食育専門のモンテッソーリ教師が教える!子どもを育む親子料理の考え方と年齢別レシピ

料理をしているときにお子様から「やってみたい」と言われた経験はありませんか? 料理をさせてあげたいけれど、時間や体力、心に余裕がない……そんな親御さんも少なくないでしょう。しかし、2児のママで親子料理研究家のいしづか かなさん曰く、親子料理は遊びの一環と捉えることで無理なく始められるそうです。また、“食”に関わることは子どもの発育を促すだけでなく、好奇心や探究心、感性を磨くといったさまざまな要素が含まれているのだとか。そこで、食専門のモンテッソーリ教師でもあるいしづかさんに親子料理の始め方やアドバイスをいただきました。親子料理の考え方や子どもの発達段階に応じた環境づくりのポイント、0〜2歳児向けの指先を使った料理のお手伝い、3〜4歳児向けの親子料理「ふりかけ」のレシピ、4〜5歳児向けの親子料理「オートミールクッキー」のレシピなどもご紹介します。

親子料理研究家・いしづかかなのプロフィール
いしづか かな プロフィール
AMI国際モンテッソーリ協会公認教師|親子料理研究家


モンテッソーリ教師の資格を持つ母として子育てをスタート。 食の大切さと、親子で過ごす楽しい時間に重きを置いた日々の中で、たどり着いたのが「親子料理」という過ごし方。 二人の子どもたちと一緒に作ったごはんやおやつは6年間で1500品以上。 食を通していのちの循環を体験的に学べる親子料理教室「kids kitchen atelierデキタヨ!」を主宰。 食専門のモンテッソーリ教師としてSNS発信をするほか、親向けの講座や教育機関への食育指導、監修等も行っている。

親子料理協会いただきます | モンテッソーリ×食育:https://ishizukakana.com/

親子料理研究家のいしづかかなです。私が主催する親子料理教室でも、食に関する子育ての悩みを数多く聞いてきました。食べ物の好き嫌いが激しかったり、なかなかご飯を食べてくれなかったり……子どもとの食事や日々の料理が負担に感じてしまうこともあるでしょう。ですが、そんなときこそ親子で一緒に、“食”を楽しんでみてほしいと思います。食べ物に触れ合うことで子どもは食に興味を持てますし、食卓以外で過ごす時間は親子ともに楽しいコミュニケーションとなります。食事は食べることだけではなく“いかに楽しく食に関われるか”が大切なポイント。つくる過程を見たり一緒に体験できたりする親子料理は、子どもが楽しく食に関わるための絶好のチャンスです。さらに親子料理には、モンテッソーリ教育の要素も凝縮されていますから、お子様の心と体、頭を育むこともできるでしょう。まずは私が思う親子料理の考え方からお伝えしていきます。

食育×モンテッソーリ教育について、もっと詳しく知りたい方はコチラ

目次
1.【食育×モンテッソーリ教育】親子料理の考え方
2.子どもの発達に合った準備をしよう! 「親子料理」環境づくりのポイント
3.【0〜2歳の親子料理】ちぎる・むく・割く……指先を使ったお手伝い
4.【3〜4歳の親子料理】道具を使ったオススメ簡単レシピ「ふりかけ」
5.【4〜5歳の親子料理】子どもひとりでつくれる! オススメレシピ「オートミールクッキー」
6.できあがった料理を食べるときは“親が言われたいこと”を子どもに伝える
7.一緒に料理ができないときの断り方〜親子料理を続けるコツ〜
8.子どもを育む親子料理の考え方と年齢別レシピ まとめ

【食育×モンテッソーリ教育】親子料理の考え方

【食育×モンテッソーリ教育】親子料理の考え方

毎日の食事を用意するなかで、幼い子どもが「一緒にやりたい」と言ってきても、なかなか実行できないのが現状ではないでしょうか? 一緒にキッチンに立ちたい、料理を教えたいという気持ちはあっても、普段より時間がかかったり失敗したりすることを考えると実行するのは難しいもの。そこで、まず親御さんには「無理をしてまで一緒に料理しなくても良いですよ」とお伝えしたいです。

食との関わり方は、一緒に料理をすることだけではありません。食材に関する会話をしたりメニューを相談したり、調理の工程を見たり聞いたり、匂いを嗅ぐだけでも、食への興味は深まることでしょう。子どもが食に対して興味を持つことは、「食べてみたい!」というワクワク感や食育につながりますし、親子料理をするうえでの大切な第一歩になるんですね。

