何かと忙しくなる12月、頭を悩まされることのひとつが大掃除ではないでしょうか。「普段はできない場所まで掃除しなきゃ」「お家をピカピカにして新年を迎えたい」……そんな思いはありつつも、やはり負担に感じてしまうものです。それならば、思い切って大掃除をプロの業者に依頼してみてはいかがでしょう? 知的家事プロデューサーの本間 朝子さんによると、「ハウスクリーニング」や「家事代行サービス」を活用することで、大掃除の負担はグンと減らせるそうです。家事の効率化を提唱する本間さんに、ハウスクリーニングと家事代行サービスの特徴や費用、大掃除を任せたい場所や業者の選び方などを解説していただきました。
知的家事プロデューサー。
自分自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、時間と無駄な労力を省く家事メソッド「知的家事」を考案。「時間がない」「家事が大変」と嘆く多くの主婦の悩みを解決している。NHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス! 」などのテレビ、「クロワッサン」「レタスクラブ」等の雑誌で活躍中。オンライン上に集まってみんなで楽しく家事をするコミュニティ「家事トモ☆サロン」を主宰。著書に「ゼロ家事」（大和書房）など計12冊がある。
オフィシャルサイト：http://honma-asako.com
知的家事プロデューサーの本間 朝子です。共働き世帯が多い現代、仕事と家事の両立に悩む方は少なくありません。私も同じように苦しんだ経験から、家事を効率化する「知的家事」のアイデアを広く共有し、さまざまな悩みの解決策を提案しています。年末の大掃除もまた、多くのご家庭における悩みの種のひとつ。普段はできない場所までキレイにして、スッキリしたお家で新年を迎えたいけれど、時間に追われる生活のなかで重荷となっている方も多いことでしょう。そこで私が提案するのが、「ハウスクリーニング」や「家事代行サービス」といった業者に大掃除を依頼する方法です。お金はかかりますが、上手に活用すれば大掃除を効率良く終えることができますよ。近年では利用者が増えつつありますが、まだまだサービス内容や利用の仕方について混同している方も多いハウスクリーニングと家事代行。まずはそれぞれの特徴や、費用の相場から解説していきましょう。
目次
１．エアコンやレンジフードの大掃除はプロの業者に依頼! ハウスクリーニングの特徴
２．大掃除を家事代行に依頼するメリットは? サービス内容や料金の特徴
３．大掃除を業者に頼むのは贅沢じゃない!? ハウスクリーニングや家事代行を上手に活用する考え方
４．ハウスクリーニング・家事代行はトラブルもある? 知っておきたい業者選びの注意点
５．時短家事のプロがハウスクリーニングと家事代行の活用法を解説 まとめ
エアコンやレンジフードの大掃除はプロの業者に依頼! ハウスクリーニングの特徴
ハウスクリーニングは、業務用の機材やオリジナルの洗剤を持ち込んで、プロの技術で徹底的に掃除をしてくれるサービスです。エアコンやキッチンのレンジフード、トイレの便器や浴室の高所など、自分で掃除するのが難しい場所の大掃除を依頼するのが良いでしょう。
エアコン内部の黒カビやレンジフードのしつこい油汚れなどは落とすのが大変ですし、パーツの分解や組み立ても難しい作業です。でも、ハウスクリーニングに依頼すれば、これらの難易度が高い場所を隅々までキレイにしてくれるわけです。なかなか手が回らない、お風呂場の天井などを大掃除してもらうのも良いですね。
大掃除の時期はハウスクリーニング業者にとってハイシーズンとなるため、早めの予約がオススメです。人気のある業者はスケジュールがどんどん埋まっていくので、希望の日程を押さえるためにも早めに依頼しておきましょう。業者によっては早割サービスもありますよ。
ハウスクリーニング業者はどう選ぶ? 費用やチェックポイントを解説
ハウスクリーニング業者の料金は基本的に“モノ単位”で設定されています。エアコン1台に対して10,000円、レンジフードで15,000円といったスタイルですね。エアコン・レンジフード・お風呂の3点セットや、そこにトイレ・洗面所を加えた5点セットのサービスを提供している業者もあります。エアコンは複数台をまとめて依頼すると割引が適用されるので、お家のエアコンを一度に依頼するのもオススメです。具体的な料金や割引率は業者によって違うため、どこの大掃除を依頼したいか整理してから比較検討するようにしましょう。
