【住宅購入体験談】育休明け・ペアローンで新築マンションを購入したTさん

一生で一番高い買い物とも言われるマイホーム購入、みんなはどうしてる?

失敗したくない、購入後に後悔がないようにしたいマイホームの購入。気になる体験談を、45歳の時に東急田園都市線鷺沼駅でペアローンを利用してマイホームを購入されたTさん(女性)にお伺いしました

―住宅を購入された経緯について、教えて下さい。

当時暮らしていた賃貸マンションの所有者が変わって以来、契約書の記載ミスを指摘してもレスポンスがなかったり、マンション名が突然変わったりと、住み手にとって不安な出来事が相次いでいました。キッチンの狭さなど住み心地にも不満がありましたし、駐車場代込みで10万円少々の家賃を支払い続けるにはもったいないとも感じていました。また、息子を預ける保育園まで歩いて通うには少し遠かったことも、マイホームの購入を後押ししました。

―マイホームの条件は?

夫は3人兄弟の次男ですが、長男は既に持ち家があり、三男は婿養子に入っています。また、私と義母の関係が良好なこともあり、将来的には夫の実家で同居することも考えています。そのため、マイホームを購入するなら将来売却しやすいことが前提でした。
私の実家の最寄り駅は宮前平駅ですが、各駅停車駅です。急行停車駅である隣の鷺沼駅は再開発計画もあり、資産価値を見込めると思いました。生活利便性としても、魅力あるエリアだと思いました。また、これまで住んでいた賃貸マンションも最寄り駅は鷺沼駅でしたが、徒歩15分程度かかります。資産価値を意識すれば、徒歩10分以内で見つけたいと考えていました。
加えて、人気の学区内であることも絶対条件でした。通わせている保育園を気に入っていましたので、今後も通い続けたいと考えると、エリアはおのずと決まりました。

家探しを始めた当初は、3,000万円台の物件を探していました。「それ以上の物件は買える訳がない」と考えていたのです。中古マンションをチェックしていましたが、気に入る物件は中古でも4,000~5,000万円台のため手が届きそうにありませんでした。

―購入の決め手は?

ある日、思い立って分譲マンションのモデルルーム見学に行きました。中古マンションでも予算オーバーでしたから、新築マンションを購入できるとは全く思っていませんでした。「最新のマンションを見てみたい」という興味本位な気持ちで、購入を検討するというよりも、遊びに行く感覚で訪問したことを覚えています。
そこで出会ったFP(ファイナンシャル・プランナー)さんとの出会いが転機でした。「購入できますよ」と言われ、私たちの気持ちが一気に盛り上がった数日後、冷静な意見を聞くことができました。それまで、住宅ローンは夫1人の名義で契約する事しか考えていなかったのですが、ペアローン(夫婦それぞれが債務者となるローン契約)を組み、夫婦で返済する前提であれば、5,000万円台の物件も購入できるとアドバイスをもらい、視界が開けた想いでした。当初、私が育休から復帰して1年というタイミングでしたから、時短勤務でどの程度の収入が得られるか把握できていたことも大きかったですね。
見学したマンションは、神奈川県で多くのマンションを手掛けているデベロッパーで安心感がありましたし、今後賃貸に出すことになった場合「家賃保証システム」が利用でき、借り手が付かなくても毎月家賃を受け取ることができることも購入を後押ししました。

―住宅ローンについて教えて下さい。

住宅ローンは、夫が7割、私が3割のペアローン契約を結びました。FPさんからは「住宅ローン控除の恩恵をフルに受けるのであれば5:5でも良いのでは?」と提案されました。しかし、育休明け1年で「何とか仕事を続けることができそう」とは感じていたものの、時短勤務中ですし、子どもに何かあれば仕事を続けることが難しくなるかもしれません。万が一、今の仕事を辞めることになっても、パート勤務で返済できる程度の返済金額に抑えておくべきだと思いました。

―育休明け1年でも、住宅ローン審査は問題なく通りましたか?

