日本は治安の良い国として知られていましたが、空き巣ではなく在宅時を狙って住人を縛り上げたり連れ去ったりする卑劣極まりない連続強盗事件が首都圏をはじめ全国で起こっています。強盗は住人に危害を加えることもいとわない極めて凶悪な犯罪で、防犯アナリストの桜井礼子さんによると、強盗や空き巣などを含めた「住宅侵入窃盗被害」は、今なお全国で多発しているそうです。そこで、さまざまなメディアや講演などを通して防犯知識の普及活動をされている桜井さんに、犯罪者に狙われないお家づくりについて伺いました。一戸建て住宅の土地選びから防犯対策まで詳しくお聞きしたので、これからマイホームを建てる予定の方や一戸建て住宅の購入を検討されている方はもちろん、現在一戸建て住宅に住んでいる方も必見です。また、「防犯ママ」としても活躍されている桜井さんに、子どもの留守番や防犯に関するアドバイスもいただきました。一戸建て住宅の防犯対策情報満載でお届けします。
一般社団法人日本防犯学校 副学長、防犯アナリスト、防犯ママ
防犯専門家 日本初女性防犯アナリスト 一般社団法人日本防犯学校副学長。
防犯界の第一人者、予知防犯提唱者、テレビでお馴染み「防犯の梅さん」こと梅本正行氏の一番弟子。梅本氏とともに事件現場の検証と取材に携わる。子育て経験や高齢者の親がいた経験を活かし、子ども・女性・高齢者の防犯対策をはじめ、住宅・地域の防犯対策を分かりやすく解説。『予知防犯』を提唱する活動を展開している。
一般社団法人 日本防犯学校:https://www.j-ss.org/
「防犯ママ」こと防犯アナリストの桜井礼子です。現在、一戸建て住宅に住んでいる方はどのような防犯対策をしていますか? これから一戸建てを建てる方や購入予定のある方は、費用や土地、間取りなどの検討項目のなかに「防犯」は含まれていますか? 近年、一般的な住宅を狙った事件が多発しており、犯罪手口は多様で複雑かつ凶悪化しています。毎日さまざまなニュースが飛び交っていますが、犯罪被害者の多くは女性や子ども、高齢者といった社会的弱者の方です。そのような方々に寄り添って防犯情報を届けるには、同じ目線に立つことが大切で、女性であり、子育て経験があり、高齢の親を持つ私だからこそ伝えられることがあると考えています。お家を持つ際は、自分や家族の命を守るために防犯知識を学び、正しい防犯対策をおこなうことが肝要です。詳しく解説していきますので、一緒にひとつひとつ確認していきましょう。まずは、防犯の基本の考え方である「予知防犯」について解説します。
目次
1.「予知防犯」で犯罪被害を未然に防ぐ家づくり
2.「空き巣」「忍び込み」「居空き」「強盗」……一戸建て住宅を狙う犯罪とは?
3.空き巣に有効な防犯対策は? お家を守る「防犯生活」を専門家が伝授
4.強盗事件を防ぐには? 複合的な防犯対策で凶悪犯が侵入しにくい家をつくる
5.土地や設備はどう選ぶ? 一戸建て住宅を建てる&買うときに押さえておきたい防犯のポイント
6.子どもだけの留守番時に居留守はNG! 子どもを守る防犯対策
7.一戸建て住宅の防犯対策を防犯アナリストが解説 まとめ
「予知防犯」で犯罪被害を未然に防ぐ家づくり
防犯の考え方のひとつに「予知防犯」といったものがあります。予知防犯とは、“犯罪を予知・予測して対策し、犯罪被害を未然に防ぐ”という日本防犯学校が提唱する考え方です。犯罪被害に遭ってからでは取り返しのつかないことになりかねませんから、前もって犯罪者に狙われにくい防犯対策や家づくりをして、犯罪被害を防ぎましょう。
防犯対策の第一歩は、テレビや新聞、インターネットなどから世の中で起こっている事件や犯罪の情報を得て、防犯意識を高めることです。防犯意識が高まると、犯罪被害を防ぐ方法を調べて防犯知識が身に付き、実際に防犯対策をおこなうことで犯罪者から狙われにくくなるため、防犯は①意識 → ②知識 → ③対策の順でおこないましょう。
それでは、まずは防犯意識を高めるため、一戸建て住宅を狙う犯罪にはどのようなものがあるかを解説します。怖い話も出てきますが、恐怖心や不安心は防犯意識を高めますので、しっかりとお伝えしたいと思います。
「空き巣」「忍び込み」「居空き」「強盗」……一戸建て住宅を狙う犯罪とは?
