今年の冬は寒さ対策必須⁉家電アドバイザーが電力不足への備えと省エネ暖房器具を解説

近年、冬の電力不足が毎年のように話題となりますが、2022年から23年にかけてはとくに電力がひっ迫すると予測されています。また、急激な円安による燃料代の高騰も恐ろしいですね。人気家電ライターの藤山哲人さんによると、地域によっては電力不足による停電への備えと停電時の寒さ対策が必須になるとのこと。では、どのように今冬を乗り越えたら良いのでしょうか? 電力不足に対する藤山さんの見解や対策、オススメの省エネ暖房器具などを伺いました。

家電ライター・藤山哲人のプロフィール
藤山哲人  プロフィール

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。「マツコの知らない世界」(番組史上最多の6回出演)や「アッコにおまかせ」、「NHKごごナマ」などをはじめ、朝や昼の情報番組に多数出演。現在、インプレスの「家電Watch」「PC Watch」や「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体、ABCラジオで連載やコーナーを持っている。

家電ライターの藤山哲人です。最近の家電業界トピックスとしては、半導体不足による品薄状態が解消され始めてきました。しかし、電力などのエネルギー不足による製造コストや輸送費の高騰といった新たな問題が生じ、多くの家電メーカーが製品の値上げをおこなっているのが現状です。

家電や食料品の価格上昇で私たちの生活は大ピンチですが、電気代もさらに値上がりしそうな気配が……。昨年も問題になった電力不足がより深刻になり、そのうえ冬の寒さも例年以上との予報が出ている今、さらなる対策が必要になるでしょう。最悪の場合、地域によっては電気供給がストップされることも視野に入れなければなりません。そこで、なぜ電力不足が起こるのか? 具体的にどんな対策をしたら良いのか? 私の見解をお伝えします。

冬の電力不足はなぜ起こる? 原因と該当地域を解説

冬の電力不足はなぜ起こる? 原因と該当地域を解説

日本で冬に電力不足が起こりやすい原因のひとつは“気温差”です。エアコンを例に考えてみましょう。夏は外気温が30℃、室内の設定温度が28℃と想定すると、その差は2℃。
冬は外気温が2℃、設定温度を20℃と想定すると18℃も差があるので、室温を上げるために電気を何倍も使うわけです。例ひとつとっても、夏より冬のほうが多く電力を使うことがわかりますね。寒い地域はより顕著になるでしょう。

2022年の冬、電力不足になる可能性が高いと考えられるのは、北海道、東北、関東、東海、新潟県(糸魚川以東)。また、東京電力との合弁会社で燃料調達をおこなっている中部電力も連動するのではないかと予測しています。

「需要に合わせて発電すれば良いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そうはいかない事情があるんです。今まで日本の電力を補ってきた火力発電所が老朽化し、廃炉が進んでいること。加えて稼働している原子力発電所が限られていることが原因で、電力供給が追いつかず、電力不足が懸念されているんですね。私が電力不足を懸念する地域として西日本を挙げていないのは、該当地域で原発が稼働していることも理由のひとつです。

電力不足の可能性がある地域のなかでも、北海道は暖房の主流が石油ストーブなので、仮に電気供給が止められてもなんとか乗り切れるはずです。私の見解としては、寒さが厳しい東北と関東、そして中部電力管内が危ういと思っています。とは言え、今冬は全国的に寒くなるそうなので、動向をチェックしながらしっかりと備えましょう。

世界的なエネルギー不足……LNG(液化天然ガス)の価格高騰で電気代も上がる?

電力不足は関東を中心に不安視されますが、電気代の値上げは全国的におこなわれるのではないかと予測しています。電気代が上がる理由としてまず頭に浮かぶのは、世界情勢によるエネルギーの高騰。火力発電の主燃料であるLNG(液化天然ガス)の需要が世界中で高まり、取り合いになっているんですね。

LNGの輸出国はアメリカ、ロシア、オーストラリア、さらにカタールなどの中東地域が挙げられます。日本は主にオーストラリアから輸入しているのですが、中国の急速な輸入増加も加わって価格がつり上がったようなんです。燃料価格が上がると、電気代に含まれる「燃料費調整額」が加算されます。燃料費調整額とは、原油やLNGなどの価格変動に応じて算出される平均燃料価格のこと。毎月見直されますが、燃料高に円安も加わって、今後も全国的に電気代が上がると考えられます。

政府はガソリンの高騰と同じように補助金を投入して、電気代の高騰を抑えるとしていますが、ガソリン価格が高止まりしているように、電気代もどこまで値上げを抑えられるかは微妙なところでしょう。今のところガス不足にはならないと言われていますが、値上がりは続きそうですね。一般的にLNGを主原料としている都市ガスは、さらに値上がりする可能性が高いでしょう。

オール電化なら何が必要? お家でできる電力不足への対策

オール電化なら何が必要? お家でできる電力不足への対策

では、電力不足が懸念される今年の冬を乗り切るにはどうしたら良いのでしょうか? オール電化のお家はとくに不安ですよね。私の考える、今すぐできる電力不足対策をいくつかご紹介します。

●天井照明を“LED”に変える
お家の天井照明がまだ蛍光灯なら、今すぐLED照明に変えましょう。蛍光灯は電気代が高いうえに蛍光管自体も高くつきます。政府も2030年までに蛍光灯や水銀灯をなくすと表明していますし、使うメリットは思い浮かびませんので、LEDへの変更をオススメします。

