家電ライターオススメ!ウイルス除去&インフルエンザ対策になる空気清浄機と家電特集

例年1〜2月にピークを迎えるインフルエンザ。ウィズコロナでマスクの着用や手洗いが習慣化している方が多いものの、健康を保つためにはお家での対策も重要です。そこで、さまざまなメディアで活躍する人気家電ライター兼アドバイザーの藤山哲人さんに、インフルエンザを始めとするウイルスに効果的な家電を伺いました。

お話を伺った藤山哲人さん プロフィール

家電アドバイザー藤山哲人のプロフィール
藤山哲人さん

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。「マツコの知らない世界」(番組史上最多の6回出演)や「アッコにおまかせ」、「NHKごごナマ」などをはじめ、朝や昼の情報番組に多数出演。現在、インプレスの「家電Watch」「PC Watch」や「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体、ABCラジオで連載やコーナーを持っている。

家電ライターの藤山哲人です。コロナ禍の影響でウイルス対策への関心が高まり、そのニーズに応えるような高性能な家電も増えてきました。今回は、ウイルス除去やインフルエンザ対策にオススメの空気清浄機と家電の紹介に加え、最近よく耳にする“あの家電”の除菌効果についても私の見解をお伝えしたいと思います。

ウイルスに効果のある機能や成分とは?

ウイルスに効果のある機能や成分とは?

ウイルス対策になる家電のキーワードは、「プラズマクラスター」「ジアイーノ」「ナノイー」「ストリーマ」「オゾン」です。

これらは各家電メーカーが大学などと共同で実証実験し、インフルエンザを始めとするウイルスに対して抑制効果があると実証しました。新型コロナウイルス(COVID-19)はバイオハザードの観点などからなかなか実験が進んでいないようですが、実験はさまざまなウイルスで行われていて、以前に流行したコロナウイルスに対する効果は実証済みです。また、厚生労働省によれば、冬場の換気によって室温を18℃以上に保つことが難しい場合は、HEPAフィルターによる“ろ過式”の空気清浄機が有効とされています。ここからはそれらを踏まえた私のオススメ家電を紹介していきます。

プラズマクラスター搭載! シャープの加湿空気清浄機『KI-PX75』

プラズマクラスター搭載! シャープの加湿空気清浄機『KI-PX75』

「プラズマクラスター」はシャープ独自の技術で、プラズマ放電によって空気中の酸素と水をイオン化する仕組みです。発生したプラズマクラスターイオン(OHラジカル)は、空気中の菌やウイルスの表面で菌などのタンパク質を分解し、その作用を抑制してくれます。プラズマクラスター搭載の家電は空気清浄機のほかに、エアコンや冷蔵庫まで多種多様。関西の鉄道やタクシー、フィットネスクラブなど、さまざまなところで導入されているんですよ。

数あるプラズマクラスター製品の中でも一押しは『KI-PX75』という加湿空気清浄機です。これは2022年1月発売の新製品で、今までで一番強力な「プラズマクラスターNEXT」を搭載。お手入れの簡単さも魅力で、通常の空気清浄機の場合、ホコリを集めるフィルターは週に1回ほど掃除しなければいけないのですが、そのフィルターを自動で掃除してくれるんですね。

加湿能力の高さも特筆すべきものがあり、その加湿量は従来モデルの1.5倍となる900mL/h。一般的に14畳くらいの広さで500mL/hの加湿量があれば良いと言われていますが、コロナウイルス対策のために換気をする回数が増えている今、これくらいのパワーは必要だと思うんです。『KI-PX75』の加湿量なら換気で湿度が下がってもすぐ加湿してくれますし、18畳までの部屋に対応しているのでリビングでも活躍してくれるでしょう。価格は83,000円ほどです。

人工知能がデータを蓄積して室内の湿度を調整

また、「COCORO AIR」というスマホアプリにも対応しており、人工知能が天気予報を調べて室内の湿度調整を自動でしてくれるんですよ。部屋に人がいるときはしっかりと加湿し、いないときは抑えめにするといった自動運転もしてくれるので、気密性の高いお家なら給水回数が減って楽だと思います。