子どもができる食との関わり方のなかでも、親子料理はハードルが高いものだと思います。ですから無理をせず、親御さんの体力や心、時間に余裕のあるときにチャレンジしてみてください。ハードルを下げるポイントは、“毎日の食事の準備”と“子どもとの料理”を切り離して考えること。そうすれば気負わずに楽しく、親子料理に取り組めるはずですよ。

親子料理は子どものアクティビティとして始めてみる

親子料理は子どものアクティビティとして始めてみる

子どもと一緒に料理を「やりたいな」「やれそうだな」と思ったら、まずは子どものアクティビティとして始めてみましょう。毎日の食事をつくる時間ではなく、子どもが遊ぶ時間を使うことで、ゆったりと向き合うことができます。料理をきちんと完成させることは求めず、“子どものやりたいように楽しむこと”をサポートしやすくなるのもメリットですね。子どもと一緒にパズルや粘土遊びをするような感覚で始めていくと、少し気楽に取り組めるのではないでしょうか?

遊びの一環として料理を始めるには環境づくりから。子どもが自主的に楽しく食と関われるようにするのがポイントです。子どもが粘土遊びをしているときのように、親は補佐的な役割でいられるようにしましょう。そのためにも、お子様の成長に合わせた安全で使いやすい環境を整えることが重要です。

子どもの発達に合った準備をしよう! 「親子料理」環境づくりのポイント

子どもの発達に合った準備をしよう! 「親子料理」環境づくりのポイント

子どもには年齢に応じてそれぞれ発達段階があります。0歳のころは、親御さんがキッチンに立つと後追いをしてくる時期。「キッチンは危ないから」と柵をすることもありますが、安全な環境を整えたうえで、可能な限り入れてあげてほしいと思います。親御さんのそばにいられる安心感の中で、料理の音を聞く、匂いを嗅ぐ、見ることができたら、それこそが立派な食育! 食や料理に興味を持つきっかけにもなりますよ。

1〜3歳ごろは大人の真似をしてお手伝いをしたがり、4〜5歳ごろにはお手伝いではなく「自分でやる!」と、少し難しい作業に挑戦したがる時期です。ひとつの料理を完成させたいという時期でもありますね。それぞれの年齢や発達に応じて環境を整えてあげることで、子どもは“やりたい気持ち”を満たして、成長していくことができるのです。では、具体的な環境づくりについてお話していきましょう。

0〜1歳の「親子料理」環境のつくり方

0〜1歳の「親子料理」環境のつくり方

0歳後半になってくると、体が動かせるようになり、お座りができるようになります。引き出しにも興味を持ち始めるので、キッチンに開けても良い引き出しをつくってあげましょう。そして、子どもが開けやすい位置の引き出しに、触っても大丈夫なものを入れておくんですね。たとえばボウルは、触ってひっくり返したり、重ねたりするだけでも楽しいアイテム! 調理道具の扱い方を探求しながら料理への好奇心を育むことができます。

1歳ごろになると体をもっと動かせるようになって、あらゆる引き出しを開けるようになってくると思います。そのときに大切なのは、開けても良い引き出しなのか、ダメな引き出しなのかをしっかりルール化して子どもに伝えること。キッチンのルールを知り、約束を守れるようになることで、扱える調理器具が増えたり、できる料理の幅も広がったりします。料理は危険を伴うこともあるので、しっかりと自己抑制ができるよう“約束を守る”ことを通して、心も育んでいきましょう。

2〜3歳の「親子料理」環境のつくり方

2〜3歳の「親子料理」環境のつくり方

2〜3歳以降になると、本人から「もっとやりたい」という意思表示があると思います。子どもが主体的に準備をしていくことで、これまでよりも一層料理が身近なものになっていきます。とは言え、まだ見守りやサポートも必要な時期なので、大人にも余裕が持てるよう遊びの一環として料理を始めるのが良いでしょう。場所はキッチンにこだわらなくてもOK。いつもお絵かきや粘土遊びをするキッズデスクだったり、食事をするダイニングテーブルだったり、子どもの体に合った環境を用意してあげてください。

また、料理に使う道具は親が用意するのではなく、子ども自身がセッティングできるような環境も整えましょう。子ども用の調理器具を入れた専用引き出しをつくって、「このなかから必要なものを使ってね」というルールを伝えてください。そうすることで、たとえばレモンを絞りたいときは「どれを使えば良いのかな」と自分で考えるようになるので、思考力や探究心も養われていきます。

