理科は面白い!楽しみながら学ぶ理科の実験教室 倉橋先生の成績が上がる理科の勉強方法アドバイス

お子様の学年が上がるにつれて、学習面が心配になる親御さんは少なくないでしょう。なかでも小学校の理科に関しては、子どもたち自身も「わからない」「難しい」「成績が上がらない」「好きになれない」と悩むケースが多々あるそうです。しかし、理科実験教室「サイエンス・ラボ」代表の倉橋修先生によると、理科の勉強を好きになり成績を上げるきっかけは身の回りに隠れているとのこと。いったいどういうことなのでしょうか? 「小学6年間の理科が面白いほど解ける65のルール」の著者でもある倉橋先生に、理科を楽しみながら学ぶためのポイントを伺いました。子どもを理科嫌いにさせないための理科の勉強方法に関するアドバイス、中学受験合格につながる理科の成績アップ法、理科がもっと好きになるマニア化のポイントなどもご紹介します。

理科 教育のプロ・倉橋修のプロフィール/中学受験理科
倉橋修 プロフィール
サイエンス・ラボ 代表


名古屋市で小学生を対象とした実験教室サイエンス・ラボを主宰。
慶応義塾大学卒。一般企業で勤務した後、約25年間、河合塾で理科を教え、独立。中日新聞「こどもウィークリー」の理科ワンダーランドを2013年まで執筆。
YouTubeで、理科の実験と授業を融合させた動画を配信中。視聴回数1,100万回、チャンネル登録者52,000名。多くの中学受験生の理科勉強のバイブル動画になっている。現在は、オンラインでも理科教室を開催。理科の全単元を実験動画にし、中学受験の理科勉強を短時間で楽しくできるようにしている。

サイエンス・ラボ:http://science-labo.com/

実験教室「サイエンス・ラボ」代表の倉橋修です。私が理科を教えるようになったのは、大手進学塾の講師時代に担当したのがきっかけでした。それまで理科の指導経験はなく、あまり好きではない教科でしたが、やらざるを得ない状況だったんですね。しかし、授業をするうちにだんだんと理科の面白さに気付き、「どうやったら子どもたちが理科を好きになるか? 理科の面白さに気付けるようになるか?」を考えるようになりました。その後、理科の実験教室を開校し、子どもたちを見ているうちに、どうやったら学校で理科の成績が上がるのかもわかってきたんです。今回はこれまでの私の経験をもとに、小学校の理科の成績がアップする勉強方法や中学受験に向けての理科対策、そして理科の面白さをお伝えしていきたいと思います。

目次
1.倉橋先生に聞く!子どもが理科を好きになるアドバイス
2.倉橋先生直伝! 中学受験合格につながる理科の成績が上がる勉強方法
3.実験や観察の体験で理科の面白さを学ぶ! “マニア化”のススメ
4.親子で「好き」を育んでマニアになる! 子どもに寄り添う親のサポート法とは?
5.楽しみながら学ぶ理科の実験教室 倉橋先生の成績が上がる理科の勉強アドバイス まとめ

倉橋先生に聞く! 子どもが理科を好きになるアドバイス

倉橋先生に聞く! 子どもが理科を好きになるアドバイス

お子様は、どんな風に理科の勉強をしていますか? 学校では教科書を中心に座学で学んでいると思います。ときどき薬品や道具を使って実験したり、植物などを観察したりすることもあるでしょう。しかし、理科の教科書に記載されている内容すべてを、実物を見ながら学ぶわけではありませんよね。ひと言で理科と言っても、化学や物理の実験をはじめ、生物や天体、地質など学ぶことがたくさん。理科は勉強する範囲がとても広いのです。実際に見たことがないものを、教科書だけで片っ端から覚えるのには無理があると思いませんか?

