新築時のカーテン選びはどうしたらいい? カーテンの役割や種類、選ぶポイントを解説

理想のマイホームを建てたら、インテリアにもこだわりたいですよね。なかでも大きな面積を占めるカーテンは、何を選ぶかによって家の中の雰囲気が大きく変わるものです。マイホームにぴったりのお気に入りのカーテンをどう選んだらいいのか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。ここでは、カーテンの種類や選び方を解説します。

カーテンの役割とは?

新築時のカーテン選び:カーテンの役割とは?

そもそも、カーテンはなぜ必要なのでしょうか。部屋を彩る装飾品としての役割だけでなく、実は様々な機能を兼ね備えています。

目隠し
カーテンがなければ、家の中が丸見えになってしまいます。外からの視線をカーテンで遮ることで、室内のプライバシーを守ります。「遮像機能」に特化した製品であれば、より外から透けにくい加工が施されています。また、室外に景観を損なうものがある場合、見たくないものを隠す効果もあります。

遮光・調光
窓から入る太陽の光を遮ったり、コントロールしたりします。光を遮る効果が高い「遮光カーテン」は、寝室や日焼けを防ぎたい書庫、西日が入りやすい部屋など、光をできるだけ遮断したい場所の設置に最適です。 カーテンの遮光度は「遮光等級」をチェックしましょう。遮光率100.00%~99.99%が「遮光1級」、遮光率99.98%~99.80%が「遮光2級」、遮光率99.79%~99.40%が「遮光3級」です。

断熱・省エネ
通常のカーテンでもある程度の遮熱効果がありますが、遮熱性能が高いカーテンを選べば、夏は外からの日差しを和らげますし、冬は冷気の侵入を防ぎ、室内の暖かさが逃げるのを防ぎやすくなります。冷暖房効率を意識するのであれば、遮熱性能にも気を配りましょう。

防音・吸音
家の生活音が外に漏れることを防ぎ、外からの騒音を和らげる効果もあります。厚手のカーテンや、ドレープのあるカーテンを選べばある程度の効果がありますが、より高い効果を求めるのであれば防音カーテンを設置しましょう。「近くを電車が走っている」「犬を飼っている」「楽器を演奏する」「シアタールームを作りたい」などの事情がある場合におすすめです。

その他にも、「花粉吸着機能」「PM2.5吸着機能」により花粉やPM2.5の侵入を防ぐ製品や、「防汚・防カビ機能」「消臭機能」「抗菌機能」などに特化した製品、燃えにくい「防炎機能」に優れた製品などもあります。

主なカーテンの種類とメリット・デメリット

カーテンの種類と特徴

種類 メリット デメリット
カーテン ・圧倒的に種類が豊富
・遮光・遮音・遮熱・遮像・防カビ・防炎といった性能が付加された商品も多い
・布製なので手入れがしやすい
・窓や部屋を狭く感じさせてしまうことがある
・布製なので湿気に弱い
・完全に閉めると風通しが悪くなりがち
シェード ・上下で開け閉めできるので、高さの調整ができる
・布製なので好みの色や柄を選びやすい
・布製なので手入れがしやすい
・窓を開けるとひだが寄り窓の上部を塞いでしまう
・大きな窓には向いていない
・取り外す際にやや手間がかかる
スクリーン ・上下で開け閉めできるので、高さの調整ができる
・空間に合わせやすいデザイン
・調光できるタイプもある
・出入りする場所には不向き
・昇降の操作に時間がかかる
・手入れがしづらい
ブラインド ・光や風が入る量を調節しやすい
・外部からの視線も調整しやすい
・木製やアルミ製など素材を選べる
・風が吹くと音が気になる
・遮光・遮音などの性能には特化していない
・やや掃除の手間がかかる
カーテンの種類とメリット・デメリット

カーテンの特徴

新築時のカーテン選び:カーテンの特徴

「カーテン」と聞いてまずイメージするのは、ひだがある「ドレープカーテン」ではないでしょうか。ドレープカーテンの内側に「レースカーテン」を設置し、2枚重ねで使用する方法が一般的です。

メリットは、既製品からセミオーダー、フルオーダーも取り扱う店が多く、布製なので色や柄の種類が豊富なことが挙げられます。「遮光」「遮音」「遮熱」「遮像」「防カビ」「防炎」といった、様々な性能が付加された商品も豊富に取り揃えがあるので「寝室は夜でも透けにくい遮像のレースカーテンと、遮光や遮音性能のあるドレープカーテンで静かに熟睡したい」といった希望を叶えることができます。布製なので手入れがしやすいこともポイントで、簡単に取り外し、自宅で洗濯をすることが可能です。

デメリットは、カーテンを開けている間は布を窓の両端にまとめるので、窓や部屋を狭く感じさせてしまうことがあること。部屋の広さや布の素材によっては、やや圧迫感があるかもしれません。布製なので湿気に弱いことも注意が必要で、湿度が高い場所の場合、カビが発生するリスクがあります。環境に応じて湿気に強い素材や加工を施したカーテンを選ぶと良いでしょう。厚手のカーテンを閉め切ると、風通しが悪くなりがちな点にも気を付けたいところです。レースカーテンとの併用で対応しましょう。

シェードの特徴

新築時のカーテン選び:シェードの特徴

「シェード」は、コードやチェーンを引くと、一枚の布が蛇腹状に折り畳まれる仕組みとなっており、上下に開け閉めをするタイプです。「ローマンシェード」とも呼ばれています。

