「FIX窓」とはどんな窓?一戸建ての新築時に確認したい、はめ殺し窓とも言われるFIX窓の特徴とメリットやデメリットを解説

「FIX窓」という言葉をご存じない方もいるかもしれません。明るい光あふれるマイホームにしたいけど、断熱や防犯が気になる、という方は多いでしょう。採光と断熱や防犯性能を両立することができるのが「FIX窓」という選択肢です。 窓枠を感じさせないシンプルで大きな窓や、吹き抜けの上部にある採光窓、玄関の明かり取り、空間のワンポイントとして設置された小窓など、家のさまざまな場所で使用されている「FIX窓」。普通の窓よりもおしゃれな空間に見えるのではないでしょうか。また「FIX窓」自体は目にしたことがあっても、それを「FIX窓」という名詞して認識していない方が多いかもしれません。一戸建てを新築する際、窓の選択肢のひとつとして検討したいFIX窓とはどのような窓なのでしょうか。この記事では「FIX窓」について、メリットやデメリット、設置する際の注意点を解説します。

目次
1.新築一戸建てのFIX窓とは?
2.新築一戸建てにFIX窓を設置するメリットとデメリット
3.新築一戸建てにFIX窓を設置する際の注意点
4.新築一戸建てのFIX窓 まとめ

新築一戸建てのFIX窓とは?

FIX窓とは、開け閉めすることができないよう固定された窓のこと。窓枠にガラスを直接はめ込まれていることから「はめ殺し窓」とも呼ばれます。主に明かり取り(採光)や眺望を目的として取り入れることが多く、外観デザインのアクセントとして設置することもあります。暗くなりがちな玄関ホールや、家全体に光を入れるため天井に近い位置に設けるハイサイドライト(高窓)としてよく使われます。

新築一戸建てにFIX窓を設置するメリットとデメリット

メリット デメリット
・自然光を取り入れやすい
・防犯対策になる
・サイズや形の自由度が高い
・掃除がしづらい
・換気ができない
・位置やサイズによってはプライバシーを保ちづらい

FIX窓を設置することで様々なメリットがありますが、注意しなければならない点もあります。FIX窓のメリットとデメリットを把握したうえで、適切な位置やサイズに設定することが大切です。

FIX窓のメリット

FIX窓のメリット:自然光を取り入れやすい

FIX窓のメリット:自然光を取り入れやすい

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FIX窓は開け閉めができず、常に固定されています。そのため、開閉時に負荷がかかることはありませんし、鍵や開閉レバーなどを設置する必要もありません。窓枠を最小限とし、ガラス面を大きくとることが可能です。そのため、同じサイズの窓を設置した場合、開閉式の窓よりもガラス面が広く、最大限に自然光を取り入れることができます。また、窓枠をシンプルにできるので、景色をきれいに切り取った「ピクチャーウィンドウ」にも最適です。

FIX窓のメリット:防犯対策になる

FIX窓のメリット:防犯対策/安全対策になる

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FIX窓は開閉しないので、戸締りが不要です。ガラスを割られることがない限り、空き巣などに侵入されることがありません。スリット窓のような、窓ガラスを割っても人が侵入できない形の窓にすることで、より防犯性能を高めることができます。
同様の理由で、FIX窓であれば窓から人や物が落下してしまうリスクがありません。小さな子どもの転落事故なども防ぐことができます。

FIX窓のメリット:サイズや形の自由度が高い

FIX窓のメリット:サイズや形の自由度が高い

FIX窓は開閉することができないので、開け閉めすることでサッシにかかる負荷を考慮する必要がありません。鍵や開閉レバー、網戸、レールなどを設置する必要もないので、デザインの自由度が高く、丸窓など四角以外の形の窓を実現することができます。
FIX窓は基本的に、ガラスがはめ込まれているだけのシンプルな構造です。開閉できる同サイズの窓と比べて安価な製品が多く、コスト面も魅力です。

FIX窓のデメリット

FIX窓のデメリット:掃除がしづらい

FIX窓のデメリット:掃除がしづらい

FIX窓は鍵やレバーなどがなく、レールにごみが溜まる心配もありませんので、窓の内側は拭きやすいです。しかし、外側は開閉することができないので、家の外に出なければ掃除をすることができません。高所など設置場所によっては伸縮ワイパーなどを使っても届かず、掃除をすることが難しいことに留意してください。

FIX窓のデメリット:換気ができない

FIX窓のデメリット:換気ができない

FIX窓は開け閉めができないので、窓を開けて換気をすることはできません。空気の入れ替えには、換気扇や換気システムを利用しましょう。また、湿気を帯びた場所では結露にも注意が必要です。換気ができない分、結露を見つけたらこまめに拭いてカビの発生を防ぐことが大切です。

FIX窓のデメリット:プライバシーを保ちづらい

FIX窓のデメリット:プライバシーを保ちづらい

FIX窓にすれば、開閉できる窓よりもガラス面の大きな窓を設置しやすいですが、窓が大きいほどに外からの視線が気になりがちです。プライバシーを確保するため、家の外から中の様子を覗きこまれにくいような高さや形を設定すると良いでしょう。
同様の理由で直射日光もダイレクトに入りやすく、設置場所によっては日差し対策が必要なこともあります。FIX窓にはカーテン類を設置しないことが多いですが、状況に応じてブラインドやロールカーテンなどの設置を検討しても良いでしょう。

新築一戸建てにFIX窓を設置する際の注意点

新築一戸建てにFIX窓を設置する際の注意点

FIX窓を設置する際は、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか。

まずは設置場所です。前述の通り、FIX窓は開閉ができないため、外側のガラスは家の中から掃除をすることができません。家の外に出ても手が届かないところにFIX窓を設けた場合、窓が汚れてきたらその都度、業者に依頼しないときれいにすることができません。FIX窓が交通量の多い道路に面している場合、粉塵や排気ガスで汚れがちですし、雨の跡や土埃が目立ってくる可能性もあります。地理的条件により窓の汚れやすさが大きく変わることを踏まえ、事前にチェックしておきましょう。
冷暖房コストへの配慮も必要です。大きなFIX窓で景色を切り取ったり、小さなFIX窓をいくつも並べて外観のアクセントにしたり、FIX窓がデザイン性のアップに一役買うことは間違いありません。また、通常の窓と比べてFIX窓は隙間がなく気密性が高いことも魅力ですが、窓のない壁の断熱性には叶いません。部屋を明るくしたい、景色を見たいという理由でFIX窓を多用し過ぎてしまうと、住宅の性能を落としてしまうこともあります。ブラインドやロールカーテンを設置するなど、冷暖房利用時に効きやすくなるような工夫が必要です。

新築一戸建てのFIX窓 まとめ

FIX窓は比較的安価で設置しやすく、採光のためにもデザイン性を高めるにも有効です。FIX窓の特徴を活かし、開閉できないデメリットがプラスに働くような場所に設置することで、住み心地を高めてくださいね。

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