「これからはLEDの時代に! 今まで使っていた蛍光灯の照明器具は交換しないとマズい?」 はコチラ

●エアコンは“人感センサー”をONに
お家のエアコンに人感センサーが搭載されているなら、オンにすることで節電対策になります。不在時には自動でオフにしてくれるので、電気を無駄にせず効率的ですね。風向きや風量なども自動運転モードにしておくと省エネになりますよ。

●“カセットコンロ”を常備
停電に備えてカセットコンロを用意しておきましょう。災害時にも便利ですし、とくにオール電化のお家では必須級の備えアイテムです。カセットボンベの備蓄もお忘れなく。ちなみにカセットボンベのガスは、プロパンガスを使っているので値上がりする可能性は低いと見て良いでしょう。ですが、備えあれば患いなし、必要な分は早めに備えてくださいね。

●“ポータブルバッテリー”を準備
ポータブルバッテリーを用意しておくのもオススメです。電力不足による計画停電や災害時にも1台あれば心強いですね。購入時に注意したいのが電力容量で、停電復旧に2〜3日かかることを仮定すると、3人家族で最低容量1000Wh(ワットアワー)くらいは必要になると思います。家族の人数や用途に応じて準備しておきましょう。

家電ライター藤山さんオススメ! 電気を使わない暖房器具

家電ライター藤山さんオススメ! 電気を使わない暖房器具

電力不足に備えるなら、電気を使わない暖房器具を用意しておくのが良いですね。オール電化のお家もそうでないお家も、冬前に準備しておけば心強いと思います。たとえば石油ストーブ、電気を使わずに乾電池やマッチなどで着火できるので、停電時に活躍します。
石油ストーブには「反射式」と「対流式」がありますが、オススメは「反射式」。対流式は部屋の真ん中に設置する必要があるので場所を取りますが、反射式はコンパクトタイプが多く、壁際に設置することができます。なお、“石油ファンヒーター”は電気がないと作動しないので、購入するなら“石油ストーブ”と覚えておきましょう。

カセットボンベで暖を取る! 『ポータブルガスカセットコンロ ヒバリン』&『ポータブルガスストーブ』

暖を取る方法はいろいろありますが、カセットボンベを燃料とする暖房器具があることはご存知でしょうか? 石油は購入したシーズンで使い切らないといけませんが、カセットボンベは長期備蓄が可能。使いながら蓄えるローリングストックをすれば、災害時にも役立ちますよ。なかでもオススメはアラジン製のアイテム。元々ストーブメーカーであるアラジンがアウトドア用としてつくったものですが、屋内でも使用できます。見た目もポップでかわいいので、インテリアとしてもグッドですね。

●センゴクアラジン『ポータブルガスカセットコンロ ヒバリン』

センゴクアラジン『ポータブルガスカセットコンロ ヒバリン』

ポータブルカセットコンロ ヒバリンは、火鉢と七輪を融合させたコンロです。火鉢として使えば暖を取れますし、それ以外にもお湯を沸かしたり、付属の専用焼き網で料理をしたりと大活躍のアイテム。カラーはレッドとイエローの2色で、プレゼントとしても人気が高いんですよ。

●センゴクアラジン『ポータブルガスストーブ』

センゴクアラジン『ポータブルガスストーブ』

見た目がなんとも可愛らしいポータブルガスストーブは、コンパクトサイズで持ち運びも楽チン。ふんわりと優しく暖めてくれます。オシャレアイテムとして、一年中リビングに置いて楽しむ方もいるようですよ。

ちなみにアラジンのカセットボンベを使ったシリーズは、秋冬の低温時対応の専用カセットボンベが推奨されています。使用上の注意をしっかり確認して、もしものときに備えてくださいね。

消費電力を抑えながら暖かく! 家電ライター藤山さんオススメの省エネ暖房家電

家電ライター藤山さんオススメの省エネ暖房家電

消費電力を抑えた暖房器具の活用も、電力不足の対策になります。最も省エネで効率良く暖まるのは「ホットカーペット」。エアコンやファンヒーターより電気代が安く、赤ちゃんのいるご家庭にもオススメです。ただし、犬や猫には温度が高いので、ペットがいるご家庭では犬猫専用のホットカーペットを用意すると良いでしょう。

やっぱり冬はこたつ! 省エネ暖房器具の定番

やっぱり冬はこたつ! 省エネ暖房器具の定番

ホットカーペットの次に省エネなのは「こたつ」。昔ながらの床に座るタイプを始め、ダイニングテーブルやデスクとして使えるものなど最近はバリエーション豊かで、インテリアや生活スタイルに合わせて選べます。なかでも私のオススメはダイニングこたつ。こたつ布団を掛けずにそのまま使う方が多いようですが、布団を使ったほうが省エネで、しっかりと暖まりますよ。

着る家電!? 充電式で暖かいアイリスオーヤマ『ヒートウェア』

充電式で暖かいアイリスオーヤマ『ヒートウェア』

着るだけでポカポカするアイリスオーヤマのヒートウェアもオススメ。2020年発売の充電式バッテリーを使った電熱ウェアです。電力が不足する前に、あらかじめ充電しておくと良いでしょう。ベストのほか、パンツやスカート、ブランケットやネックウォーマーなど多種展開されているので、自分の好みに合わせて選んでくださいね。

家電アドバイザーが電力不足への備えと省エネ暖房器具を解説 まとめ

冬の電力不足と対策について、私の見解をお伝えしました。今回ご紹介したアイテムは、電力不足だけでなく災害時にも活躍するものが多いところもポイントです。寒さも家計も厳しい冬になりそうですが、早め早めの備えで乗り切りましょう。

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