マンション・一戸建てを問わず、マイホームを購入後はご近所付き合いが始まります。賃貸住宅の場合は引っ越しによる出入りが多く「隣に誰が住んでいるのか知らない」というケースも珍しくありませんが、持ち家であれば防犯面や防災時の協力体制を築くためにも、お互いが気持ちよく生活をつづけるためにも、一定のご近所付き合いを心がけたいところではないでしょうか。
ご近所付き合いが上手くいかないと、マイホームの購入を後悔する?
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株式会社アールピーネットが発表した「家なんて買わなければよかった…と思う瞬間ランキング」によると、住宅購入を後悔する瞬間の第3位に「近所付き合いが面倒なとき」がランクインしています。エリア特有のルールや近所に住む方々の人となりを把握せずに住む場所を決めてしまうと、後から隣家とのトラブルや騒音問題、近隣の人々との価値観の相違などが生じる可能性があるようです。せっかく手に入れる夢のマイホーム。できるだけトラブルが起こらないようにしたいですよね。
ご近所付き合いを円滑に行うコツは?
ご近所トラブルの原因は様々です。例として、子どもの声やペットの鳴き声、車の音、楽器演奏といった騒音トラブル、自転車を置く場所や植栽などが隣の土地との境界線を越えるなどの境界トラブル、喫煙やごみ捨てのマナー違反などがあります。私道や旗竿地では、通行の妨げになるような行為が日常的に行われていないか購入前に確認しておきたいですね。マンションでよく起こる騒音問題は、壁や床の厚みなど建物の防音性能も重要になってきます。音が真上から聞こえるからといって真上の部屋で騒音が発生しているとはかぎらないため、自分で解決しようとせずに管理会社に依頼するのが得策です。そのため、管理人が常駐しているか、巡回か、決まった方が来ているのか、管理会社はしっかりしているのか確認しておくとよいでしょう。どのようなトラブルの場合も、日頃からご近所の方々とコミュニケーションをもち、双方の状況を理解することで争いを未然に防ぐことができるケースが多々あります。
とはいえ、ご近所の方々とどれだけ付き合いを深めるべきなのか「線引きが難しい」と感じる方も多いでしょう。おすそ分けや物の貸し借りなどを気軽に行うような友だちに近い関係を築きたい人もいれば、できる限りプライベートを大切にしたい方もいます。地域性や慣習、ご近所に住む方々の年齢層などによってもベストな距離感は異なります。プライベートに踏み込み過ぎず適度な距離感を保つこと、不満を感じた場合は個人でなく町内会や管理会社などの共同体から伝えること、ご近所さんの噂話や悪口などの話題には同調しないことで、トラブルを回避しやすくなります。
より良い付き合いのためには、家の前を掃除する際には、時には隣の前も掃除するなど常日頃から少しの親切を心がけると良いでしょう。もちろん、ごみの分別や収集日を守るなどの地域のマナーやルールを守るのは大前提です。
ご近所付き合いの第一歩は引っ越しのあいさつから!
マイホームの購入を決めて最初のご近所付き合いが、引っ越しに関するあいさつです。マンションなど集合住宅や建売住宅の場合は引っ越した日、もしくは翌日で構いませんが、一戸建てを新築する場合、建築中に業者が頻繁に出入りし、騒音や振動でも近所に少なからず迷惑をかけることになります。遠方で現地に赴けない場合などを除き、着工前にあいさつをしておいた方が、後々の近所付き合いをスムーズにスタートできるでしょう。マンションの場合は両隣と上下階、一戸建ての場合は両隣と向かいに加えて真裏の家にもあいさつをしましょう。できれば、向こう三軒両隣まで網羅できるとベストです。状況に応じ、マンションに管理人が常駐している場合は管理人に、一戸建ての場合は私道を共有している家や自治会を取りまとめている家にもあいさつをしておくと安心です。
ペットや小さい子どもがいる場合は、できるだけ一緒にあいさつをしておきたいですね。鳴き声や足音、臭いなどでご迷惑を感じられたらすぐに教えてほしいと伝えておくと、お互いに安心です。
あいさつの際は、ちょっとしたあいさつ品を持参しましょう。500~1,000円程度のタオルや洗剤といった日用品の用意が一般的です。お菓子など食べ物を考えている場合は、日持ちがするものを選びましょう。好みやアレルギーがあるため、注意が必要です。
近所にどのような人が住んでいるのか知るため、できるだけ対面であいさつをしたいところですが「何回訪ねても留守で会えない」「コロナ禍に対面するのは抵抗がある」といった場合は、ポストに引っ越した旨を伝える手紙を投函しても良いでしょう。
町内会には入らないといけないの?
ご近所付き合いを深めるにあたり、一定の地域ごとに構成された自治組織「町内会」に加入する方法は有効です。回覧板などを通じて地域の情報を得ることができますし、地域住民と話す機会が増えるので、災害時などに助け合いやすくなります。ごみ集積所を町内会が管理している場合は、会員にならないと利用できないところもあるようです。
とは言え、自身や家族の状況によっては、町内会の活動に参加しなければならないことや町会費などを負担に感じる方もいるでしょう。2015年に発表された「東京の自治のあり方研究会 最終報告(P24)」によると、町会・自治会の加入率は年々減少しており、加入している人は2013年時点で54%程度です。加入は任意ですので、仕事との両立が負担だと感じる方は、町内会の活動頻度などを事前にヒアリングしたうえで加入を検討しましょう。
まとめ
ご近所トラブルを100%防ぐ方法はありません。しかし、マイホームを購入する前に近隣にどのような人が住んでいるのか、私道や自治会・町内会の状況、マンションの場合は管理会社や共有スペースの状況などを事前に把握することで、トラブルが起きそうな場所を避けたり対策を講じたりすることができます。また、日頃から適度な距離感を保ちながらご近所付き合いをしていれば、トラブルを回避できる可能性が高まりますし、顔を合わせる度にあいさつを欠かさなければ信頼感の向上に繋がります。円滑なご近所付き合いを目指すために、今日からできることを始めてみてはいかがでしょうか。
また、ペットやガーデニングなど自分にとっては大切なものが、相手には迷惑に受け取られる場合もあります。しつけや手入れなどに気を配り、枝葉が道にはみ出てしまうことなどご近所に迷惑がかからないように気を付けましょう。
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