お家を狙った泥棒のことを「住宅侵入窃盗」と言います。不法に侵入したうえで金品を盗む犯罪を指し、さまざまな手口で犯行がおこなわれています。とくに、留守宅に侵入する「空き巣」、夜間の就寝時に入ってくる「忍び込み」、日中の在宅時を狙う「居空き(いあき)」の3つは「三大侵入窃盗」と呼ばれていて、なかでも厄介なのは「忍び込み」と「居空き」。在宅時に犯行がおこなわれるため、犯人と住人が鉢合わせする可能性があり、非常に危険です。
近年、ニュースを賑わせている「強盗」も深刻で、強盗にもいくつか種類があります。留守宅に侵入し、わざと住人の帰宅を待つ「入待ち強盗(待ち受け強盗)」や、宅配業者などを装いドアを開けたときに押し入る「押し込み強盗」、空き巣・忍び込み・居空きで侵入した際に住人と遭遇し居直る「居直り強盗」など、凶悪犯罪が増えています。住人を縛り上げる「緊縛(きんばく)強盗」も最近よく耳にするようになりました。
そして、住宅を狙う犯罪は住宅侵入窃盗だけに限りません。「車上荒らし」やカーナビ・ナンバープレートなどを盗む「部品盗」、車ごと盗む「自動車盗」、さらに「オートバイ盗」や「自転車盗」などが挙げられます。盗まれたナンバープレートは、ほかの犯罪へ流用されることが多く、ナンバープレートを前後違うものにして逃走車両などに使われるケースもあります。車両関連以外にも、放火やのぞき、下着泥棒、郵便物盗など、住宅周りで起こる犯罪は、なんと40種類以上もあるのです。では、どのように住宅の防犯対策をおこなったら良いのでしょうか?
空き巣に有効な防犯対策は? お家を守る「防犯生活」を専門家が伝授
日常のなかで防犯対策をおこなう生活を、日本防犯学校では「防犯生活」と呼んでいます。防犯対策と聞くと、費用がかさみそうなイメージがあるかもしれませんが、お金をかけずに今すぐ取り組めることはたくさんあります。日々の暮らしを少し工夫して、防犯生活を始めましょう。防犯生活には60を超える項目がありますが、今回はそのなかでもとくに重要なものをご紹介したいと思います。「できそう!」と思うものは、すぐにでも始めてくださいね。
約半数の空き巣が無施錠の窓やドアから侵入!? 施錠は防犯生活の基本
「鍵をかけるなんて当たり前」と思いがちですが、住宅侵入窃盗の約半数は無施錠の窓やドアから入っていることをご存知でしょうか? 防犯対策の第一歩として普段使わない窓などを含め、すべての鍵がかかっているかチェックしましょう。玄関の鍵が2つあるなら両方閉めてドアガードも活用し、窓は補助錠もかけるようにします。犯罪者はお家に人がいてもいなくても侵入してくる可能性があるので、屋外につながる出入り口はすべて、常に施錠する習慣を付けてください。ゴミ捨てなど「ちょっとそこまでだから」と施錠しない方が少なくありませんが、短時間の外出でも必ず鍵をかけること。施錠は防犯生活の基本中の基本です。ちなみに、いくら施錠をしていても置き鍵をしていては意味がありません。植木鉢の下やポストなどに置き鍵をしている方は絶対にやめましょう。
空き巣に狙われやすい家は外からでも“留守”だとわかる家
秋口からは、夕方から夜間を狙った空き巣、「宵空き(よいあき)」が増加します。この時期は日が暮れる時間が急に早くなり、室内の照明が点いていない状態だと周りから留守だとわかってしまうので、犯罪者に不在を悟らせないようにしましょう。帰りが遅くなる場合は通りに面した部屋の電気を点けたまま出かける、もしくはタイマー付きの照明を使い、厚手のカーテンの隙間を10〜20センチほど開けておきます。レースカーテンだけを閉めた状態だと、日が落ちた後の照明点灯時にお家の中が丸見えになるため、必ず厚手のカーテンも少しの隙間を残しつつ閉めてください。また、窓のシャッターがすべて閉まっていると留守だと一目瞭然なため、通りに面した窓のシャッターは開けておくようにしましょう。ただし、鍵の施錠は忘れずに。
