一級建築士が教える! 注文住宅・ローコスト住宅・規格住宅のメリット&デメリット

自分の選んだ土地に新築一戸建て住宅を建てる場合、多くの方は「注文住宅」、「ローコスト住宅」、「規格(企画)住宅」の3種類から選ぶことになります。では、これらの住宅にはどのような特徴があるのでしょう?一級建築士の佐川旭さんに各住宅のメリットとデメリットを解説していただきました。お家選びを始められたばかりの方には必見の内容です!

お話を伺った佐川旭人さん プロフィール

佐川旭さん
佐川旭さん

(株)佐川旭建築研究所 代表取締役・一級建築士
1976年日本大学工学部建築学科卒業。用と美を兼ね備えた作品を得意としており、時を超える力を備えたデザインを基本に据え、「つたえる」「つなぐ」をテーマとして個人住宅、公共建築、街づくりなどの設計を手掛けている。2010年岩手県星山小学校で「うるおいのある教育施設賞」(文科省)を受賞。
講演の他、雑誌等の執筆活動をする傍ら、テレビにも出演。著書はこれまで15冊で、中国・台湾・韓国でも出版されている。  

一級建築士の佐川旭です。「注文住宅」、「ローコスト住宅」、「規格(企画)住宅」は、施工費用の違い以外にも、それぞれの住宅だからこそ際立つ特徴があります。今回は建築士の目線から、これら3つの住宅の定義と、メリット・デメリットについて解説していきます。

注文住宅とは?

注文住宅

注文住宅はお客様のオーダーを反映してつくる新築一戸建てのことを言います。新居に求めるこだわりや希望を建築士がすべて聞き取ってから設計を行うので、建築業界では注文住宅を「フルオーダー住宅」と言い換えて表現することもあります。これからご紹介する住宅のなかでは、坪単価の相場がもっとも高く、70万〜80万円ほど。その分、ほかの住宅にはない多くのメリットがあります。

注文住宅のメリット①世界に一つだけのマイホームが建てられる!

注文住宅のメリットはなんと言っても、自由度が高いという点です。お家全体のコンセプトから外観、間取り、窓の数、細かいところでいうとトイレットペーパーホルダーを左右どちらに付けるのかという点まで、お客様と建築士とで相談を重ね、こだわりが凝縮された“世界に一つだけのマイホーム”を建てることができます。ちなみに、注文住宅を設計する際、建築士はお客様に対して約700項目の確認を行います。そうすることで、お客様自身がまだ認識されていない隠れた希望まで引き出すことができるのです。

注文住宅のメリット②お家の材質にまでこだわれる!

家の材質

注文住宅は自由度の高い設計ができるということはもちろん、お家の施工で使用する建材にもこだわることができます。例えば、最近流行している「むくの木」などの自然素材を使ったお家を建てることも可能です。自然素材の床や壁は肌触りが良く、部屋の温度や湿度を調整する機能にも優れています。また、10年20年と住み続けるなかで、自然素材が味わいのある色へと変化する経年美も楽しめますよ。

注文住宅のデメリット

注文住宅は自由度が高く、こだわりを取り入れやすいですが、お家の完成した姿を施工後まで見ることができない、というデメリットがあります。後述する規格(企画)住宅の場合は、あらかじめ決められた仕様のなかから間取りやデザインを選ぶので、事前に完成イメージがつきやすいのですが、注文住宅は完成後の姿を事前に把握することができません。そのため、建築士との相談が足りない場合、完成したお家と頭のなかに描いていた理想にズレが生じる可能性があります。

また、理想のお家を実現する過程で、どうしても時間と費用がかかってしまうのも注文住宅のデメリットです。こだわりの部分が多ければ多いほど、それだけ打ち合わせに時間がかかり、施工費も高くなってしまいます。打ち合わせを効率良く行い、施工後の金銭トラブルを防ぐためにも、マイホーム購入計画の初期段階から、ご自身の理想と施工費用は明確にしておきましょう。

注文住宅はこんな方にオススメ!

人生で一番大きな買い物と言われるのがマイホームです。お家の間取りや施工に使用する建材、はたまたキッチンや浴室などの設備まで、頭のなかで描いている理想やこだわりを存分に詰め込んで、オンリーワンの新居を完成させたいという方には注文住宅がオススメですね。

ローコスト住宅とは?

