新築一戸建て住宅の購入に補助金を活用を新築するなら活用したい!2023年4月現在の補助金や減税・優遇措置制度を解説

新築一戸建て住宅を購入するにはお金がかかります。限られた予算でよりよい家を建てるために、活用できる補助金や減税・優遇措置制度があれば積極的に利用したいですよね。制度によっては利用できる期間が限られているので、どのような補助金や減税・優遇措置制度が利用できるのか常にアンテナを張り、適切なタイミングで動き出す必要があります。そこで今回は、2023年3月時点で一戸建て住宅を新築で購入しようと考えている方が活用できる、補助金や減税・優遇措置制度を解説します。

目次
1.新築一戸建て住宅購入に活用できる補助金
2.新築一戸建て住宅購入時の減税・税制優遇制度
3.新築一戸建て住宅購入に利用できる補助金や減税・優遇措置制度 まとめ

新築一戸建て住宅購入に活用できる補助金

新築一戸建て住宅購入に活用できる補助金

住宅購入時に利用できる補助金制度は、2022年で終了してしまったものもあれば、2023年からスタートした制度もあります。2023年3月時点で利用できる予定の補助金制度は、以下の通りです。

新築住宅に利用できる補助金-こどもエコすまい支援事業

対象者 補助金額 主な要件
子育て世帯
若者夫婦世帯
一戸あたり100万円 ・所有者が自ら居住する住宅
・住戸の延床面積が50㎡以上
・省エネ住宅(ZEH・Nearly ZEH・ZEH Ready・ZEH Oriented)もしくは2022年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅

子育て世帯または若者夫婦世帯が、こどもエコすまい支援事業者と契約し、省エネ性能が高い注文住宅を新築、もしくは新築分譲住宅を購入した場合に利用できる補助金制度です(リフォームの制度もあります)。
新築でこどもエコすまい支援事業の補助金を申請できる対象者は、18歳未満の子どもがいる「子育て世帯」、もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の「若者夫婦世帯」。対象となる住宅は延床面積が50㎡以上の所有者が自ら居住する住宅で、土砂災害特別警戒区域の住宅は原則除外となります。また、省エネ性能の基準も定められており、ZEH・Nearly ZEH・ZEH Ready・ZEH Oriented、もしくは2022年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅のいずれかであることを証明書などで確認できることが求められます。補助金額は一戸あたり100万円で、予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)に交付申請を行う必要があります。完了報告期限は一戸建ての場合、2024年7月31日で、それまでに新築工事が完了していない場合、補助金を返還することになるため注意が必要です。
なお、リフォームの場合は年齢制限がなく、補助金額は5~60万円で、対象となる工事が定められています。詳しくは国土交通省のHPでご確認ください。

詳細:国土交通省「こどもエコすまい支援事業

新築住宅に利用できる補助金-ZEH補助金事業

対象となる住宅 補助金額 対象となる住宅 主な要件
ZEH住宅 一戸あたり55万円+α ZEH
Nearly ZEH
ZEH Oriented
・対象となる住宅の基準を満たしている
・SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが設計、建築または販売
ZEH+住宅 一戸あたり100万円+α ZEH+
Nearly ZEH+
・対象となる住宅の基準を満たしている
・SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが設計、建築または販売
次世代ZEH+ 一戸あたり100万円+α ZEH+
Nearly ZEH+
・ZEH+住宅の要件を満たし、以下のうち1つ以上を導入
1.蓄電システム
2.V2H充電設備(充放電設備)
3.燃料電池
4.太陽熱利用温水システム
5.太陽光発電システム10kW以上
次世代HEMS 一戸あたり112万円+α ZEH+
Nearly ZEH+
・ZEH+住宅の要件を満たし、蓄電システムまたはV2H充電設備(充放電設備)を導入
・蓄電システム、V2H充電設備(充放電設備)、燃料電池、太陽熱利用温水システムの設備を導入することも可
・太陽光発電システムを活用し、自家消費量をさらに拡大する目的で、AI・IoT技術などによる最適制御を行う仕組みを備えている

※2022年度の詳細

ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略語です。太陽光発電などにより電力を創り出し、家の断熱性能や省エネ性能を高めることで、住宅で消費するエネルギー量をゼロ以下にする住宅を指します。補助金の支給を受けるためには、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録されているビルダーやプランナーが設計、建築または販売している住宅であることが求められるため、補助金を利用したいのであれば事前の確認が必要です。
2023年度の詳細はまだ発表されていませんが、2022年度の場合、補助金額はZEH住宅が一戸あたり55万円、より高性能なZEH+住宅が一戸あたり100万円、次世代ZEH+が一戸あたり100万円、次世代HEMSが112万円で、高性能機器の導入でさらに金額が加算されます。ZEH住宅の種類と主な要件は、以下の通りです。