車で出かけるときは駐車スペースをがらんどうにせず、今買い物から帰ってきたかのように大人用の自転車を停めておきます。固定電話の留守番電話メッセージも「ただいま留守にしております」では、電話をかけて下調べをする犯罪者に有益な情報を与えてしまうので要注意。「ただいま手が離せません」などに変更したり、携帯電話へ転送するサービスを活用したりしましょう。お家を空けるときは、留守だと周囲に気付かれないようにしてくださいね。
ゴミが漁られていたら空き巣の前兆!? 個人情報を守る防犯対策
防犯生活では犯罪者に家族の情報を与えないことも重要です。たとえば、ゴミを前日夜に出すと漁られるケースがあるので注意しましょう。ゴミ袋に入ったレシートから買い物の内容や生活レベル、家族構成や子どもの情報までわかるので、犯罪者にとってゴミは宝の山なのです。1ヶ月かけてじっくり情報を集められる場合もありますので、ゴミは収集日の朝に出しましょう。表札も名字だけにしてください。家族全員の名前が書かれているお家も見かけますが、子どものフルネームが犯罪者に知られるのは、とても危険なことです。
また、窓際にぬいぐるみを置いたり、窓にシールが貼ってあったりすると、「この家には子どもがいる」と犯罪者に教えてしまいます。子どもを狙う犯罪者からターゲットにされないよう、かわいらしい柄やキャラクター物のカーテンも避けましょう。子どもが好むようなカーテンをどうしても付けたいなら、窓側は無地のドレープカーテンにして室内側に好きなカーテンを取り付けます。
洗濯物もなるべく部屋干しにしてください。シーツなどの大物は仕方ありませんが、服や下着など家族構成がわかりそうなものは、外に干さないようにしていただきたいです。コインランドリーを使う場合も、洗濯物が狙われる可能性があるので、その場で待つようにしましょう。
宅配ボックスや置き配の注意点
最近、宅急便の置き配サービスが拡大しています。しかし、荷物には個人情報が書かれた伝票が貼ってあるため注意が必要です。在宅時ですぐに取り込めるなら良いのですが、不在時の置き配は非常に危険。置きっぱなしになっていると留守だと犯罪者に教えているようなものですし、個人情報が取られるケースも増えています。簡易的な宅配ボックスは防犯効果が薄いので、鍵がしっかりかけられる設置型タイプを選びましょう。宅配ボックスの設置が難しいようなら、コンビニ受け取りなどのサービスを活用するのもひとつの方法ですよ。
強盗事件を防ぐには? 複合的な防犯対策で凶悪犯が侵入しにくい家をつくる
強盗のような凶悪犯対策として、防犯生活に加えて防犯設備の導入もオススメします。現在、ニュースで取り沙汰されている強盗事件は、闇バイトに応募した素人が実行犯のケースが多く、何をするかわからないので余計に恐ろしいのです。では、強盗被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか? 一番の防犯対策は、敷地内へ簡単に侵入させにくくすることです。
門扉のあるお家は、出入りのたびにしっかりと閉めましょう。もし門扉がないのであれば、敷地の境界線がわかるようにポールを設置し、プラスチック製のチェーンを取り付けると良いですね。チェーンをまたいで敷地に入ると人目につきやすいので、侵入されにくくなります。また、植え込みなどは通りから見通しが良くなるように刈り込みましょう。周りから敷地内が見えにくいと犯行に及びやすいので、隠さずあえて見えるようにするのが犯罪者に侵入されにくいお家です。
強盗や空き巣が嫌がる“5つの防犯対策”でアピール防犯
ほとんどの強盗は下見をした後、犯行に及びます。そのため、下見の段階で犯行を諦めさせることが重要になるわけです。犯罪者が避けたくなるお家づくり、犯行しにくい環境づくりをしっかりとしましょう。犯罪者に「この家は侵入しづらい」とアピールすることを「アピール防犯」や「攻撃型防犯」と言います。何重にも防犯対策をして犯罪者から狙われにくいお家を目指してください。
