一戸建ての新築時にテレビアンテナはどうする? テレビの視聴方法やアンテナの種類を解説

一戸建てを新築した際、電気やガス、水道といったライフラインの開通とともに準備を進めなければならないのが、テレビの視聴環境を整えることです。マンションなどの集合住宅の場合、はじめから設備が揃っているケースがほとんどですが、一戸建ての場合は標準で設置されていませんので、自身でアンテナ設置などの準備が必要です。ここでは、新築時にテレビを視聴するための方法やアンテナの種類、金額の目安を解説します。

テレビを視聴する方法

地上デジタルテレビ放送(地デジ)を視聴するには、いくつかの方法があります。

アンテナの設置

最も一般的な方法として、アンテナの設置が挙げられます。最初にアンテナ本体の費用と設置工事代が必要となりますが、一度設置すれば故障しない限り、無料でテレビの視聴が可能です。周囲に高層の建造物がある場合など電波の受信状況に応じ、ブースターなど周辺機器の設置が必要な場合もあります。新規設置の場合、3~4万円前後の工事費がかかります

光回線のテレビオプションを申し込む

光回線を契約している場合は、テレビオプションの申込をすることで地デジが視聴できるようになります。アンテナを設置せずに視聴できますし、天候に左右されず安定した映像を楽しめますが、毎月の費用が発生します。スマートフォンの使用状況によりセット割が適用される場合は、比較的お得に利用できるでしょう。ただし、対象外のエリアもありますので、事前のチェックが必要です。

ケーブルテレビを契約

ケーブルテレビを契約するという方法もあります。地デジを視聴するという観点から考えると月額料金が高く感じますが、地デジ以外のコンテンツが多数提供されていますので充実した映像サービスを楽しみたい方に向いています。インターネットや電話とセットで契約をしたい人も一考の余地がありますが、インターネットの通信品質に関しては光回線に軍配が上がります。

テレビの受信アンテナの種類

次に、テレビの受信アンテナの種類を解説します。

八木式アンテナ デザインアンテナ 室内アンテナ
メリット ・受信性能が高い
・比較的抑えたコストで設置できる
・デザイン性が高い
・悪天候にも比較的強い
・安価で、初心者でも簡単に設置できる
・コンパクトで場所をとらない
デメリット ・屋根の上や屋上に設置することが多く、台風や雪による影響を受けやすい
・鳥の被害に遭いやすい
・八木式アンテナと比べると受信性能がやや弱い
・外壁に穴を開けて設置するので、雨漏りや気密性の低下に注意が必要
・受信性能はデザインアンテナよりも弱く、利用できる環境に制限がある
・購入して設置するまで受信性能が分からない

地デジの電波を受信するために設置するアンテナは、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「室内アンテナ」の3種類に分類できます。

ベーシックな「八木式アンテナ」

八木式アンテナの設置例
八木式アンテナの設置例

「八木式アンテナ」は、地上デジタルテレビ放送がスタートする以前から使われてきたアンテナです。屋根の上に魚の骨のような形状のアンテナが立っている様子をみたことがある人は多いでしょう。最もオーソドックスなアンテナで、受信性能が高いこと、比較的抑えたコストで設置できることが魅力です。
ただし、その形状と設置場所により、台風や雪などの影響で向きが変わってしまったり、倒れたりする可能性があります。また、鳥が止まり木のように利用することが多く、糞の被害に遭いやすいことも注意が必要です。

すっきりとした「デザイン(平面)アンテナ」

デザインアンテナ(上)とパラボラアンテナ(後述)の設置例
デザインアンテナ(上)とパラボラアンテナ(後述)の設置例

「デザインアンテナ」は、「平面アンテナ」「フラットアンテナ」とも呼ばれ、壁面に取り付けるアンテナを指します。八木式アンテナよりもコンパクトで軽く、壁に沿わせて設置するので景観を損なわないデザインです。屋根に立てないため、悪天候時に故障するリスクも低く、屋根裏に設置できるケースもあります。また、太陽光パネルを設置していて屋根にアンテナを立てることが難しい場合にも、デザインアンテナであれば設置が可能です。
八木式アンテナと比べると受信性能がやや弱いので、電波塔まで距離がある場合など受信できないことがあります。また、外壁に穴を開けて設置するので、注意深く施工しないと雨漏りや気密性が低下する恐れがあります。

自分で簡単に設置できる「室内アンテナ」

「室内アンテナ」は部屋に設置してテレビと接続するだけで簡単に導入できるアンテナです。本体価格が安価なだけでなく、工事の手間や費用もかからない点は大変魅力的ですが、受信性能としては他のタイプと比べて劣ります。また、受信性能は室内アンテナを購入し、実際に設置してみないと予測が難しく、せっかく購入したアンテナが無駄になってしまう可能性があります。テレビを日常的に視聴する方は、他のタイプを優先的に検討しましょう。

新世代のテレビアンテナ?「ユニコーンアンテナ」

ユニコーンアンテナの設置例
ユニコーンアンテナの設置例

株式会社クラウンクラウンの黒色地デジデザインアンテナ工事などに関する詳細はこちら

ここ数年ほど人気を集めているのが、マスプロ電工が開発した円柱型の「ユニコーンアンテナ」です。八木式アンテナと同等の受信性能があり、スタイリッシュなデザインで外観の印象を損なわず、八木式アンテナとデザインアンテナのいいところ取りと言えますが、他のアンテナと比べて設置費用がかかります。

BSやCS番組の視聴や、BS4K・BS8Kの衛星放送を受信するには?

パラボラアンテナの設置例
パラボラアンテナの設置例

BSやCSの番組も視聴するには、地デジ用のアンテナに加え、衛星放送の電波を受信する、お椀のような形の「パラボラアンテナ」を追加で設置する必要があります。
工事費用は地デジアンテナ工事の代金にプラスして1.5万円前後ですが、すべての部屋のテレビ端子をBSやCSに対応させたい場合、部屋数に応じた費用がかかります。

また、2K(フルハイビジョン)を超える超高画質映像である4Kや8Kの衛星放送を受信するためには、4K8K対応のアンテナを追加で設置する必要があり、2~3万円程度の費用がかかります。

まとめ

新築一戸建てを建てるにあたり、一般的にテレビアンテナの設置工事は見積もりに含まれていません。ハウスメーカーに追加で依頼するのか、専門の業者に依頼するのか考えるとともに、住宅購入とは別に費用が発生することを念頭に計画をおこないましょう。テレビの視聴環境は、できるだけ引っ越し前に整えておきたいですね。

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