子どもが“勉強しやすくなる”お家とは?家庭学習サポート専門家に聞く学習環境の工夫

子どもが自宅でなかなか勉強してくれない、机に向かっても集中してくれない……そんな悩みを抱える親御さんは多いのではないでしょうか? 机に向かうまでに時間がかかったり、「宿題やったの?」と聞いて「今やろうと思ったのに!」と親子バトルに発展したりと、一筋縄ではいかない子どもの家庭学習。できることなら進んで勉強するようになって、習慣化もしてほしいものです。そこで、家庭学習サポート専門家の大沢有貴子さんに、子どもが勉強しやすくなる環境づくりについて、アドバイスをいただきました。

家庭学習サポート専門家・大沢有貴子のプロフィール
大沢有貴子

家庭学習サポート専門家
子どもの家庭学習のサポート方法を、教育・受験情報メディアを通じて発信中。「中学受験ナビ」「All About NEWS」「まいどなニュース」「BRAVA」などにて、保護者の不安に寄り添うアドバイスを心がけている。自身も教育ママ業を趣味のように楽しみ、お金も手間もなるべくかけず家庭学習をサポートする方法を追及。幼児食インストラクター、食育アドバイザー、食生活アドバイザーでもあり、モンテッソーリ教育講座の企画も行う。
公式HP:https://yukiko-ohsawa.amebaownd.com/
Twitter:https://twitter.com/OhsawaYukiko

家庭学習サポート専門家の大沢有貴子です。私もふたりの子どもを育てるなかで、何度も子どもたちとぶつかり、その度に「どうやったら自主的に勉強してくれるようになるのか?」「集中して家庭学習を進めるには?」を考え、試行錯誤してきました。今回はそんな経験を交えながら、学習環境の工夫や集中力をアップさせるコツなどをお話していきます。

家庭学習を習慣付けるには? 10歳くらいまではリビング or ダイニング学習がオススメ

家庭学習を習慣付けるには? 10歳くらいまではリビング or ダイニング学習がオススメ

子どもが小学校に上がると、宿題などでほぼ毎日お家で勉強するようになります。家庭学習の場所は、低学年のうちはリビングやダイニングなど、親の目の届く範囲が良いでしょう。子ども部屋を用意して「今日からひとりで頑張ろう! 」と言っても、すぐにできることではありませんし、この時期なら親の気配を感じるほうが集中できると思います。親のアドバイスが素直に受け入れられる10歳くらいまでに家庭学習を習慣付けられるようにサポートし、思春期や第二次反抗期に入る小学校高学年からは自主的に勉強できるようになっているのが理想ですね。

家庭学習に集中できる“環境づくり”を家族全員でサポート

リビングやダイニングは、親にとっては目が届いてサポートできる環境ではありますが、子どもにとってはテレビなどの音で集中力を乱しやすい場合もあります。子どもの勉強タイムはテレビをつけない、音を小さくするなど家族全員で協力しましょう。

兄弟、姉妹がいるご家庭は、一緒に勉強するとスムーズに進みやすいですね。我が家の子どもたちは2歳差で、上の子の勉強に合わせて下の子も机に向かうようにしていました。下の子が小さいうちは勉強ではなく、机で折り紙やぬりえなどをやってもらっていたのですが、一人前扱いされるのがうれしくて、しばらく集中していましたね。弟や妹が机で集中していると、上の子も負けじと頑張ってくれるはずですよ。

整理整頓が基本! 子どものやる気がアップする家庭学習スペースの工夫

整理整頓が基本! 子どものやる気がアップする家庭学習スペースの工夫

リビングやダイニングでの家庭学習は、ダイニングテーブルを活用しても良いですし、ラグを敷いて折りたたみテーブルを置いた学習スペースをつくるのも良いでしょう。そして、必要不可欠なのが収納です。勉強に必要な鉛筆や消しゴム、教科書などをしっかり片付けておける場所を用意してあげてください。部屋が散らかっていると子どものやる気が削がれかねません。

