技術の進化により、さまざまなAI家電が登場していますが、使い方が難しそう、何が便利なのかわからないといった理由で、購入を控えている方も多いのではないでしょうか。一言でAI家電と言っても、グーグルホームやアレクサのように、ほかの機器と連動して使用するものと、単独で活用できるものとで分かれるといいます。 今回はそのなかから、単独で買ってもすぐに、簡単に扱える最新AI搭載家電をご紹介します。多数のメディアで活躍中の家電ライター・藤山哲人さんにお話を伺いました。
お話を伺った藤山哲人さん プロフィール
家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。「マツコの知らない世界」(番組史上最多の6回出演)や「アッコにおまかせ」、「NHKごごナマ」などをはじめ、朝や昼の情報番組に多数出演。現在、インプレスの「家電Watch」「PC Watch」や「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体、ABCラジオで連載やコーナーを持っている。
簡単に扱えて便利な最新AI家電①ロボット掃除機
ロボット掃除機はライフスタイルにあったものを選ぶ
ロボット掃除機は、AIの極みと言っても過言ではない家電です。コストも1回の稼働で約数円と安価ですし、バッテリー交換も2年に1回ほどで済むため、普通の掃除機より節約につながる可能性が高いです。使い方はスイッチを押すだけなので簡単なのですが、製品の特性を理解したうえで購入したほうが優れたパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。ロボット掃除機はメーカーによって、それぞれ特長が異なるので、ライフスタイルにあったものを選ぶことが大切です。
ペットを飼っているご家庭では「エレクトロラックス」
ペットがいるお家でロボット掃除機を使用した場合、何かの原因で粗相してしまったフンまで吸い込んでしまい、大惨事になってしまう恐れがあります。しかし、スウェーデンの家電メーカー「エレクトロラックス」のロボット掃除機は、床にある障害物をレーザーで探知し、AIが自動で避けてくれるため、その心配はありません。愛犬家や愛猫家の方などは、こちらの製品をお買い求めいただくのがよいでしょう。
畳のお部屋もキレイにしたい場合は「Anker」
2019年現在、ロボット掃除機業界で来ているメーカーと言ったら、モバイルバッテリーなどの製造で有名な「Anker」ですね。ロボット掃除機は、ゴミを吸い取ってくれるものと拭き掃除を行ってくれるものの2つに分かれているのですが、Anker製は2つの機能を備えているので、畳の部屋でもキレイにしやすいです。
フローリングにはダイソンの「ヒューリスト」がオススメ
フローリングのお部屋をキレイにしたい場合は、ダイソンの「ヒューリスト」がオススメです。床の細かいゴミやほこりまで感知して吸い取ってくれるので、吸引力の強いダイソン製掃除機をかけたあとみたいになります。お家では裸足で生活したいっていう方には、もってこいではないでしょうか。
ロボット掃除機のパフォーマンスを最大限引き出すには?
ロボット掃除機を使用する場合、障害物に進路を阻まれたり、コードに絡まったりといったリスクは少なからず存在します。床の片付けができておらず、これまでになかった段差が生まれてしまうと混乱してしまうケースもあるのです。AI搭載で賢くなったとは言え、障害物をはねのけるようなパワーはないので、動きやすい導線を確保してあげることが重要です。
簡単に扱えて便利な最新AI家電②電子レンジ
進化を続けるAI搭載オーブン電子レンジ
AI家電といえば、オーブン電子レンジも忘れてはいけません。レンジを使用する際、「あたためる」のボタンを押して放置したり、ざっくりとした感覚で加熱時間を決めたりすると、中心部が冷たいままだったということが起こりますよね。AI搭載オーブン電子レンジは、温度の上がり具合を自動で識別してくれるので、その心配はありません。自動温めボタンを押すだけで、なかのものを最適な温度にしてくれるわけです。
AIオーブン電子レンジの選び方
オーブン電子レンジは料理好きな方とそうでない方で、こだわり方に差が生まれる家電だと思います。例えば、お菓子作りをよくする方には、東芝のオーブン電子レンジがオススメですね。多くのレンジは、オーブン機能の温度が270〜280℃くらいまでしか上がらないのですが、東芝は350 ℃まで上がるので、お菓子づくりの幅が広がります。また日立のものは300℃までですが、お皿に重量センサーを搭載しているので、グラム単位で適切な加熱時間を調整することが可能です。
また、料理があまり得意でない方には、シャープの「ヘルシオ」が便利です。アプリを登録すれば、スマホとレンジを連携し、スマホにレシピを転送できるので、「今日はこういうメニューはいかがですか」といった形で、献立を提案してきてくれるのです。スマホからお気に入りのレシピを選ぶと、必要な材料リストも見ることができますし、全国のヘルシオユーザーが今日何を食べているか?というランキングを確認することもできます。 他にもシャープのレンジは、食材をまとめて送ってくれる宅食サービスとも連携しているので、AIから提案されたレシピを選ぶだけで、カットした状態の食材がお家に届きます。あとは電子レンジに食材を入れれば、料理が完成! といった感じですね。
AIオーブン電子レンジの豆知識〜加熱するときはラップをしない〜
豆知識ですが、自動温め機能を使用する場合はラップをしない方がいいです。AI電子レンジは加熱時間を決める際、サーモカメラを使って温めるものの情報を読み取っているのですが、ラップをしていると反射してカメラに映りにくくなるのです。例えば、冷凍ごはんを解凍するときなどは、少し手間ですがラップを剥がすようにしてください。
簡単に扱えて便利な最新AI家電③エアコン
エアコンに関してもAI搭載のメーカーが数多くあります。例えば、パナソニック、三菱、日立などがそうですね。AI搭載エアコンの特長は、サーモカメラによって体感温度に合わせた風を送ることができるという点です。例えば、お部屋に男性と女性がいたとして、25℃の風を送っていても、女性が冷え症であったり在室時間が長かったりすると23℃くらいに感じてしまうかもしれないですよね。そういった場合でも、サーモカメラが個人の体温を測定し、不快に感じない風を個別に送ることができるわけです。ものによっては、身長などに基づいて大人か子どもかを識別する機能がついていますので、赤ちゃんや小さなお子様がいるご家庭でも、みんなにとって快適な体感温度を維持してくれることでしょう。
テレビや自動車もAI化が進んでいる
ほかにも、AI搭載テレビは使用者のパーソナルデータを分析して、好みに合った番組を提案してくれる機能がついています。画面の輝度や音量についても、周囲の環境に合わせて、最適なものに調整することができます。
あとは家電じゃないですけど、自動車もAI化が進んでいて、各自動車メーカーの最新車は、車線逸脱や自動追従などの機能も備えられています。ただ、手放しで運転することができるのに、ハンドルは握っていないといけないだとか、ブレーキペダルに足を置くのが必須といった規則があるので、AIの進化に法律が追いついていないのではないかとも言われています。
まとめ
最新のAI搭載家電は、便利なだけでなく、簡単に扱えるものも数多くあることが分かりました。それらの製品のほとんどは、自動で何かを行ってくれるというものなので、苦手意識を持つ必要はないのかもしれませんね。
「自動」や「おまかせ」というボタンがあったら、積極的に使ってみてください。その賢さが実感できるはずです。皆様の暮らしにフィットするような製品を選び、日々の暮らしをより豊かなものにしていただければと思います。