【住宅購入体験談】新築マンション購入~7年で買い替えを決意したS さん

一生で一番高い買い物とも言われるマイホーム購入、みんなはどうしてる?

失敗したくない、購入後に後悔がないようにしたいマイホームの購入。気になる体験談を37歳の時に東武伊勢崎線沿線でマイホームを買い替えたSさん(女性)にお伺いしました。

―住宅を購入された経緯について、教えて下さい。

結婚した当初は、夫婦2人実家近くの賃貸アパートで暮らしていました。親からはずっと「家賃を払い続けるのはもったいない」と言われていたのですが、そんな折にバブルが崩壊し、マイホームの価格暴落が始まりました。現実的な価格のマンションが増えてきたことから、間取りと内装、加えて当時流行りのブランドシリーズであることに惹かれ、新築マンションをあまり何も考えずに購入してしまいました。

―住み心地はいかがでしたか?

子どもを授かってもいいように3LDKの間取りを選んだものの生活環境にまで考えが及ばず、線路にも県道にも近いため騒音が気になりました。当時は小学校までの距離なども気にしていませんでした。何より最寄り駅まで徒歩20分程度かかり、毎日の徒歩通勤が距離的に不満でした。

長女が生まれてからは、暴走族による騒音被害に悩まされる日々でした。娘が夜中に飛び起きてしまうことが何度もあり、3歳になった時に買い替えを決意しました。当時、実家の近くの保育所を利用していたのですが、保育所の先生に「今のお住まいだと学区が違うから、小学校に入学したら保育所の友達と離れ離れになってしまう」と言われたことも購入を後押ししました。

―2度目の住宅購入の条件は?

線路からも幹線道路からも離れた立地で更に小学校が近いという条件にしました。その結果、新居は2駅勤務先寄りの駅になりました。

―家探しの方法は?

インターネットの情報収集で条件に合うエリアにマンションが建つことがわかり、モデルルームと現地を見学しました。条件通りの新築物件が出ることはあまりないので、興味を持ちました。住宅マニアの妹から「過去に水害があったエリアかどうか調べた方がいい」と聞き調べたのですが、問題はなさそうだったので、購入を決めました。
考えてみれば、1度目の購入も今回も、立地を実家近くに限定していたために対象となる物件が限られ複数物件を見比べることはありませんでした。共働きのため一戸建てについては、防犯面やゴミ出しルール、メンテナンスなどの面に不安があり、検討しませんでした。

購入したマンションは8階建て。高所恐怖症なもので高層マンションには住みたくなかったのですが、3階以下は一戸建てと目線が合ってしまうため、4階以上を希望していました。はじめは6階の住戸を希望していましたが、抽選で外れて4階の角部屋を購入しました。前居は南西向きの角部屋で西日が暑かったため、今回は南東向きで良かったと思います。

―住宅ローンについて教えて下さい。

買い替えにあたり、前居を売却して資金を充てる必要がありました。購入を決めた新築マンションを販売する不動産会社が前居の売却も請け負ってくれたのですが、買い手探しは難航しました。気に入ってくれた人が現れても、その方の住宅ローン審査が通らず話が流れてしまったこともありました。新居の契約期限が迫り「もう買えないのかな」と諦めかけていたところ、最終的には新居を購入する不動産会社が買い取ってくれることになり、希望していた金額より多少低い価格ではありましたが許容範囲内の金額で売却できました。前居の住宅ローンを完済し、新居の頭金も十分に用意ができて良かったです。新居の住宅ローンは、販売会社から紹介された旧住宅金融公庫と、銀行から借り入れました。銀行分は後に、会社の労働組合を通じて借り換えるとともに、ボーナス払いありからなしに変更しました。
前居の住宅ローンも、順次繰り上げ返済を行っていました。買い替えたマンションも、何度か繰り上げ返済を行い、完済しています。

―購入した物件の特徴は?

