例えば、子どもが3人いる世帯で、【フラット35】地域連携型の子育て支援を利用できるエリアに、ZEH基準に適合している長期優良住宅を購入する場合、子育てプラスの3ポイント+地域連携型・子育て支援の2ポイント+【フラット35】S(ZEH)の3ポイント+【フラット35】維持保全型・かつ長期優良住宅の1ポイントで、合計9ポイントとなり、【フラット35】の借り入れ金利から当初10年間は1%の金利引き下げ、11~15年目には0.25%の金利引き下げが適用されます。

詳しい金利の引き下げ内容については、住宅金融支援機構の「【フラット35】 金利引下げ内容確認ページ」から確認してください。

【フラット35】子育てプラス まとめ

【フラット35】子育てプラスは「金利が低めに設定されている変動金利型の住宅ローンを利用したいけれども、今後の金利上昇が心配」「全期間固定金利型の住宅ローンをできるだけお得に借り入れしたい」と考えている子育て世帯におすすめの商品です。条件によっては、全期間固定金利型でありながら、変動金利型に近い金利で借り入れができるケースもあります。ただし、この制度のための予算が上限に達する見込みとなった時点で受け付けは終了となります。【フラット35】子育てプラスを利用して住宅を購入したい方は、できるだけ早めに申し込みをおこないましょう。

住宅金融公庫ホームページ【フラット35】子育てプラスはこちら

住宅購入時に確認しておきたい

新築一戸建て住宅の購入に補助金を活用を新築するなら活用したい!2023年4月現在の補助金や減税・優遇措置制度を解説

生命保険の代わりになる? 特約は付けたほうが良い? 住宅ローンの「団信」をFPが解説

長期優良住宅とは?安心安全に暮らせて減税の対象にも!住まいのプロが「長期優良住宅」の基準やメリット・デメリットを解説

古くなったマイホームの建て替え&リフォームをFPが解説 事例別のポイントと注意点

住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

新築一戸建て注文住宅購入者へのインタビュー記事はこちら

新築一戸建て注文住宅購入者のインタビュー記事