ローコスト住宅

ローコスト住宅は費用を抑えて建てられた新築一戸建てのことを言います。一つの目安として、坪単価の相場が約50万〜60万円と、注文住宅に比べて20万円ほど安く、間取りも自由に設計できるのが特徴です。また、施工で使用する諸経費を抑えて、できるだけ安価にする工夫がなされたお家もローコスト住宅と表現することがあります。

ローコスト住宅のメリット①リーズナブルな価格でオリジナルマイホームが建てられる!

ローコスト住宅のメリットは、リーズナブルな価格でオリジナルのマイホームが建てられることです。注文住宅と違って、ハウスメーカーが一括で仕入れた安価な建材や設備を使用するので、諸経費を抑えることができるのです。人件費に関しても、塗装や壁紙などの内装をまとめてできるオールマイティな職人に依頼することで、さらなる予算削減が見込めます。

ローコスト住宅のメリット②ライフスタイルの変化に対応しやすい!

ローコスト住宅はできるだけ安く施工を行うため、壁や間仕切りが必要最低限しかありません。これは一見、デメリットにも思われるポイントですが、壁による制限が少ない分、お家の間取りを後から変更しやすいというメリットになるのです。お子様の成長など、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応することができますよ。

ローコスト住宅のデメリット

ローコスト住宅と聞くと、耐震性や耐火性に不安を抱かれる方も多いかと思いますが、基本の骨組みは注文住宅と変わりないので、その点については問題ありません。ただし、安価な建材を使って費用を削減しているので、床材や壁紙などにこだわらなかった場合、該当する箇所が劣化しやすくなってしまいます。なので、購入後のセルフメンテナンスはしっかりと行うようにしてください。

ローコスト住宅はこんな方にオススメ!

ローコスト住宅は限られた予算のなかで、自由な間取りのマイホームを購入したいという方にオススメです。注文住宅や規格(企画)住宅と比べて、仕様変更がしやすくなっていますので、若いうちにローコスト住宅を購入し、ある程度貯蓄がたまってきてから、こだわりを取り入れるという計画の立て方もありかもしれませんね。

規格(企画)住宅とは?

規格(企画)住宅

規格(企画)住宅は、ハウスメーカーがプロの目線で設計した間取りやデザインにオプションを追加していく新築一戸建てのことを言います。基本的に間取りを変えることはできませんが、オプションとして提示された仕様のなかであれば、お家のなかの設備やデザインは変更することができます。注文住宅がお家にまつわるすべてのことを「自由に決めて建てる」のだとしたら、規格(企画)住宅は決められた仕様のなか「組み合わせの自由」によって、マイホームを施工するスタイルと言えるでしょう。坪単価の相場は30万~50万円ほどで、3種類の住宅のなかではもっともリーズナブルにマイホームを建てられるケースが多いというのも特徴です。

規格(企画)住宅のメリット①マイホーム購入計画が立てやすい!

規格(企画)住宅のメリットは、間取りやコンセプトが明快なので、希望に一致するお家が見つかれば、購入までのフローをスムーズに進めることができるという点です。あらかじめ設計されたお家を選ぶわけですから、購入までの打ち合わせ回数を減らすことができますし、完成後のギャップに悩まされることも少ないでしょう。また、統一された規格のお家なので、口コミが参考になりやすいといったメリットもあります。

規格(企画)住宅のメリット②かかる費用が明確!

施工費用やオプションの金額が明示されているのもメリットの一つですね。注文住宅は完成した後に、想定よりも費用が多くかかってしまうケースもあり、トラブルに発展することも少なくありません。一方、規格(企画)住宅は完成までに掛かる費用をお客様とハウスメーカーとで共有してから施工を始めるので、金銭トラブルが起きづらいわけです。

規格(企画)住宅のデメリット

規格(企画)住宅はハウスメーカーがあらかじめ設計した仕様なので、どうしても自由度は狭まってしまいます。最初から最後まで自分が携わった、こだわりのマイホームを作りたいという方は規格(企画)住宅よりも注文住宅やローコスト住宅を選ぶと良いでしょう。

規格(企画)住宅はこんな方にオススメ!

規格(企画)住宅は完成する前から間取りやデザイン、金額が明快に提示されています。ほかの新築住宅に比べて、時間とコストを掛けずにマイホームを建設することができるので、打ち合わせの時間がなかなか取れない方、コストパフォーマンスを重視する方などにオススメです。

注文住宅・ローコスト住宅・規格(企画)住宅のメリット&デメリット まとめ

お家に求めるこだわりや理想は人それぞれです。新築一戸建て住宅の購入を検討される場合は、これからのライフスタイルの変化や理想の暮らしを想像しながら、各家庭にあった住まいの選択をするようにしましょう。

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新築一戸建て注文住宅購入者のインタビュー記事
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