【0〜2歳の親子料理】ちぎる・むく・割く……指先を使ったお手伝い

【0〜2歳の親子料理】ちぎる・むく・割く……指先を使ったお手伝い

では、具体的に子どもとどんな作業をどう楽しめば良いのか、ご紹介していきます。

0〜1歳ごろ、お座りが安定したらキッチンの床にマットを敷いて一緒に食材に触れてみましょう。「これはキノコだよ」などと食材の名前をわかりやすく伝えながら触れていくことで、名称を記憶して発語のサポートにもなります。とくに食材の感覚刺激を楽しみながら指先を使う活動がオススメです。キャベツをちぎる、玉ねぎの皮をむく、キノコをほぐす……こんなお手伝いがぴったり。糸こんにゃくも簡単にちぎれるので色々な食材に触れてみてください。

この時期は、大人のそばにいたいという気持ちや、大人の真似をしたいという“大人への憧れ”が強い時期です。子どもは大人の言動をよく見て吸収していきます。初めての作業を教えたいときには言葉ではなく、“手元をゆっくり見せる”ことでやり方を伝えていきましょう。モンテッソーリ教育ではこれを「提供(提示)」と呼び、子どもと環境をつなぐために活用します。

ほかにも、指を使ってこねたり丸めたりする作業も楽しんでやってくれますね。この時期はスプーンやフォークの練習もするようになってくるので、豆腐をすくう動作をやらせてあげるのも良いでしょう。ここからは“キャベツをちぎる”を例に、詳しく説明していきます。

0〜2歳児向けのオススメお手伝い〜キャベツをちぎる〜

0〜2歳児向けのオススメお手伝い〜キャベツをちぎる〜

まずは、お子様が作業しやすいところでキャベツをちぎる準備をしましょう。マットやキッチンクロス、新聞紙などを敷いて、ちぎったキャベツを入れるためのボウルを用意すれば準備完了です。作業に必要な道具は、子どもが自分で用意し、セッティングできるように収納環境を整えてみてください。お子様にちぎってもらったキャベツは、そのままサラダにしても良いですし、スープなど料理の具材として使っても良いですね。ちなみにトマトのヘタを取る作業なら、ヘタとトマトを入れるボウルをそれぞれ準備します。ヘタとトマトを仕分けることで空間認識力が高まりますし、周りを散らからずに済みますよ。

【3〜4歳の親子料理】道具を使ったオススメ簡単レシピ「ふりかけ」

【3〜4歳の親子料理】道具を使ったオススメ簡単レシピ「ふりかけ」

3〜4歳ごろになると指先が器用になり、道具を扱うことができるようになります。調理器具を使いながら混ぜる、注ぐ、入れる……といった動作を組み込んでみましょう。今回ご紹介する親子料理のレシピは「ふりかけ」。シンプルながら、調理工程に多くの動作が含まれるのでオススメです。

また、3歳ごろになると、「ただ作業をする」だけではなく、食材に対する興味も広がっていきます。料理をしながら食材をじっくり観察するのに、ふりかけづくりはピッタリ! ちりめんじゃこや干しエビなどの乾物は、まるで生き物の観察。命をいただく意味を理解することにもつながっていくことでしょう。このように、子どもは楽しみながら食材への知識を深めることができます。乾物の香りや質感にも注目しながら、素材からの学びを広げてみてくださいね。

3〜4歳の親子料理レシピ「ふりかけ」のつくり方

3〜4歳の親子料理レシピ「ふりかけ」のつくり方

●材料
・乾物……ちりめんじゃこ、干しエビ、かつお節、ごま、青のりなど、好みのものを好きなだけ
・塩……少々

●手順
①好みの乾物を複数入れて、すり鉢で細かくする
②塩を加えて混ぜ合わせる

すり鉢は小さなものだとこぼしやすくなるため、直径20センチのものがオススメ。すりこぎ棒は子どもの手でも握りやすい太さ、長さのものを選びましょう。また、お子様の身体が大きくなれば力も強くなるので、すり鉢でのすり具合が年齢によって変わってくるところも面白いですね。できあがったオリジナルふりかけはご飯にかけても良いですし、我が家では味噌と一緒に混ぜて特製お味噌汁にするのも大人気。自分でつくったふりかけは、一段と美味しく感じますよ。

乾物は使いやすい瓶に詰め替える

乾物は使いやすい瓶に詰め替える

子どもがごまや青のりを袋から出そうとして、「こぼれちゃった!」なんてこと、ありませんか? 子どもからすると、実はハードルの高い作業なので、ふりかけづくりの前には、ごまや青のりなどを瓶に詰め替えておくようにしましょう。瓶に詰めたものをこぼさないように出すのは、子どもにとって指先を使うトレーニングにもなりますよ。

