一戸建てを新築するとき、門扉は設置する? 門扉の種類や気をつけたいポイントを解説

外から家を見たとき、最初に目に入る「門扉」。訪問者を最初に出迎える場所であり、侵入を防ぐ場所でもあります。一戸建ての新築にあたり、外構を計画する中で「門扉を設けるかどうか」悩んでいる方もいるでしょう。家のイメージを大きく左右する門扉ですが、最近は門扉を設けない家も少なくありません。この記事では、門扉を設けることにはどのような意味があるのか、門扉は必要なのか解説します。新築後に後悔することのないよう、事前に検討されてくださいね。

目次
新築一戸建ての門扉とは?
新築一戸建ての門扉の種類
新築一戸建ての門扉の素材
新築一戸建てで門扉を設置する3つのポイント
新築一戸建ての門扉 まとめ

新築一戸建ての門扉とは?

新築一戸建ての門扉とは?

新築でマイホームを建てる前に知っておきたい、外構の種類とメリット・デメリットを解説」より

門扉とはその名の通り、門の扉のことを指します。外部(道路)と敷地の境界線に設け、外から家を見たとき、最初に目に入る敷地の入り口です。門扉やそこから続くアプローチ、玄関の印象が、外から見た家の印象を決めると言っても過言ではありません。

戸建における門扉の役割

境界線を明らかにする

戸建における門扉の役割:境界線を明らかにする

外部と家の敷地の間に門扉と塀を設けることで、どこからが自宅の敷地なのかを視覚的にはっきりとさせることができます。最近は門扉や塀を設けない家が増えていますが、境界を明示するため、低めのフェンスは設置する方が多いようです。公道と私有地の境目を明確にしていないと、立地によっては車の方向転換の際、敷地内に立ち入られてしまったり、通行人が敷地内を横切ってしまったりするケースもあります。門扉があれば、敷地内がプライベート空間であることのより強い主張となります。

プライバシーの確保

戸建における門扉の役割:プライバシーの確保

通行量が多い道路に面している立地の場合、高い塀と門扉を設置すれば周囲の視線を気にせず、プライバシーを確保することができます。「敷地内を知らない人に覗かれたくない」「洗濯物が丸見えになってしまうのを防ぎたい」と考えるのであれば、2メートル程度の塀や門扉を設けると目隠しの効果が高いでしょう。
ただし、プライバシーを重視するあまり、外から敷地内が完全に見えないつくりにしてしまうと、不審者が一度侵入した場合、周囲に気づかれにくい側面もあります。敢えて塀を低くし、門扉も視線が通りやすいデザインにすることで、外部からの侵入に気づきやすくして防犯性に配慮するという考え方もあります。

子どもやペットの安全性を高める

戸建における門扉の役割: 子どもやペットの安全性を高める

小さな子どもやペットを庭で遊ばせているとき「ボールが外に転がってしまった」「何かを外に見つけた」など、大人にとっては思いもかけないタイミングで道路に飛び出してしまうことがあります。塀や門扉があれば飛び出す前のワンクッションとなり、走行する自動車や通行人などと接触して事故を起こしてしまうリスクを軽減できます。

新築一戸建ての門扉の種類

門扉には、扉の形やそれにともなう開き方によってさまざまな種類があります。それぞれの特徴を紹介します。

片開き型

新築一戸建ての門扉の種類:片開き型

扉を「押す・引く」の動作で開閉するタイプです。シンプルなつくりなので、多くの一戸建てで採用されています。外開きにすると道路にいる車や通行人に接触してしまうリスクがあるので、家側に向かって押して開けるタイプが主流です。

両開き型

新築一戸建ての門扉の種類:両開き型

2枚の扉を中央から左右へ開閉する、いわゆる観音開きタイプです。こちらも一般的でよく見かける形ですが、開閉をするためのスペースが必要になります。敷地ギリギリまで活用して一戸建てを新築しようとしている場合には向きません。
日常的な人の出入りは片方の扉を開け閉めして、大きな荷物を運び入れるときなどは両方の扉を開けて広い間口を確保できます。幅広い用途で使用できますが、2つの扉を開閉する分だけスペースが必要となります。

親子開き型

新築一戸建ての門扉の種類:親子開き型

両開き型と似ていますが、扉の大きさが左右非対称なタイプです。普段は大きな方の扉を使用し、荷物の搬入時などには小さな方の扉も明けて、開口を広くすることが可能です。

アコーディオン型

新築一戸建ての門扉の種類:アコーディオン型

横に引くとアコーディオンのように折り畳むことができるタイプです。開き戸を設置するスペースがない狭小地や傾斜がある土地でも設置がしやすく、価格も比較的安価なため、多くの一戸建てで採用されています。軽量で力がなくても開閉しやすく扱いやすいですが、軽量ゆえ強風などの衝撃に弱く、やや壊れやすいことに注意が必要です。

