スロップシンクをご存じですか?泥だらけのスニーカーや衣服、掃除を終えた後の道具など「早く洗いたいけれども、洗面台や浴室で洗うことに少し抵抗がある」ということはありませんか?
汚れ物をジャブジャブと洗うのに最適なのが「スロップシンク」です。スロップシンクは屋外に設置するケースと、家の中に設置するケースがありますが、希望する用途に合わせて最適な場所に設置することで、より有効に利用できます。スロップシンクにはどのような特徴があるのか、メリットやデメリットとともに、設置する際の注意点も解説します。
目次
1.スロップシンクとは?
2.スロップシンクを設けるメリット・デメリット
3.新築時にスロップシンクを設置する際のポイント
4.スロップシンク まとめ
スロップシンクとは?
株式会社サンワカンパニーの深型のスロップシンク「アクレッタ」の詳細はこちら
スロップ(slop)は英語で汚水を意味します。「スロップシンク」とは、汚れ物を洗うためのシンク(流し)のことです。汚れ物だけでなく、大きく洗いづらい物を洗うにも最適で、一般的に大きめなサイズで深さがあることが特徴です。間取り図に「SK」と表記されることもあります。
スロップシンクを設けるメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
汚れ物や大きなものを洗いやすい 漬け置きに便利 植物の水やりやペットを洗うにも最適 |
ある程度のスペースが必要 洗面台と比べて種類が少ない オーバーフローがない製品が多い |
キャンプ用品や泥付き野菜などを洗う際、あると便利なスロップシンクですが、設置する際にはメリットだけでなくデメリットもあります。どのような特徴があるのか見ていきましょう。
スロップシンクを設けるメリット1―汚れ物や大きなものを洗いやすい
ぞうきんやモップといった掃除道具や園芸用品、アウトドア用品、汚れた靴や衣服などの汚れ物を洗う際、スロップシンクがあると便利です。学校に通う子どもがいる家庭では、絵の具や墨汁が付着した筆や給食を食べこぼした服、あちこち走り回って汚れた上履きなど、汚れ物を洗う機会が頻繁に訪れるので、より重宝するでしょう。
自家菜園で採れた野菜など、泥付きの野菜をキッチンで洗おうとすると泥が飛び散ってしまうこともありますね。大根などの大きな野菜を丸ごと洗うのも大変です。深さがあるスロップシンクがあれば、問題なく洗えます。また、アウトドアが好きな人であればバーベキューグリルやクーラーボックスなど大きな道具を洗う際にも、スロップシンクが活躍します。
スロップシンクを設けるメリット2―漬け置きに便利
汚れのひどい靴や衣服、油で汚れたガスコンロやレンジフードなど、長時間の漬け置き洗いをする際にも、スロップシンクを活用しましょう。深さがあるので大型の換気扇などもすっぽりとシンク内に収まります。キッチンのシンクや洗面台で漬け置きをしてしまうと、その間は調理や手洗いができなくなってしまいますが、スロップシンクであれば漬け置き時間を気にする必要もありません。
スロップシンクを設けるメリット3―植物の水やりやペットを洗うにも最適
スロップシンクを屋外やバルコニーに設けた場合、庭の水やりがしやすくなります。もちろん、収穫した野菜やそのために使用した園芸用品、長靴なども洗えるので、汚れを落としてから家に入りたい、きれいにした物を家に持ち込みたいという人にもおすすめです。
また、ペットを飼っている人であれば、散歩帰りにペットの足を洗う、シャンプーをするといった用途にも最適です。毛が抜けたり、水滴が飛び散ったりしても気にせずに洗えます。シャンプーをする前提であれば、お湯も出るようにしておくと良いでしょう。
スロップシンクを設けるデメリット1―ある程度のスペースが必要
キッチンのシンクや洗面室の洗面ボウルにプラスしてスロップシンクを設置するということは、そのためのスペースが必要になるということです、特に室内への設置を考えている場合、他のスペースを削らなければならない可能性も。優先順位を見極めて、スロップシンクが本当に必要なのか検討しましょう。
スロップシンクを設けるデメリット2―洗面台と比べて種類が少ない
株式会社サンワカンパニーの深型のスロップシンク「アクレッタ」の詳細はこちら
