自然のなかで遊ぶ経験は、子どもの心、脳、身体能力、創造力などを育むと言われています。幼いころから自然と触れ合う体験をさせて、お子様の好奇心や探究心、感受性を育みたいという親御さんは少なくないでしょう。しかし、山や森、海や川などの自然が体験できる場所が近くになかったり、親が自然のなかで遊んだ経験が少なく、どんなふうに遊びながら体験するのかわからなかったりなどの理由で、諦めていませんか? 自然のなかで遊ぶことができるのは、何も郊外や地方だけではありません。プロ・ナチュラリストの佐々木洋さんによると、都会であっても近くの公園や街路樹など、いつもの外遊びの続きで自然観察できるポイントはたくさんあるそうです。さらに、季節や時間帯、天気によってさまざまな自然の姿が見られるとのこと。そこで、自然観察の第一人者として各メディアで活躍されている佐々木さんに、一年を通した自然観察の楽しみ方を伺いました。春夏秋冬に加えて、朝昼晩や天候ごとの見どころもご紹介します。
プロ・ナチュラリスト(プロの自然解説者)
(財)日本自然保護協会自然観察指導員や東京都鳥獣保護員などを経て独立。
日本初の「プロ・ナチュラリスト」として、NHK総合「ダーウィンが来た!」「ひるまえほっと」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」などの番組出演やエコツアーの企画・ガイドなど、幅広い分野で活躍。
著書に『となりの「ミステリー生物ずかん」』『ぼくらはみんな生きている』
『ナンコレ生物図鑑』『野遊びハンドブック』などがある。
animania(あにまにあ)HP
プロ・ナチュラリストの佐々木洋です。講演会やアクティビティなどで親御さんとお話ししていると「自然との触れ合いは特別なこと」と考えている方が多いんですね。しかし、都会の街中でも空を見上げれば鳥が飛んでいますし、地面には何かしらの虫が歩いていて、草花も生えています。これらも当然ながら自然の一部。お家のすぐ近くにも、お子様と一緒に自然観察できる場所は必ずあるんですよ。ただ気付かないだけで、意識を変えれば見える世界も変わります。季節や時間帯、天候によっても生き物や植物の活動が変わるので、その時々でまったく違う姿を見せるのも自然観察の面白さ。これから楽しみ方やコツを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.親子で楽しみながら学ぶ! 「自然観察」と「自然“感”察」入門
2.春は生き物たちの出会いの季節! 朝昼夜の自然観察ポイント
3.夏は昆虫たちが活発に! 朝昼夜の自然観察ポイント
4.秋は生き物の演奏会が目白押し! 朝昼夜の自然観察ポイント
5.冬は空に注目! 朝昼夜の自然観察ポイント
6.季節・朝昼夜・天気で見える世界が変わる自然観察 まとめ
親子で楽しみながら学ぶ! 「自然観察」と「自然“感”察」入門
私たちが生きるうえで、自然はなくてはならないものです。その自然を観察することは、人間にとって呼吸をするのと同じくらい、当たり前の活動だと私は考えています。散歩の途中でお子様から、「鳥ってなんで飛べるの?」「どうして雨が降るの?」など、たくさんの「なぜ?」が出てきた経験はありませんか? この「なぜ?」は、無意識に自然を観察しているからこそ出る言葉です。そんなお子様の疑問に対して、親御さんも一緒になって考え、調べるようにしましょう。予習をする必要はありません。答えを準備して会話するよりも、一緒に想像力を膨らませるほうが大切だからです。
ここからは“親子で一緒に学ぶ”を前提とした、自然観察のポイントをお伝えしていきますね。
●五感を駆使する
自然観察するときは、視覚だけでなく、聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感すべてを意識しましょう。自然観察は、自然を“観る”と書きますが、見るだけでなく感じる「自然“感”察」でもあると私は提唱しています。耳を澄ませば、都会のビルの谷間からも虫の声や葉っぱの音など、いろいろな音が聞こえてきますよね。空気の匂いを嗅いでみると、土や草の香り、雨が降りそうな湿った感じなど、いろいろな匂いがしてきます。触るとフワフワしたもの、硬くて冷たいもの……触感を意識すると、見ているだけではわからないこともたくさん感じられることでしょう。
ただし、五感を使うと言っても、味覚は注意が必要です。安易に口にすると中毒を起こすこともあるので、安全だとわかるものだけ味わうようにするなど、気を付けながら試しましょう。