私は「いくら勉強しても理科の成績が上がらない」と悩む子どもを多く見てきましたが、そのほとんどは教科書や黒板授業などの“活字”で勉強しています。大人でも、新製品の機械を渡されて「マニュアルだけを読んですぐ使えるようにしなさい」、さらに「説明できるようにしなさい」と言われたらどうでしょうか。これでは好きになるどころか、悪戦苦闘した挙句、嫌になってしまうでしょう。

理科が得意になるポイントは「見る」「体験する」「考える」

理科が得意になるポイントは「見る」「体験する」「考える」

理科が得意になるポイントは、“実物に触れる”ことです。活字や挿し絵だけの情報ではイメージがぼんやりして、深く学ぼうにも限界があります。理科を学ぶには、実物を見て、自分の手を動かして、なぜこうなるのかを考えることが大切です。どんなものかを知ったうえで理科の教科書を見るのと、知らずに見るのとでは違いは明らか。実際に体験や理科の実験をするのが難しければ、せめて理科の実験や観察を疑似的に体験できる動画を見てイメージを膨らませましょう。YouTubeなどには、理科に関わることを学べる優れた動画がありますから、うまく活用すると良いですね。私もいろいろな理科の実験動画をYouTubeで配信しているので、苦手な単元や気になる実験などがあれば、ぜひご覧ください。実物のイメージをはっきりさせてから教科書を開くと、理科を楽しく深く、しかも短時間で学べるようになることでしょう。

倉橋先生の理科実験動画はコチラから

倉橋先生直伝! 中学受験合格につながる理科の成績が上がる勉強方法

倉橋先生直伝! 中学受験合格につながる理科の成績が上がる勉強方法

実物を見て頭の中にイメージできるようになれば、理科が好きでなくとも小学校の成績は上がります。しかし、私の生徒のなかには「理科のテストで高得点は取れるけど、わかった気がしない」という子どももいるんです。そういう子は、机上では理解できても本質的には納得できていないように思いますね。

私たち人間は、面白いと感じたら夢中になります。夢中になると「もっと知りたい」「理解したい」と、好奇心や探究心が生まれます。これは理科の学習でも同じことです。面白いと感じると、「なぜ? どうして?」と謎を解き明かしたくなってくる。そして、自分の目と手で確かめながら謎を解明すると、理屈がすんなりと頭に入ってきて、教科書の内容も理解できるようになる。その結果、おのずと成績はアップして自信へとつながり、やがて理科が大得意になっていくわけです。このサイクルを意識して、私は授業をしていますね。理科のテストの点数は取れるのにわかった気がしない、自信が持てない子は、理科の実験や観察などを通じて、“実物に触れる”ことから始めてみましょう。

理科は暗記科目じゃない!? 実際に触れて“脳と手”をつなげよう

理科は暗記科目じゃない!? 実際に触れて“脳と手”をつなげよう

「理科は暗記科目だ」と言う先生もいます。しかし、私は子どもたちに「覚えましょう」とは言いません。理科は“理屈の教科”だからです。たとえば植物の名前やつくりの名称は、しっかりとした由来のあるものが多く、その理屈を知って納得できれば記憶に残りやすくなります。無理に覚えようとするのではなく、実物を自分の目で観察し、手で触ったり動かしたりしたうえでの“納得と理解”が理科の勉強には必要なんですね。

実は、私も理科を教えるようになるまでは実験をしたことがなかったんです。実際に理科の実験をやってみると、頭では理解しているのにまったく手がついてこなくて、「何をやっているんだろう……」という失敗をたくさんしました。当時は情けなくて泣けてきた覚えがあります(笑)。

私のような大人でも、実際にやってみないとわからないことだらけなのですから、子どもたちには夏休みのような長期休暇を利用して、たくさんの理科実験や観察をしてほしいですね。特別なことをするのが難しく場合は、身の回りにあるものに着目してみましょう。たとえば料理中に調味料などを計量したり、水に食塩を溶かしたりするのも理科の実験ですし、散歩をしながら虫や草花を注意深く見るのは理科の観察です。日常のなかに理科の要素は隠れていますので、親子で楽しみながら探しつつ、実際に体験してみてくださいね。

実験や観察を通じて理科の面白さを学ぶ! “マニア化”のススメ

実験や観察を通じて理科の面白さを学ぶ! “マニア化”のススメ

一般的に学校での勉強は、全教科まんべんなく点数をとれるように、広く浅い教え方をしがちです。しかし私は、何かひとつのことにこだわって追求する学びも大切だと思うんですよ。これまでたくさんの子どもたちを見てきましたが、面白いと感じるものに出会って、どんどんのめり込んで学べる子……いわゆる“マニア”な子は、結果的に学力全般が伸びる傾向にありました。「もっと知りたい、学びたい」という対象があると、世界の見え方が変わって、より日常が充実するからだと思います。

