「うちの子はなかなかオムツを卒業できない」「怖がってトイレに行きたがらない」など、トイレトレーニングは山あり谷あり、親の思うようにはいかないものです。ひとりでできるようになったと思ったら、何かの拍子で急にできなくなることも……。そこで、手作りおもちゃ作家で2児の母でもある佐藤蕗さんに、トイレトレーニングの工夫や手作りトイトレグッズについて、お聞きしました。
手作りおもちゃ作家
2児の母。建築設計事務所勤務を経て、第1子出産を機にフリーランスに。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、イラストレーターの活動のかたわら、造形作家として、雑誌、web、テレビで活躍中。著書に「ふきさんのおもちゃ大百科」シリーズ(偕成社)、「親子で笑顔になれる “魔法の手作りおもちゃ”レシピ」(宝島社)などがある。
ホームページ:https://note.com/fukisato
オンラインサロン:https://community.camp-fire.jp/projects/view/529758
手作りおもちゃ作家の佐藤蕗です。私には10歳と3歳の息子がいて、次男のトイレトレーニングもいよいよ終盤。長男のときにうまくいった方法が、次男に通用しないこともしょっちゅうでした。子どもによって個性があるので、トイトレシールひとつとっても好みが違うんですよね。今回は、2人の息子を育てるなかで工夫したことや手作りのトイトレグッズをご紹介しますので、お子様が興味を示したものがあれば、ぜひ試してみてください。
佐藤蕗さんの考えるトイレトレーニングのやり方・考え方とは?
トイレトレーニングで親ができることは、トイレに行くきっかけ作りや楽しげな雰囲気作りをして、背中を押してあげることだと考えています。その手助けとして、私はいろんな「トイトレグッズ」を活用しました。ただ、トイトレグッズでトイレに行けるようになる子もいれば効果がない子もいるので、ご家庭の方針やお子様の好みに応じて使い分けるのが良いと思います。完全にトイレトレーニングが終わるまでは波があり、終わりが見えず不安になるかもしれませんが、いつかは必ず終わります。心配しすぎず長い目で見守ってあげてくださいね。
トイトレグッズは最近になって種類が豊富になりましたが、長男のときは合うものがなくて自分で作りました。そのうちのひとつがシール台紙で、うまくできたらシールを貼っていくというもの。トレーニング初期は何度もトイレに行くので、たくさんシールを貼ることになります。そうなるとだんだん子どもは飽きてくるので、私は最初と中盤の2回に分けて活用しました。同じトイトレグッズを使っても、効果がある時期とない時期があるので、タイミングを見計らって上手に使うのがオススメです。
ワクワクするデザインがいっぱい! 佐藤蕗さんオリジナル「トイレトレーニングシール台紙」
以前、次男のトイレトレーニングのタイミングで作成したシール台紙をnoteで配布したことがあります。なかでもとくに反響が大きかったのが、縦型の「目指せ宇宙!」。1枚目をゴールしたら上へ上へと台紙を足していくのですが、空のステージをゴールしたら続きが現れて“宇宙まで行ける”というストーリーが、次男のツボだったようです。シールが増えていくたびにすごく喜んで、頑張っていました。用紙を足していくと上のほうは手が届かなくなったので、抱っこをせがんで貼っていましたね。次男いわく、抱っこしてもらってシールを貼るのは、宇宙に向かって飛んでいるような特別感があるそうです(笑)。
シール台紙を貼る場所にきまりはありませんが、家族の目に付く場所に貼っておくと子どもの頑張りが伝わるんじゃないかな、と思います。我が家では、トイレの壁だと衛生面が気になるということもあって、リビングの壁に貼っていました。ちなみに壁に貼るときは、剥がすときに壁紙を傷つけない「3Mのコマンドタブ」を使うのが良いですよ。
「目指せ宇宙!」のほかにも2種類の台紙を配布していて、「カラフルめがねやさん」は眼鏡に丸シールを貼ってカラフルに仕上げていく台紙。もうひとつは、トイレができたら窓を開けていく「トイトレマンション」です。トイトレマンションは長男のアイデアなのですが、シールを使わないなんて見事に私の固定概念を覆してくれましたね。
