家電のプロが教える!!お家の電気代・ガス代を安くする省エネテクニック

2016年に電力が、2017年にはガスがそれぞれ自由化され、各家庭にあった会社を選択できる時代になりました。しかし、「どうすれば節約につながるのかわからない」、「自宅にあった電気・ガス会社が知りたい」という方は、いまだに多いのではないでしょうか。そこで、テレビや家電雑誌で活躍中の家電ライター・藤山哲人さんにお家の電気代・ガス代を見直す方法について伺いました。藤山さん曰く、絶対に見るべき2つのサイトがあると言います。一体、どのようなサイトなのでしょうか?

お話を伺った藤山哲人さん プロフィール

藤山哲人さん
藤山哲人さん

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。「マツコの知らない世界」(番組史上最多の6回出演)や「アッコにおまかせ」、「NHKごごナマ」などをはじめ、朝や昼の情報番組に多数出演。現在、インプレスの「家電Watch」「PC Watch」や「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体、ABCラジオで連載やコーナーを持っている。

各家庭にあった電力・ガス会社が見つかる「エネチェンジ」

電気・ガスの切り替えなら「エネチェンジ」
電気・ガスの切り替えなら「エネチェンジ」

電気代とガス代を安くするために、必ず見てほしいサイトが2つあります。初めにご紹介したいのが「エネチェンジ」(https://enechange.jp)というサイトです。このサイトを使えば、各家庭にあった電力・ガス会社を会員登録なしに一発で見つけることができます。

電力比較の入力例
電力比較の入力例「エネチェンジ」

使用方法は簡単です。まずはエネチェンジのトップ画面を開いてみましょう。続いて、現在住んでいるお家で電気・ガスの料金を見直したい方は「今のお住まいでの切り替え」を、引越し先の電気・ガス会社を調べたいという方は「引越しで新しく申し込み」をそれぞれ選択してください。 あとは、ご自宅の郵便番号と世帯人数、在宅状況、今のお住まいでの切り替えを希望される場合は、現在、お支払いしている電気代・ガス代を入力するだけ。それだけで、ご自身の状況にあった電気・ガス会社の一覧を把握することができます。

エネチェンジで電力会社を調べる際には、ぜひ、ポイント付与にも注目してみてください。電力会社によっては、毎月の電気料金に応じてTポイントやPontaカードのポイントなどが貯まるプランを設けている場合があります。 こちらも調べ方は簡単で、先ほどの手順で地域、世帯人数を入力したら、「電気のこだわり条件を変更する」というボタンを選択するだけ。すると、電力会社やプランの特徴など、優先したい条件を提示してくれます。そのなかに「ポイント付与」という項目がありますので、貯めたいポイントがある場合には切り替えの参考になると思います。
また、自動車をよくご利用される場合は「ENEOSでんき」に切り替えてみるのはいかがでしょう。ポイント付与が充実しており、電気代200円につき、1ポイントのTポイントが貯まる仕組みになっています。さらにENEOSカードをつくって、それで電気代を支払うと、ガソリン・軽油・灯油の料金が通常の料金から、1円/1L割引になる特典も受けられるのです。

ネット回線と同時契約がお得!?

ほとんどのご家庭では、ご自宅にインターネット回線を引かれていると思います。実はBIGLOBEやOCN、So-netなどのインターネットプロバイダー会社やJ:COMなどのケーブルテレビ会社は、電力も販売しているのです。ネット回線とともに電気もまとめて契約することで、現在よりもお得なプランが見つかる場合があります。

ペットがいるご家庭への注意点

電力会社の切り替えを検討する際、ペットがいる場合は世帯人数の頭数に愛犬や愛猫も入れてあげることを忘れないようにしてください。室内でペットを飼われているご家庭だと、寒い季節にはペットのために暖房を付けっぱなしにして外出されるケースもあるかと思います。つまり、一日中お家に人がいることと同じになるわけです。飼い方次第で条件は変わりますが、思い当たる方は参考にしてみてください。

エネチェンジでより詳しく調べるために平均値を出す

エネチェンジは、現在お支払いしている電気・ガス代の数値が詳細であればあるほど正確な数値が出ます。もし、保管されているようであれば、1年分の電気代の領収証や請求書から平均値を出して、入力するようにしてください。特に電気代は、季節によってかかる費用がマチマチなので、1年の平均を出すのは、とても重要なことです。

電力・ガス会社の切り替えは変更する際の手数料などもかかりませんし、面倒な手続きもなく電話一本で変更が可能です。お手軽にできることなので、この機会にぜひ、ご検討してみてはいかがでしょう。

エネチェンジで電力会社が決まったらすべきこと

電気の料金プラン「東京電力」
電気の料金プラン「東京電力」

ご自身にあう電力会社が決まったら、実際にその会社のサイトを見て、お得なプランについて調べてみましょう。エネチェンジでもある程度は、ご家庭に合った条件を調べることができますが、各電力会社のサイトのほうが、より具体的なプランを確認できるのです。

参考として東京電力のサイト(http://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/index-j.html)を見てみましょう。東京電力は「プレミアム」「スタンダード」「夜トク」という3つの電力プランのなかから選べる仕組みになっています。

