一戸建てを新築するなら駐車場はどうする?土地や車種、利用人数などにより最適な駐車場のプランニング方法を解説

「新築で一戸建てを建てるなら、敷地内に駐車場を確保したい」と考えている方は多いでしょう。可能であれば家族やゲストの車を停める駐車スペースも設けたいところですが、駐車場を広く取った分だけ、家のサイズが小さくなってしまいます。では駐車場を設けるにあたり、どの程度のスペースが必要なのでしょうか。

一戸建ての駐車場新設時に考えたい、基本の広さ

車のサイズの目安

車の種類 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
軽自動車 3,400以下 1,480以下 2,000以下
小型自動車 4,700以下 1,700以下 2,000以上
普通自動車 全長・全幅・全高のいずれかが小型自動車の基準を超えるもの

出典:国土交通省「自動車の種類

駐車場に必要なスペースは、車種(サイズ)や停めたい台数、ゲスト用の駐車場が必要かどうかといった状況に応じて考えます。

軽自動車は幅が1,480mm以下、長さが3,400mm以下、小型乗用車(いわゆる5ナンバー車)は幅が1,700mm以下、長さが4,700mm以下と決まっています。長さ・幅・高さのいずれかが小型自動車の基準を超えたものが普通自動車(いわゆる3ナンバー車)です。このサイズをベースに、ドアの開閉スペースや人が通るスペースを考慮して設計する必要があります。使いやすい駐車場にするには、どの程度のゆとりがあればいいのでしょうか。

駐車場の設置幅の目安

車の種類 全長(mm) 全幅(mm)
軽自動車 3,600 2,000
小型自動車 5,000 2,300
普通自動車 6,000 2,500

出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について

国土交通省の指針によると、軽自動車1台の駐車場の広さは幅2,000mm×長さ3,600 mm、小型自動車は幅2,300mm×長さ5,000 mm、普通自動車は幅2,500mm×長さ6,000 mmとなっています。小型自動車で見ると、幅600mm×長さ300mm程度のゆとりが設けられている計算となります。

一戸建ての駐車場新設時にプラスアルファで考慮したいポイント

車のサイズごとに必要な駐車場のスペースは前述の通りですが、使いやすい駐車場という視点からプラスアルファで考慮したいポイントがいくつかあります。

土地の形状に合わせた駐車場のプランニング

土地の形状に合わせた駐車場のプランニング/旗竿地・前面道路幅が狭い

一戸建ての駐車場を新設する際は、土地の形状に合わせてプランニングする必要があります。

よく見かけるのが、前面道路の幅が狭いケースです。車が駐車場に出入りするときにカーブを描くことを考慮し、車の回転半径を視野に駐車場の開口部分を広くしましょう。幅4メートルに満たない私道に面している場合などは特に、駐車場の出入りが難しくなりがちです。間口をゆとりある幅にすることで、車の出し入れがスムーズになります。

道路に面している路地部分が細長く、奥に広い敷地を確保している「旗竿地(はたざおち)」の場合も注意が必要です。一般的に、路地部分を駐車スペースに活用するケースが主流ですが、車を停めても人や自転車が通行できるだけの幅を確保しなければなりません。

複数台の駐車場を設置する際の幅と配置

複数台の駐車場を設置する際の幅と配置

仕事や日常の買い物の足として車を使用している家庭では、1人1台分の駐車場が必要です。また、「親が定期的に遊びに来る」「友だちが車でよく訪ねてくる」など、ゲストが訪問する機会が多いのであれば、ゲスト専用の駐車場もあると便利です。複数台の駐車場を設ける場合、並列で駐車するのであれば、車と車の間を最低でも600mm開ける必要があります。また、間を人が通るだけでなく、車のドアを開けやすい幅を確保するのであれば900mm以上開けたほうがよいでしょう。ゲスト用の駐車場は、使用時以外はオープンなスペースとしておけば子どもの遊び場などに活用できることを踏まえて配置を決めましょう。

カーポートやガレージの設置を検討

カーポートやガレージの設置を検討

駐車スペースを確保するだけでなく、カーポートやガレージを設ければ、雨や紫外線などから愛車を守ることができます。ただし、そのためには柱や基礎が必要になるので、早めの計画が必要です。後付けを予定している場合でも、事前に想定をしておけば、十分なスペースを確保し、排水管や排水桝の設置する場所なども考慮することができます。土地選びの段階から、カーポートやガレージを設置するのかイメージをしておきましょう。

カーポートやガレージについて、詳しくは「一戸建ての新築時にカーポートは設置する? ガレージとの違いや特徴、固定資産税についても解説」でご確認ください。

一戸建ての駐車場新設時に考えたい、車の主な停め方による駐車場のプランニング

一戸建ての駐車場新設時に考えたい、車の主な停め方による駐車場のプランニング

次に車の停め方による駐車場のプランニング方法を解説します。
車の停め方は主に「直角駐車」「並列駐車」「縦列駐車」の3種類です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

直角駐車

一戸建ての駐車場として最も一般的な車の停め方は、道路に対して直角に駐車する「直角駐車」です。車を出し入れしやすく人気があります。バックで駐車をするケースが一般的ですが、家の窓の位置によっては、中に排ガスが入ってしまうことも。プランニングの段階で駐車場と窓の位置を確認しておきましょう。また、塀の位置や高さによっては視界が遮られてしまうこともあるので、住宅を新築する計画段階で確認しましょう。

並列駐車

道路に対して平行に車を停める「並列駐車」のメリットは、奥行があまり必要ないのでスペースを有効に活用しやすいことです。ただし、ハンドルを何度も切り返しながら壁に沿うように停めなければならず、やや運転スキルを求められます。間口が狭ければ狭いほど出し入れが難しく時間がかかるので、スペースには余裕をもたせたいところです。

縦列駐車

2台以上の車が縦に並ぶ「縦列駐車」は、前述の旗竿地など、限りある敷地を有効に活用し、家に多くのスペースを充てたい場合などによく採用されています。ただし、奥の車を動かしたい場合、前方の車と入れ替えをしなければならず、2台とも使用頻度が高い場合は不便に感じるかもしれません。また、車止めを設置することができないので、バックで駐車をする際には後ろの車にぶつかって傷つけることがないよう、注意が必要です。

一戸建ての新築時に考えたい駐車場のプランニング ポイントまとめ

一戸建てを新築する際、家づくりを終えてから外構工事に取り組むケースが少なくありません。しかし、家づくりを計画する段階で駐車場に必要なスペースを確保しておかないと、駐車場がギリギリのサイズになり、車の出し入れがしづらくなってしまう可能性があります。家づくりだけでなく、駐車場も早めの計画を心がけましょう。

カーポートについては以下の記事をご覧ください。
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