一戸建ての新築時には、様々な設備や素材、仕様を選ぶ必要があります。中でも内装の印象を大きく左右するのが「壁紙・クロス」です。「カタログを渡されたものの、種類が多過ぎて何を選んだら良いか分からない」「好きな色や柄を選べばいいの?」など、悩んでしまう方も多いでしょう。壁紙の種類は多岐にわたるため、デザインはもちろん機能面なども考慮し、用途に合わせて選ぶことが大切です。また、壁と天井は同じ壁紙・クロスを使うのが一般的ですが、最近では一部に違う色や柄のアクセントクロスを使ってイメージを演出することも増えています。この記事では、新築一戸建ての壁紙を検討している方に向け、壁紙で失敗しないための選び方や注意点を解説します。
目次
1.新築一戸建ての壁紙・クロス 基本的な選び方
2.新築一戸建ての壁紙・クロス 色の選び方
3.新築一戸建ての壁紙・クロス 用途に合わせた選び方
4.新築一戸建てで壁紙・クロスを選ぶ注意点
5.新築一戸建ての壁紙・クロス まとめ
新築一戸建ての壁紙・クロス 基本的な選び方
壁紙を選ぶ際は、いきなり壁紙を選ぼうとしないことがポイントです。壁紙について考える前に、まずはどのようなイメージの部屋にしたいのか考えをまとめましょう。「シンプルを極めたい」「ナチュラルにまとめたい」「スタイリッシュな空間にしたい」など方向性を定めたら、イメージに合う壁紙を選びます。理想の部屋とイメージが近い施工例の写真などを準備すると、よりイメージに近づけやすくなります。
ベースとなる壁紙を選ぶ際に大切なのは、床材や建具、家具などと調和する壁紙を選ぶこと。下に濃い色を、上に薄い色を選ぶとバランスの良い空間に仕上がりやすく、壁と天井には同じ壁紙を選ぶケースが一般的です。DIYでこまめに貼り替えを予定しているのでなければ、流行に左右されず飽きのこないシンプルな壁紙を選んだ方が、家具の買い替えや部屋の用途変更があってもバランスが取りやすくおすすめです。
新築一戸建ての壁紙・クロス 色の選び方
壁紙は、貼る面積の大小によって見え方が変わってきます。基本的に、壁紙を貼る面積が大きいほど明るく薄く(淡く)見える傾向があります。一方、壁紙を貼る面積が小さいと暗く濃く見えます。
どんな色とも合わせやすい白系
ベースとなる壁紙の色は、白やオフホワイトであれば失敗する可能性が低いでしょう。清潔感があり、嫌いという人は少ない色です。空間も明るくなり、膨張色なので実面積以上に広く感じられます。
また、同じ部屋で2種類以上の壁紙を、いずれも広い面積で使用したい場合は同系色を選ぶとまとまりやすく、例えばベースがオフホワイトの場合はグレーやベージュなどがおすすめです。
濃い色はポイント使いで
黒やグレーなどの濃い色を差し色とすると空間が引き締まりますが、濃い色の面積が大きいと部屋が暗い印象になります。「敢えて暗くしてシックな大人の空間を演出したい」など明確な意図がある場合を除き、濃い色は部分的な使用がおすすめです。また、濃い色の壁紙は、表面にぶつかったり引っかいたりして破損した跡や、ほこりなどの付着が目立ちます。お手入れが必要になる可能性を念頭に選びましょう。
テイストを合わせる
壁紙の色を何色か使用したい場合は、赤や黄色といった温かみを感じさせる「暖色」、もしくは青系のさわやかな「寒色」に統一するとバランスよく仕上がります。暖色は食欲を増進する色と言われ、キッチンなどに適しています。寒色は興奮を鎮める効果があると言われており、落ち着いて過ごしたい場所に向いています。
また、同じ色でも明るい色と暗い色、はっきりした色と淡い色といった、明るさや鮮やかさを統一させることで、まとまりが感じられる空間になります。
天井に敢えて濃い色を選ぶと?