犯罪者から狙われにくい家にするための防犯対策は、①音 ②光 ③時間 ④目 ⑤通報 の5つを使います。「音」と「光」は警報音やライトなどで威嚇すること、「時間」は侵入までに時間がかかる対策をすること、「目」は防犯カメラや地域住民の目、「通報」はセキュリティシステムなどから自分のスマホに通知が来ることや警察へ通報することを指します。これら5つの防犯対策を複合的に実施することで、犯罪者を諦めさせて犯行を未然に防ぐことができるのです。
具体的な防犯対策例として、掃き出し窓のように人が出入りできる大きさの窓は防犯ガラスにしたり、防犯フィルムを貼ったりしましょう。防犯ガラスの厚みは最低でも60ミルを選んでください。「ミル」とはガラスの間の特殊なフィルム層(中間膜)の厚さで、数値が大きいほど破壊するのに時間がかかります。防犯フィルムはCPマーク付きのものを選び、業者へ依頼して窓ガラス全面に貼ります。防犯フィルムは自分で貼ると気泡やホコリが入って効果が減ってしまうので、必ず専門業者へ頼みましょう。加えて、窓にはスライド式で簡単に取り外すことができない鍵付き補助錠「ラチェット錠」を設置します。回すタイプの補助錠は、無理やり窓を開けようとすると外れてしまうことがあるため、あまりオススメできません。実際に、外れた補助錠が事件現場に落ちているのも目にするので、スライド式の鍵付きラチェット補助錠をオススメします。
家庭用のオススメ防犯カメラは「AIカメラ」
防犯設備のなかでも、ご活用いただきたいのが「AIカメラ」です。AIカメラは単体で複数の防犯対策を網羅しています。特定のもの、たとえば人と車が設定エリアに入るとライトが点灯、警報音も鳴って光と音で威嚇し、自分のスマホに画像が送られてくるので、すぐ110番できるだけでなく、スマホから自分の声で威嚇することもできるんです。
インターネットで検索すると2〜3万円のものもありますが、その値段帯のものはセンサーカメラがほとんどで、本格的なAIカメラとは性能が異なります。センサーカメラは、センサーの前を横切ったものをすべて認識するので、犬や猫などの小動物だけでなく虫や枯れ葉までも侵入者としてスマホに通知が来てしまいます。設置したものの役に立たなかった……という事態を防ぐためにも、AIカメラの設置は専門業者へ依頼するようにしましょう。
土地や設備はどう選ぶ? 一戸建て住宅を建てる&買うときに押さえておきたい防犯のポイント
ここからは、新築一戸建てを建てる際の土地選びや設備選びについて防犯の観点で解説していきます。まずは土地について。犯罪者に狙われやすい環境の条件は、日本防犯学校では118項目だと教えています。なかでもとくに防犯面で危険なのは「新興住宅地」。工事中のお家がいたるところにあるので、泥棒が紛れ込みやすいからです。泥棒の服装で圧倒的に多いのはスーツと作業着で、新興住宅地だとどちらがいても違和感がなく、堂々と歩きながら下見ができて、犯行もしやすいのです。新興住宅地は、銀行や郵便局、コンビニなどから離れていて、在宅金を置くお家も少なくありません。留守宅が多いこと、街灯の設置が宅地開発終盤におこなわれるケースが多いことから、周りが暗くて泥棒にとって都合が良いのです。ご近所とのコミュニケーションが確立する前ということもあり、周囲の目も緩いので防犯の観点ではオススメできない地域ですね。
防犯性が低い土地はほかにもあり、たとえばお家の隣が空き地や空き家だと、夜間は真っ暗になるうえ、空き地・空き家側のガラスが攻撃されても周囲に音が聞こえず気付きにくいので要注意。線路の近くも電車が通るときの音を利用してガラスを割られるため、侵入されやすいですね。じっくり待機して下見ができる、公園やコンビニなどが近くにある土地も防犯の観点では避けたいところです。