我が家では、「鉛筆がない」、鉛筆があったと思ったら「鉛筆が丸い」、「鉛筆削りが2階の自分の部屋にあるから取ってくる」「鉛筆削りが見つからない」……ということが頻繁に起こっていました。勉強を始める前にどんどんやる気をなくしていく状態です。そうならないように、学習スペースにランドセルや教科書などの学用品をまとめて収納できるようにしましょう。ポイントは、子どもが自分で片付けられるようにすること。親が手伝わなくても済むように、子どもの手が届く高さの場所で、分類などはせずに「入れるだけ」のシンプルな収納が良いですね。ランドセルラックやカラーボックスを活用するのもオススメです。

リビング・ダイニングでの家庭学習は“足の裏”がポイント

リビング・ダイニングでの家庭学習は“足の裏”がポイント

勉強するときの姿勢の注意点は“足の裏”。子どもの集中力を持続させるためには、足の裏が床に付いているかどうかがポイントなんです。背の高い椅子で足の裏が付かない場合は、踏み台を使いましょう。足の裏をしっかり付けて身体を安定させると、姿勢が良くなり、集中力アップにもつながります。ちなみに姿勢が良いと、食べ物をよ~く噛むことができるので、血流が良くなり脳にも良い影響があるそうです。勉強するときも食事の時間も、お子様の足がプラプラしていることのないようにしましょう。

マイホームを建てる前に知っておきたい! 勉強しやすくなるお家づくりのポイント

トヨタホーム愛知の規格住宅「MOKUA-J」のリビングと作業スペース

これからお家を建てる方は、リビングやダイニングなどの共有部分に作業スペースをつくっておくと良いでしょう。リモートワークや趣味の作業などもできるようにしておけば、子どもが成長した後も有効的に使うことができます。リビング学習をするような時期は、子ども専用スペースにするのがオススメ。「自分専用」って、子どもはすごく喜ぶんですよね。勉強に対するモチベーションも上がるはずですよ。

兄弟姉妹がいる場合は、可能なら人数分の勉強スペースをつくりましょう。その場合は、仕切らずになるべく大きいスペースのままが良いですね。教科書を広げることもありますし、仕切りをつくり付けにしてしまうと不要になったときに取り外すのも大変です。パーテーションなどを使ったほうが集中できるのであれば、市販のもので十分。100円ショップにもデスクパーテーションがあるので、活用してみてください。

丸和建設の規格住宅「クラス・クリエ」の子供室

学習机などを新しく買い揃える場合は、兄弟姉妹の分を一緒に買うのが良いと思います。インテリアを統一できますし、まとめて買うと割引がきくことも。幼児のお子様がいる場合も一緒に買うことで、子ども全員のモチベーションが上がるはずです。

子ども用の椅子はSTOKKE(ストッケ)の「トリップ トラップ」がオススメ。成長に合わせて高さを調節できるので、足の裏をしっかりと付けることができます。カラーバリエーションが豊富な北欧デザインなので、見た目もかわいいですよ。

家庭学習向きの照明は?

家庭学習向きの照明は?

リビングはリラックスできるように、照明は温かみのあるオレンジ系の「電球色」を使う場合が多いと思います。しかし、勉強するときに向いているのは青みがかった明るい白色の「昼光色」なので、リビングには「電球色」「昼光色」を切り替えられる照明が良いでしょう。お家を建てるとき、設計士の方に相談してみてください。

そのうえで、勉強するときに手元の明るさが足りないと感じたら、スタンドライトをプラスして使いましょう。オススメは無印良品のライト。アームが可動式のものやコードレスのものなど種類が豊富です。今住んでいるお家の学習スペースがあまり明るくない場合にも活用できますよ。