【4〜5歳の親子料理】子どもひとりでつくれる! オススメレシピ「オートミールクッキー」

【4〜5歳の親子料理】子どもひとりでつくれる! オススメレシピ「オートミールクッキー」

4〜5歳になると、ひとつの料理を自力で完成させようとする意識が子どもに芽生えてきます。そこでオススメなのが簡単で栄養たっぷりの「オートミールクッキー」。砂糖を使わずヘルシーで、途中でつまみ食いしてもお腹を壊さないので安心です。このオートミールクッキーは栄養バランスが良いので、偏食の子や少食の子にもぴったりですね。

4〜5歳の親子料理レシピ「オートミールクッキー」のつくり方

4〜5歳の親子料理レシピ「オートミールクッキー」のつくり方

●材料
バナナ……1本
オートミール……80g〜(お子様の感覚で)
ココナッツオイル……大さじ1
米粉……大さじ1〜(お子様の感覚で)

●手順
①バナナとココナッツオイルをボウルに入れる
②バナナが滑らかになるまでつぶす
③オートミールと米粉を入れて混ぜる
④まるめて成形する
⑤予熱したオーブン(180度)で20分程度焼く

お子様が数字を読めるようになったら、オーブンの扱いにもチャレンジしてみましょう。ボタンの近くにマスキングテープなどで印を付けると、子どもにもわかりやすくなりますよ。また、計量はざっくりで問題ありません。お菓子づくりは厳密な計量が必要というイメージかもしれませんが、このクッキーは子どもが泥だんごをつくるような感覚でOK。「ちょっとゆるいな、もうちょっと足そうかな」くらいの感覚で進めましょう。自分の感覚を頼りにつくることは、五感や脳への刺激や育みにつながります。

できあがった料理を食べるときは“親が言われたいこと”を子どもに伝える

できあがった料理を食べるときは“親が言われたいこと”を子どもに伝える

子どもにとっての料理は、“上手に”“美味しく”つくることが全てではありません。食材に触れる過程を楽しむだけのときもあれば、誰かの役に立ちたい気持ちを持って料理をすることも。料理に向かう目的は発達により変化していくので、完成したときの喜びもその時々で違う感情かもしれません。子どもの喜びに共感しながら、声をかけていきましょう。

そして、いつも料理をする人、つまり親御さん自身が言われたい言葉を掛けてみるのもオススメです。「つくってくれてありがとう」「大変だったよね」「美味しいよ!」……言ってもらえたらテンションが上がるような言葉で、子どもに感想を伝えてあげてください。いつも料理をしてくれる親御さんの気持ちを知ることができる機会にもなります。0〜2歳の子でも「これ、ちぎってくれたキャベツだね。美味しいね」と伝えると本当に嬉しそうな顔を見せてくれるんですよね。自分が関わった料理というのは格別に感じられて、愛着も湧くものです。

一緒に料理ができないときの断り方〜親子料理を続けるコツ〜

一緒に料理ができないときの断り方〜親子料理を続けるコツ〜

もし、食事の支度中にお子様が「やりたい」と言ってきても、無理はしなくて良いと冒頭でお伝えしました。断っても良いのですが、そのときには“断り方”が大切です。ただ「ダメ」ではなくて、理由をしっかりと伝えましょう。「ママ、今日は時間がないから一緒にお料理できません。ごめんね。」といった感じで、“やりたい気持ちはわかっているけどできないんだよ”という想いをちゃんと言葉にしてあげてください。

さらに、いつだったらできるのか、その場で次の約束をしましょう。約束することで、子どもは我慢ができるようになります。“今はできない”と言われているだけなので、子どもも待とうと思えますよね。会話だけでお子様の気持ちが収まらないときは、約束の日をカレンダーにチェックして見せてあげてもいいでしょう。そして、約束は必ず守ってください。そうすることで約束をする、我慢をするという経験が積めますし、何よりも親子の信頼関係が深まります。

子どもを育む親子料理の考え方と年齢別レシピ まとめ

親子料理の考え方やそれぞれの年齢に応じた環境づくり、「ふりかけ」や「オートミールクッキー」など子どもの年齢に応じた親子料理のレシピをご紹介しました。料理から子どもが気付き、学べることは無数にあります。そして、何より自分のつくったものは美味しいんですね。子どもたちには、美味しく楽しく食に触れて、多くの学びを得てほしいと思います。毎日の食事をつくる時間とは別に、子どものアクティビティとしての親子料理にもぜひチャレンジして、いろいろな角度から食を楽しんでみてください。

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