一戸建てならではの憧れのサンルームのある暮らし。利用方法やタイプとメリット・デメリットを解説

自然光をいっぱいに取り入れるため、ガラスなどの屋根や壁に囲まれた空間「サンルーム」。一戸建てならではの設備です。陽だまりやガーデニングを楽しんだり、子どもの遊び場や花粉対策の洗濯物干し場など様々な用途で利用できますが、おしゃれな空間に憧れている方もいれば「必要か不要か」「どこにどの程度の広さで設けるか」など悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、サンルームの用途や設置するメリットやデメリットを解説します。

目次
1. サンルームの利用方法
2. サンルームにもタイプがある?テラス囲いとガーデンルーム、サンルームの違いは?
3. サンルームを設置するメリット・デメリット
4. サンルームについてまとめ

サンルームの利用方法

洗濯物を干す

サンルームの洗濯物干し場

サンルームの利用方法として多くの人が思い浮かべるのは「洗濯物を干すスペース」ではないでしょうか。ガラス張りのため日当たりがよく洗濯物が乾きやすく、屋根があるので天候を問わずに干すことができます。布団を天日干しするにもぴったりです。コンセントがあれば、除湿機や扇風機、サーキュレーターを使用することで乾きやすくすることもできます。
室内干しスペースとしての利用頻度に応じて、常設の物干し竿を設置するか、使用するときだけ取り付けができるタイプにするか決めるとよいでしょう。

ガーデニング

サンルームのガーデニング

温室のように暖かな空間ですから、植物を育てるのにも向いています。寒さに弱い植物を育てたり、悪天候時に外置きの植物を避難させたり、植物を育てることが得意でない場合は、少ない水で育つエアプランツなど簡単なものから始めてみましょう。ガーデニングを意識してサンルームを設ける場合、水に強く土汚れを落としやすい床材にすると、管理がラクになります。

リビング・ダイニングとひと続き

リビング・ダイニング続きのサンルーム

リビング・ダイニングの延長線上の空間としてサンルームを設置すれば、日当たりがいい大空間ができあがりです。イスとテーブルを出して外気分で食事をしたり、子どもを遊ばせたり、ペットと過ごしたりと多目的に使えます。この場合、リビング・ダイニングとサンルームの床の高さを揃えると、より一体感のある空間として活用できます。

サンルームにもタイプがある?テラス囲いとガーデンルーム、サンルームの違いは?

サンルームを検討する中で「ガーデンルーム」「テラス囲い」という言葉を見聞きした方もいるのではないでしょうか。開口部が大きく庭と繋がっている場合は「ガーデンルーム」と呼ばれることが多く、庭の緑を間近に感じることができます。「テラス囲い」とはその名の通り、テラスの周囲をガラスなどで覆った空間を意味します。 サンルームよりも簡易的なので短期間に施工でき、サンルームと比べて価格も抑えめです。部屋として利用するというよりも、洗濯物を干すことなどが主目的の場合に重宝します。

サンルーム「ソラリア」

YKK AP株式会社のテラス囲い「ソラリア」詳細はこちら

サンルームを設置するメリット・デメリット

サンルーム設置のメリット・デメリット

メリット デメリット
・明るく開放的な空間で過ごせる
・天候に左右されず、外気に触れることなく洗濯物を干せる
・隣接する部屋が外気の影響を受けにくくなる
・固定資産税の課税対象になることが多い
・防犯対策やプライバシーを守る対策が必要
・メンテナンスの手間がかかる
サンルームのメリットとデメリット

サンルームは生活に必ずしも必要な空間ではないかもしれませんが、あればさまざまな用途で利用できます。サンルームには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

サンルーム設置のメリット

サンルームを設置するメリットとして、まずは明るさや開放感が挙げられます。太陽の光を取り入れることを前提に作られた空間なので、家の中にいながら日向ぼっこができます。昼寝をしたり、読書をしたり、優雅にお茶を楽しんだり、くつろぎのひとときを過ごせます。ヨガなどをするにも、子どもを見守りながら安全に遊ばせるにも最適です。

サンルームで「洗濯物を干したい」と思っている方が多いと思います。天候に左右されず、外気に触れることなく干せることは大きな魅力です。雨などに濡れるリスクを回避するだけでなく、花粉や排気ガス、PM2.5などに晒される心配もありません。

サンルームは、家の中と外をゆるやかに繋ぎ、緩衝帯のような役割を果たします。リビング・ダイニングに隣接するようにサンルームを設ければ、夏は直射日光をやわらげ、冬は冷気が入ることを防ぎやすいでしょう。隣接する部屋が外気の影響を受けにくくなり、断熱効果が高まる結果、冷暖房効率アップに繋がります。

サンルーム設置のデメリット

デメリットとしては、固定資産税の課税対象となることが多い点が挙げられます。庭の一部のように考えてしまいがちなサンルームですが、屋根や3方向以上の壁に囲まれ「外気分断性」がある=家屋であると判断されるケースがほとんどです。後からサンルームを増築する場合は、建ぺい率を超えていないか確認の上で施工し、完成後は登記の変更申請を忘れないようにしましょう。

また、立地条件によっては周囲からの視線が気になるかもしれません。ガラス張りの空間は開放的ですが、隣家が近い場合、防犯対策やプライバシーを守る対策が必要です。ガラスに防犯フィルムを貼る、ルーバーなどを設置するなど、ちょっとした工夫が安心に繋がります。洗濯物を干す場合は、大きなタオルなどで目隠しをして、下着などが見えないようにするなど配慮しましょう。

全面ガラス張りのサンルームはおしゃれですが、汚れが目立ちます。定期的に掃除をしたいところですが、天井のガラスを自力で拭くことはなかなか難しいでしょう。高圧洗浄機を使うと便利ですが、防水処理を施したコーキング部などを傷つけると雨漏りの原因になります。汚れが落ちなければ無理をせず、プロに依頼することも検討しつつ、定期的にメンテナンスをするよう心がけましょう。

サンルームの用途やタイプとメリット・デメリットのまとめ

おしゃれなサンルームのある暮らしに憧れるものの「増築に踏み切れない」「ウッドデッキで十分なのでは?」など、二の足を踏んでいる方が多いのではないでしょうか。サンルームを新設するとなると、一般的には100万円単位の費用がかかりますから、気軽に取り入れることは難しいかもしれません。 しかし、コロナ禍で外出がままならない現在、サンルームがあれば家事がラクになり、家の中で今まで以上にくつろげるようになるでしょう。家族でどんな生活を送りたいのか思い浮かべながら、サンルームの設置を検討してみてはいかがでしょうか。

サンルームのある間取り例をご覧になりたい方はこちらの記事をご覧ください。
注文住宅・ローコスト住宅を検討中の方は必見! プロが教える間取りづくりの極意

洗濯物の部屋干しが気になる方はこちらの記事をご覧ください。
女性一級建築士が解説!家事を楽にする間取りと室内干しに適したお家づくりのポイント

室内でのガーデニングに始めやすい水耕栽培を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
土を使わずに水だけで育つ! ガーデニングのプロが勧める「観葉植物の育て方」と「水耕栽培」

新築一戸建て注文住宅購入者へのインタビュー

新築一戸建て注文住宅購入者のインタビュー記事