家相が悪いとどうなる? 神宮館鑑定師に聞く「家相が身体やメンタルに与える影響」

家相と聞くと、「どうせ迷信でしょ?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、鑑定師の松本 象湧先生によると、家相が私たちの身体やメンタルに与える影響は大きいそうです。とくに家相が良くないお家は、住人に悪影響を及ぼす可能性が高いのだとか。その理由と家相が悪い場合の対処法について、これまで多くの鑑定を手掛けてきた松本先生に、事例をベースに解説していただきました。家相で凶相とされる土地や間取りもご紹介します。

松本象湧のプロフィール
松本 象湧(マツモトショウユウ) プロフィール

神宮館鑑定師・神宮館高島暦著者

九星気学をはじめ易経、姓名学、家相学、印相学、墓相学などを学ぶ。鑑定師として30年あまりにわたり、数々の著名人を含む年間1,000人以上の鑑定を行い、悩みを解決している。近年は国際易学連合会の栄誉理事の称号を持ち、易学を通して文化交流にも努めている。
主な著書は『運を引き寄せる わかりやすい家相と間取り』、『運を引き寄せる わかりやすい姓名判断と名前の付け方』(神宮館)などがある。
神宮館HP:https://jingukan.co.jp/

神宮館鑑定師の松本 象湧です。私はこれまで年間1,000人以上の方々を、30年にわたり鑑定してきました。神宮館に所属する前は住宅メーカーに勤めており、そこで出会った家族を含めると本当にさまざまな話を伺ってきたんですね。家相は根拠のないオカルト的なものだと思われがちです。しかし、なんらかの悩みを抱えている方の話をよく聞いてみると、お家の間取りや方位が良くないケースが実に多いのです。私のこれまでの経験から、悪い家相が私たちに及ぼす影響などを解説していきましょう。

目次
1.「家相」とは? 基本の考え方を解説
2.家相が悪いと健康を害する!? 土地選びが与える影響と対処法
3.家相が悪いとどうなる? インナーガレージ、寝室や子ども部屋などの間取りの注意点
4.家相が悪いと健康やお金がピンチに!? 避けるべき水回りの方位とは?
5.家相が身体やメンタルに与える影響 まとめ

「家相」とは? 基本の考え方を解説

「家相」とは? 基本の考え方を解説

家相は古くから人々が持つ“家を守る”という考えに中国の陰陽五行説や九星気学、風水などの思想を取り入れ、日本で発展したものです。住まいの間取りを東西南北と東北・東南・西南・西北の八方位(はっぽうい)に当て込み、家相盤(二十四山方位盤)を使って吉凶を判断していきます。

家相では良いものを「吉相」、悪いものを「凶相」と呼ぶのですが、一番有名な凶相は「鬼門玄関」ではないでしょうか。鬼門は鬼の入り口となる方位で、玄関を設置すれば災いがやってきます。ほかにも方位ごとに吉相・凶相となる間取りや配置があるのですが、これだけ聞くとオカルトだと感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、家相はオカルトや迷信などではありません。たとえばお家の日当たりで考えてみると、南側は1日を通して日当たりが良く、北側は良くありませんよね。鬼門となる東北の方位は日当たりが悪いので冷えやすく、湿度も高くなる場所です。そこに玄関を配置すると出入りするたびに北風が入り込み、カビも発生しやすくなるため、家族の健康被害につながります。その因果関係を、昔は鬼が居座る凶相と考えてきたのです。

単に「鬼門だから良くない」と言われているのではなく、今では科学的な研究も進み、家相は根拠のある“学問”として扱われています。その結果、家相は建築学や住居学を構成する要素となり、多くの住宅メーカーでも取り入れられるようになっています。

家相における“気”とは?

家相における“気”とは?