ちなみに、エアコンと水回りに関してはどのハウスクリーニング業者でも請け負っていますが、壁紙やソファなどは対応していないところもあります。依頼先を選ぶ際は、価格だけでなく掃除してほしい場所を取り扱っているかも確認しましょう。業者によってはエリアが限定されているケースもあるため、ご自身の住まいが対応地域かチェックするのも大切ですね。
ハウスクリーニング業者を選ぶ基準として、「日本ハウスクリーニング協会優良企業制度」を確認するのも良いでしょう。この制度はユーザーが安心してサービスを利用できるように、NPO法人の「日本ハウスクリーニング協会」が平成21年4月から開始しました。認定基準を満たし、安心・安全に清掃をおこなっている企業が認定を受けているので、加盟している業者を選ぶのもオススメです。
知的家事プロデューサーがオススメするハウスクリーニング
●おそうじ本舗
おそうじ本舗は全国にフランチャイズ展開しており、1,800店舗以上あるので繁忙期でも比較的予約が取りやすい業者です。ホームページの見積りカートで簡単に料金の見積もりができるうえ、オプションも豊富なので、好みにあわせてメニューをカスタマイズできるのもうれしいポイント。技術面では、微細な泡の力で徹底的にクリーニングする「ファインバブル」が売りです。さらに浴室では追い焚き配管に潜む汚れや雑菌を徹底的に除菌洗浄してくれて、洗浄後は専用検査キットで数値化してくれる独自サービスもおこなっています。感染症を引き起こす「レジオネラ菌」も除去してくれるので心強いですね。
●おそうじ革命
おそうじ革命は、2023年1月時点で全国270店舗を展開するハウスクリーニングチェーンです。一般的なハウスクリーニング業者では2週間ほどの研修をおこなっていますが、おそうじ革命では50日間という業界最長の研修を実施しています。さらにユーザーが掃除の結果に満足できない場合は、再作業を無料でおこなってくれるんです。汚れ具合によって代金が変動せず、交通費や駐車代などの別途かかる費用は請求されないなど、良心的な面も魅力ですよ。
大掃除を家事代行に依頼するメリットは? サービス内容や料金の特徴
家事代行とはその名の通り、代わりに家事をおこなってくれるサービスです。掃除はもちろん、料理の作り置きや食器洗い、アイロンがけやクリーニングの受け渡しなど、サービス内容は多岐にわたります。ハウスクリーニングのように専門的な技術を提供するサービスではないため、エアコンや換気扇などの本格的な清掃はできませんが、お家の一般的な掃除は依頼できます。
業者によっては「大掃除コース」などがあり、5時間ほどでお家全体の掃除をしてくれますよ。レンジ周りのしつこい油汚れや浴室のカビ取りなど、“自分でもできるけど、あまりやりたくないこと”を基準にお願いするのもひとつの使い方だと思います。
家事代行サービスはどう選ぶ? 費用やチェックポイントを解説
家事代行サービスの価格は、“モノ単位”であるハウスクリーニングに対して“時間単位”となっています。だいたい2時間6,000円台が相場で、老舗の業者は8,000円～です。時間単位の依頼となるため、利用時にはどこを優先的に掃除してほしいか伝えておくと良いでしょう。また、家事代行は基本的に依頼主のお家にあるものを使用するので、掃除用具はあらかじめ準備しておく必要があります。
ハウスクリーニングと同じく、大掃除の時期には予約が取りにくくなるので、早めの依頼がオススメ。家事代行でも早割などのキャンペーンがあるので、上手に利用しましょう。業者選びの際は「家事代行サービス認証制度」をチェックし、認定を受けているか否かを調べるのも良い方法です。
知的家事プロデューサーがオススメする家事代行サービス
●CaSy（カジ―）
CaSy（カジー）は関東を中心に展開する“クラウド家事代行”サービスです。「お掃除代行」や「お料理代行」などのコースがあり、私もよく利用しています。サービスも申し分ないですが、イチオシポイントはアプリ上ですべての手続きができること。依頼内容はアプリ上のアイコンを選択するだけ! 細かなお願いもチャットで済ませられるので、やり取りに労力を使わないところが良いですね。
●ベアーズ
