プロ・ナチュラリストが教える河川敷&海の自然観察~原っぱや砂浜で五感を使った自然遊び

今の子どもたちはゲームや動画など体を動かさずに遊ぶことが多くなり、外遊びの時間が昔よりも少なくなっているそうです。スポーツ庁の調査では、全国的に子どもの体力は低下傾向にあるとも言われています。また、生活を圧迫している値上げラッシュの影響から子どもの習い事を減らさざるを得ないという声も聞きますね。その場合、学習系よりも運動系の習い事を減らす傾向があるとのこと。

しかし、子どもにはいろいろな機会を与えてさまざまな経験をさせ、心身を成長させてあげたいと思うのが親心。そんなときは、一緒に身近な場所へ行って自然観察や自然遊びをしてみるのはいかがでしょう? プロ・ナチュラリストの佐々木洋さんによると、自然と触れ合う体験はお金をかけずに楽しめて、子どもの感性を育むにはピッタリのアクティビティなのだそうです。今回は河川敷の原っぱや海の砂浜などにスポットを当てた自然観察の楽しみ方を伺いました。子どもの感性を育む自然観察のコツやお出かけをより楽しくするオススメグッズ、季節ごとの自然の見どころや観察ポイント、自然遊びの楽しみ方などもご紹介します。

プロ・ナチュラリスト 佐々木洋のプロフィール
佐々木 洋 プロフィール

プロ・ナチュラリスト(プロの自然解説者)

(財)日本自然保護協会自然観察指導員や東京都鳥獣保護員などを経て独立。
日本初の「プロ・ナチュラリスト」として、NHK総合「ダーウィンが来た!」「ひるまえほっと」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」などの番組出演やエコツアーの企画・ガイドなど、幅広い分野で活躍。
著書に『となりの「ミステリー生物ずかん」』『ぼくらはみんな生きている』
『ナンコレ生物図鑑』『野遊びハンドブック』などがある。
animania(あにまにあ)HP

プロ・ナチュラリストの佐々木洋です。自然観察と聞くと、自然溢れる場所におもむくことをイメージされるかもしれませんが、日本全国どこに住んでいても私たちは自然とともに生きています。空を見上げれば太陽があって雲が流れ、雨が降ったら水溜りができます。道端の草花には虫が、街路樹には鳥がいますよね。意識を変えれば身近な場所でも自然があることに気付くはず。そのなかでも、河川敷や海は自然観察にもってこいの場所。広い原っぱで子どもたちと思いっきり走り回ったり、水に住む生き物を観察したりと、自然体験をすることができるでしょう。まずは身近な場所での自然観察のコツや工夫についてお話させていただきますね。

目次
1.五感を駆使した自然観察で子どもの可能性を広げる
2.河川敷での自然観察をより楽しむ! オススメアイテムと注意点
3.【河川敷】空の観察ポイント
4.【河川敷】原っぱの観察ポイント
5.海の自然観察〜砂浜&磯遊びを親子で楽しむコツ
6.河川敷&海の自然観察 まとめ

五感を駆使した自然観察で子どもの可能性を広げる

五感を駆使した自然観察で子どもの可能性を広げる

自然観察とは自然の状態や変化を注意深く、客観的に“見る”という意味ですが、私は見るだけでなく五感を使って感じる「自然“感”察」であるとも考えています。「見る・聴く・嗅ぐ・触る・食べる」の感覚から得られる情報は、人間が生きるうえで必要不可欠なもの。五感を使って自然と向き合うことで、たくさんの気付きや学びを得ることができるでしょう。鳥を見つけたら鳴き声を聴く、花を見て嗅いで触ってみる。複合的に感覚を使うことで、より深く自然を感じられるようになるので、どんどん五感を使って「自然“感”察」もしてほしいですね。

ただし、バラなど棘のある植物やカメムシなどの不快な匂いを発する生き物には要注意。まずは親御さんが安全かどうかを確認しましょう。匂いを確かめるときは少し離れて嗅ぎ、知らないものにはむやみに触らないようにしてください。五感のなかでも味覚はとくに注意が必要です。知らないものは触らない、食べない。大人にとっては当たり前のことですが、好奇心の強いお子様はついつい触ったり、口に入れたりしてしまいますので、しっかり見守ってあげてくださいね。

五感を使ってさまざまな角度から自然観察することで、子どもの感性は大いに磨かれることでしょう。私の自然観察教室に参加した子どもたちのなかには、絵画やピアノ、バレエなどで才能を開花させた子、私の愛弟子として自然観察のプロになった子もいます。五感を駆使した自然観察は、お子様の成長に良い影響を与えるきっかけになり得ますよ。