ちなみに加湿器複合タイプの空気清浄機は、エアコンの対面に設置するのがもっとも効果的なんですが、部屋の状況によってはベストな場所に置くのは難しいもの。しかし、シャープの空気清浄機とエアコンをセットで使っていればCOCORO AIRで連動可能で、風の向きなどを自動調整して効果を高めてくれます。それと「空気が乾いてきたので加湿しますね」といった感じでしゃべるので、お友達っぽいところもありますね(笑)。

ウイルスをパワフル吸引! ダイキンのストリーマ空気清浄機『MC55Y』

ウイルスをパワフル吸引! ダイキンのストリーマ空気清浄機『MC55Y』

「ストリーマ」はダイキンが開発した技術です。プラズマ放電の一種であるストリーマ放電によって発生したOHラジカルを含む4種類の分子が、ウイルスやダニ・カビなどの有害タンパク質を分解してくれます。一般的なプラズマ放電の1000倍の酵素分解力があるので、臭いや菌、ホルムアルデヒドなどの室内汚染物質に対して持続的に作用するのも特徴ですね。ストリーマを搭載したエアコンや空気清浄機は、公共機関のロビーや飲食店、とくに大阪の施設でよく見かけます。

ストリーマによる分解のしくみ

ストリーマを搭載した空気清浄機は、ウイルスを含んだ空気を吸い込み、フィルター付近で効率よくやっつけてくれるので、空気中にOHラジカルを放出するタイプより効きが良く、仕組みとしては理にかなっていますね。

空気清浄機はいろいろなメーカーが出していますが、そのなかでも一番オススメなのがダイキンの『MC55Y』。ストリーマを強化したダブルストリーマを搭載しているのにコンパクトで、価格は43,000~48,000円ほど。値段もサイズもお手頃です。しかも25畳まで使えるパワフルさがあるのでリビングにうってつけですね。また、基本的にダイキンの空気清浄機はフィルターが前面にありますが、この『MC55Y』は真ん中の上向きに配置されていて、その下にファンがあるので音も静かです。

万能エアコン! パナソニックのナノイーX搭載「エオリア」シリーズ

万能エアコン! パナソニックのナノイーX搭載「エオリア」シリーズ

空気中の水分に高電圧を加えて生成されるイオン「ナノイーX」はパナソニックが開発。菌やウイルスを分解するOHラジカルを水で覆っているので、空気中に滞留する時間が長いのが特徴です。ナノイーXは、山手線を始めとするJR東日本や小田急・京王・東急電鉄、西武鉄道や京阪電鉄など多くの電車に導入されていて、LEXUSなどの自動車にも使われています。

ナノイーX搭載の家電でオススメなのはエアコンの「エオリア」シリーズ。冷暖房だけでなく、加湿や除湿、換気や除菌と多彩な機能を搭載していて、自動運転にしておけば温度調節から湿度の調整までAIがやってくれるので、とにかく楽チンです。さらにAIに任せておけば、電気代が一番安くなるように稼働してくれますよ。部屋の空気管理を一手にやってくれるので、これ1台あればほかの空気清浄機や加湿器がいらないくらいです。値段は350,000円ほどと高いですが、自動お掃除機能も付いていてメンテナンスフリーなので、とても使い勝手が良いですね。

25畳まで対応可能なナノイーXの空気清浄機『F-VXU55』

ちなみにナノイーXの空気清浄機なら『F-VXU55』がオススメです。25畳まで対応可能なのでリビング用に適しており、値段は46,000円ほど。最上位モデルはスマホ連携もできますが、ウイルス対策で導入するなら『F-VXU55』で十分だと思いますよ。