壁と天井は同じ壁紙を貼ることが一般的には多いです。白系の壁紙は、部屋を明るく天井を高く見せることができます。しかし、敢えて天井に濃い色の壁紙を貼るという選択もあります。空間のアクセントにしたり、下がり天井にアクセントクロスを貼って空間を視覚的にゾーニングしたり、落ち着いて籠れる空間を演出することもできます。例えば、書斎や寝室、和室のような落ち着いた雰囲気を演出したい場所には、やや暗めの天井が合うこともあります。また、床のフローリングに合わせて天井に同系色の木目の壁紙を貼れば、木のぬくもりに包まれているような、温かみのある空間を演出できます。
新築一戸建ての壁紙・クロス 用途に合わせた選び方
サンゲツのフィルム汚れ防⽌壁紙の詳細はこちら
壁紙は見た目だけでなく、用途に合わせた機能性もチェックしましょう。
手入れをしやすく
汚れが拭き取りやすい加工をした壁紙であれば、毎日の掃除がラクになります。キッチンやトイレ、洗面室といった水回りに最適です。表面をコーティングし、傷がつきにくいようにした壁紙は、育ち盛りの子どもやペットがいる部屋に最適。壁紙の劣化を軽減することができます。
室内環境を快適に
消臭効果のある壁紙は、トイレやペットの過ごす空間、タバコを吸う場所にもおすすめです。珪藻土などのように調湿作用がある壁紙は、結露やカビの発生リスクを軽減してくれます。湿気が多い日本の気候にマッチした、人気のタイプです。他にも安心して健やかに暮らしやすいよう、抗菌・抗ウイルス効果のある壁紙や、アレル物質の働きを軽減できる壁紙もあります。
使いやすく楽しい部屋に
黒板やホワイトボードのように絵や文字をかける壁紙は、お絵描きをしたり、家族でチェックするメッセージボードとしたり、様々な使い方ができます。マグネットを貼れる壁紙や画びょうなどを使用しやすいコルクの壁紙などは、学校から貰った書類を貼ったり、フック付きのマグネットを貼って何かをかけたりといった使い方が可能です。いずれも、子ども部屋や家族が共有する空間などに適しています。その他、消灯すると光を放ち、昼と夜で異なる趣を楽しめる蓄光タイプの壁紙などもあります。
新築一戸建てで壁紙・クロスを選ぶ注意点
壁紙のサンプルは大きなサイズでチェック
サンゲツの不燃認定壁紙見本帳「2022-2025 FAITH」の詳細はこちら
壁紙を検討する際、施工イメージの写真や、「色見本」と呼ばれる分厚いカタログを手渡されて、その中から選ぶようにと言われることがあります。写真は色や柄の特徴が出るようにプロが撮影していますので、実際に壁紙を貼って見た印象とはやや異なる印象になることが多いため、参考程度に捉えた方が良いでしょう。また、色見本はたくさんの壁紙を一度に見ることができて便利な反面「数センチ角の見本を見ても、実際に壁に貼った様子はイメージしづらい」と感じる方が多いのではないでしょうか。加えて、手元で見るのと壁に貼るのとでは、視点や角度も異なりますので、実際に貼ったときとは異なる見え方になるでしょう。そのため、ある程度まで壁紙の候補が絞れたら「尺角サンプル」と呼ばれるA4サイズくらいのサンプルを取り寄せましょう。触って質感を確かめるとともに、壁に立てかけて、自然光や照明が当たったときや、離れたときの見え方を確認します。もしくはショールームに赴き、実際に壁紙が使用されている空間をチェックすれば「貼ってみたらイメージと違った」というリスクを回避できます。
アクセントクロスの効果的な使い方
アクセントクロスが占める割合は部屋全体の2~3割、つまり壁4面のうち1面に貼ると良いでしょう。あれこれ選びたくなりますが、多用し過ぎるとまとまりのない空間になりがちです。
「おしゃれなアクセントクロスを見つけたものの、広い面積に貼ると派手過ぎるかも」という場合は、ニッチや収納棚の奥など狭い場所にポイントで使用してみましょう。トイレの壁一面やクローゼット奥の壁などもおすすめ。奇抜な柄でも、プライベート空間であれば取り入れやすく、お気に入りの空間になるでしょう。
壁紙ブランド「WhO(フー)」CREATORS CIRCLEの詳細はこちら
大きな柄のアクセントクロスを使用したい場合、ひとつの柄が納まるスペースに施工することでよりきれいに、インパクトのある仕上がりになります。
同じ柄が一定の間隔で繰り返される「リピート」タイプの場合、壁紙と壁紙の繋ぎ目を感じさせないよう、柄を合わせながら貼っていきます。無地の壁紙と比べて施工の難易度が高く、柄合わせのために一定のロスが生じることから、壁紙を多めに準備する必要があります。
新築一戸建ての壁紙・クロス まとめ
たくさんの種類があり、どれを選んだらいいか迷ってしまいがちな壁紙ですが、比較的手頃な価格で空間を思いのままにデザインできることが大きな魅力です。空間に合う色を選び、用途に合わせた壁紙をセレクトすることで生活が快適になります。理想の部屋づくりの一歩として、この記事を参考に壁紙を選んでみてはいかがでしょうか。
日々の家事を楽にしたいと思われている方はこちらの記事もご覧ください
家事を楽にする「7つの法則」とは⁉知的家事プロデューサーの時短掃除法
マイホームの検討を始めた方はこちらの記事もご覧ください
ローコスト住宅・規格住宅・注文住宅のメリット&デメリットを一級建築士が解説
賃貸VSマイホーム購入、住むならどっち? 賃貸住宅とマイホーム購入のメリット・デメリットを比較!
ペットとともに快適に暮らすには? 気をつけたい4つのポイント