住宅ローン審査はスムーズでした。実は、夫は行政書士、私は保育士の資格があります。夫婦ともに現在、資格を活かした仕事はしていないのですが、「国家資格を取得している=収入を確保できる」と判断していただいたようで、0.47%の変動金利で希望額の借り入れができました。FPさんから、フルに借り入れをした方が住宅ローン控除を目いっぱい受けることができて恩恵が大きいとアドバイスをいただいたこともあり、頭金は物件価格の端数43万円のみで、諸費用は別途200万円ほど用意しました。低い金利で借り入れできましたし、住宅ローン控除の恩恵もあるため、当面は繰り上げ返済などせず、少しずつ返済する予定です。
45歳で30年ローンを組みましたが、FPさんのプランによると65歳で雇用延長をして、退職金も利用して返済することになっています。頑張って働き続けるしかないですね(笑)。現在は、家計簿アプリとにらめっこする毎日です。今後、私の収入はどうなるか分からない状況ですが「もし生活が苦しくなったら、マイカーを手放してカーシェアを利用すればいい」とFPさんからアドバイスをいただき、気がラクになりました。息子に家を遺してあげたい気持ちが大きく、家の存在が心の支えになっています。

―マイホームの特徴は?

購入した新築マンションは、宮前平と鷺沼の間に位置し、坂が多い一帯の中では比較的フラットなエリアです。駐車場にアクセスしやすい2階の住戸を選びました。目の前に大きなマンションができて視界が遮られる状況は避けたいと思っていたのですが、バルコニーの先は鉄道会社の所有地ですから、よほどのことがなければ高い建物が建つリスクはないと思っています。

希望する学区内ですし、前居からはバスを利用してトータル20分ほどかかった保育園が、現在は子どもの足でも10分程度でアクセスできます。近くには大小様々な公園があり、遊び場には困りません。マンション内には、同じ保育園に通う子や歳の近い子が多く、子育て環境として恵まれています。
また、最寄り駅にも実家にも近くなりました。実家からバスで10分、徒歩を含めても20分ほどと行き来しやすくなったため、母が頻繁に遊びに来てくれるようになりました。息子と会うことで、元気になれるようで良かったです。駅に近く移動がラクになったことから、夫の母も毎週のように遊びに来てくれます。

―スペック面はいかがですか?

他の新築マンションを見たことがないため、設備面はこだわりがなかったのですが、有料・無料のオプションを選べるタイミングに購入できました。壁紙や床材、キッチンの棚、トイレ、浴室などの色を選ぶことができ、子どもが小さいため、床は傷が目立ちにくい色を選びました。キッチンや洗面台は、使いやすい高さでオーダーしています。リビングのドアには、子どもの気配を感じることができるようにスリットを入れました。また、有償オプションで、玄関に姿見や調湿作用や消臭効果があるアクセント壁材、洋服掛けを採用しています。子ども部屋や洗濯機の上部には棚を、キッチンには備え付けの食器棚を、リビングには夫が好きな絵を飾れるピクチャーレールを設置しました。照明は引っ越したその日から使えるように、リモコンのセッティングまで依頼しました。その他、西側の窓ガラスに紫外線防止フィルムを貼り、リビングのカーテンもオーダーしました。住み心地を高めるだけでなく、資産価値も意識してセレクトしています。オプションを決める際は母に同行してもらい、アドバイスをもらいながら決めました。その甲斐があって、上手に取捨選択できたと思います。

―新居での生活はいかがですか?

新居に引っ越してからまだ半年少々ですが、最新のキッチンはとても使いやすく、料理をするのがとても楽しくなりました。息子は現在3歳で目が離せないのですが、キッチンから子どもの様子を見守りやすい間取りで助かっています。また、今まで置くことができなかったピアノを、LDに隣接する洋室に設置しました。自分で弾きたくて運んだのですが、息子がとても興味を持っている様子。一緒に弾く日が来るかもしれませんね。

前居の賃貸マンションは快適と言えず、休日は家にいるより外に出かけることが多く、昼間は外食をすることが多かったのですが、引っ越してからは家で過ごすことが多くなりました。また、体調を崩すことが少なくなり、職場の同僚から「血色が良くなった」と言われます。今は家でのんびりと過ごす時間が、健康に導いてくれているのだと思います。

住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

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