マイホーム購入時、最寄り駅からの距離は気にする? 駅近のメリットやコロナ禍の影響を解説

マイホームの購入を検討するにあたり、立地の選定は重要なポイントのひとつです。近隣に商業施設があるか、子どもが通う学校は近いか、近隣状況による日当たりなども気になるでしょう。なかでも、毎日の通勤や通学に大きく影響するのが「最寄り駅からの距離」ではないでしょうか。最寄り駅に近い家のメリット・デメリットや「駅近」とは駅から徒歩何分程度なのかの目安、コロナ禍を経て考える家と駅の距離についてまとめました。

「最寄り駅から徒歩1分」とは、どのくらいの距離を指す?

「最寄り駅から徒歩1分」とは、どのくらいの距離を指す?

検討している住宅から最寄り駅までの徒歩分数を気にしている方は、物件広告に記載されている徒歩分数を見て判断することが多いでしょう。では「徒歩1分」というと、どの程度の距離を意味するのでしょうか。

「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」によると、道路距離80メートルにつき徒歩1分の時間がかかるものとして算出すると定めています。端数は切り上げとなるので、例えば道路距離が81メートルの物件は「徒歩2分」と表示されます。また、信号や踏切を待つタイムロス、階段や坂道などで歩くスピードが落ちてしまう可能性などは考慮しておらず、実際には表示時間より少し余分に時間が必要なケースもあります。

駅近の家で暮らすメリット・デメリット

駅近の家で暮らすメリット・デメリット
メリット デメリット
毎日の通勤・通学がラク 騒音に悩まされることがある
各種店舗や施設が揃っている傾向 高い建物が近いと日当たりに影響する
夜道を帰宅するリスクが低い 今後、高層の建物が建つ可能性がある
資産価値が高く評価される傾向にある 物件価格が高騰する傾向
駅から近いマイホーム

家から最寄り駅までの徒歩分数が短ければ短いほど、毎日の通勤・通学がラクになります。悪天候の日には、駅が近いことをありがたく感じるのではないでしょうか。
また、駅前には一般的にスーパーや金融機関、各種公共施設など生活に欠かせない店舗や施設が揃っているので、日常生活を送る上でも便利です。
女性にとっては「駅から家まで安心して移動できるか」というポイントも大切ではないでしょうか。人気のない夜道をひとりで歩くのが怖いと感じるのであれば、駅前の喧騒から離れず、街灯が多く設置されている道を通り、短い距離で帰宅できる環境は安心です。
さらに、最寄り駅に近い家は資産価値が高く評価される傾向にあります。将来、購入した家を売却することになっても、一定の売却益を見込めるでしょう。

最寄り駅に近い物件のメリットは多いですが、デメリットもあります。駅に近い立地は便利ですが「歓楽街が近い」「線路が近い」「道路の交通量が多い」といった理由で騒音に悩まされることがあるかもしれません。落ち着いた環境で静かに暮らすことを優先するのであれば、最寄り駅からある程度離れた物件を探すと良いでしょう。
また、駅周辺は高層の建物が近くに建っている可能性が高く、日当たりに影響するかもしれません
現在は近くに高い建物がなくても、好立地であればあるほど、タワーマンションやビルなどの高層の建物がこれから建つ可能性が高いことも念頭に置く必要があります。特に、再開発計画があるエリアの場合は要注意です。用途地域に応じて建てることができる建物の高さの上限が決まりますので、事前に確認をしましょう。
そして、最寄り駅に近いほどに物件価格が高騰する傾向にあります。限られた予算で住宅購入を考える際、最寄り駅に近いという条件を優先させることで、広さなど他の希望・条件を諦めることになるかもしれません。

【コロナ前】「駅近」のイメージは徒歩8.2分。住むなら駅まで徒歩10分が希望?

「駅近」は駅から徒歩何分まで?
リビンマッチ調べ/「駅近は徒歩何分までか」に関する調査

リビン・テクノロジーズ株式会社が実施した調査によると「駅近だと感じるのは徒歩何分までか」という質問に対し、「徒歩10分」が最多で31.1%、次いで「徒歩5分」が25.0%と回答者の半数を超え、平均は8.2分でした。その一方で、「徒歩16分以上」でも駅近だと回答した人も10.0%という結果になりました。

住むなら駅から徒歩何分までが許容範囲?
リビンマッチ調べ/「駅近は徒歩何分までか」に関する調査

続いて「住むなら駅から徒歩何分までが許容範囲か」についても質問をしたところ、「徒歩10分」が最も多く40.0%、次いで「徒歩15分」が23.9%、「徒歩5分」が12.2%、「徒歩16分以上」が7.8%と続き、平均は10.2分でした。「駅近=徒歩圏内」と認識している方が多いと考えられます。

「駅近は徒歩何分までか」に関する調査の詳細はこちら

【コロナ後】最寄り駅までの距離よりも、広さを優先させる傾向に

住まいについて広さと駅からの距離の重視傾向
リクルート住まいカンパニー調べ/「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」をもとに作成

前述の調査は2019年に実施されたもので、新型コロナウイルスの感染拡大よりも前の結果です。2020年以降、テレワークの普及などにより私たちの生活や意識が大きく変化しましたが、家から最寄り駅までの距離に関する認識も変わったのでしょうか。
株式会社リクルート住まいカンパニーが実施した「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」によると、「駅からの距離」と「広さ」のどちらを重視するか、2019年12月と2020年9月のそれぞれに聞いたところ、駅からの距離を重視する方が、首都圏では40%から29%、関西圏では40%から30%とそれぞれ減少。駅からの距離よりも広さを重視したいと考える方の増加がうかがえます。

「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」の詳細はこちら

まとめ

コロナ禍に見舞われる以前、家から駅までの徒歩分数で許容できる平均的な時間は10分程度でした。しかし、在宅勤務を導入する企業が増え、家で仕事をする働き方が珍しくなくなった今、最寄り駅までの徒歩分数よりも、家の広さを優先する方が増えています。例えば、最寄り駅まで徒歩15分の家は「少し不便」と感じていた方も、毎日電車通勤をするのでなければ許容できるかもしれません。最寄り駅から少し離れることにより、予算内で住環境や広さといった他の希望を叶えることができる可能性も高くなるでしょう。
住宅購入を検討している方は、これからの生活を想像しながら優先順位を考えてみてはいかがでしょうか。

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