果物の断面を観察してみよう

私の教室にも、果物の断面観察がきっかけで果物マニアになって、今でも研究を続けている子がいます。普段何気なく食べているりんごやミカン。それら果物の種の付き方や構造には共通点があります。その共通点をもとに現在の姿になるまで、どのように進化したのかを研究しているのだとか。長野旅行のお土産にりんごのドライフルーツを持ってきてくれて、果物について熱く語っていたこともありました。

私の教室では小学校や中学受験に出てくる理科実験と観察をすべてやりますから、マニアになるきっかけは多いと思います。ほかにも昆虫マニア、石マニア、星座マニアなどなど、大人顔負けの知識を持つ子がたくさんいるんですよ。小学生のうちは、たとえ全教科が得意にならなくても、何かひとつ熱心に追求できるものがあると、勉強も日常生活も面白くなっていくはず。そして、好奇心と探究心を刺激し、マニアのように追求したくなるものと出会いやすいのが、理科というわけです。

理科は面白い謎解きゲーム! ミステリーの世界を解き明かせ!!

理科は面白い謎解きゲーム! ミステリーの世界を解き明かせ! !

理科は、謎を解き明かしていくゲームやミステリー小説のようなものだと思っています。私たちの身の回りにある自然や現象は、とってもミステリアス。たとえばホコリを拡大鏡で見てみると、複雑な形をしていてすごく面白い。「なんでこんな形をしているんだろう?」「同じホコリでも場所によって形が違うのかな?」って感じで、どんどん疑問が湧いてきます。

私は何十年と理科を教えていますが、いまだにわからないことだらけ。「わかった!」と思っても、しばらくするとまた疑問が湧いてくるので、常に調べ物をしていますね(笑)。算数や数学を教えていた経験もありますが、理科は少し勝手が違います。数学の方程式のような型にハマらないと言いますか、知れば知るほど不思議なことばかりで、「わからない」をひとつずつ紐解いていくのが、たまらなく面白いですね。

でも、不思議を追及していくのが好きな子もいれば、苦手な子もいると思います。謎解きゲームやミステリー小説が好きな子は、理科を好きになりやすいかもしれません。たとえ苦手意識を持っていたとしても、自らの好奇心と探究心を刺激する何らかのテーマが、理科にはあるはずです。

実物に触れることができれば理科の成績は上がりますが、好きになるかは別問題。でも、理科を好きになり、“マニア”のように追求していける子はどんどん伸びていくんですよ。好奇心と探究心こそが理科だけでなくすべての学びを深めるためのポイントなので、親御さんは“子どものマニア化”のサポートも心掛けてみてください。

中学受験に役立つ! マニア化した子どもが持つ“一点集中の思考スキル”

中学受験に役立つ! マニア化した子どもが持つ“一点集中の思考スキル”

何かを夢中になって追求したという経験は、中学受験にも役立ちます。というのも、受験間際になって急に成績が伸びる生徒は、“マニア化”した子に多いからです。私の教室でも、ずっと伸び悩んでいたのに受験直前でグンと成績がアップし、難関校に合格した子がいました。その子はチョウチョのマニアでしたね。日常的にいろいろなチョウチョを追いかけて、採集・観察・標本づくりなどに没頭することで、集中力が養われたのでしょう。普段から好きなことに熱心に取り組める子は、集中のコツがわかっているんですね。これを私は“一点集中の思考スキル”と呼んでいます。ほかにもこのスキルを持つ子を何人も見ていますが、最初は興味のない勉強でも、いざやり始めると面白くなっていくようです。一点集中の思考スキルは、理科だけでなくほかの受験科目にも応用が効くので、中学受験の底力になるのはもちろん、大人になってからの強みにもなることでしょう。

親子で「好き」を育んでマニアになる! 子どもに寄り添う親のサポート法とは?

親子で「好き」を育んでマニアになる! 子どもに寄り添う親のサポート法とは?