スライド型

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引き戸のように左右にスライドして開閉できるタイプです。スペースがない場所でも開閉幅を気にせず設置ができます。開口スペースを広く取れるので、ベビーカーや車椅子で出入りすることが多い家庭などに向いています。

新築一戸建ての門扉の素材

新築一戸建ての門扉の素材

門扉にはさまざまな素材の製品があり、複数の素材を組み合わせている製品もあります。ここでは、多くの一戸建てで使用されている一般的な素材を紹介します。

門扉の素材-1 アルミ
スタンダードな門扉の素材と言えば「アルミ形材」でしょう。シンプルなデザインの製品が多く、さまざまなデザインの家に合わせやすいので広く普及しています。錆びや腐食に強く、軽量なうえに比較的安価なこともポイント。多くの新築一戸建てで採用されています。
アルミの中でも「アルミ鋳物」の門扉は重厚感があり、デザイン性の高い製品が多く、エレガントな洋風の住宅にマッチします。ただし、アルミ形材と比べてコストは高めです。

門扉の素材-2 木
天然木の製品は、ナチュラルな雰囲気と質感が大きな魅力。素材感のある門扉を設置したい方におすすめです。軽量で開閉もしやすく、使い勝手が良いでしょう。ただし、防腐処理で耐久性を高めているものの、雨風に晒され続けると腐食しやすい一面も。定期的なメンテナンスが欠かせません。もう少し気軽に木の雰囲気を取り入れたい場合は、手入れがラクな人工木の門扉も検討すると良いでしょう。

門扉の素材-3 アイアン(鉄)
ヨーロッパの古い邸宅ではお馴染み、日本でも輸入住宅に採用されることが多い素材です。重厚感があり、長く使い続けることでさらなる味わいが生まれます。湿度の高い日本では錆びやすく、定期的なメンテナンスが必要になることを覚えておきましょう。

門扉の素材-4 スチール(鋼)
メッシュフェンスに使用されることが多い素材です。フェンスはアルミでつくられることも多いですが、スチール製の方が耐久性は高く、衝撃に強い特徴があります。いずれの場合も、フェンスと合わせたデザインの門扉を設置するケースが主流です。光や風、視線も通るので、開放的な外構にしたい場合に向いています。

新築一戸建てで門扉を選ぶ3つのポイント

新築一戸建てで門扉を設置する3つのポイント

1. 生活をイメージして選ぶ
プライバシーを重視したいのか、開かれた空間にしたいのかなど、希望する暮らしを思い描くことで塀や門扉の高さやデザインがおのずと決まってきます。小さな子どもや高齢者がいる場合は、門扉の開け閉めがしやすいことや、段差のない空間が大切になります。
立地や敷地の広さも重要な要素です。門扉は内開きが基本ですが、狭小地の場合、敷地側に十分なスペースを取れないことがあります。間口を十分に確保できるか、門扉の開閉方向は問題がないか確認するとともに、省スペースで設置できる引き戸タイプも検討しましょう。

2. 家全体に調和するデザインを選ぶ
門扉は家全体のテイストに合うものを選びましょう。門扉だけ立派なものを選んでも、全体の調和がとれていなければ浮いてしまい、悪目立ちしてしまいます。塀やフェンスとデザインを統一する、もしくは調和するデザインを選べば、まず失敗することはないでしょう。

3. 防犯性に配慮する
防犯性を高めたいのであれば、門扉に鍵を設置することも検討しましょう。ワイヤーロックや南京錠であれば後から自分で取り付けることもできますが、門扉の色や形状に合わせた鍵を最初から設置した方が見栄えが良く、見た目を損ないませんし、機能的な製品を選びやすいでしょう。配線工事が必要ですが、施錠や解錠を家の中から行える電気錠や、オートロック機能を搭載したタイプ、タッチキーや暗証番号で解錠できる鍵を使わないタイプが便利です。

新築一戸建ての門扉 まとめ

一戸建てを新築するにあたり、最近は門扉を設置しないケースもあります。しかし、玄関ドアの前にワンクッションあることで、プライバシーを守り安全性や防犯性能を高めることができます。また、外と自宅敷地内の境界が明確になることにより、無断侵入などを予防できます。外構を計画する際は、スペースとイメージに合った門扉の設置をご一緒に検討されて、後悔の無い家作りをされてください。

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