消臭と花粉除去ができるナノイーX搭載『脱臭ハンガー』

また、ウイルス対策にはなりませんが、ナノイーX搭載の『脱臭ハンガー』も便利ですね。衣類の消臭と花粉除去をしてくれるすぐれもので、たとえば焼肉屋さんに行って付いた臭いもこのハンガーにかけておけば、次の日には消えています。

次亜塩素酸の力でウイルス除去&消臭! パナソニックの空間除菌脱臭機「ジアイーノ」シリーズ

次亜塩素酸の力でウイルス除去&消臭! パナソニックの空間除菌脱臭機「ジアイーノ」シリーズ

パナソニックの「ジアイーノ」は、空気清浄機ではなく空間除菌脱臭機になっています。空気中に浮遊するウイルスや花粉などを集じんフィルターでキャッチする空気清浄機に対して、ジアイーノは水道水と塩を電気分解し、高い殺菌効果のある「次亜塩素酸」を発生させて空気中に放出する装置なんです。同じパナソニックのナノイーXと比較して消臭効果が高く、殺菌効果もイオンの力を利用するプラズマクラスター、ストリーマ、ナノイーXより即効性がありますね。診療所やクリニック、グループホームなど介護の現場、幼稚園やペットショップで導入されていることが多いです。

いくつかのタイプが販売されていますが、基本的な効果はどれも同じなので、部屋の広さに合わせて選ぶのが良いでしょう。注意点として、次亜塩素酸は金属を錆びさせるので、家電など金属を含むものの近くに置かないようにします。吹出口に釘を置いておくと1日で錆びちゃうくらい強力ですが、人体への安全性についてはとくに問題ありません。価格は83,000円ほどで、加湿機能付きなら148,000円くらいです。少々お高いですが、購入前に4,000円で2週間お試しレンタルができたり、月額4,400円から定額利用できたりとサービスが充実しています。

オゾンの力でウイルス除去! マクセルのオゾン除菌消臭器『オゾネオエアロプラス』

オゾンの力でウイルス除去! マクセルのオゾン除菌消臭器『オゾネオエアロプラス』

「オゾン」は酸素に電気エネルギーを加えて発生させる成分のことで、オゾンをつくる機械は「オゾナイザー」や「オゾン発生装置」と呼ばれています。こちらもジアイーノと同じく、有効成分を空気中に直接放出する装置ですね。オゾンは酸化作用が強くて即効性が高く、空気中に30分以上滞留するので効果の持続時間が一番長いのが特徴。部屋の隅々まで行き渡って、ドアノブや机の上などにも効果があると言われています。病院の手術室や食品工場、ホテルなどでは、人がいないときに高濃度オゾンを使って除菌をしているそうです。それほど効果が高いんですね。

オゾンの力で除菌・消臭・ウイルス除去

家庭用オゾナイザーとして代表的なのがマクセルの「オゾネオ」シリーズ。オゾナイザーは高濃度オゾンが放出される業務用が多いのですが、オゾネオは家庭用につくられていて低濃度なので安全。日本オゾン協会の認定も受けているので安心して使えますよ。

オゾネオシリーズの中で一番オススメなのが『オゾネオエアロプラス』。24時間運転がデフォルトなので1日中付けっぱなしにできて、メンテナンスはほぼフリー。湿度と温度が表示されるのも便利ですね。サイズはWi-Fiルーターくらいですごく小さいのに20畳くらいまで効果があります。使用上の注意点は、ジアイーノと同じく酸化作用が強いので、電子機器などの近くに置かないこと。

また、トイレなどの狭い空間で使うとオゾン濃度が高くなるので、小鳥やハムスターなどの小動物には危険がともなうかもしれません。オゾンは低い位置で滞留するので、赤ちゃんやペットなどがいるご家庭はとくに注意しましょう。高濃度になると鼻をつくような臭いがするので気付くと思います。オゾネオエアロプラスは3段階のオゾン風量切替モードがあるので、使う部屋に適した設定で使用してくださいね。

ウイルス対策には加湿器もオススメ!