メリットは、上下に開閉して高さの調整ができることで、日差しの入り具合を調節しやすく機能的です。布製なのでバリエーションが豊富で、好みの色や柄を選びやすいこと、手入れがしやすいところも魅力です。

デメリットは、窓を開けた際にひだが寄るので、窓の上部を塞いでしまうこと。また、大きな窓に設置しようとすると布が重くなり、操作に力が必要となります。窓を開けた際に窓を塞ぐ面積も大きくなるので、大きな窓への設置にはあまり向いていません。カーテンと比べて取り外しの際、やや手間がかかることも、面倒に感じるかもしれません。

スクリーンの特徴

新築時のカーテン選び:スクリーンの特徴

「スクリーン」は、生地を巻きながら開閉する「ロールスクリーン」や、扇子のように蛇腹状の生地を折り畳みながら開閉する「プリーツスクリーン」、プリーツスクリーンの断熱性能を高めた「ハニカムスクリーン」などの種類があります。

メリットはシェードと同様、上下で開け閉めできるので、高さの調整ができることが挙げられます。空間に合わせやすいデザインも魅力で、ロールスクリーンは一枚布のフラットなシルエットでシンプルな印象になりますし、プリーツスクリーンはプリーツの凹凸と水平のラインが美しく、障子のような素材で和室にマッチするデザインの商品もあります。光を透過する生地と遮光生地を組み合わせることで調光できるタイプもあり、デザインと機能性を両立しています。

デメリットは、人が頻繁に出入りする場所への設置にはあまり向いていないことが挙げられます。掃き出し窓などに設置をすると、出入りをする度に頭上までスクリーンを上げる必要があり、面倒に感じる方が多いようです。また、ロールスクリーンは生地のタイプにより洗濯ができる場合もありますが、プリーツスクリーンは洗濯ができず、手入れがしづらいと感じるかもしれません。ハタキなどでほこりを優しく落とす程度にとどめておきましょう。

ブラインドの特徴

新築時のカーテン選び:ブラインドの特徴

オフィスなどで見かけることが多い「ブラインド」は、スラット(羽根)を紐(ラダーコード)で上げ下げする仕組みです。スラットが横向きのブラインドと、縦型のバーチカルブラインドがあります。

メリットは、スラットの角度を変えることで光や風が入る量を調節しやすいこと。同様に、スラットの角度により外部からの視線を遮ることができ、プライバシーにも配慮しやすいでしょう。木製やアルミ製など素材を選べることもポイントで、ウッドブラインドにすればあたたかみのある空間を演出できます。

デメリットは、風に煽られるとブラインドが窓枠などに当たり、音が気になること。風が強い日はスラットを水平にすることで、音のうるささを軽減できます。また、光や風が入る量を調整しやすいつくりのため、遮光・遮音性能には特化していないことにも注意が必要です。昇降の操作にやや時間がかかりそうなことも気になるポイントです。そして、スラットに付着した汚れは、はたきなどで落とすか、スラットを1枚ずつ雑巾で拭く必要があり、やや掃除の手間がかかることも想定しておきましょう

カーテンを選ぶポイント

新築時のカーテン選び:カーテンを選ぶポイント

色・デザインは部屋の雰囲気に合わせて
家全体で大きな専有面積を占めるカーテンは、部屋全体の雰囲気を左右します。床や壁の色に合わせて、家具ともマッチしやすい色やデザインのカーテンを選びたいところです。白など明るい色でまとめた方が空間を明るく、広く感じさせることができますし、同系色で揃えれば統一感のある空間になります。カーテンを差し色とし、空間のアクセントとする方法もありますが、やや上級者向けなので、インテリアコーディネーターなどに相談をして決めると良いでしょう。

サイズは正確に
既製品のカーテンを購入する際に失敗しがちなのが、サイズのミスです。ドレープカーテンの場合、「幅」はカーテンレールの両端にフックを引っ掛ける「固定ランナー」がありますので、穴から穴までの長さを測ります。「高さ」は、固定ランナーから床までの長さを測りましょう。用途に合わせて丈の長さを調整する必要がありますので、基本の長さからのプラスマイナスは、販売店に相談します。既製品を購入する場合も、できればプロに採寸をしてもらうと確実です。

ドレープカーテンは「ヒダ倍率」をチェック
ドレープカーテンを選ぶ際、布の色や質感、機能をチェックする方は多いと思いますが、見逃がしがちなのが「ドレープライン」つまりヒダを重ねた際のシルエットです。ドレープラインをイメージするには「ヒダ倍率」を確認すると良いでしょう。「ヒダ倍率」とは、カーテンの仕上がり幅に対し、どれだけのカーテン生地が必要なのかを示す数字です。ヒダ倍率が高いほど生地の使用量が増え、カーテンのドレープラインが深くなります。例えば、既製品は1.5倍ヒダの「2つ山」が主流ですが、2倍ヒダの「3つ山」になるとボリュームのあるゆったりとした仕上がりになります。

まとめ

カーテンを選ぶ際は好みの色やデザインだけで決めてしまいがちですが、窓のサイズや部屋の用途、床や壁の色などを総合的に判断して選ぶことで、バランスのよいコーディネイトが完成します。お気に入りのカーテンを長く使えるように、手入れのしやすさなども考慮して選びましょう。

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