電気の料金プラン一覧「東京電力」
電気の料金プラン一覧「東京電力」

簡単にそれぞれのプランについて説明すると、「プレミアムプラン」は比較的、家にいる時間が長い場合にオススメです。電気の使用量が多いご家庭に向けて定められているので、二世帯住宅や大型家電を多数使用されている方にはもってこいでしょう。

「夜トク」は20時以降から電気を使われることが多いご家庭にオススメです。夜間の電気料金が安く設定されているので、日中、お家にいることが少ない共働きのご家庭などは契約の見直しを図ってみると良いでしょう。場合によっては、電気代が半額くらいになることもありえます。

そして、「スタンダードプラン」は、その名のごとく「プレミアムプラン」や「夜トク」に適さないご家庭にオススメです。TポイントやPonta、WAONなど、お得なポイント還元サービスが豊富に用意されているのも特徴です。

ほかにも、オール電化のお家に向けた「スマートライフ」や再生可能エネルギーを使いたいというエコ志向ファミリーに向けた「アクアエナジー100」というプランもあります。これらは東京電力の例ですが、他の電力会社も同じように、プランを見直す取り組みを行っていますので、ご家庭で契約されている電力会社のサイトをぜひ確認してみてください。意外とプランを変えるだけで、電気代が安くなるケースもあります。

買い換えるべき家電がわかる「しんきゅうさん」

環境省が運営する電気代を見直すためのサイト「しんきゅうさん」
環境省が運営する電気代を見直すためのサイト「しんきゅうさん」

エネチェンジともう一つ、僕がオススメする電気代を見直すためのサイトが環境省の運営する「しんきゅうさん」(https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/)です。 このサイトでは、ご自宅で使われている今の家電と、最新の家電を比較して年間の消費電力量や電気代の差額、CO2の排出量などを調べることができます。こちらも使用方法は簡単で、まずは「しんきゅうさん」のトップページを開いて、「さっそく比較してみる」をクリックしてください。

電気代の比較「しんきゅうさん」
電気代の比較「しんきゅうさん」

すると、いくつかの項目が表示されているポップアップへと移動するので、「かんたん比較」をクリックします。

電気代の比較対象の家電「しんきゅうさん」
電気代の比較対象の家電「しんきゅうさん」

冷蔵庫やエアコン、テレビなど、ご家庭で使われる主要な家電が表示されるので、調べたいものをクリックして、今使っている家電の購入年やメーカー、型番を入力してください。
入力が終わったら「次へ」をクリックして、今度は買い換えたい家電のスペックやメーカーをそれぞれ選択してみてください。全ての選択が終わったら、「比較する」をクリックするだけ。現在、使用している家電と、購入予定の家電の比較結果がわかりやすいグラフと数値で確認できますよ。

節約につながりやすいのは冷蔵庫と照明器具!

節約につながりやすい冷蔵庫
節約につながりやすい冷蔵庫

「しんきゅうさん」ではぜひ、家庭内の消費電力トップ2である冷蔵庫と照明器具の見直しを行ってみてください。冷蔵庫は24時間365日、常に稼働している唯一の家電です。その消費電力は、家庭内の14.2%を占めると言われており、1年間にかかる電気代は平均で約1万5,000円。使っている冷蔵庫が10年以上前のものならば、最新のものとの比較結果に驚くことでしょう。それだけ、最新の冷蔵庫は省エネ化が進んでいるということです。

冷蔵庫に次いで消費電力が多いのは照明器具。こちらは家庭内消費電力の13.4パーセントを占めていますので、ぜひ、しんきゅうさんで、ご自宅で使用しているものと最新のものを比較してみてください。LED電球に変えるだけで、かなりの節約になるケースもあります。

節約からは少し話がそれてしまうのですが、ここでLED豆知識をひとつ。化粧台のある部屋にLEDライトを設置する際は注意してください。
LED照明には「ケルビン」という光の色を数値化した単位があります。簡単に言うと、このケルビンという数値が高ければ高いほど「青みがかかった白」になり、低ければ低いほど、「赤みがかった白」で部屋を照らすというわけです。そこで問題になるのが、メイクの濃さ。例えば、ケルビンがどちらかに偏りすぎたLED照明下でお化粧すると、外出時にメイクの色味がお家で見た色味と全然違う……という現象が起きてしまうのです。

節約につながりやすい照明器具
節約につながりやすい照明器具

そのような問題を解決してくれるのが、「まなびのあかり」という機能を搭載した日立のLEDシーリングライトです。これは独自の技術を使って、光の成分を太陽光に近づけているので、野外の自然な明かりに近い照明だと言われています。なので、化粧台を照らすLEDは日立製にするのがオススメです。

電気代・ガス代を安くする省エネテクニック まとめ

「エネチェンジ」と「しんきゅうさん」を使えば、ご家庭で気軽に電気・ガス会社の切り替え検討や家電の消費電力比較ができます。電力会社や家電量販店に行って、長い時間お話を聞くのが面倒という方も、まずは、ご自身で一通りの情報を集めてみることで、満足のいく切り替えや購入ができることでしょう。

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新築一戸建て注文住宅購入者のインタビュー記事
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