また、親御さんに意識していただきたいのがお子様への声掛けです。「〇〇の匂いがするね」と具体的に言わず、「どんな匂いがする?」と聞いてみてください。すると、先入観のない、子どもならではの答えが返ってくると思います。お子様の自由な発想を大切にしてあげましょう。
五感を使った自然観察は、子どもたちの好奇心を刺激し、感性を伸ばし、ものごとの見方を広げてくれるはず。ぜひ、街で自然を見つけたら五感を意識してみてくださいね。
●身近な場所にこだわる
自宅の庭や近所の公園など、身近な場所をホームグラウンドにしてみましょう。毎日訪れたとしても、まったく同じ光景ではなく、何かしら変化があるはずです。たとえば好きな木を1本決めて、長い時間をかけて観察します。年月とともに木の姿は変わりますし、季節の移り変わりにあわせてそこに集まる生き物も変化するので、毎回新しい発見があることでしょう。
草花を観察していて気付くのが、子どもは本当に虫探しの名人だということ。親御さんから「どうして子どもはすぐに虫を見つけられるのですか?」という質問をたびたびいただくのですが、答えは簡単。ちょうど子どもの目の高さに虫がいるからです。大人は上から見ていることが多いので見つけられないんですね。なので、目の高さを子どもに合わせるだけでも、見える世界が変わります。お子様を抱っこして大人の目線を体験させてあげるのも面白いでしょう。
さらに季節や時間、天候などの変化もあわせると、同じ場所を何倍も楽しむことができます。ひとつの場所にこだわって観察することで、身近なスポットがワンダーランドに変わりますよ。
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春は生き物たちの出会いの季節! 朝昼夜の自然観察ポイント
春夏秋冬、朝昼夜、天気などによって見られる景色や出会う動植物は変わります。同じ生き物でも出会うタイミングによって、違った様子を観察することもできるんですよ。まずは春の自然観察ポイントから紹介していきましょう。
春の朝は恋する鳥たちのさえずりを聴こう
春は多くの鳥たちにとって恋の季節。オスがメスにアピールするため、一番大きくキレイな声で鳴きます。都内でも、10種類以上の鳥の鳴き声を聞くことができるんですよ。朝、鳥たちのさえずりが聞こえたら、お子様に「何て聞こえる?」と聞いてみてください。そして、「鳴いているのは男の子で、お嫁さんを探しているんだよ」とも伝えてみてください。きっとお子様からどんどん疑問が湧いてくるでしょうから、鳥について話したり、一緒に調べたりすると楽しいですよ。
春の昼間はタンポポに集まるモンシロチョウやテントウムシに注目
春の昼間はポカポカ陽気で、外に出るとたくさんの虫に出会うことができます。たとえばタンポポにはモンシロチョウやテントウムシなど、春の代表的な生き物がやってきますね。では、ここでクイズです! モンシロチョウの「モン」は何だと思いますか?
モンシロチョウは漢字で「紋白蝶」と書くので、「紋」は羽の丸い模様のことです。しかし、モンシロチョウの紋の色は黒。「それなら“モンクロチョウ”じゃないの?」と思った方もいるかもしれませんが、実は読むときに区切るところが違っていて、「紋」「白蝶」、つまり紋のある白い蝶というわけなんですね。
また、テントウムシの名前の由来には諸説ありますが、太陽に向かって飛ぶからという説もあって、漢字では「天道虫」と書きます。実際にテントウムシを指や枝などに乗せて高くかかげると太陽に向かって飛んでいくので、ぜひその様子を見せながら「お天道様に向かって飛んでいくから天道虫って言うんだよ」とお子様に伝えてみてください。
タンポポやオオイヌノフグリなど、春はいろいろな花も見つけられます。咲いている様子を見たいときには晴れの日がオススメですが、雨の日にしぼんでいる花を観察するのも良いでしょう。晴れの日・雨の日それぞれの花の姿を見て「雨の日はお休みしてるんだね」といった会話をするのも、自然観察の醍醐味ですよ。
春の夕暮れ時などはコウモリのジグザグ飛行を観察
春の夕暮れ時などはアブラコウモリが観察できます。雀くらいの大きさで、出す音は超音波なので人間の耳では聞こえませんが、鳥はまっすぐ飛ぶのに対し、ジグザグに飛ぶので見分けられるはず。冬眠から覚めた春、太陽が沈んだ時間帯に活動を開始します。見つけるコツは“いると思って探すこと”ですね。六本木や銀座などの都心でも見つかるので、ぜひ探してみてください。
