家の中と外、どちらがいい? 注文住宅の新築時に検討したい自転車置き場の在り方

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、公共の交通機関よりも感染リスクが低い自転車で移動する人が増えました。また、2020年4月1日から、東京都で自転車保険加入の義務化がスタート。「自転車のある暮らし」に関心が高まっています。
自転車を利用する際に問題となるのが、自転車置き場を家の「どこに」「どのように」確保すべきか。今回は、注文住宅を建てる際に検討したい自転車置き場の在り方を考えます。

自転車の設置に必要なスペース︎

一般的な自転車の駐輪スペース
一般的な自転車の駐輪スペース

マイホームを建てるにあたり、マイカーの所有台数やサイズおよび駐車スペースをどこに確保するかといった問題についてはほとんどの方が事前に計画するでしょう。しかし、自転車を何台どこに置くかについては意外と忘れがちです。
一般的な大人用の自転車を1台置くために必要なスペースは、ハンドル幅60cm×全長180~190cm程度です。「空いたスペースに置けばいい」と考えて事前に計画を立てないまま家を建ててしまうと、いざ完成した後になって「置くスペースがない」という事態になりかねません。

自転車置き場を家の外に設けるメリットとは?

自転車置き場を考えるにあたり、まずは「家の外に置くか中に置くか」を考える必要があります。
家の外に自転車を置く場合は、

      
・自転車の出し入れがしやすい
・汚れても家の中を汚す心配がない
・住宅完成後でも設置場所を確保しやすい   

といったメリットがあります。

はじめから家の外に自転車を置いていれば出し入れがしやすく、気軽に利用できます。動線上に段差や高低差がなければ、より快適に移動できるでしょう。また、道路から近い場所に停めるほど移動がラクですが、一方で盗難リスクが高まる側面もあります。車輪止めや防犯ライトの設置など対策を考えておきましょう。
悪天候の日には、自転車が泥などで汚れてしまうこともあります。家の外に自転車を置いていれば、汚れを家の中に持ち込まなくて済むので気を遣う必要がありません。
その他、家の中に自転車を置く場合と比べて外に置く場合は、軒下や駐車場の片隅など住宅完成後でも設置場所を確保しやすいこともポイントです。

軒下やバルコニーの下、玄関ポーチを自転車置き場に

トヨタホーム愛知株式会社MOKUA-Jの外観
トヨタホーム愛知株式会社MOKUA-Jの外観

自転車置き場として最も手軽かつ現実的なスペースといえば、軒下やバルコニーの下、玄関ポーチなどが挙げられるでしょう。屋外でも屋根があり多少の雨なら防ぐことができますし、自転車のためにスペースを割く必要がありません。自転車の出し入れもしやすく気軽に利用できますが、横からの雨は防ぐことができません。更に盗難リスクの面でも考慮が必要です。

サイクルポートを設ける

サイクルポートの一例
サイクルポートの一例

自転車を複数置く予定がある場合は、サイクルポートがあると便利です。転倒防止のスタンドや雨風から自転車を守るための壁があるタイプを選べば、より快適に利用できます。コストを抑えて手軽に設置したい場合は自力で設置しやすいテントタイプなどを選び、スペースやコストに余裕がある場合やバイクなども一緒に停めたい場合は専用のガレージを設置することも視野に入れましょう。

自転車置き場を家の中に設けるメリットとは?

家の中に自転車を置く場合は、

      
・汚れや錆など自転車の劣化を防げる
・天候に左右されずメンテナンスなどができる
・盗難のリスクが少ない   

といったメリットがあります。

自転車を直射日光のもとに置いたままにしていると、ハンドル部分を中心に劣化が進みます。雨風に晒されれば濡れていずれは錆びが生じますし、鳥のフンなどの飛来物で汚れる可能性もあります。家の中に自転車を置ければ、そういった汚れや錆による劣化を防ぐことができます。
自転車の汚れを拭いたり注油をしたり、ロードバイクやクロスバイクであれば空気圧のチェックやブレーキの確認など、定期的なメンテナンスを行いたい方が多いのではないでしょうか。家の中に自転車置き場があれば、天候に左右されずメンテナンスが可能です。
また、自転車がどこにあるのか外からは分からず、侵入も難しいため盗難のリスクが少ないこともポイントです。

土間を自転車置き場にする

エステージRevon(レボン)のエントランス
エステージRevon(レボン)のエントランス

自転車専用のスペースがなくても、広い土間があれば自転車を停めるだけでなくメンテナンスを行うスペースも確保できます。自転車を置く場所によってはLDKからよく見えるレイアウトなので、ディスプレイ感覚で置けるようなデザインの自転車であれば尚更おすすめです。

狭小住宅の土間収納を自転車置き場に

自転車をしまえる土間収納例
自転車をしまえる土間収納例

上の写真は、狭小住宅の土間収納事例です。コート類や靴、スーツケース、客用布団、季節用品などとともに電動自転車を置くスペースを確保しました。壁には電源があるので電動自転車のバッテリー充電も可能です。メンテナンスをするほどのスペースはありませんが、 SIC(シューズインクロゼット)と自転車置き場、そしてキッチンへの裏動線も兼ねた空間です。

ビルトインガレージを自転車置き場に

エステージColhoのガレージ
エステージColhoのガレージ

マイカーを所有している場合、駐車場の一部を自転車置き場にしようと考えている方が多いのではないでしょうか。ビルトインガレージに自転車を置く場合は工具の収納スペースなどを確保しやすく、メンテナンスをするには最適です。ただし、間取りやマイカーのサイズによっては自転車で車を傷つけてしまう、自転車の出し入れがしづらいといったケースもあります。上の写真のように、ビルトインガレージとテラスがひと続きのレイアウトであれば、ストレスなく出し入れができそうです。

日本ハウスホールディングスCar・With (カー・ウィズ)のビルトインガレージ
日本ハウスホールディングスCar・With (カー・ウィズ)のビルトインガレージ

壁面を自転車置き場に

ジブンハウスHACO HACOのガレージ
ジブンハウスHACO HACOのガレージ

ロードバイクなどのスポーツ自転車であれば、壁面に設置する方法もおすすめです。壁掛けフックや天井からの吊り下げ用フックを設置すれば、省スペースで自転車を収納することができます。壁や天井に負荷がかかるため、事前に下地補強を行っておくと良いでしょう。

まとめ

自転車は、自動車やバイクと比べてコンパクトなので設置スペースの確保を忘れてしまいがちです。しかし、新築時に自転車置き場の見当をつけておけば、より納得のいく場所・方法で自転車を停めることができるでしょう。これから家を建てる方は、自転車置き場についても考えてみてはいかがでしょうか。

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住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

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新築一戸建て注文住宅購入者のインタビュー記事
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