親子で自然観察を楽しむためのアドバイス

親子で自然観察を楽しむためのアドバイス

お子様と自然観察をしてみたいけど、どんなことを意識して始めれば良いのか、迷われている親御さんも少なくないでしょう。まず、大前提としてお伝えしたいのは「自然界に地球の役に立っていない生き物はいない」ということ。たとえば害鳥とされているカラスだって、路上のゴミや動物の死骸を食べてくれる「掃除屋」です。「良い生き物」と「悪い生き物」は人間が一方的に決めたものなので、できるだけ先入観を捨てて動植物を観察するようにしましょう。地球上に存在するものすべてが自然界のバランスを維持する重要な役割を担っていること、生物の多様性をお子様と共有してほしいですね。

子どもからの質問を一緒に考えることが学びにつながる

また、自然観察していると、お子様から次々に「なぜ? どうして?」が飛び出してくると思います。そのとき親御さんは「正解を教えなくては……」と思いがちですが、そんなにプレッシャーを感じる必要はありません。お子様に「なんでだと思う?」と問いかけ、一緒に考えるだけで良いのです。考えることで知的好奇心が刺激され、学びにもつながることでしょう。

声掛けするときも、想像力が育まれるように意識してみるのが良いですね。「この花は〇〇の匂いがするね」と具体的に伝えるのではなく、「どんな匂いがする?」と問いかけるほうがお子様の自由な発想が引き出されて、気付きや学びにもつながりますよ。

五感を駆使した自然観察の基本はコチラ

河川敷での自然観察をより楽しむ! オススメアイテムと注意点

河川敷での自然観察をより楽しむ! オススメアイテムと注意点

自然観察に出かけるときは、場所を問わず絆創膏や消毒液など最低限の救急セットが必携です。水筒やペットボトルなどの水分も忘れずに持って行きましょう。また、虫めがねがあると小さな生き物や花の細部などを観察しやすいですね。虫かごやちょっとした容器も準備しておけば生き物を捕まえて、お家に連れ帰ることもできます。そのほか河川敷の原っぱや水辺での自然観察をより楽しむためのアイテムもご紹介しますね。

●軍手・手袋
草むらに入ったり石を動かしたり、生き物を探すときに役立ちます。怪我の防止にもなりますよ。100円ショップやホームセンターなどで、汚れても大丈夫なものを準備しましょう。とくに軍手はオススメ。いつも使わないアイテムを渡すと探検気分が味わえるので、お子様のテンションも上がるはず。

●虫取り網
バッタやトンボなどの動きが素早い虫を捕まえるときに便利。専門的な大きなものより、100円ショップやホームセンターで売っている子ども用のリーズナブルなものがオススメです。手ごろなサイズで振り回しやすいので、使い勝手が良いですよ。

●すくい網
小さな水生生物を捕まえるときに重宝するのが「すくい網」。金魚や熱帯魚をすくいあげるときに使う網で、こちらも100円ショップやホームセンターなどで販売されています。コンパクトサイズなので、鞄などに忍ばせておくと良いでしょう。

服装のアドバイス

私が子どもたちとフィールドワークするときは、季節関係なく長袖・長ズボンを着用するようお願いしています。原っぱの場合、虫に刺されたり、葉で切れたりしやすいので長ズボンは必須ですね。靴は長靴や運動靴など、汚れても大丈夫なものを。帽子も忘れないようにしましょう。帽子は日よけになるだけでなく、冬は寒さ対策にもなります。雨が降ってきたときにも役立つので、大人も子どもも帽子はあったほうが良いですね。

河川敷での注意点

河川敷などの水辺に出かけた際は、川にはあまり近づかないようにしましょう。とくにお子様が小さいと危険です。河川の本流や、大きな池などにも行かないほうが良いですね。また、河川敷は周囲にお店や自販機が少ない傾向なので、水分を多めに持っていきましょう。トイレも意外と見つからないので、事前に場所をチェックしておいてください。チェックと言えば、橋がどこにあるかも重要です。橋の下はちょうど良い休憩場所になりますし、急に雨が降っても雨宿りすることができます。夏の炎天下では貴重な日陰にもなりますよ。

【河川敷】空の観察ポイント

【河川敷】空の観察ポイント

ここからは河川敷の自然観察ポイントを「空」と「原っぱ」に分けて解説していきます。

河川敷周辺は開けているところが多く、空が広いですね。広い空を眺めていると心が開放されます。季節によってやってくる鳥や虫の種類、見どころも変わるので、春夏秋冬それぞれで楽しむことができますよ。