夏は昆虫たちが活発に! 朝昼夜の自然観察ポイント
夏は晴れの日だけでなく、梅雨や夕立など天気の変化を楽しみやすい季節です。雨の日は、なんとなく嫌なイメージがあるかもしれませんが、お気に入りの雨合羽や長靴を身に着けたらお子様もきっとテンションが上がるはず。いろんな時間帯や天気に出かけてみましょう。子どもたちも夏休みを利用してさまざまな体験をするチャンスです。
夏の朝は芸術的! ツユクサやカタツムリを観察しよう
夏の朝、朝露が美しい時間帯に観察してほしいのがツユクサです。ツユクサは着物の染料にも使われる花で、スケッチブックなどの紙にひとこすりすれば、黄色と青の美しい2色が写し出されます。お昼ごろにはしぼんでしまうので、午前中限定の遊びですね。
意外かもしれませんが、「蜘蛛の網」もキレイですよ。一般的には蜘蛛の巣と呼ばれていますが、私たち専門家は住居と罠を兼ねた「網」と呼んでいます。夏の朝は、蜘蛛の網に朝露がキラキラと光ってとても芸術的なんです。
あとは梅雨と言えばカタツムリ。晴れた日は隠れているので見つけにくいのですが、雨が降ったら活発になって目に入るところに出てきます。子どもたちに「カタツムリを探そう!」と声掛けすると、真っ先にアジサイを見に行く子が多いんですが、それだとあまり見つけられないって、ご存知でしたか? 実はアジサイの葉には毒があり、カタツムリはあまり寄り付かないんですね。意外とブロック塀なんかが見つかりやすいです。さらにカタツムリはゆったり動いているように見えますが、実は筋肉隆々。捕まえて透明な下敷きに乗せてみましょう。下から見ると筋肉の波打つ動きが観察できて、どのように進んでいるかがよくわかるので、苦手でなければぜひ見てもらいたいですね。
夏の昼間はセミ王国! セミを捕まえてみよう
夏の昼間は、セミの大合唱を聴くことができます。日本では全土に生息していて、国内で30種類以上、都心部でも5種類以上が住んでいます。セミの鳴き声はさまざまで「ミーンミンミン」と鳴くのがミンミンゼミ。では、アブラゼミはなんと鳴くでしょうか?
答えは「ジージージー、ジュワ~」。まるでトンカツや天ぷらを揚げたときのように鳴くことから、アブラゼミという名前になったとも言われています。こんな風にお子様にクイズを出しながら自然観察すると、より楽しめますよ。セミは興味深いうんちくが多い生き物なので、親御さんが予習しておくのも良いと思います。きっとお子様の好奇心も大いにくすぐられるでしょう。
そんな夏を代表するセミですが、ぜひ捕まえてみてください。捕まえて飼うことで、子どもにとって命とは何かを考えるきっかけになったり、日々観察することで学びにつながったりするはずです。ちなみにセミは、朝限定、午前中限定、夕方限定という風に種類によって鳴く時間帯が違うので、昔は時計代わりにしていたほど。複数の種類のセミを捕まえて、どの時間帯に鳴くタイプか観察してみても楽しいですよ。
●セミの捕まえ方
木の根っこ辺りに大人の人差し指が入りそうな穴を見つけたら、十中八九セミが地上に出た跡です。近くにセミの抜け殻があるはずなので探してみましょう。セミの抜け殻を見つけたら、成虫もそばにいる可能性が高いですね。網がなくても、セミの背後からそっと手を伸ばせば簡単に捕まえられます。ただし、横からの動きには敏感で逃げられてしまうので、必ず後ろからスッと獲りましょう。
夏の夜はホタルの舞 懐中電灯で指揮者になろう
夏の夜の自然観察は、「ホタルの乱舞」と「セミの羽化」がツートップですね。
ホタルは、東京近郊だと八王子や日野、埼玉の平野部でも観察できます。保護活動のおかげで、最近は身近な場所でも見られるようになっているんですよ。オスメス関係なく光りますが、飛びながら光るのがオスで止まって光るのがメスです。パートナーを探して、光で会話してるんですね。その様子が“火が垂れるように見える”ので「火垂る=ホタル」と呼ばれるようになりました。ちなみにホタルが光っていないとき、懐中電灯でカチカチ照らすと反応して光りだすので、まるで指揮者になったような気分を味わうことができますよ。ぜひお子様と試してみてくださいね。
セミの羽化は都心でも郊外でも見られ、大体19時30分ごろがピークで20時前には終わります。1匹だけに注目して一部始終を観察しようとすると2時間くらいかかってしまいますが、公園や並木道を30分ほどウロウロするといろんな状態のセミを見つけられるはず。一晩でさまざまなシーンの羽化を観察できるというわけです。セミの羽化は人間でいうところの“成人式”。子どもは自分より年上のセミの羽化を見るわけですから、貴重な経験と言えるでしょう。