買い替えたマンションは、エントランスに車寄せがあり雨の日の買い物帰りなど家族を先に降ろして荷物を運んでもらえるところが便利です。中庭があるので、娘たちが小さなうちは縄跳びなどして遊ばせることができたところも良かったです。マンション内に顔馴染みのお母さんも何人かいますし、娘たちもマンション内の友だちとよく遊んでいました。
間取りは、前居よりも部屋数が1つ増えて4LDKになりました。風通しがよく、窓を開けていればとても快適に過ごせます。キッチンに窓があるところもお気に入りですね。午前中は電気を付けなくても調理ができます。ベランダも広くて、スロップシンクが付いているところも良かったです。娘たちが小さい頃は、小さなプールを出して遊ばせたり、お花に水をあげたりと重宝しました。
残念なのが、床暖房を設置できなかったことです。オプション扱いだったのですが、前居が売却できなかった場合にキャンセル料が発生するリスクがあったため、申し込むことができなかったのです。現在はホットカーペットで代用していますが、床暖房のある家に行くとかなり暖かく感じますので、羨ましいです。「せめてリビングだけでも入れたかった」と思うことがあります。

―2度目の住宅購入から20年近く経つそうですが、その間にリフォームは?

キッチンにビルトイン食洗機を設置すれば良かったのですが、後から置き型を購入したために、キッチンの窓を塞いでしまい、スペース的にも窮屈になりました。また、節水型トイレを選んだところ、1回で流れないことが多くストレスを感じていました。キッチン自体も経年劣化が目立つようになり、給湯器もそろそろ寿命でした。東日本大震災の際に吊戸棚の一部が開かなくなり、無理に開けて壊してしまったことをきっかけに、数年前にキッチンのリフォームを実施し、合わせてトイレも交換しました。
キッチンの壁は、拭き掃除しやすいようフラットに仕上げてもらいました。新調したシステムキッチンにはビルトイン食洗機を入れました。同シリーズの食器棚は、地震などの際に中身が飛び出さないよう引き戸タイプを選択しました。色は迷いましたが、リフォーム業者の意見などを参考にして汚れが目立ちにくいと感じたモスグリーンで統一しています。

―リフォーム後の生活はいかがですか?

新しいキッチンの使い勝手は良好です。身長に合わせてキッチンの高さを標準より少し低めに設定してもらったので、フライパン調理などがしやすくなりました。両手が塞がっていても足で蹴って水栓を操作できるフットスイッチを採用したことは大きなポイントで、たいへん便利です。また、以前は食洗器で隠れていた窓から自然光が入るようになり「こんなに明るかったのか!」と驚くこともあります(笑) トイレもストレスフリーになりました。ただし、せっかく設けた手洗いスペースは水はねを気にしてあまり使わず、洗面室で手を洗っています(笑)。
次は、浴室と洗面室をリフォームしたいですね。2人の娘は現在18歳と22歳になりました。朝は大人3人が洗面台に立つこともあり、正直窮屈です。今にして思うと、前居は洗面室が広くて、その点は良かったなと思います。

―マイホームでの暮らしはいかがですか?

新居のまわりには公園が多く、娘たちが小さな頃は重宝しました。家の窓から見えるほどに小学校が近く、中学校も歩いて5~6分という環境も良かったです。また、引越し後すぐそばに2軒のスーパーができました。同じようにマンションが建つ可能性が高いと思っていたので、とても嬉しかったです。他にはドラッグストアもあり、生活環境としてはとても恵まれています。ただし、当初は周辺の街灯が少なかったため、夜に出歩くのは少し怖かったです。18年住んでいる間に開発が進み、周りにたくさんの店ができましたので今ではそうした心配はありません。マンションの価格も、ほとんど落ちていないようです。

―2度の住宅購入を振り返って思うことは?

一度目の新築マンションを購入した時は「家賃を払い続けるのがもったいない」という想いだけで選択し、住みやすい立地条件や、共働きのまま子どもを育てる可能性などを考えていませんでした。先々のライフスタイルを見据え、購入条件をしっかり決めてから探すべきだったと思います。一度目の失敗がなければ、もう少し住まいにかけられる金額を多くできたのかもしれません。
現在の住まいは85平米ですが、玄関や洗面室、個々の居室が小さめで「100平米以上の家に住みたい」と思うことがあります。ただし、周辺エリアで条件に合う物件を見たことがありませんので、今後もこの家で暮らし続けると思います。

住宅ライター 斎藤 若菜
住宅ライター 斎藤 若菜

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。

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