どのような住宅でも、一家にひとつは必ず存在する「トイレ」。ワンフロアで完結しているマンションの場合は1ヶ所の場合が多いですが、一戸建て住宅は1階と2階のそれぞれにトイレを設けるケースも少なくありません。これから一戸建て住宅を新築するのであれば、トイレの個数はいくつあればよいのでしょうか。この記事では、一戸建て住宅を新築した際にトイレを2ヶ所に設けるメリットやデメリット、2階にトイレを設ける場合の注意点も解説します。簡単に後から追加できるものではないので、建てる前にご家族のライフスタイルに合う個数を決めておいてくださいね。
目次
1.トイレが2ヶ所にあるメリット
2.トイレが2ヶ所にあるデメリット
3.2階にトイレを設ける場合の注意点
4. 一戸建て住宅の新築時のトイレの個数 まとめ
トイレが2ヶ所にあるメリット
せっかく一戸建て住宅を新築するなら、トイレは2ヶ所に欲しいと思っている方も多いでしょう。複数のトイレがある暮らしにはどのようなメリットがあるのでしょうか。順に見ていきましょう。
トイレが2ヶ所にあるメリット1:順番待ちの必要がない
家族の人数が多いほど、トイレに行きたい時間が被ることが多くなるでしょう。トイレの個数が複数であれば、思い立ったタイミングで利用しやすくなります。朝の通勤・通学時間帯のトイレは特に混雑しがちですが「トイレ待ち」による時間ロスを減らせます。
トイレが2ヶ所にあるメリット2:階段を上り下りせず利用できる
トイレが1ヶ所の場合は、1階に設置するケースが一般的です。2階にいるときは、トイレを利用するたびに階段を降りなければならず、面倒に感じることもあるでしょう。特に就寝時は、2階の寝室から1階のトイレまで歩くことになります。暗い中、眠気をともなった状態で階段を下りて転倒してしまったり、うっかり階段を踏み外してしまったりする可能性がありますし、体調が悪いときには階段の上り下りが負担になります。2階にトイレがあると安心です。
トイレが2ヶ所にあるメリット3:故障したときのスペアになる
他の電化製品と同様、トイレには寿命がありますし「水が止まらない」「詰まらせてしまった」「水漏れしている」など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。修理を依頼することになりますが、直るまでの間にトイレが使えないと大変不便です。
トイレの個数が複数あれば、万が一片方のトイレが故障してしまった場合、もう片方のトイレを利用することできます。修理が終わるまでの間もトイレが使用でき、不測の事態に備えることができます。
トイレが2ヶ所にあるデメリット
せっかく一戸建て住宅を新築するなら、トイレは2ヶ所に欲しいと思っている方も多いでしょう。複数のトイレがあった方が便利なことは間違いありません。しかし、いくつかのデメリットもあります。
トイレが2ヶ所にあるデメリット1:掃除の手間が増える
トイレが2ヶ所にあるということは、トイレ掃除も2ヶ所分おこなわなければならないということです。トイレは汚れやすい場所ですから、こまめな手入れが必要です。掃除する場所が倍に増えてしまうため、掃除することが負担となる可能性があります。
トイレが2ヶ所にあるデメリット2:建築コストがかかる
トイレを設置するには、1ヶ所につき50万円~100万円程度の費用がかかります。2ヶ所にトイレを設ける場合、当然のことながら建築コストが上乗せとなります。また、2ヶ所目のトイレは2階や3階に設ける場合が多く、配管が長くなる分だけ1階のトイレと比べてコストがかさむことが多くなります。水圧も弱まるため、ポンプの増設が必要になった場合はさらにプラスの費用が発生します。コストを抑えたい場合は、1階のトイレの真上に設置することで、配管の距離を短縮することができ、コストダウンにつながります。
トイレが2ヶ所にあるデメリット3:床面積が狭くなる
トイレを2ヶ所に設けるには、その分だけ床面積をトイレに充てなければなりません。十分な広さがある場合は問題ありませんが、スペースがギリギリの場合「LDKを広く取りたい」「十分な収納スペースが欲しい」「子どもの人数分の部屋を確保したい」といった希望を叶えることができなくなってしまう可能性があります。家族の人数やライフスタイルなどに合わせて、どのスペースを優先したいのか考える必要があります。
2階にトイレを設ける場合の注意点
2階にトイレを設ける場合、どのようなことに注意をしたらよいのでしょうか。2つのポイントを確認していきましょう。
2階にトイレを設ける場合の注意点1: 音やにおいに配慮する
2ヶ所目のトイレを設けるなら、寝室の近くが便利だと考える方は多いでしょう。しかし、状況によってはドアの開け閉めや水を流す音が気になり、眠れなくなってしまうこともあります。また、あまりに寝室とトイレが近いと、においが気になる可能性もあります。寝室とトイレの位置関係は慎重に決めましょう。また、トイレが寝室に近くても、防音性能の高いドアや壁、天井を採用したり、流水音の比較的静かな便器を選んだりすることで音の問題をある程度解決できます。消臭機能を備えた便器もありますので、合わせて検討しましょう。
2階にトイレを設ける場合の注意点2: 用途に合わせて扉を選ぶ
トイレを設ける際に注意したいのが、開き戸にするか引き戸にするかという選択です。一般的には外開きの「開き戸」が主流で、壁と扉の間に隙間ができにくく音漏れやにおい漏れに配慮しやすく、トイレから出やすいなどのメリットがあります。ただし、開き戸の可動域を考慮して設置しなければならず、扉を開ける際には一歩後ろに下がるスペースが必要です。階段横などの狭いスペースで開き戸にしてしまうと、一歩下がったときに足を踏み外してしまう恐れがあるので注意しましょう。
横にスライドする「引き戸」を設置した場合は、開口を大きくとることができますし、扉の開閉にスペースをとりません。前後に開く開き戸と比べて人とぶつかる心配がなく、動線もスムーズで安心して使用できます。開け閉めがラクなので、バリアフリー化したい場合や、小さな子どもや高齢者が使いやすいトイレにしたい場合も引き戸がおすすめです。遮音性や気密性がやや低くなりがちな点には注意しましょう。
一戸建て住宅の新築時のトイレの個数 まとめ
一戸建て住宅の新築時にトイレをひとつ設けるか、ふたつにするかという選択に正解はありません。家族の人数が少ない場合や生活時間帯が被らない場合は1ヶ所で十分なケースもありますし、2ヶ所にあることで生活動線が短縮されて、毎日がラクになるケースもあります。これから一戸建てを新築予定の方は、家族のライフスタイルを再確認し、トイレの個数を検討してみてはいかがでしょうか。
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ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。