春はヒバリのさえずりを聴きながら空を眺めよう

春はヒバリのさえずりを聴きながら空を観察

春は出会いの季節。それは鳥の世界でも同じです。春になると、オスがさまざまな声でメスにアピールするんですよ。なかでも春の訪れを告げる鳥として知られるヒバリは、河川敷などの開けた場所で「ピーチクパーチク」と太陽に向かって鳴きながら舞い上がります。

さえずりが聞こえたら、お子様と一緒に耳を澄ませてみてください。そして姿を探してみましょう。双眼鏡は太陽を見てしまう危険があるので、肉眼で探すのが良いですね。もし見つからなかったとしても、鳥たちの声を聞きながら、会話の内容を想像してみるのも楽しいでしょう。お子様に「なんて言っていると思う?」と聞けば、思いもよらぬ答えが返ってくるはずです。ヒバリは日本全国に分布していますが、東京都の区部などでは絶滅が心配されています。しかし、八王子市などの郊外では観察できることもありますよ。

夏の空は雲を観察しよう

夏の空は雲を観察

夏の空は雲が面白いですね。モコモコとした入道雲など、雲が大きく見えるので不思議です。お子様に「あの雲は何に見える?」と問いかければ、奇想天外な答えが返ってくるかもしれません。親子で「○○みたいだね」と想像しながら話しているうちに、どんどん形が変わっていくのも雲のおもしろいところ。観察するうちに黒い雲、雨雲の存在にも気付けるようになるかもしれませんよ。

秋の空は夕焼け鑑賞 つるべ落としで自然の不思議を体験

秋の空は夕焼け鑑賞

秋の空はやっぱり夕暮れ時ですね。河川敷は開けているので、とてもキレイな夕焼けを眺めることができます。夕焼け空に赤トンボが舞う様子は、ノスタルジックで大人も癒やされるはず。お子様と一緒に、土手に座って見るのがオススメです。ちなみに秋は日が暮れるのが早く、井戸の桶が落ちるさまにたとえて「秋の日はつるべ落とし」と言われていますね。鮮やかな夕日が沈んでいくのを眺めながら、暗くなるまでの時間の早さをお子様と一緒に体験してみてはいかがでしょうか。

冬の河川敷で星空を満喫! 家族で天然プラネタリウム鑑賞会

冬の河川敷で星空を満喫:オリオン座

冬の晴れた日は、夜になると星がとてもキレイに見えます。土手にレジャーシートを敷いて大の字に寝転がれば、自然のプラネタリウムの完成です。冬は空気が澄んでいるので、お子様とたくさんの星を見て楽しみましょう。30分ほど眺めていると流れ星が見られるかもしれません。

星座早見盤や星座アプリなどがあると、見えている星の名前がわかるはず。南の空に見えるオリオン座など代表的な星座や冬の大三角を懐中電灯で指しながら説明すれば、学びにもつながることでしょう。懐中電灯は、防災パックに入っているような大きいタイプがオススメ。星を指で指すのは難しいですが、大きい懐中電灯を使うと光の指し棒になりますよ。ただし、夜の自然観察は足元が見づらくなるので、川には絶対に近づかないようにしてください。明るいうちに安全な場所を確認しておくと良いですね。カイロや防寒具などでしっかりと寒さ対策するのも忘れないようにしましょう。

【河川敷】原っぱの観察ポイント

【河川敷】原っぱの観察ポイント

果てしなく続く河川敷の原っぱは、バッタやトンボなど、たくさんの生き物が住んでいます。自然いっぱいのなか、虫を追いかけて思いっきり走り回るのも良いですね。ほかにも季節ごとの見どころがたくさんありますよ。

春の河川敷! 原っぱで野の花や野草を楽しもう

春の河川敷では野の花や野草を観察

春は、野の花がいっぱい咲いています。シロツメクサやオオイヌノフグリ、タンポポにツクシ……とかわいい草花が豊富です。採っても良いところであれば、ぜひ野の花を摘んで楽しみましょう。基本的に河川敷は国が管理しているので、迷惑にならない範囲であれば誰でも自由に散策できる場所です。採取が禁止されている場所、自然保護区などには看板が立っているので、それ以外の場所で自然観察を楽しみましょう。タンポポを摘んで綿毛を飛ばしたり、シロツメクサで髪飾りやブーケをつくったり、いろいろな遊びができますよ。