気温の高い日はスズメバチに注意! お弁当に唐揚げはNG
気温の高い日は、熱中症に気を付けて、十分な水分補給をしながら自然観察してみてください。また、スズメバチの仲間に遭遇しやすい季節でもあるので、これから紹介するNG行動をしないよう、注意しましょう。
【スズメバチ回避 三原則】
①黒い服を着ない
全身黒尽くめはやめましょう。諸説ありますが、スズメバチの天敵であるクマと勘違いして襲ってくるとも言われています。
②お弁当に鶏の唐揚げを入れない
スズメバチは、鶏肉を揚げた匂いが大好き。お弁当に入っていると寄ってくるので危険です。私が自然観察会をするときは事前案内を出していますが、やはり知らない方は多いですね。唐揚げだけでなく、フライドチキンやチキンナゲットなど鶏の揚げ物全般は持って行かないようにしましょう。
③甘い香りの化粧品は使わない
これは親御さんに注意が必要かと思います。香水など甘い香りの化粧品に寄ってくるので、自然観察するときは使わないようにしてください。ちなみに砂糖などの甘い匂いには寄ってきませんよ。
それと、子どもは死んだハチに触ろうとします。私のところに「ハチが死んでた」と持ってくる子が意外と多いんですね。しかし、ハチは死んでいても危ない針が残っている可能性があるので、たとえ死骸でも絶対に触れないように見守ってあげてください。
秋は生き物の演奏会が目白押し! 朝昼夜の自然観察ポイント
実りの秋は、冬に向けて生き物たちは準備を始める季節です。気温が落ち着いてきて、私たちも活動しやすくなる時期ですね。そんな秋ならではの観察ポイントをご紹介しましょう。
秋の朝は「モズの高鳴き」を聴いてみよう
秋になるとモズが山から平地に降りてきます。朝の時間帯に「キチキチ、キーキーキーキー」という声が聞こえたら、それがモズです。この声は「モズの高鳴き」と言って、ほかの生き物にとっては凍りつく、恐怖の声なんですよ。モズは縄張りに侵入するものを容赦なく攻撃します。それに「はやにえ」と言って木の枝にトカゲや昆虫などを突き刺す習性があるので、周りから恐れられているんですね。モズは、スズメより少し体が大きく、高くて見通しの良い場所でよく見かけるので、声が聞こえたら探してみてください。
秋の昼間は昆虫界最強ハンターのカマキリ&赤トンボを観察しよう
秋の昼間には、子どもたちに大人気なカマキリも観察できます。とくに男の子は、あの並々ならぬ殺気に惹かれるようですね。捕まえてみせると子どもたちからリスペクトされる生き物のひとつです(笑)。カマキリの観察のなかでも興味深いのが蜘蛛とカマキリの攻防ですね。“昆虫界最強ハンター”と呼ばれるカマキリは、蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされても戦い続けることができます。しかし、そんな強いカマキリでも蜘蛛に倒されてしまうケースがあるんです。この2匹の攻防を見ていると自然界の厳しさを学ぶことができますね。なかなかお目にかかれないレアなシーンではあるのですが、蜘蛛の網を次々に探していけば発見できるかもしれません。
カマキリの観察はハードルが高い……という虫が苦手な親御さんは、こんな遊びをしてみてはいかがでしょう? お子様と一緒にカマキリのマネをして、手を鎌に見立てて振ります。カマキリはなんと、1秒間に20回も振ることができるんですよ。タイムを計りつつ20回振れば、いかにカマキリがすごいのかがわかると思います。
また、秋と言えば赤トンボ。なかでも代表的なのがアキアカネです。“トンボの目の前で指をぐるぐる回すと目が回る”なんて言いますが、あれは真っ赤なウソ。トンボが一瞬混乱するだけで、実は平気なんですよ(笑)。捕まえるには、止まっているとんぼの体が“くの字”になったとき、後ろからチョキの手で羽を挟みます。トンボを捕まえたら、とっておきの手品をお子様に見せてあげましょう。
やり方は簡単、トンボを裏返して置き、手を鳴らして合図するだけ。合図は手を叩いても指を鳴らしてもOKです。すると不思議なことにトンボが催眠術にかかったみたいに動かなくなるんですよ。そして、もう1度同じ合図をすると目覚めて飛んでいきます。実はトンボって、裏返しにすると混乱してしまい、数秒間も止まってしまうんですね。つまり、タイミングを合わせて合図しているだけなのですが、とても不思議に見えて大ウケする手品なので、ぜひ披露してみてください。