スロップシンクは洗面ボウルと比べると種類が圧倒的に少なく、デザインは基本的にシンプルです。「室内の雰囲気に合う製品を選びたい」と考えている方には、やや物足りないと感じるかもしれません。とはいえ、最近はおしゃれなスロップシンクも販売されるようになりましたし、TOTOのスロップシンクは「実験用シンク」「病院用シンク」の愛称で親しまれ、根強い人気があるので、用途と好みに合う製品があるか調べてみましょう。
スロップシンクを設けるデメリット3―オーバーフローがない製品が多い
洗面ボウルの栓を閉めて水を溜めているとき、水があふれることなく自動的に排水されるように穴が開いています。この穴が「オーバーフロー」です。スロップシンクにはオーバーフローのない製品が多く、水を出しっぱなしにしたままその場を離れてしまうと、水があふれてしまいます。水を出している間はその場を離れないようにしましょう。
新築時にスロップシンクを設置する際のポイント
スロップシンクは後付けも不可能ではありませんが、配管工事が必要なので、新築するタイミングでの設置がおすすめです。特に、一戸建ての新築時であれば、バルコニーや勝手口への設置など選択肢の幅が広く、用途に合わせてベストな位置に設置できます。新築時にスロップシンクを設置するなら注意したいポイントを解説します。
スロップシンク設置のポイント1―設置場所を考える
スロップシンクは、使用する目的によりベストな設置場所が変わります。
例えば、庭やバルコニーなど外に設置すれば、日々の水やりに重宝しますし、散歩から戻ったペットを洗うのもラクです。ウッドデッキなどを設け、家でBBQなどをするのであれば、外にスロップシンクがあることでバーベキューコンロなどを洗いやすくなります。
外で目立たないように設置したい場合は、勝手口近くがおすすめです。家庭菜園をしていて野菜を洗うことが多いのであれば、洗った野菜を直接キッチンに運びやすく、より使いやすいでしょう。また、洗った靴や洗濯物を外に干す際も、動線を短縮できます。
室内に設置するのであれば、帰宅してすぐに手洗いができるように玄関の近くに設置するのも手です。勝手口近くに設置する場合と同様の使い方ができますが、目に触れやすい場所のため、デザインにこだわるか、仕切りや扉で隠す工夫をしたいところです。
ガレージがあり、車やバイクのメンテナンスをするのが好きな方であれば、ガレージ内にスロップシンクを設置しても良いでしょう。オイルで汚れた手を洗う際などに役立ちます。
また、洗濯機の隣に設置すれば、汚れ物の洗濯をする前に衣類の漬け置き洗いがしやすくなります。
スロップシンク設置のポイント2―目的に合わせた機能を備える
株式会社サンワカンパニーの深型のスロップシンク「アクレッタ」の詳細はこちら
庭の水やり用であれば不要ですが、漬け置きなどの用途でスロップシンクを設置するのであれば、水だけでなくお湯も出せる方が便利です。また、目的に合わせて幅や深さをチェックしましょう。大きな物を洗う予定があるのであれば、サイズを確認して選びます。合うサイズがなければ、特注で造作することもできます。スロップシンクを設置する周辺の水ハネ対策も大切です。泥汚れや絵の具、墨汁などの汚れを落とすことが多いのであれば、周囲の床や壁には耐水性があり拭き取り掃除がしやすい素材を選びましょう。
屋外に設置する場合は、凍結対策も必要です。寒冷地はもちろん、それ以外のエリアでも冬季に気温が下がることがあります。水栓の凍結・破損による故障がないよう、水抜栓や不凍水栓柱があると、いざというときに対応しやすくなります。
スロップシンク まとめ
スロップシンクがあれば、汚れ物や大きな物を洗ったり、漬け置きをしたり、庭の水やりをしたりとさまざまな用途で活用できます。アウトドアが好きな方、お子さんがいる方、野菜などを育てている方にはとても便利でしょう。ただし、スロップシンクを設置する場所によって使い勝手が変わりますし、プラスアルファでスペースを確保する必要があり、狭小地の場合は設置が難しいこともあります。どのような目的で使用したいのか、そのためにはどこにどのようなサイズのスロップシンクを設置すべきなのか確認した上で設置を検討してください。
お子さんがいる方はこちらの記事も参考にしてください。
子どもを育てる家を建てるなら考えたい「子育てがしやすい間取り」。3つのポイントを解説
ウッドデッキは必要?ガーデニングの楽しみ方は?プロに教わる「子どもが喜ぶ庭づくり」
教育指導専門家が教える!幼児期の子どもを“勉強嫌いにさせない”ためのアドバイス
「非認知能力」とは?自然遊びで子どもの「非認知能力」を育む方法を専門家が解説