一家に一台、住宅に必須と言える設備のひとつ「インターホン」。かつてはシンプルな呼び鈴や、音声によるやりとりのみできるシンプルなインターホンが主流でした。現在は防犯への配慮から、モニターで来客の声だけでなく表情も確認できる、カメラを搭載したタイプが標準装備となっています。スムーズに来客対応をするとともに、家族が安心して暮らせる環境を整えるために、どのような機能があるインターホンを選べばよいのでしょうか。どこに設置すれば使いやすいのかも合わせて解説します。
目次
1.新築一戸建てのインターホンとは?
2.新築一戸建てのインターホンの選び方
3.新築一戸建てのインターホンを設置する位置
4.新築一戸建てのインターホン まとめ
新築一戸建てのインターホンとは?
インターホンとは、建物などに設置される専用の通信機器全般を指します。例えば、病院で見かけるナースコールもインターホンの一種です。さまざまな種類のインターホンがあるなかで、一戸建ての新築時に設置するインターホンは、テレビモニター付きインターホンを略した「テレビドアホン」と呼ばれています。室内側に親機のインターホンを設置し、室外に小型カメラを内蔵した子機を設置することで来訪者の姿をモニター越しに確認し、会話をすることができます。
家庭用のインターホンは、簡単に設置でき電池で稼働する「ワイヤレス式」、コンセントに電源を挿して使用する「電源コード式」、電気工事が必要な「電源直結式」があります。ワイヤレス式や電源コード式は自分で設置することも可能ですが、一戸建ての新築時に設置するのであれば、すっきりと配線できる電源直結式がおすすめ。インターホンの寿命は10~15年程度と言われていますが、元が電源直結式であれば、故障した際に3種類すべてのタイプへ交換が可能です。
新築一戸建てのインターホンの選び方
最近のインターホンは、多様な機能を備えた製品が数多く出回っています。インターホンの検討時は、どのような機能があれば毎日の生活が便利になるのか、防犯性能を高めることができるのか考えて選びましょう。
インターホンの機能―子機を増設
室内モニターに加えて子機を増設できるタイプのインターホンであれば、どこにいてもすぐに応答できます。就寝時やリモートワークで書斎に籠っているときなどに便利です。また、子機同士で内線通話もできるため、食事の準備ができたときなど呼びかけたいけれども少し遠いときや手が離せない時にも役立ちます。有線タイプの場合は配線工事が必要です。
インターホンの機能―スマートフォンと連動
外出が多い方におすすめしたいのが、スマートフォンと連携できるインターホンです。留守中でもリアルタイムに遠隔で来客対応ができるので、便利なのはもちろん、留守を相手に悟らせず、防犯対策にもつながります。
インターホンの機能―録画機能
インターホンに録画機能があれば、留守中の来訪者を自動的に録画し、帰宅後にチェックすることができます。また、インターホンで対応中に「何かおかしいな」と感じたときなど、録画をしておくことで記録を残すことができます。録画データは内蔵メモリーに直接残せるタイプと、SDカードなどの外部メディアに保存できるタイプがあります。
インターホンの機能―ボイスチェンジ機能
インターホンには応答したいものの「家に女性しかいないことを知られたくない」ということもあるでしょう。そんなときにはボイスチェンジ機能を使用し、男性の声で対応すれば防犯対策になります。
インターホンの機能―広角カメラ
インターホンの設置場所によっては、せっかくモニターが設置されていてもよく見えないことがあります。映す範囲が広範囲の広角レンズを搭載したカメラ付きインターホンを選べば、死角を作らず全体を見渡しやすくなります。なお、広角レンズを搭載していなくても、ワイドモードを搭載している製品や、画面が大きい製品を選んだ場合も来訪者の全貌を確認しやすくなります。
インターホンの機能―ズーム機能
スマートフォンを使用する際と同じように、インターホンのモニターがタッチパネルになっていて、見たい場所をピンチアウトによりズームでき、来訪者の表情などを確認しやすい製品もあります。
新築一戸建てのインターホンを設置する位置
インターホンを設置する位置は主に「玄関」か、門扉や門柱、門柱一体型ポストなど「道路側」への設置です。それぞれのメリット・デメリットを把握し、どちらに設置するか決めましょう。
インターホンの設置位置―玄関
メリット | デメリット |
---|---|