秋の夜は虫たちの大合奏を鑑賞しよう
秋の夜と言えば、虫たちの合奏。コオロギの姿は見えなくても、声は聞いたことがあるのではないでしょうか。寒くなってくると、オスが羽をこすり合わせてバイオリンを弾くように鳴きます。一般的には夜に鳴くのですが、気温が15〜20℃の間になると昼間でも鳴きますよ。都市部でも聞くことができるので、夜はお家のベランダで耳を澄ませてみるのも良いでしょう。コオロギごとの微妙な鳴き声の違いにも気付けるかもしれませんよ。
冬は空に注目! 朝昼夜の自然観察ポイント
冬は木々の葉が落ちて、空が広く感じる季節。国内の寒い地域の鳥は暖かいところへ移動します。さらに外国からやってくる鳥もいるので、さまざまな種類の鳥を観察することができるんですよ。暖かくしてぜひ外に出かけてみましょう。
冬の朝は鳥の群れを観察しよう
冬の朝の光景と言えば、鳥の群れ。大きな群れが見られるのは主に冬なんです。先頭の鳥はときどき交代するので、見ていると面白いですよ。たとえば朝になると東へ向かう群れは、夕方には西へ帰っていきます。ほぼ毎日同じ行動をするので、鳥の群れが何をして返ってくるのかをお子様と想像してみると楽しいですし、実際に鳥たちがいるゴールを探してみるのも良いでしょう。
冬の昼間はカモをウォッチング
冬の昼間はカモに注目。近くの池などに行くと、いろいろな大きさや色彩のカモがいるはずです。色が派手なのがオス、地味なのがメスですね。カモ達にとって冬はパートナーを探す季節ですから、オスはお見合いのためにオシャレしているわけです。また、カモのほとんどは夜行性。昼間に寝ていることが多いので、お子様に「なんでお昼に寝ているのかな」と聞いてみてはいかがでしょうか。想像を超えた答えが返ってくるかもしれません。
ちなみにカルガモは「軽鴨」と書きますが、牛乳1リットル分の体重があります。本当は「重鴨」なんですね(笑)。カルガモを見た後に牛乳を持ってみて、重さを確認すると良い体験になりますよ。ちなみにスズメは10円玉4枚分、白鳥は1リットルの牛乳が10本分くらいの体重です。
冬の夜は近所の公園で星空鑑賞会
冬の夜は、近くの公園でピクニックシートを敷いて寝っ転がってみてください。いつもの公園とは違った雰囲気で、星空鑑賞会が楽しめますよ。寒いので暖かい格好で、カイロなども準備しておきましょう。お子様に星座を説明できそうなら、懐中電灯で照らしながら話すと、光の指し棒になるので盛り上がりますね。星座早見盤や星座アプリなどがあると、見えている星の名前がわかるはず。真ん中に3つの星が並び、左上に赤色のベテルギウス、右下に青いリゲルという2つの一等星を持つオリオン座は、とくにわかりやすいのではないでしょうか。赤いベテルギウスから左下にひときわ明るいおおいぬ座のシリウスがあり、その左上にこいぬ座のプロキオンがあります。これが冬の大三角ですね。冬は空気が澄んでいて流れ星もよく見えるので、親子でぜひ体験してみてください。
【おまけ】犬? 猫? 雪が降ったら動物の足跡を探そう
雪が降ると、子どもは大はしゃぎ。少し積もったら、翌朝は早起きしてお子様と散歩にでかけてみましょう。野良猫や散歩をした犬の足跡が見つかるはずです。もしかするとほかの動物のものもあるかもしれません。見つけたらお子様に「これは何の足跡かな?」と聞いてみましょう。宝探し気分で一緒に探してみてください。また、公園で雪をキャンバスに落ち葉や木の実でお絵かきするのも楽しいですね。完成したら親子で見せっこするなどして遊びましょう。
季節・朝昼夜・天気で見える世界が変わる自然観察 まとめ
自然を観察することを意識してみると、季節や時間によって、同じ動植物でもまったく違う見え方をすることに気付くはずです。たとえば夜行性のカエルなんかは昼間の明るい時間はゆったり動いているのに、夜は大胆な行動を取ることもあります。何でも一面を見るだけではわからないものですね。時間帯や季節、天候などいろいろな角度から見ることで新たな発見が生まれ、なぜ変化が生じるかを調べれば学びにもつながります。視点を変えるだけで今見えている世界が変わりますから、ぜひ小さいころから自然のなかで遊びながら自然観察と自然“感”察をしてほしいですね。
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