ツクシなど食べられる野草を摘んで調理する「道草料理」

河川敷に生えているツクシやヨモギなど食べられる野草を摘んで、一緒に調理して食べてみる「道草料理」をしても良いですね。私が子どものころは、摘んだツクシの“袴”を取るのが役目でした。砂糖醤油で甘辛く煮たツクシを卵とじにして、ご飯に乗せて食べるのが春の楽しみだったんですよ。見て、触って、嗅いで、食べる。多くの感覚を使った貴重な春の体験になることでしょう。ただし、道草料理をつくる際は、野草に詳しい方と安全に十分注意しながら行ってください。

夏の原っぱには大きなトンボがいっぱい! ギンヤンマやシオカラトンボを捕まえよう

夏の原っぱでギンヤンマやシオカラトンボを捕まえよう

夏は日差しが強いので必ず帽子をかぶり、自然観察は短時間にしましょう。河川敷には日陰がほとんどないので、熱中症には気を付けてください。飲み物は多めに持って行き、橋の下などの日陰でこまめに水分補給しましょうね。

夏の河川敷の原っぱには、ギンヤンマやシオカラトンボなどの大きなトンボが飛んでいます。捕まえたいときは、すばしっこいので虫あみを使いましょう。視覚や聴覚を使いつつ試行錯誤すれば、お子様でも捕まえることができるはず。ちなみに梅雨の時期は、「虫取り網」と「すくい網」の二刀流がオススメです。

轍などにできた水たまりで、ヤゴやゲンゴロウなどの水生昆虫を探してみましょう。水中で孵化する生き物もいれば、アメンボのように飛んでくる虫もいます。とくに雨上がりは小さい生き物がたくさん見られますよ。ただし、大雨が降った後は水かさが増しているので、川の近くには行かないようにしてください。

秋と言えば赤トンボ! 夕日をバックに自然観察

秋は赤トンボを自然観察

秋になると、河川敷にはたくさんの赤トンボがいます。代表的なのはアキアカネ。2匹つながって飛んでいる姿を発見したら、よく観察してみてください。前が赤くて、後ろが茶色の体をしていると思います。お子様に、赤色がオスで茶色がメスだと伝えてあげれば、さらなる「なぜ?」が引き出せるはずですよ。

赤トンボは人差し指を高く掲げるとそこに止まるので、誰の指に一番早くやってくるのか競争するのも面白いですね。ちなみに指をぐるぐるさせるとトンボの目が回る、というのは迷信です。あれは一瞬混乱しているだけ(笑)。捕まえたいときは、トンボの体が“くの字”になっているときに、後ろから羽をチョキの手ではさみましょう。夕方には動きが活発になるので、夕日とあわせて観察してみてはいかがでしょうか。

冬の河川敷は霜柱踏みを楽しもう

冬の河川敷は霜柱踏みを楽しもう

冬の朝は、霜柱踏みをしに河川敷へ出かけてみましょう。都会の住宅街だとなかなか見られませんが、河川敷は霜柱の宝庫なんです。霜柱は氷点下になると、土の中の水分が凍ってできるもので、踏むとガリガリとした音と感触が楽しいんですよね。この不思議体験も子どもの「なぜ?」を引き出しますので、一緒に考えたり調べたりしてみましょう。服装としては、濡れないように長靴を履いていくと良いですね。

海の自然観察〜砂浜&磯遊びを親子で楽しむコツ

海の自然観察〜砂浜&磯遊びを親子で楽しむコツ

水辺と言えば海もオススメの自然観察スポットです。近場にある方は、お休みの日に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。河川敷の水辺とは違った景色が楽しめますし、生息する生き物も異なります。海での自然観察は、海水浴客の多い夏と危険の多い冬は避けるようにしましょう。潮の満ち引きもあるので、親御さんは事前に潮時表を確認してくださいね。靴は怪我をしないように長靴か古い運動靴を履いて行くこと。危険なものも落ちているので、裸足やサンダルはNGです。

ここからは砂浜と磯辺に分けて、海での自然観察の楽しみ方やコツを解説していきます。

砂浜には宝物がいっぱい! 親子で探してみよう

砂浜には宝物がいっぱい!

