新築一戸建て住宅の引き渡し前に行う「内覧会」。チェックするポイントや注意点を解説

新築一戸建て住宅を建てる際は、ハウスメーカーや土地を選び、間取りや設備・仕様を決定、測量や地盤調査を実施、そして着工へと進みます。一戸建て住宅の建築にはたくさんの工程があるなかで、建物がほぼ完成となった引き渡し直前のタイミングに行われるのが「内覧会」です。もうすぐマイホームで暮らせるとあってわくわくした気持ちでいっぱいになりがちですが、内覧会は引き渡し前に建物を最後に確認する大切な機会ですから、しっかりと対応する必要があります。この記事では、新築一戸建て住宅の内覧会でチェックすべきポイントや注意点を解説します。

目次
1.新築一戸建て住宅の内覧会とは?
2.新築一戸建て住宅の内覧会でチェックするポイント
3.新築一戸建て住宅の内覧会の注意点
4.新築一戸建て住宅の内覧会 まとめ

新築一戸建て住宅の内覧会とは?

新築一戸建て住宅の内覧会とは?

新築一戸建て住宅がいよいよ完成するという段階で、引き渡し前の最終チェックをするためにおこなうのが「内覧会」です。「竣工検査」「完成検査」「施主検査」なども同様の意味で、不動産会社やハウスメーカーの担当者、現場監督などのスタッフが立ち会い、建物が設計図・仕様等のとおりに問題なく完成しているか、仕上がりを確認します。引き渡し後、入居してから不具合が見つかることのないよう、この段階で問題がないかしっかりと確認することが大切です。内覧会後のスケジュールも確認しておくようにしましょう。

新築一戸建て住宅の内覧会でチェックするポイント

新築一戸建て住宅の内覧会では、見落としがないように細部までチェックをおこない、問題点があればその場で指摘する必要があります。どのようなポイントをチェックすればよいのか、順に見ていきましょう。

内覧会でチェックするポイント1―図面通りに建築されているか

内覧会でチェックするポイント1―図面通りに建築されているか

新築一戸建て住宅がどのように仕上がったのか、図面と照らし合わせながら確認します。寸法や設備・仕様は間違っていないか、コンセントやスイッチの位置や数といった細部に至るまでひとつずつ見ていきましょう。「打ち合わせの途中で仕様を変更した」「追加オプションなど後からプラスの依頼をした」といった場合は、それらが反映されているか必ず確認します。気になる点があれば、担当者に確認しておきましょう。

内覧会でチェックするポイント2―不具合はないか

内覧会でチェックするポイント2―不具合はないか

建具や窓は、一見問題のないように見えても「開け閉めをしてみたらスムーズに動かなかった」「よく見ると閉めたときに隙間がある」といったケースが珍しくありません。また、「開閉方向が図面と異なる」「掃き出し窓をオーダーしたのに腰高窓になっている」などのミスが生じることもあります。実際に見て、開閉をしてみて、問題がないか確認しましょう。床や階段を歩いてみて違和感がないか、床鳴りしないかなども確認します。手すりのぐらつきがないこともチェックしておきましょう。
シャッターを設置した場合は、シャッターの開け閉めも忘れずに。

内覧会でチェックするポイント3―傷や汚れがついていないか

内覧会でチェックするポイント3―傷や汚れがついていないか

どれだけ丁寧に施工をしていても、工事の最中には傷や汚れがついてしまうことがあります。床に傷はついていないか、壁に貼ったクロスが剥がれていないか、タイルが欠けているところはないかなどチェックしましょう。塗料や接着剤がはみ出していることや、窓枠など角の部分が欠けたり傷ついたりすることもよくありますので、細部まで見ていきます。

内覧会でチェックするポイント4―床下の点検口に異常はないか

内覧会でチェックするポイント4―床下の点検口に異常はないか

床下や天井裏、壁内など、住宅には必ず点検口があります。普段はあまり覗くことがない部分ですが、水漏れの有無や建物内部の経年劣化などを確認することができます。内覧会ではもちろん、住み始めてからも定期的に確認をしておきたい場所です。内覧会の際にチェックをしやすいのが、床下の点検口です。ドライバーなどがないと開けられないタイプもあるので、立ち会っているスタッフに開けてもらうと良いでしょう。天井裏などの点検口は脚立がないと確認できないことが多いので、事前にチェックの希望を伝えておきましょう。

