新型コロナウイルスの影響で外出に懸念があるなか、お家の庭やベランダで行う「家キャンプ」が注目を集めています。準備や片付け、荷物の運搬などの手間がキャンプ場ほどかからないことが魅力のひとつ。思い立ったらいつでも非日常感を味わえるので、キャンプ初心者からアウトドア好きまで気軽に楽しんでいる方が多いようです。そこで、家キャンプを充実させるためのオススメ家電を、家電ライター兼アドバイザーの藤山哲人さんに教えていただきました。
お話を伺った藤山哲人さん プロフィール
家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。「マツコの知らない世界」(番組史上最多の6回出演)や「アッコにおまかせ」、「NHKごごナマ」などをはじめ、朝や昼の情報番組に多数出演。現在、インプレスの「家電Watch」「PC Watch」や「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体、ABCラジオで連載やコーナーを持っている。
家電ライターの藤山哲人です。今回は家キャンプで重宝する調理家電やオススメアイテムをご紹介します。家キャンプの場合、大自然のなかでのキャンプと違って、コンセントが必要な家電を使いやすいのが魅力と言えるのではないでしょうか。2020年から販売された最新家電もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
家電アドバイザー藤山さんオススメ! 家キャンプ向けの調理家電・アイテム
Aladdin「グラファイトグリラー」
はじめにご紹介したいのが、Aladdinの「グラファイトグリラー」というホットプレートです。この商品の一番の特徴は、熱源となるヒーターが上部に付いていること。一般的なホットプレートは下からの熱で調理をしますが、こちらは上からの熱で食材を熱するため、煙が出にくいのが魅力です。
庭やベランダで調理をすると、煙が風に流されて近隣の洗濯物に臭いをつけてしまうなど、迷惑をかけてしまうことも考えられますが、その心配は最小限に抑えられるでしょう。また、特許技術「遠赤グラファイト」を採用しているので、0.2秒と短時間で余熱を必要とせず発熱し、まるで炭火で焼いたかのようにふっくらと仕上げることができます。お肉や野菜を焼くだけでなく、炙り料理やスイーツなどの調理にも対応しているので、さまざまなメニューを楽しむことができるでしょう。
Iwatani「カセットフー マーベラスⅡ」
寒い季節、スープやシチューなど汁物の調理をするのにオススメな商品をご紹介します。それは、カセットコンロ業界で最大手のIwataniが販売する「カセットフー マーベラスⅡ」です。アウトドア仕様のカセットコンロで、風の影響を受けにくいのが大きな特徴と言えるでしょう。コンロ全体を覆う形で付けられたトップカバーの大きな風防と、バーナー周りを囲む風防による「W風防」の力によって、屋外でも難なく調理を進めることができます。また、バーナーはたくさんの細い穴が配置された「多孔式バーナー」なので、多少の風が吹いても火が消えません。こちらはカセットボンベを使用するので電源は不要、本体に取っ手が付いているので持ち運びも簡単です。
Thanko「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」
バーベキューの途中で、炊いたお米がなくなったという経験はありませんか? 焼きたてのお肉が美味しくて、想像以上に食が進んだり、焼きおにぎりをつくったりすると、意外とご飯がなくなることもあるのです。
そんなシチュエーションで便利なのが、Thankoの「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」。容器にお米と水を入れてスイッチを押すだけで、お茶碗一杯分のご飯が最速14分でふっくらと炊き上がります。これで急なおかわりにも対応できるでしょう。
J-FUN「abien MAGIC GRILL」
J-FUNという会社が販売する「abien MAGIC GRILL」というホットプレートもオススメです。クラウドファンディングによって発売が決まった商品なのですが、目標額を大幅に超える人気を集めていて、これからヒットする予感がします。プレートの厚さはわずか3ミリで収納や取り出し、片付けの負担も少なく、家キャンプをするのに使い勝手が良いと言えるでしょう。一般的なホットプレートは鉄板下のヒーター部分が棒状になっているものが多く、焼きムラや焦げ付きができてしまうこともあるのですが、この商品はプレートそのものを加熱するのでその心配がありません。さらにプレートはラミネートフィルム加工がされていて、油を使わずお肉を焼けるのでとってもヘルシーです。
IBUSIST「IBUSIST燻製機」
