フローリングを保護する「フロアコーティング」は必要?メリット・デメリットと種類ごとの特徴を解説

新築の一戸建てやマンションを購入した際、必要最低限の設備以外は「オプション工事」となるのが一般的です。カーテンレールやシャッターの有無、カップボードの設置など、その内容は多岐にわたりますが「施工した方が良さそうだけれども、なくても生活できる」オプションは、依頼するか否か悩みどころです。今回は、できれば新築時に施工したい「フロアコーティング」について紹介します。

フロアコーティングとは?

「フロアコーティング」とは、床に傷や汚れが付きにくいようにコーティングを行って保護し、きれいな状態を保ちやすくする処理のこと。日々のお手入れがラクになるので、新築住宅購入時のオプションとして人気があります。しかし、数万円~数十万円の費用がかかることで躊躇してしまう人も少なくありません。
フローリングのメンテナンスには「ワックス」をかける方法もあり、「フロアコーティング」と混同しがちですが、ワックスの用途は耐摩擦性や耐水性よりも艶出しなどの意味合いが強いものです。また、定期的なメンテナンスが必要になります。一方フロアコーティングは一度施工してしまえば何年間もお手入れをする必要がありません。床のメンテナンスに、「ワックス」の定期的な塗り直しが面倒だと感じている人にとって、大きなメリットでしょう。

フロアコーティングを行うメリット・デメリット

メリット デメリット
・傷が付きにくくなり、きれいな状態を保ちやすい
・日常の掃除がラクになる
・メンテナンスの手間が少なくなる
・まとまったコストがかかる
・剥離除去できない
・無垢材など素材の持ち味を損なう可能性がある

フロアコーティングを行うメリットとして、まずはコーティング剤の塗膜によって傷が付きにくくなり、きれいな状態を保ちやすいことが挙げられます。UV効果のあるコーティング剤であれば、日焼けによる変色のリスクも軽減することができます。また、塗膜により耐水性がアップし、うっかりジュースなどをこぼしてしまったときもサッと拭き取りやすく、日常の掃除もラクになるでしょう。傷が付きにくくなるということは補修の頻度が減り、メンテナンスの手間が少なくなることもポイントです。

一方フロアコーティングでデメリットの筆頭は、まとまったコストがかかることです。施工面積が広ければ広いほど費用が嵩みます。一度施工すると、剥離除去できないことにも注意が必要です。万が一「元に戻したい」という場合は、フローリングを張り直すことになってしまいます。また、無垢材のフローリングを施工予定の場合、天然素材ならではの手触りや調湿作用を期待して取り入れる方が多いと思いますが、フロアコーティングをすることで表面が光沢のある仕上がりに変わります。木の伸縮も止めてしまうので、劣化や手入れの面ではメリットがありますが、無垢材ならではの持ち味を損なってしまったと感じる人もいるでしょう。

フロアコーティングの種類

一口に「フロアコーティング」と言っても、その種類は様々です。ここでは主な種類として「ウレタンコーティング」「シリコンコーティング」「UVコーティング」「ガラスコーティング」の特徴を紹介します。

ウレタンコーティング
ウレタン樹脂塗料によるコーティングで、多くの業者が採用している方法です。比較的抑えた価格で施工できることもポイント。耐久性は塗料によりますが概ね3~10年程度と言われ、ワックスを掛けるよりも耐久性を維持しやすいですが、永遠に効果を持続できる訳ではありません。将来は塗り直しをすることも視野に入れた方が良いでしょう。また、光沢のある仕上がりを求めている場合は若干物足りなさを感じるかもしれません。

シリコンコーティング
コンタクトレンズなどに使用されている「シリコン樹脂」を原料とした塗料でコーティングする方法で、ウレタンコーティングと同様、古くから多くの業者が採用していました。しかし、最近は他のコーティング方法に押され、施工する業者が減少しています。グリップ力が高く滑りにくいので足腰への負担を軽減しやすく、子どもや高齢者、ペットのいる家庭に向いています。光沢感のある仕上がりを求めている方にもおすすめです。

UVコーティング
専用の照射装置で紫外線(UV)硬化させることにより、コーティング剤を焼き付ける方法です。ウレタンやシリコンのコーティングは完全に硬化するまで1ヶ月程度かかるのに対し、UVコーティングは瞬時に硬化します。ピアノのような光沢と、硬度の高い塗膜が特徴です。耐久年数が20年以上あると言われ、メンテナンスフリーの床材を目指す方におすすめです。

ガラスコーティング
液体ガラスを塗布する方法で、上記のどのコーティングよりも硬く丈夫な仕上がりになります。ここ10年ほどで、急速に利用者が増えているコーティング方法です。コーティング特有の光沢は控えめで、床材を守りつつも素材の持ち味を活かした加工をしたいと考えている方におすすめです。

新築時にフロアコーティングは必要?

新築時にフロアコーティングは必要?

「フロアコーティング」を家具の設置後に実施しようとすると、余分な手間がかかります。そのため、施工するのであれば新築時に取り入れたいところです。ただし、最近のフローリングはワックス掛けが不要でメンテナンスの心配がいらない商品も増えています。本当にフロアコーティングが必要なのか、事前に床材の性質をチェックしましょう。
また、無垢材を採用している場合、築年数が経つとともに変化する木の風合いを楽しみたいところです。フロアコーティングを行えばメンテナンスはラクになりますが、木の持ち味を打ち消してしまう側面もあります。「手間がかかってもオイルなどで定期的にメンテナンスをした方が良い」と判断する方が多いようです。

コロナ禍の今は「抗ウイルスコーティング」の選択も

コロナ禍の今は「抗ウイルスコーティング」の選択も

株式会社オープンハウス:「抗ウイルスコーティングサービスのオプションプラン」の詳細はこちら

新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されるようになってからは、家庭内感染を防ぐため、除菌や掃除を今まで以上にしっかりとするよう心がけている人が多いのではないでしょうか。フローリングの床に関しても「抗ウイルス効果がプラスされたフロアコーティングを行う」という選択をする方も増えています。
例えば株式会社オープンハウス名古屋支社では、一戸建てやマンションの購入者に対するオプションプランとして、入居時の抗ウイルスコーティングサービスの提供があります。霧状のスプレーコーティングにより、ウイルスなど254種類の菌などを2時間で99%除菌する効果があるそうです。

まとめ

フロアコーティングは、使用する塗料により仕上がりの光沢や硬さなどが異なり、耐久性も変わってきます。それぞれの特徴を把握した上で、床材の性質や用途に合ったフロアコーティングを検討しましょう。

フローリングの床材について種類による特徴などを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。 新築一戸建ての印象が変わる! 人気床材であるフローリングの種類とメリット・デメリットを解説

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