ベアーズは創業25年、家事代行サービスのなかでも老舗業者です。家事代行サービス認証制度にも携わる、業界のパイオニア的存在だと言えるでしょう。年末の大掃除だけでも複数のコースがあって、希望や費用にあわせて依頼できます。お家の除菌や整理収納に特化したコースなどもあり、かゆいところに手が届くサービスという印象ですね。
個人に依頼できる家事代行サービス「タスカジ」のメリット
最近では、企業が運営するマッチングサービスに登録した個人と契約できるスタイルも増えています。なかでも「タスカジ」はタスカジさんと呼ばれるハウスキーパーの登録数が約4,000人、ユーザー数は11万人を超えるサービスです。
大きなメリットは価格を抑えられる点で、安い設定のタスカジさんなら1時間1,500円〜と非常にお手頃です。一方で、個人への依頼となるためスキルは人によって差があり、人気のタスカジさんだと料金が高めで予約も取りにくい傾向にあります。利用する際は料金やスキルに加えて、口コミもしっかりチェックしましょう。
大掃除を業者に頼むのは贅沢じゃない!? ハウスクリーニングや家事代行を上手に活用する考え方
プロの業者に依頼することは、大掃除を効率化するための方法のひとつです。とは言え、利用したくても罪悪感やためらいがある方もいますし、富裕層向けのサービスだと考える方もいまだに少なくありません。しかし、1〜2回ほどの飲み会の金額だと考えたらどうでしょうか? あるいは、仕事と家事で体の節々が痛くてマッサージや整体に行く費用に置き換えてみてください。
自分で何時間もかけて大掃除をした結果、疲れて休日を無駄にしたり仕事が捗らなかったりすることを想定すると、むしろ業者に頼るほうがコスパは良いと言えますよね。「そんな贅沢はできない」と決めつけず、臨機応変に利用するのがオススメです。
家族やパートナーと意見が分かれた場合のアドバイス
家事代行やハウスクリーニングを利用したいと思っても、パートナーや家族に反対されるケースがあります。その場合はまずプロに依頼するメリットと、自分たちでやる場合のデメリットを伝えましょう。とくにエアコンやレンジフードなど難易度が高いものの掃除は、故障や部品の紛失、怪我につながるリスクがあります。さらに一般の方の技術では仕上がりも甘くなりがちで、水分が取りきれずに部品を錆びさせてしまうこともありますし、汚れを広げてしまい家族の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。その点、プロの業者にお願いすればピカピカの状態にしてくれますし、キレイも長持ちするので結果的にはコスパが良いと言えるでしょう。
費用面で納得してもらえない場合は、プラスアルファのお金を使うのもひとつの手です。大掃除の前には、まずお家にある不用品を処分するかと思いますが、それらをフリマアプリなどで売った代金をハウスクリーニングや家事代行の費用にするのはいかがでしょうか。家計からの持ち出しでなければ、費用面で反対されることが少なくなるはずですよ。
ハウスクリーニング・家事代行はトラブルもある? 知っておきたい業者選びの注意点
ハウスクリーニングや家事代行は便利なサービスである反面、トラブル事例も耳にします。作業中に家具が壊れた、エアコンの掃除を依頼した後に故障した、依頼した箇所が思っていたよりキレイになってなかった……このような困りごとに対して、対応してくれなかったというケースもあるんです。事後のトラブルを避けるためには、前述した認証制度の取得企業を選んだり、損害保険への加入やスタッフの研修制度なども確認したりしましょう。実績の豊富さも信頼できるポイントのひとつです。また、電話で問い合わせした際に違和感や不信感があった場合は避けたほうが無難だと思いますね。
家事のプロがハウスクリーニングと家事代行の活用法を解説 まとめ
ハウスクリーニングと家事代行サービス、それぞれの特徴や大掃除における活用法についてお話ししました。大掃除の難易度が高いエアコンやレンジフードなどを徹底的にキレイにするならハウスクリーニング。玄関や廊下、リビングなどお家全体の掃除を任せたいなら家事代行を選ぶと良いでしょう。予算との兼ね合いもあるかと思いますが、忙しい年末に大掃除の負担を減らせるのはとても助かります。あれもこれも自分で頑張ろうとしすぎず、ときにはプロの手も借りてみてくださいね。
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