ZEH住宅の種類と主な要件
ZEH住宅の種類 断熱+省エネの省エネ率 創エネを含む省エネ率 その他の主な要件
ZEH 20%以上 100%以上
ZEH+ 25%以上 100%以上 以下のうち2つ以上を導入
1.断熱性能をより強化
2. HEMSで発電量を把握し、冷暖房や給湯設備、省エネ設備などをコントロール
3.電気自動車に再生可能エネルギーで充電できる
Nearly ZEH 20%以上 75%以上 寒冷地、低日射地域、多雪地域
Nearly ZEH+ 25%以上 75%以上 ZEH+と同様の要件を満たす
寒冷地、低日射地域、多雪地域
ZEH Oriented 20%以上 都市部狭小地の2階建以上および多雪地域

申請は公募期間内に、建築を依頼するハウスメーカー経由で行う必要があり、先着順です。公募期間内でも予算に到達してしまった場合は受理されないので、早めに応募しましょう。

詳細:SII「2022年の経済産業省と環境省のZEH補助金について

新築住宅に利用できる補助金-地域型住宅グリーン化事業補助金

事業の種類 最大補助金額 主な要件
長寿命型
(認定長期優良住宅)
一戸あたり110万円+α 認定長期優良住宅であること
新築の木造住宅であること
ゼロ・エネルギー住宅型
(NearlyZEH、ZEH Orientedを含むゼロ・エネルギー住宅)
一戸あたり140万円+α ZEH住宅であること(認定長期優良住宅の条件も満たすことで補助金額が最大になる)
新築の木造住宅であること
高度省エネ型
(認定低炭素住宅)
一戸あたり90万円+α 認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅であること
新築の木造住宅であること

※2022年度の詳細

認定長期優良住宅やゼロ・エネルギー住宅、認定低炭素住宅といった、省エネ性能が高く地域の木材で建てた新築住宅に補助金を交付する制度です。2023年度の詳細はまだ発表されていませんが、2022年度の場合、認定長期優良住宅が一戸あたり最大110万円、ゼロ・エネルギー型住宅が一戸あたり最大140万円、認定低炭素住宅が一戸あたり最大90万円の補助をうけることができ、地域材を活用した住宅や、地域の伝統的な建築技術を継承した住宅には20万円、「三世代同居」「若者・子育て世帯」「バリアフリー」の住宅には30万円が加算されます。
補助金の交付を受けるには、国の採択を受けた住宅供給グループに属する施工会社に依頼する必要があり申請は先着順です。詳しくは、最新の情報を確認してください。

詳細:「地域型住宅グリーン化事業

新築住宅に利用できる補助金-LCCM住宅整備推進事業 - 140万

対象となる費用 最大補助金額 主な要件
設計費・建築工事など補助対象工事の掛かり増し費用の合計額の2分の1 一戸あたり140万円 ・ZEH住宅の要件を満たす
・再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準値から25%削減
・ライフサイクル全体のCO2排出量を算定した結果が0以下

※2022年度の詳細

LCCM住宅とは、建築から解体・再利用まで、住宅のライフサイクルを通じてCO2の排出量をマイナスにする住宅のこと。LCCMはライフ・サイクル・カーボン・マイナスの略称です。2050年のカーボンニュートラル実現に向けた役割を期待されるLCCM住宅に対する補助金制度です。2023年度の詳細はまだ発表されていませんが、2022年度の場合、LCCM住宅を新築する際に、一戸あたり最大140万円の補助を受けることができます。

詳細:「LCCM住宅整備推進事業実施支援室

新築一戸建ての減税・税制優遇制度

新築一戸建ての減税・税制優遇制度

一戸建て住宅を新築で購入する際に利用できるのは、補助金制度だけではありません。ここでは、住宅購入時に利用できる主な減税制度や税制優遇制度を紹介します。

新築住宅に利用できる減税等-住宅ローン減税(控除)

住宅の種類(性能) 借入限度額 控除期間
2022・2023年入居 2024・2025年入居
長期優良住宅
低炭素住宅
5,000万円 4,500万円 13年間※
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 3,000万円 控除なし※

※2023年末までに建築確認を受けた住宅に2024・2025年に入居する場合は借入限度額2,000万円、控除期間10年間

住宅購入時に利用できる制度として思い浮かべる人が最も多いのが「住宅ローン減税(控除)」ではないでしょうか。住宅ローンを借り入れてマイホームを新築・購入し、確定申告もしくは年末調整を行うことで、住宅ローン残高の0.7%が最長13年間、所得税や住民税から還付される制度です。
住宅ローン減税は住宅ローンを借り入れれば誰もが利用できるものではなく、要件がありますので、ご注意ください。
住宅ローン減税の主な要件としては、床面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上が自己居住用であること(2023年末までに建築確認を受けた新築住宅を取得する場合、合計所得金額が1,000万円以下であれば40㎡以上に床面積要件が緩和)、住宅ローンの借入期間が10年以上であること、合計所得金額が2,000万円以下であることなどで、借入限度額は住宅の種類によって異なります。年度によって借入限度額が異なるので注意しましょう。