家相では“気”という言葉を使います。たとえば陰の気と陽の気。これは、宇宙に存在するすべての事物は“陰と陽”から成り立っているという「陰陽五行説」からきています。陽の気が多ければ多いほど良いというものではなく、陰陽のバランスが大切です。また、五行とは“木火土金水”の5つの要素のことで、五行により万物は生成されているという考えからきています。

“気”は九星気学や風水にも存在する概念で、人間が左右できない自然の力だと考えられています。澄んだ空気のなかで生活すると健康になり、淀んだ空気を吸い続けると体調を崩すように、目には見えなくても“気”は心身に影響を与えるのです。こうした考え方のもと、家相では健康や生活に影響を与える力を総称して、“気”と呼んでいます。

松本象湧流家相とは?

ここまで家相の基本について説明しましたが、実はすべてが吉相となるお家に住みたいと思っても、それはかなり難しいことなんですね。家相は土地の形状や大きさ、周辺環境などの影響が大きいうえに、すべての部屋を吉方位につくろうとすると収まりきらないからです。私が提唱する家相の本質は、“家族みんなが幸せに暮らしていけること”。まずは暮らしやすいお家であることを前提として、無理のない範囲で家相を取り入れていただきたいと考えています。

しかし、ご家庭に悪影響を及ぼさないために、考慮すべきポイントは知っておきましょう。安心して過ごせないお家に住むと、知らず知らずのうちに心身がストレスを感じてしまうからです。ここからは悪い家相の事例について解説していきます。

家相が悪いと健康を害する!? 土地選びが与える影響と対処法

家相が悪いと健康を害する!? 土地選びが与える影響と対処法

家相鑑定に携わっていて、よく相談を受けるのが健康問題です。「新居に引っ越してからなんだか調子が悪い」と感じたら、家相が関係しているかもしれません。一戸建てやマンションなど住居タイプに限らず、家相で重要視されるのが土地選びです。土地が悪いと、どんなにお家の間取りや方位が良くても安心して暮らすことはできません。では、どのような土地を選ぶと健康に悪影響を及ぼしやすいのでしょうか?

日陰の多い土地は凶相

家相チェックポイント:日陰の多い土地は凶相

家相で最も重要なのは日当たりです。鬼は暗くてジメジメしたところを好みますから、日陰の多い土地に建てられたお家は運気が下がります。お家の中に光が差し込まないほど周囲に木々が生い茂っていたり、ビルに囲まれていたりする土地は避けましょう。北側はもともと日差しが入らない方位なので障害物があっても問題ありませんが、それ以外の方位は開けている土地をオススメします。

絶対に避けていただきたいのは、道路より低い土地に建っている住宅です。道路より低い土地は陰の気の影響を強く受け、そこに建てたお家は凶相となります。実際にこのような土地に住んだ結果、住人が大病を患ったケースもありました。道路より低い土地であれば、当然、日当たりは良くありません。それに風通しが悪く、お家の中には湿気を帯びた空気が充満します。そうするとカビなどの細菌が発生し、吸い込むことで病気を招く危険性もあるでしょう。とくに普段掃除しないような家具と壁の間は要注意。子どもが咳き込むようになったので隅々まで掃除してみると、ベッド周辺にカビが生えていた、なんて方もいらっしゃいました。

日当たりは健康状態とリンクします。日当たりの悪い、とくに道路より低い土地は選ばないようにしましょう。どうしてもその土地に住まなければならないのなら、方法のひとつとして建物をライトアップします。建物が浮かび上がるように光を当てるのです。住まいが明るくなれば、気分も明るくなって運気が上がる、とお伝えすればわかりやすいでしょうか。そのうえでこまめに掃除して、清潔さを保つようにしてください。

地盤が軟弱な土地は凶相

家相チェックポイント:地盤が軟弱な土地は凶相

埋め立て地など地盤が軟弱な土地は、家相では凶相とされています。災害が起きたときに土砂崩れが起こったり、液状化現象が起こったりと危険な場所なので、土地選びの際は避けるべきですね。近年、地震や豪雨などによる天災が多発していますから、以前に増して注意したいところです。そのような土地にお家を建てると不安やストレスもたまりやすくなるでしょう。できるだけ「地山(じやま)」と呼ばれる、天然地層の土地を選んでください。