それぞれの台紙は私のnoteから無料でダウンロードできます。すべてA3サイズの用紙で作成してありますので、ご使用の際は、必要に応じて切ったり合わせたりしていただければと思います。
トイレトレーニングシールのダウンロードはコチラ
簡単に作れるオリジナルトイトレグッズ! 「お子さまトイレサイン」
【材料】
・段ボール
・画用紙×2
【道具】
・ハサミ
・カッター
・のり
【作り方】
1.段ボールを四角に切る。
2.画用紙を段ボールと同じ大きさに切って貼る。
3.違う色の画用紙をトイレマークの形に切って貼る。
【作り方のヒント】
トイレのマークはいろいろありますが、スーパーマーケットや公共施設など、外出先でよく見かける一番ポピュラーなデザインで作成しました。誰が見てもひと目で「トイレ」だとわかるマークにすることが大切で、子どもがマークを認識できてから使い始めると効果的です。一目見てトイレだとわかるデザインなら、色や形は自由で良いですし、子どもが好きなキャラクターにしても良いと思います。
設置するポイントは、子どもの目線の高さに合わせること。自分専用のマークがうれしくて、進んでトイレに行ってくれるはずです。「お子さまトイレサイン」は、ステップアップのきっかけ作りにオススメで、我が家では次男がおまるからトイレへ移行するタイミングで作りました。次男は喜んでトイレに行ったので、効果テキメンだと思います。自分専用という特別感がうれしいようなので、お風呂などに活用するのも良いですね。
ペットボトルが可愛く変身!? トイレを楽しく学ぶ「タチ・ショーン」
【材料】
・ペットボトル
・ビニールテープ
・マスキングテープ
【道具】
・ハサミ
・キリ or 画びょう
【作り方】
1.空のペットボトルにビニールテープやマスキングテープで飾り付けをする。
2.キリや画びょうでペットボトルの下のほうに穴を開ける。
【作り方のヒント】
穴を開けるときは、ケガをしないように注意しましょう。飾り付けは自由にしてOK、油性ペンで顔を描くだけでもかわいいですよ。
「タチ・ショーン」は水を入れて遊ぶおもちゃです。フタが閉まっていると穴から水が出ませんが、開けると出る仕組みで、遊びながらトイレについて考えるきっかけになりました。紙コップを斜めに切ってトイレに見立てれば、「トイレでおしっこ上手にできるかな?」といった遊び方もできますね。我が家では入浴中に遊ぶことも多かったので、お風呂トレーニンググッズとしても使えるかもしれません。タチ・ショーンは子どもウケ抜群で物理に興味を持つきっかけにもなりますが、題材が題材なので、ご家庭の方針やお子様の好みに応じて作っていただければと思います。
ちなみにタチ・ショーンは「かおボトル」がベースになっていて、これは目の下に穴を開ければ泣いているように見えるというおもちゃです。子どもは、顔が付いているものを好きになりやすいですよね。顔がないと全然遊んでくれないのに、顔を描くと急にお気に入りになるのが不思議です。かおボトルをお子様と一緒に作って、トイレに飾れば、お気に入りのものが置いてあるという安心感が生まれるかもしれません。一緒に作るときは、お子様にどういう顔が良いのかを聞いてみましょう。我が家の長男は怒り顔や泣き顔を嫌がったので、笑っている顔ばかりを作った記憶があります。お子様の好きな顔にすることで、より愛着が増すと思いますよ。
おもちゃ作家・佐藤蕗さんの手作りトイトレグッズ まとめ
トイトレグッズを使ってトイレに行けるようになっても、急に行けなくなったり、そうかと思えば何事もなかったように行きだしたり。これを繰り返して、子どもは少しずつ成長していくのだと思います。今回ご紹介したトイトレグッズのなかでお子様のお気に入りが見つかって、進んでトイレに行けるようになったら何よりです。何がきっかけになるかわからないので、いろいろ試してみてくださいね。
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