内覧会でチェックするポイント5―水道・電気・ガスもチェック

内覧会でチェックするポイント5―水道・電気・ガスもチェック

水道・電気・ガスといったライフラインは、生活する上で欠かすことができません。引き渡し後に問題が発覚するリスクを軽減するため、照明器具を点灯させてみる、キッチンや洗面室、浴室、トイレの水を流してみる、給湯器を作動させてみるなど、実際に問題がないか確認をしましょう。ただし、ガスは安全上の問題から内覧会の時点では閉栓していることが多く、確認できないケースが多いでしょう。事前に「お湯が出るか確認したい」と伝えておけば対応してもらえるケースもあるので、リクエストしてみましょう。

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点

新築一戸建て住宅の内覧会へ行くときには、事前にどのような準備をして、当日は何に気を付けたらよいのでしょうか。内覧会の注意点を紹介します。

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点1-図面やメジャーなどを持参する

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点1-図面やメジャーなどを持参する

内覧会では、設計図面を持参して照らし合わせながらチェックを行いましょう。メジャーがあれば図面通りに仕上がっているか確認できるだけでなく、引っ越し後に家具や大型家電を搬入するための配置を決めるにも重宝します。床下も確認するのであれば、懐中電灯も準備したいところです。家に傾きがないかチェックできる水平器(水平器)もあるとベストですが、家庭にはないケースが多いので、スマートフォンのアプリなどで代用すると良いでしょう。
筆記用具とメモ帳も持参し、気になることは随時書き込んでいきます。傷や汚れを見つけたらチェックを入れるために、マスキングテープやデジタルカメラもあると便利です。

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点2-外構や外壁もチェックする

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点2-外構や外壁もチェックする

内覧会は室内のチェックが中心となりますが、外構や外壁も忘れずに見て回りましょう。外壁に欠けやひび割れ、傷などがないか、屋根や雨樋の状態も可能な限り確認します。また、インターホンは問題なく作動するか、ポストの位置は問題ないか、駐車場がある場合はスムーズに車の出し入れができそうか見ておきましょう。そして、敷地境界がどこにあるのかも大切なポイントです。先々のご近所トラブルを回避するため、忘れずに確認しましょう。
なお、外構工事が終わっていない段階で内覧会を行うケースもあります。その場合は完成後に改めて外構のチェックをおこなうことを、日程とともに確認しておきましょう。

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点3-第三者の目線でチェックすると安心

新築一戸建て住宅の内覧会の注意点3-第三者の目線でチェックすると安心

内覧会ではチェックするポイントがたくさんありますが、すべてを漏れなく見て回るのは大変なことです。そこで、お金はかかりますが、その道のプロである「ホームインスペクター(住宅診断士)」に依頼して内覧会に同行してもらうという方法があります。図面との整合性や傷、汚れの確認など基本的な内容に加え、基礎部分に問題はないか、断熱材は隙間なく入っているかといった素人では判断が難しいポイントもチェックしてもらえますし、床下や屋根裏など確認しにくい箇所もスムーズに見てもらえて安心です。

新築一戸建て住宅の内覧会 まとめ

一戸建ての注文住宅を新築する際は、職人の手作業により、長い時間をかけて完成します。どれだけ慎重に施工していても、建物に傷や汚れがついてしまったり、設備や仕様に不具合が生じてしまったりする可能性はあります。内覧会で建物の状態をしっかりと確認することで、不具合があっても事前に修繕などの対応ができます。内覧会は必須ではありませんが、引き渡し前の最終確認として実施したほうがベターです。もしも内覧会がスケジュールに入っていない場合はハウスメーカーや工務店に確認してみるようにしましょう。引き渡し後に憂いなくマイホーム生活をスタートさせるために、内覧会では隅々まで目を光らせ、建物の状態を確認してくださいね。

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住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

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