これから移住する土地が昔どのような場所だったかを調べずに、住み始めてから異変に気付くケースも少なくありません。集合住宅に入居した数年後に引き戸が自然に閉まるようになり、おかしいと思ったら地盤が沈んで建物が傾いていた、という話もありました。近隣住民に話を聞くと「もともと田んぼだった」「着工が早かった」「地盤改良工事をしたのかわからない」といった情報が次々と集まってきたそうです。安心して暮らすため、住む前には必ずどのような土地なのかを調べるようにしましょう。

住まいに異常が発生すると不安により、メンタルバランスが崩れ、身体にも悪影響を及ぼします。対策としては、移住を検討している土地が浸水地域に指定されていないかハザードマップで確認しましょう。さらに昔はどのような土地だったのか古地図で調べ、かつて川や田んぼだった土地は避ける必要があります。古地図は、住んでいる土地の図書館や国土地理院のホームページで見ることができますよ。

道路付けに注意! 丁字路やY字路は不安を生む

家相チェックポイント:道路付けに注意! 丁字路やY字路は不安を生む

無意識に感じる不安もメンタルや身体に影響を与えます。その一例としてご紹介するのは「道路付け」です。道路付けとは敷地と接する道路との位置関係のことで、接道条件とも呼ばれます。この道路付けが丁字路やY字路である場合は要注意。道路から車が真っ直ぐ向かってくる丁字路やY字路の先に建つお家は、家相では常に強い気がぶつかってくるため凶相だとされています。そして、実際にこのような場所は交通事故の発生率も高いのです。同様の理由から、カーブの頂点付近も良くないですね。

いつ事故が起きるかわからない場所では、無意識のうちに神経が摩耗してしまい、安心して暮らせるとは言えません。不安が募って安眠できなくなる方も多く、事故が起きなくても心身には良くないので、避けるべき土地でしょう。

安心できるのは、住人以外あまり道路を使わないような分譲地です。静かで、ストレスをあまり感じずに暮らすことができるはず。ただし、あまりに奥まった場所だと泥棒に狙われやすくなるので、必ず防犯対策をしてください。

家相が悪いとどうなる? インナーガレージ、寝室や子ども部屋などの間取りの注意点

家相が悪いとどうなる? 間取りの注意点

続いて、家相で凶相とされる間取りについて解説していきましょう。

「大欠け」の凶相!? インナーガレージをつくる際の注意点と対策

お家の形で吉相なのは、長方形や正方形などの四角形です。しかし土地の広さや道路付けによって、凸凹した形になることもあるでしょう。このときに気を付けていただきたいのが、「張り」「欠け」というものです。家相では、建物から出っ張っている部分が3分の1以下であれば「張り」、3分の1を超えれば「欠け」と呼びます。張りはその方位の運気を上げるので、基本的には吉相です。逆に欠けは凶相となります。

一戸建て住宅のなかで注意すべき欠けは、インナーガレージです。家相ではガレージを屋外とみなすので、たとえお家の中にあるインナーガレージでも屋外として扱われ、大きな欠けを生み出します。

インナーガレージは「大欠け」の凶相

上図は「大欠け」と呼ばれる凶相で、もしお家の中心にかかってしまえば良い気がすべて抜けてしまうのです。また、インナーガレージに駐車した際にエンジンをかけておくと、排気ガスがガレージ内に充満します。そして隙間から室内へ入っていくので健康を害する可能性もあるのです。実際に、北海道のアパートで排気ガスによる一酸化炭素中毒事故が起こったケースもあります。

どうしてもインナーガレージが必要な場合は、必ず換気扇を設置するようにしてください。さらにインナーガレージから室内へ通じるドアはつくらず、玄関から出入りするようにしましょう。

寝室の方位は南を避ける

家相チェックポイント:寝室の方位は南を避ける

家相において北方位は“陰”で、南方位は“陽”です。日中に活動していると人間は自然のエネルギーである陽の気を多く身体に取り込みます。そのぶん、夜には陰の気の方位で心身を休め、陰陽のバランスを整える必要があるのです。一日中、陽の気を浴び続ける南方位に寝室があると、眠りが浅くなり、体調を崩してしまうおそれもあるので注意しましょう。