・来訪者の顔が映り込みやすい ・直射日光や雨風から守りやすい |
・来訪者が敷地内まで入ってくる ・宅配業者が玄関まで行き来する手間 |
インターホンを玄関に設置するメリットのひとつとして、来訪者の顔が映り込みやすいことが挙げられます。玄関の照明により、夜間でも誰が来たのか顔をしっかりと確認したうえで対応できます。
また、屋根があり直射日光や雨風にさらされにくいため、来訪者にとってありがたいのはもちろん、インターホンが故障するリスクも軽減できます。
インターホンを玄関に設置するデメリットは、来訪者が敷地内まで入ってくることです。セキュリティの観点では、敷地内に人が入る機会を増やすことで、防犯上のリスクは多少高まります。家の作りによっては窓から中を覗かれるなど、プライバシーの問題も生じる可能性があります。
道路から玄関まで距離がある場合、宅配業者がその都度行き来をする手間がかかります。宅配ボックスに入りきらない荷物が届くことが多い家や、宅配時に不在が多い家では、宅配業者の負担が大きくなることを覚えておきましょう。
インターホンの設置位置―道路側
メリット | デメリット |
---|---|
・来訪者が敷地内に入る前に確認できる ・宅配業者などへの配慮 |
・モニターに来訪者の顔が映りづらい ・インターホン越しの会話が聞かれる恐れ |
門扉や門柱、門柱一体型ポストなど、インターホンを道路側に設置する最大のメリットは、来訪者が敷地内に入る前に、その姿を確認できることにあります。事前にモニターを確認することで、不審者が敷地内に入ることを防げます。
敷地内に入る必要がないことは、たくさんの家々を訪れなければならない宅配業者や新聞配達をする人などに対する配慮にもなります。
ただし、インターホンを門扉に設置した場合、状況によってモニターに来訪者の顔が映りづらいことがあります。雨の日は傘で顔が見えないことや、近くに木が生い茂っているとモニターを隠してしまうこともあります。
インターホンが道路に面していることから、インターホン越しの会話が近隣に住む人々に聞かれてしまう恐れがあることにも注意が必要です。個人情報はできるだけ出さないように会話をすることを心がけましょう。
門扉へのインターホン設置は、スペースの余裕がなければそもそも門扉を設置できませんし、前面道路の交通量が多い場合もおすすめできません。道路側に設置する際は、宅配ボックスをどこに設置するか、小さな子どもやペットがいて飛び出しの危険があるのかといった状況もトータルで考えて門扉や門柱を設置するか、門柱一体型ポストを設置するのか決めましょう。また、道路側と玄関の2ヶ所に設置できる機種もあり、2段階構えで来客対応をすることも可能です。
インターホンの設置位置―室内モニターの場所
来客用のインターホンだけでなく、室内モニターの設置位置も重要です。インターホンが鳴ったときすぐに確認しやすい場所がベストです。例えば、キッチンから遠い位置に設置してしまうと、インターホンが鳴っても調理の音で気づかないことがあります。家族が長い時間を過ごすリビング・ダイニングに設置することが多いですが、来客の多い家庭では要注意。リビングでくつろぐゲストに、インターホンに応答する際の会話を聞かれてしまうかもしれません。生活スタイルに合わせて設置場所を選びましょう。
室内モニターを設置する位置は、目線の高さが見やすく便利です。大人も子どもも使用しやすい高さとして、一般的には地面から145cmを目安に設置することが多いようです。車椅子の家族がいる場合などは、もう少し低めに設置しましょう。
また、室内モニターを設置した場所はどうしても、モニターの厚みによる凹凸が気になります。新築時であれば、壁面を凹ませるニッチを設けることで、リモコン類をすっきりと収めることも可能です。給湯器や床暖房などのリモコンに加え、照明スイッチやコンセントもひとまとめにすると便利です。
新築一戸建てのインターホン まとめ
インターホンは様々な種類が出ています。どのような機能があるインターホンを選び、どこに設置するかによって使い勝手が変わります。普段の生活を思い返し、来客は多いのか、宅配の利用頻度はどのくらいか、宅配ボックスはどのようなものを設置する予定か、前面道路の状況なども踏まえて、新築一戸建てにインターホンを設置する計画を立ててください。
新築一戸建てを検討している方はこちらの記事も参考にしてください。
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