「IBUIST燻製機」もクラウドファンディングで話題沸騰の商品です。大がかりな道具を使わず、誰でも簡単に燻製がつくれる家電として注目を集めています。
使い方は専用のマシンに少量のチップを入れて、スイッチON。その後、チップに火をつけ、あとは付属の燻製ドームにスモークを放出するだけ。煙が飛び散ることなくコードレスで使用できるので、家キャンプで大活躍するでしょう。
家キャンプで役立つオススメ家電・アイテム
アイリスオーヤマ「LED バーライト」
野外でのキャンプはもちろんのこと、家キャンプにも照明は欠かせません。お家であればコンセントを使えるので、照明アイテムを有効活用しましょう。オススメはアイリスオーヤマの「LEDバーライト」です。サイズは30センチから90センチと長さが選べ、両面テープや磁石などで簡単に取り付けることができます。
このバーライトが最も活躍するのは、夜間のバーベキュー。明かりの範囲が狭いランタンなどでは、暗いなか、お肉が焼けたかどうか判別するのは困難です。一家団欒のときは風情のあるランタンを使用するのもいいですが、食事のときは広範囲を明るく照らせるバーライトをオススメします。
Sharkの掃除機「エヴォパワーシステム」
キャンプをすると、燃やした薪の灰や付着した砂などの掃除が意外と面倒なものです。家キャンプの後の庭やベランダ、テントの掃除にオススメなのが、アメリカで売り上げナンバーワンの掃除機メーカーSharkが販売する「エヴォパワーシステム」です。2020年8月に発売されたこの商品は、日本で大ヒットしたハンディ掃除機「エヴォパワー」が進化したもので、スティックタイプとハンディ機能の両方が使えるようにパワーアップしました。アタッチメントはワンタッチで取り外し可能なので、用途に合わせて使うことができます。コードレス充電式なので屋外でも使えますし、本体重量が約0.9キログラムと軽量のため、持ち運びの負担もありません。
mont-bell「BioLite キャンプストーブ2」
家キャンプでも焚き火がしたい! という方にオススメなのが、mont-bellの「BioLite キャンプストーブ2」という商品です。重さ935グラムというコンパクト設計で、送風ファンが燃料室に空気を送り続けるため、煙が放出されるのを抑えられます。さらにこのキャンプストーブは、火を起こすとスマホの充電ができるという機能付き。木の枝や紙くずなどを燃やすことで、付属の発電ユニットが熱を電気に変換して、USBポートから充電ができるようになります。家キャンプのときに調理家電でコンセントが埋まっていても、スマホの充電ができるので、重宝するでしょう。
家キャンプにはポータブル発電機があると便利
家キャンプで家電を使いたくても、コンセントの位置が悪くて、延長コードが使えない。そんなときはポータブル発電機があると便利です。
Honda「EU9iGB(エネポ)」
最初にご紹介したいポータブル発電機は、Hondaが販売する「EU9iGB(エネポ)」です。
一般的なポータブル発電機はガソリンを使うものが多いのですが、これは市販のカセットボンベで発電できるすぐれもの。定格出力がコンセントと同じ100ボルトで、900ワットまで使えるので、ホットプレートでの調理なども問題なく行えます。ただ、EU9iGB(エネポ)は本体価格が約12万円と高額なので、家キャンプで一時的に使うのであればレンタルすることをオススメします。レンタル会社によって価格差はありますが、一泊約4000円からレンタル可能です。
Jackery「ポータブル電源」
続いてご紹介したいのが、Jackery(ジャクリ)という会社が販売する「ポータブル電源」。言うなれば、コンセントがついた巨大なモバイルバッテリーというところです。電源コードかソーラーパネルで充電して使用します。定格出力は200ワット、400ワット、500ワット、1000ワットと4種類あり、用途に応じて選ぶことが可能。安いものは2万円台で購入できるので、アウトドア好きの方は1台持っておくと便利ですよ。
家キャンプで使えるアイテムは災害時にも役立つ?
家キャンプで使える家電やアイテムのなかには、いざというときに重宝するものもあります。例えば、「カセットフー マーベラスⅡ」は、地震や台風の影響で、電気やガスが止まってしまったとき、料理をするのに役立つでしょう。また、Jackeryのポータブル発電機も普段から充電しておけば、LEDバーライトを使って部屋を照らしたり、スマホを充電したりと活躍します。家キャンプに必要な道具を揃えていくなかで、これは災害時にも使えるかも、という意識を持っておくのも良いでしょう。
家キャンプを充実させるオススメ家電とアイテム特集 まとめ
今回ご紹介した家電とアイテムは、どれも簡単に使えるものばかりです。近隣のお家に配慮しながら、楽しい家キャンプをするのに役立ててくださいね。