「今の家ではなぜか熟睡できない」と相談に来られた方のなかには、南方位の寝室で、さらに「北枕は縁起が良くないから」と南枕で就寝されているケースがありました。頭寒足熱という言葉もある通り、頭は冷やすのが吉。そして、最も冷えやすいのは北の方位なのです。そのため家相では、北枕が推奨されているんですね。頭が温まりすぎると血の巡りに支障が出て脳機能が低下する、という話もありますから、寝室の方位は北で、北枕で寝るのをオススメします。ちなみに鬼門である東北方位も、寝室では吉相となりますよ。

神棚や仏壇を踏んではいけない! 下の階の間取りに注意

家相チェックポイント:神棚や仏壇を踏んではいけない! 下の階の間取りに注意

一戸建てマイホームを建てる際は、神棚や仏壇の真上に個室を配置しないようにしてください。神様や仏様を毎日踏みつけながら暮らすことになってしまうからです。家相的にも良くありませんが、知らず知らずのうちに精神的にも負荷がかかるはず。実際に、仏壇の真上にあたる個室で暮らしていた娘さんが病を患うケースもありました。さらにその部屋が西北方位にあったため、事態が悪化したと考えられます。

家相における西北は“天”という意味を持ち、一家の主の場所とされているため、主人、もしくは夫婦の寝室以外の部屋にすべきではありません。子ども部屋の方位としては、長男なら東、長女なら東南が吉相です。また、現在住んでいるお家に神棚や仏壇があって、その真上に個室がある場合は対策をしましょう。神棚や仏壇の真上に「雲」と書かれた紙を貼ってください。これは「雲字」と呼ばれるもので、神様や仏様の上には何もないことを表します。自分で書いても、印刷しても構いませんし、空の写真や絵でも代用できますよ。

家相が悪いと健康やお金がピンチに!? 避けるべき水回りの方位とは?

家相が悪いと健康やお金がピンチに!? 避けるべき水回りの方位とは?

家相では水回りは“不浄の場”とされ、間取りを決める際にも重視すべき部分だと考えられています。不浄の場は悪臭 = 邪気の発生源なので、鬼門や裏鬼門に配置すると凶相になってしまうのです。不潔にしていると鬼も居座ってしまいますから、生ゴミなど臭いのもととなるものはすぐに処理しましょう。掃除を怠ると、汚れがたまって嫌な臭いがお家中に充満し、家族のストレスや身体の不調につながりかねません。

また、お金に関する方位に水回りの「排水口」があると、お金が出て行ってしまうとも言われています。お金に関する方位は西と西北で、西は金運、西北は財運を司ります。金運とは流動性の高い一時的な金銭で、財運は不動産など大きな資産となるものです。それらの方位に排水口があると、お金が流れてしまうんですね。「なぜか出費が多い」と相談に来られる方の多くは、排水口の位置が良くありませんでした。対策としては、就寝中など使わないときには排水口に蓋をしましょう。臭気を封じ込めるとともに、お金の流れに蓋をすることができます。

家相が身体やメンタルに与える影響 まとめ

家相の善し悪しがお家や家庭に与える影響について、事例を交えて解説しました。ひとつの凶相だけで悪影響を及ぼすこともありますが、相談に来られる方のほとんどは、複数の要因があるように思います。これは私の想像ですが、「おかしいな」と思ったときには家相と結びつかず、いくつか悪いことが重なったときに、「もしかして土地が良くないのではないか」「着工時期が悪かったのではないか」「玄関の位置が悪い?」と、徐々に気付き始めるのではないでしょうか。一度でも不安が生まれると気持ちが沈み、そのうち体調にも表れます。無意識に感じるストレスを含めると、家相が心身に与える影響は大きいでしょう。ですから、不安を感じないお家に住むことが第一です。これは私の考える家相の本質とも一致しますね。今回の事例も参考にしつつ、できるだけ憂いの少ない安心して暮らせる住まいを目指してください。

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