砂浜の自然観察は春から初夏にかけてと、秋が適しています。具体的に言うと、3〜5月と10〜11月ですね。人が少なくて、波が穏やかな日は海での自然観察日和。海へは入らずに砂浜を観察したり、自然遊びを楽しんだりしましょう。

●ビーチコーミング(漂着物拾い)
砂浜にはいろいろなものが流れ着いてきます。軍手をして、ビーチコーミング(漂着物拾い)を楽しむのも良いですね。貝殻や海藻、魚などいろいろなものが見つかるはず。貝殻やシーグラス(ガラス片が波にもまれたもの)を拾い集めて「浜辺の宝探し」を楽しみましょう。私の自然体験会でも、子どもたちが夢中になる遊びのひとつですね。集めたら浜辺に並べて写真を撮っても良いですし、帰ってから作品づくりをして楽しむこともできます。

ただし、ビーチコーミングをするときは、漂着物を決して素手で触らないこと。シーグラスはまだ尖っていることもありますし、生き物の歯や皮膚、貝殻で怪我をすることもあります。クラゲやとげのある生き物に関しては、軍手でも触るの絶対NG。親御さんがしっかりと見守ってあげてくださいね。

●足跡探し
人の往来の少ない早朝に砂浜へ行くと、いろいろな生き物の足跡があります。鳥や犬、あるいは何かわからない足跡も見つかるかもしれません。何の足跡なのか考えながら、お子様と一緒に探してみましょう。朝の引き潮の時間に行って、波打ち際の足跡探しもオススメです。

磯辺は生き物のワンダーランド! 磯遊びを楽しもう

磯辺は生き物のワンダーランド!

磯遊びは、5〜6月の梅雨前と台風シーズンが終わった後の10月がオススメです。磯では生きている生物を観察するので、砂浜と比べると時期が限定されます。海には“くるぶし”くらいまで入るイメージで、干潮時の潮だまり(タイドプール)にいる生き物を観察しましょう。とくに大潮の後に訪れると、磯辺はいろいろな生き物がいるワンダーランドになっています。潮だまりに目を凝らすと小さな魚が見えたりヤドカリが歩いていたり、石をどけるとカニが見つかることも。ただし、岩の上はとても滑りやすいので、大人も子どもも走ったりジャンプしたりすると危険だということを覚えておきましょう。また、潮時表は事前に必ずチェック。急に満ちてきて今まで遊んでいた場所が海になることもあるので、いつも以上に注意してくださいね。

●オススメ磯遊び「親子で龍宮城づくり」
プラスチックケースなど透明な入れ物を使って竜宮城をつくってみましょう。海水と海藻、貝殻、小石を入れてから、捕まえたカニや魚、ヤドカリなどの生き物を入れます。つくるだけでも楽しいですし、記念撮影しても良いですね。でも観察が終わったら、その場で逃がしてあげましょう。海の生き物は海水でないと生きられないため飼うのが難しく、環境変化にも弱いので帰り道の途中で死んでしまうことも多いからです。逃がす理由をお子様に説明してあげると、生き物の生態や自然保護について学ぶきっかけにもなりますよ。

海の自然観察で注意すべき生き物

海にはさまざまな生き物がいますので、普段はあまり見られない危険生物もいます。とくに高波の後に打ち上げられていることが多いので、知らないものには絶対触らないようにしましょう。たとえばお台場にはアカクラゲといって毒性の強い針をもったクラゲがいます。お尻の付け根に毒針をもつエイが浜辺に打ち上げられることもありますね。

クラゲやエイは死んでも毒性が残っているので、刺されたら最悪命に関わることもあります。また、磯場で注意すべきはフジツボ。指がふやけていると切り傷になる可能性が高いです。ほかにも、毒をもつウニの仲間ガンガゼや、ひれの一部が危険な魚ハオコゼなどもいるので、誤って触らないようにしましょう。

これだけ聞くと、海は危険がいっぱいで自然観察なんてとんでもない! ……と思われるかもしれません。しかし、子どもになにが危険であるかを教えることができますし、危険なものには近づかないという生きるうえで大切なことを学ぶ機会にもなります。お子様から目を離さないように気を付ければ、大きな成長を促すチャンスにもなりますので、ぜひ海での自然観察も検討してみてください。

河川敷&海の自然観察 まとめ

水辺の自然観察は公園や広場よりも危険が多いため、気を付けることは増えます。しかし、河川敷や海でこそできる自然観察は、きっとお子様にとって良い経験になるはず。何にも邪魔されずに広い空を眺めることができるのは河川敷の醍醐味ですし、普段は見られない水辺の生き物を観察できるのは海ならではです。それから、もし釣り人がいたら「びく」の中を見せてもらうのも良いでしょう。どんな魚が生息しているかわかって面白いですよ。ぜひ、近くの河川敷や海に出かけてみてください。きっとたくさんの学びと出会いがあるはずです。

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