住宅ローンでマイホームを購入するなら、金利タイプは変動? 固定? 特徴を解説!

マイホームを購入する人の多くが、住宅ローンを組んで資金を調達します。特に、結婚や出産、お子様の成長などをきっかけに初めての住宅購入を決めた20~30代の人であれば、ほとんどの人が住宅ローンを検討しているはず。そこで気になるのが、住宅ローンの金利タイプです。固定金利と変動金利は何が違うのか、どちらを選ぶべきなのか考察します。

住宅ローンの金利タイプの種類は?

住宅ローンの金利は大きく分けて、「変動金利型」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」の3タイプがあります。各金利タイプの特徴を把握した上で、自身の状況に合った商品を選ぶようにしましょう。

変動金利型

金利が定期的に見直しとなるタイプです。住宅金融支援機構が発表した2018年度の第1回「民間住宅ローンの実態調査※」によると、金利タイプの利用割合は、変動金利型が最も多く57.0%、続いて固定金利期間選択型が25.3%、全期間固定金利型は17.7%。一般的に、当初期間において、3タイプの中で変動金利型の金利が最も低いため、多くの人が利用しています。

金利が見直しとなるタイミングは半年ごとで、多くの金融機関が4月と10月に実施しています。一方、返済額は5年ごとの見直しとなるため、金利が上下しても、毎月の返済額がすぐに変わるわけではありません。また、多くの金融機関で、変更後の返済額は元の返済額の1.25倍を上限としています。つまり、返済額を見直した後も、毎月の返済額が極端に増えることはありません。

ただし、金利が上がった後もしばらく返済額が変わらないからと言って、金利が上昇した分の利息を支払わなくて良い訳ではありません。金融機関は、返済額のうち利息の割合を増やすことで、毎月の返済額を一定にしています。そのため「元本がなかなか減らない」事態に陥るリスクがあります。そのため、金利上昇のリスクに備え、余裕を持った返済計画を立てること、自身で金利の動向を把握し、金利が上昇した時の対応策を考えておくことが必要です。

固定金利期間選択型

借り入れ時から2年、3年、5年、10年、15年など、一定期間の金利を固定させることができる金利タイプです。固定期間は優遇金利が適用される商品が多く、変動金利に近い魅力あ る金利で借り入れができ、一定期間は金利が変動しない安心感も得られます。

固定期間が終了した後は、自動的に変動金利型に切り替わります。固定金利型に変更したい場合は、所定の手続きが必要です。ただし、いずれの場合も優遇金利の適用が終了するため、借入金利が大幅に上がるケースが一般的です。そのため、他の金融機関が取り扱う固定金利期間選択型の住宅ローンに借り換えるなどの対策を講じる方が多いようです。そうすれば引き続き、優遇金利を適用させることができますが、住宅ローン手数料や保証料といった費用が発生することを踏まえたうえで決断が必要です。

全期間固定金利型

借入時の金利が完済まで変わらないタイプで、住宅金融支援機構と民間の金融機関の提携による住宅ローン「フラット35」が代表格です。毎月の返済額と総返済額を確定させることができるため、金利の上昇リスクを負いたくない人や、長期にわたる返済計画を立てたい人に向いています。

他の金利タイプと比べてやや金利は高めですが、前述の変動金利型のように元本がなかなか減らない、いわゆる「未払い利息」が発生するリスクはありません。また、ここ数年は史上最低金利と言われる状況が続いているため、十分に魅力ある金利で借り入れができるでしょう。金利が高い時代に借り入れをした住宅購入者が「金利が低い今のうちに」と借り換えを検討する際は、全期間固定金利型を選択するケースが多いようです。

自分に合う金利タイプは、どうやって選べばいいの?

「変動金利型」は借り入れ時の金利が低いため、多くの住宅購入者が利用しています。しかし、金利上昇のリスクがあるため、金利の動向を察知して金利が上がる前に借り換えや繰り上げ返済ができる方、もしくは金利がある程度上昇しても、返済できる家計の余力がある方におすすめです。
「固定金利期間選択型」は、当初の固定期間が終わると金利が大幅に上昇します。固定期間終了後のライフステージと、それにともなう家計の状況を予測した上で選ぶと良いでしょう。
「全期間固定金利型」は、完済時まで同じ返済額が続く安心感が魅力です。特に、ここ数年は低水準の金利が続いていますので、今のうちに全期間固定金利型で借りてしまうのはひとつの手です。金利情勢に左右されたくない方も、全期間固定金利型を選ぶべきでしょう。

先々の金利動向を予測することは難しいでしょう。しかし、自身の年収がどのように推移するのか、教育資金が多くかかるのは何年後なのか、老後資金はいつまでに貯めればいいのかなど、年齢に沿った家計の状況を予測することはできるはずです。

例えば、当初10年固定金利型を選んだ場合、借り入れから10年後に金利が上昇し、住宅ローンの返済負担が増します。借り換えをするにも、繰り上げ返済をするにもまとまった資金が必要です。そんな時、出産や育児のために共働きが難しく収入が半減したり、お子様の教育費負担がピークを迎えたりしたら、家計が苦しくなることは想像に難くありません。返済額が一定の、全期間固定金利型の方が、無理なく返済できるでしょう。

一方で、借入金額がさほど多くない場合など、少ない年数で住宅ローンを完済できる見込みの場合は、少しでも低い金利の商品を選ぶべきでしょう。繰り上げ返済ありきで考えている場合は、金利タイプだけでなく、繰り上げ返済手数料もチェックが必要です。

まとめ

「変動金利型」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」どの金利タイプを選べばよいのか、正解はありません。10年、20年、30年先の暮らしを思い浮かべながら選択をする必要があります。そして、いずれの金利タイプを選んだ場合も、金利タイプの見直しや繰り上げ返済、借り換えなどを視野に入れながら、無理のない住宅ローン返済を心掛けたいですね。


【参照】
※2018年度・第1回「民間住宅ローン利用者の実態調査
https://www.jhf.go.jp/files/400348431.pdf


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