詳細:国土交通省「住宅ローン減税

新築住宅に利用できる減税等-住宅取得等資金贈与の非課税特例

住宅の種類 非課税になる金額 贈与の期間
省エネ等住宅 1,000万円 2023年12月31日まで
それ以外の住宅 500万円

住宅取得等資金贈与の非課税特例とは、2023年12月31日までに、両親や祖父母など直系尊属からマイホームの新築や取得などの住宅取得資金として贈与を受けた場合、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円を限度に非課税になる制度です。
資金贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与を受けた翌年3月15日までに購入した住宅の引き渡しを受け、居住見込みであること、住宅の床面積が40㎡以上240平方㎡以下であることなどの適用要件があります。

なお、住宅取得等資金の非課税特例は基礎控除額の110万円、もしくは相続時精算課税制度(2,500万円)と組み合せて使うことも可能です。
また、住宅購入資金の贈与を受けた場合は、翌年に贈与税の申告を行う必要があります。申告書に住宅購入の特例の適用を受ける旨、記載することを忘れないようにしましょう。

詳細:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

新築住宅に利用できる減税等-登録免許税

登記の種類 本則の税率 軽減後の税率
所有権移転登記
(土地売買)
2.0% 1.5%
(2024年3月31日まで)
所有権保存登記
(住宅取得)
0.4% 0.15%
(2025年3月31日まで)
所有権移転登記
(住宅取得)
2.0% 0.3%
(2025年3月31日まで)
抵当権設定登記 0.4% 0.1%
(2025年3月31日まで)

不動産の登記手続きを法務局で行う際に納める「登録免許税」。住宅の床面積が50平方メートル以上の自己居住用住宅で、取得後1年以内に登記した場合、軽減措置を受けることができます。土地の売買による「所有権移転登記」は2.0%から1.5%に、新築住宅取得時の「所有権保存登記」は0.4%から0.15%に、「所有権移転登記」は2.0%から0.3%に、「抵当権設定登記」は0.4%から0.1%に軽減されます。適用される期限は「所有権移転登記」が2024年3月31日まで、それ以外が2025年3月31日です。

詳細:税務署「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ

新築住宅に利用できる減税等-不動産取得税

種別 減額される金額 軽減後の税率 主な要件
一般住宅 1,200万円 3% 50㎡以上240㎡以下
長期優良住宅・低炭素住宅 1,300万円 3% 50㎡以上240㎡以下
土地 3% 土地の取得から3年以内に住宅を新築する

新築住宅や土地を購入する際は、不動産取得税が発生しますが、2024年3月31日までに新築・取得した住宅に対して軽減措置を受けることができ、住宅・土地ともに4%から3%に軽減されます。また、50㎡以上240㎡以下の新築住宅を取得した場合、課税標準から1,200万円、新築の認定長期優良住宅を取得する場合は1,300万円が控除されます。
また、土地に関しては評価額が2分の1に軽減され、4万5000円、もしくは土地1㎡当たりの固定資産税評価額の2分の1×課税床面積×2(上限200㎡)×3%のうち、高い方の金額が控除されます。

詳細:東京都「不動産取得税

新築住宅に利用できる減税等-固定資産税

住宅・土地種別 期間 減額の割合 対象床面積
一般住宅 3年間 2分の1 床面積120平方メートルまで
一般の長期優良住宅 5年間
小規模住宅用地 6分の1 200㎡までの土地
一般住宅用地 3分の1 200㎡を超える土地

固定資産税についても軽減措置があります。通常、固定資産税の標準税率は1.4%ですが、2024年3月31日までに新築した住宅に対し、固定資産税の減額措置が適用されます。通常の新築一戸建てであれば当初3年間、認定長期優良住宅の一戸建ては5年間、固定資産税が通常の2分の1に減額されます。
また、土地に関しては住宅用地特例により、200㎡までの小規模住宅用地であれば評価額の6分の1に、200平米を超える部分は3分の1に固定資産税が減額されます

詳細:総務省「固定資産税

新築一戸建て住宅購入時に利用できる補助金や減税・優遇措置制度 まとめ

一戸建て住宅を新築で購入する際には、2023年にスタートした「こどもエコすまい支援事業」をはじめとする様々な補助金や減税・優遇措置制度を活用できます。購入するハウスメーカーなどから情報をいただくことはできますが、できれば事前に概略は知っておきたいものです。現時点では今年度の詳細が確定していない制度も多く、情報は日々更新されています。国土交通省や補助金制度の公式サイトなど最新の情報をチェックするよう心がけましょう。また、今回紹介した以外にも、自治体が独自で補助金や助成金を設けていることもあります。少しでもお得に住宅購入ができるよう、お住まいの市区町村に活用できる制度がないか事前に確認してくださいね。

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