子どもの「好き」を伸ばすには、どうしたら良いのか? サッカー選手やピアニスト、科学者など、その道のプロとして活躍する方に始めたきっかけを聞くと、自分の意志で決めたケースは少ないようです。親の勧め、兄弟の影響、友達がやっていてなんとなく……きっかけ自体はそんなもので、そこからだんだん楽しくなったという方が多いんですね。子どもは、いろいろなものに触れているうちに楽しいと思うものに出会います。私の生徒のなかにも、授業でやった星空観察が楽しくて宇宙を好きになり、大学で宇宙物理学を学んでいる子がいるんですよ。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉がある通り、何かに夢中になってマニア化することは、お子様の成長を促すうえで、大切なことだと考えています。親御さんは、お子様をしっかりと見守ってあげて、何に興味を示すのかを理解してあげましょう。そして、“興味を示したことを体験できる場づくり”をしていただきたいですね。ただし、先走らないように気を付けて、お子様がやりたいことを段階的にやってみてください。

親があれこれ準備しすぎると、子どもは受け身になってしまいます。加減は難しいですが、あくまでも子ども中心で、親がペースを合わせましょう。いろいろな体験をさせたいからと毎週のように予定を組む方もいますが、お子様の様子をよく見て、ゆっくりと自然に進めるのが一番だと思いますね。

安いものでOK! 好きを追及するための道具を揃える

学習を深めるきっかけとして好きを追及するための道具を揃える

お子様が「やりたい!」という意思表示をしたら、道具を揃えてあげましょう。理科でたとえると、砂や鉱物に興味を示したらデジタル顕微鏡がオススメです。砂を拡大するとバラバラになった鉱物が見えて面白いですし、水晶の成分が入っていると、とてもキレイなんですよ。3,000円ほどの安価なものでも、パソコンとつなげて楽しむことができます。

また、天体にハマったらぜひ小型望遠鏡を買ってみてほしいですね。1~2万円くらいでも木星の衛星を見ることができますから、高価な道具を揃えなくても十分に学びを深められますよ。とくに「ラプトル50」という望遠鏡は14,000円くらいで購入できて、性能も優秀です。

子どもの話を聞くことが「好き」を伸ばす

子どもの話を聞くことが「好き」を伸ばす

興味を持って取り組んだことは、誰かに話を聞いてもらいたくなります。マニアになるとなおさらです(笑)。この感覚は、大人も同じではないでしょうか? 話したいけれどマニアックすぎて友達にも話しにくい、なんてこともありますよね。でも、子どものマニアックな話はしっかりと聞いてあげましょう。自分の持つ知識を誰かに話すことで曖昧な点がはっきりしたり、次に調べたいことが出てきたりするからです。お子様の話には、「へぇ! そうなんだ」「すごいね」と関心を示すような相槌とともに聞いてあげることで、「好き」が加速し、何かを追及したいと思うマニアになるはずですよ。

楽しみながら学ぶ理科の実験教室 倉橋先生の理科の成績が上がるアドバイス まとめ

親の立場からすると、子どもにはどの単元もまんべんなく良い点数をとって欲しいですよね。でも、私の経験からすると、ひとつのことにこだわる子 = マニアになる子ほど成績が伸びます。興味を持ったことを深く掘り下げていくことで、いろいろな力が身に付いていくからです。思考力、集中力、リサーチ力、忍耐力、伝達力……勉強や仕事に大切な多くの力を養うことができるのがマニア化。そして、もっともマニアになるきっかけが多い教科が、理科なんだと思います。

理科が得意になるポイントは、まず“実物に触れる”ことです。そして、実物を見るだけでも理科の成績はそれなりに上げられますが、その一歩先にある「楽しい!」「好き!」という感覚にハマれば、能力は飛躍的に向上することでしょう。好きを極めようとすることで、人生が楽しくなると言っても過言ではありません。マニア化への第一歩として、お子様が興味を示したものの“実物”に触れたり、観察したりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

親子で自然観察を楽しもう!
プロ・ナチュラリストが教える河川敷&海の自然観察~原っぱや砂浜で五感を使った自然遊び

中学受験の最新事情&対策!勉強法・塾選び・親のサポート法を受験指導のプロが解説

旅育は中学受験に役立つ?旅を学びに変えるコツとオススメ世界遺産を旅育のプロが解説

家庭学習のプロがサポート方法を解説
家庭学習サポート専門家に聞く、小学生のやる気を引き出すオススメの学習法&教材

家相を取り入れた子ども部屋のつくり方とは?
開運につながる家相が良い家の間取りや建設時期を解説。集中力アップにつながる子ども部屋の方位は?