ウイルス対策には加湿器もオススメ

ウイルス対策=空気清浄機や除菌消臭機といったイメージがありますが、部屋を加湿するだけでも対策になるので、加湿器の設置もオススメです。厚生労働省によるとインフルエンザウイルスの不活化率は、湿度40〜60%が一番高いとのこと。また、スーパーコンピュータ「富岳」のシミュレーションによれば、湿度が高いほど飛沫感染しにくいので、冬場は加湿器などを使うことが感染予防として有用と公表されています。

加湿器はハイブリッド式がオススメで、なかでも温風超音波式よりも温風気化式のほうが、お手入れが簡単。私が使ったなかでの一押しは、ダイニチのハイブリッド式加湿器ですね。小さくて音が静かで、湿度を50%・60%・70%と設定できます。たとえば湿度50%に設定した場合、すごく乾燥していたらすばやく温風で加湿してくれて、50%近くになったら気化式に切り替わりゆっくり加湿、設定した湿度になったら自動的にオフになるので便利です。型式は使う部屋の広さで選べばOK。畳数に合わせて一番安いもので十分だと思いますよ。価格は24畳までのタイプだと21,000円ほどです。

受け皿部分に使い捨てトレイを敷くのでメンテナンスが楽な「RXT」シリーズ

ちなみに新型の「RXT」シリーズは、受け皿部分に使い捨てのトレイを敷くのでメンテナンスがとても楽ですね。シーズンが終わったらトレイを捨てちゃえば良いので洗う手間がいりません。トレイの価格は3枚で1,600円ほどとリーズナブル。まだ発売して間もないので、本体価格は従来モデルより10,000円くらい高いですが、2月ごろには価格が下がると思います。また、加湿器はエアコンの真下に置くと一番効果を発揮しますよ。

ウイルス対策できる家電は空気清浄機だけじゃない!? 噂の真相を聞いてみた

新型コロナウイルスの流行でいろいろな対策が飛び交っていますが、なかでも2つの噂をピックアップして解説したいと思います。

Q.石油ファンヒーターでウイルスは除去できる?

石油ファンヒーターでウイルスは除去できる?

A.できます。

ウイルスは高温の熱に弱く、インフルエンザウイルスは60℃で30分、ノロウイルスは85〜90℃で90秒以上の加熱で死滅します。100℃を超える温度で燃やす石油ファンヒーターなら、理論的には新型コロナウイルスもやっつけられますね。石油ファンヒーターに限らず、石油ストーブやガスファンヒーターなど内部に空気を取り込んで燃焼するタイプの暖房器具は、室内のウイルスに対して効果があると言えるでしょう。ただし、燃料費が高騰しているので、ウイルス対策用に導入するにはコスパが良くありません。

Q.殺菌灯でウイルスは除去できる?

殺菌灯でウイルスは除去できる?

A.できます。が、人体には有害で照射は非常に危険な行為です。

殺菌灯でウイルスの殺菌は可能です。病院のスリッパやスーパー銭湯のヘアブラシなどに紫色の光を当てる消毒装置を見たことはありませんか? あれは紫外線、なかでもUV-Cを当てて殺菌しています。加湿器や空気清浄機の内部などにも使われていますね。しかし、殺菌灯が発する紫外線を直接体に当てたり直視したりすると、遺伝子異常が起きる可能性もあるので非常に危険です。殺菌灯を使わなくても、今回紹介した空気清浄機や除菌機などウイルス対策できる良い家電はたくさんありますので、そちらを用いるようにしましょう。

ウイルス除去&インフルエンザ対策になる空気清浄機と家電特集 まとめ

今は通販でもいろいろなウイルス対策用家電が販売されています。ですが、なかには安全性が担保されていない製品もありますので、購入する際はバイヤーさんの目が通っているもの、つまり、家電量販店に並んでいるものを選ぶようにしましょう。とくに対ウイルスに関しては、怪しいものには手を出さないほうが良いと思います。ウイルス対策に迷ったら、ぜひ私がオススメしたものを選んでみてくださいね。

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