子どもの集中力を高める! 家庭学習を習慣付ける毎日のルーティン

子どもの集中力を高める! 家庭学習を習慣付ける毎日のルーティン

家庭学習を習慣付けるためには、環境を整えたうえで、毎日のルーティンも決めましょう。シンプルで効果的なのは“時間”。我が家では、小学校が終わったら遊びの時間で、17時から勉強するというルーティンをつくりました。「勉強しなさい」は言う側も言われる側も嫌なものです。時間を決めて勉強することは、子どもにとってもガミガミ言われなくなるというメリットを感じたようで、時間がきたら自主的に始めることが多くなりました。学習時間を決めたら家族全員で必ず共有しましょう。勉強が済んだにも関わらず、ルーティンを知らない家族に「遊んでないで勉強しなさい」とか言われようものなら、子どものモチベーションは大幅ダウンしてしまいますよ。

ルーティンを決める際は、子どもの納得が大切です。たとえば親は夕飯前に勉強を終わらせてほしいけれど、子どもは「ご飯の後じゃないとやりたくない!」と言ってきたら、いったん受け入れてみましょう。ご飯の後だと眠くなるのでは? と思ってしまうものですが、やってみたら意外にうまくいくかもしれません。もしうまくいかなくても1週間、1ヶ月と自分で決めた時間に勉強できなかったら「ご飯の前にやったほうが良い」と子ども自身で納得することができます。

親としての理想にこだわりすぎず、お子様の自主性も尊重してみてください。我が家でもいろいろ試して、やりたいことを先にやってから17時に勉強というルーティンに落ち着きました。ルーティンは時間を決めること以外にも、いろいろな例がありますので、親子で納得できるものを探してみてくださいね。

ルーティン例①おもちゃ、テレビ、ゲームなどの誘惑は布で隠す

ルーティン例①おもちゃ、テレビ、ゲームなどの誘惑は布で隠す

リビングなどの家族共有スペースには、テレビやゲーム、おもちゃ、マンガ……と多くの誘惑があります。集中力を乱すものには、勉強を始める前に布を掛ける、その行動をルーティンにしましょう。誘惑を隠すだけでなく、勉強タイムを始める気持ちの切り替えにもなります。布は無地のブルー系がオススメで、集中力を高める色と言われています。布は子どもが掛けても親が掛けてもOK。子どもが自分でやったほうが気持ちの切り替えができるとは思いますが、「嫌だ。面倒くさい」と手間取るくらいなら、親がやってしまうのも良いでしょう。

ルーティン例②BGMで勉強スイッチを入れる

ルーティン例②BGMで勉強スイッチを入れる

「この曲がかかると勉強の時間だ!」となるように、BGMを決めるのもルーティンのひとつ。ロックでもクラシックでも好きなジャンルでOKですが、歌詞のないインストゥルメンタルのような曲がオススメです。我が家では一時期YMOのRYDEENを流していましたね。日本語の歌詞があるとどうしてもBGMに意識が向いてしまうので、避けたほうが無難でしょう。選曲するときは3つほど候補を出して、子どもに選んでもらうと意識が高まると思います。

ルーティン例③飲み物で気分を高める&集中力もアップ

ルーティン例③飲み物で気分を高める&集中力もアップ

やる気を出すには、飲み物を使うのも効果的。特定の飲み物が出てきたら勉強タイムというルーティンを決めるのも良いでしょう。たとえば勉強を始めるときにのみココアを淹れて、飲みながら勉強を進めていくという感じです。カフェインや糖分は脳を活性化させる効果があるのでココアを例に出しましたが、何を飲むかは自由。カフェインが気になるようならほかの飲み物でも良いですが、“同じものを勉強タイムに飲む”というやり方の方が定着しやすいですよ。

家庭学習サポートの専門家に聞く学習環境の工夫 まとめ

学習環境の工夫や集中力をアップさせるコツにはいろいろな方法がありますが、子どもにもそれぞれ個性があるので、うまくいかないこともあると思います。また、日によってもうまくいったりいかなかったりするでしょう。常に100点満点を求めようとはせず、まずは1週間や1ヶ月のトータルで見たときに勉強できていればOK、という心構えで見守りましょう。

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