新居の候補地が決まったら、該当地域の警察署のホームページをチェックし、その地域にどんな犯罪が多いのか、犯罪データを参考にしてください。たとえば、小さなお子様がいるご家庭なら子どもに関する犯罪が多発しているような地域は避け、自家用車があるなら車両盗などが多い地域を選ばないようにすると良いでしょう。中古物件や建売物件、マンションなどを購入する際も同様で、住む地域の犯罪データを必ず確認するようにしてください。
注文住宅を建てるなら「防犯環境設計」を重視
一戸建ての注文住宅を新築するのであれば、きちんと防犯を学んでいる施工会社に依頼しましょう。防犯性の高いお家とは、警備会社やホームセキュリティと契約すれば安心、防犯ガラスにしたから大丈夫という単純なものではありません。キーワードは「防犯環境設計」です。「防犯性の高いお家にしたいのですが、防犯環境設計にしてくれますか?」と聞けば、防犯を学んでいる会社かどうかわかります。防犯環境設計ができる施工会社は、住む地域の犯罪情勢はもちろん、家族構成や生活パターンなどを踏まえて、犯罪者が嫌がる防犯性の高いお家を設計してくれますよ。
新築一戸建て住宅のオススメ防犯設備は「機能門柱」や「セキュリティポスト」
防犯性の高いお家にするためにオススメな設備をいくつかご紹介します。まずは「外構」。最低限、敷地の境界線ははっきりさせておきましょう。できれば見通しの良い素材で、高さが1.8〜2メートルほどのフェンスで囲うと良いですね。見通しが確保されているフェンスであれば、高ければ高いほど効果的です。
ほかに防犯性を高めるオススメな設備は、さまざまな機能を備えた「機能門柱」です。表札やポスト、インターホンなどが一体となっている門柱で、「エントランスポール」とも呼ばれています。機能門柱のインターホンは、外出先でもスマホで対応できるタイプが◎。さらにインターホンの下に鍵付き宅配ボックスがあるタイプを選べば、個人情報も守られます。ポストは、鍵付きで郵便物が抜き取りにくい構造の「セキュリティポスト」にしましょう。とくに投入口が2つあるタイプがオススメで、ハガキや封書用・新聞や大型郵便を分けて入れられるようになっています。
機能門柱の設置場所は、敷地ギリギリに立てることも検討しましょう。たとえば、玄関前が駐車スペースでオープンな状態は防犯性が低く、犯罪者に狙われ侵入されやすいので、機能門柱の反対側にポールを設置して間にプラスチック製のチェーンをかけれるようにします。
あとは、照明は常夜灯にする、セキュリティシステムを導入する、とくに窓や玄関ドア・勝手口ドア、面格子などの建物建材は防犯性の高い「CPマーク」が付いている製品を選ぶと良いですね。外構は後回しになりがちですが、建築時に十分な防犯対策を施しましょう。さらに、自分たちの安全を確保するため、すべての外構工事が終わってから入居していただきたいと思います。
子どもだけの留守番時に居留守はNG! 子どもを守る防犯対策
共働きのご家庭などでは、お子様に留守番をお願いすることもあるでしょう。なるべくなら、お子様ひとりで留守番をさせないでいただきたいのですが、どうしてもという場合は、電話やインターホンが鳴ったら必ず出るように教えてください。空き巣犯は狙ったお家が留守なのかどうか確認するため、電話を掛けたりインターホンを鳴らしたりします。子どもが屋内にいたとしても、反応がなければ侵入してくるため、鉢合わせしてしまう危険性があるのです。実際にそういった事件も起きているので、お子様に電話やインターホンが鳴ったら必ず出るようにお願いしてください。
電話なら「はい、〇〇です。お母さんは今手が離せないので、後でまた掛けてください」、インターホンなら「お母さんは今手が離せないので、また後で来てもらえますか?」と対応させるのが良いですね、伝えてほしいメッセージを紙に書いて電話やインターホンの近くに貼っておき、棒読みでも良いので読んでもらうようにしましょう。
子どもだけで留守番ができるかどうかの基準は、この対応ができるかどうかですが、お子様が小学生のうちは、できる限りひとりで留守番させないでほしいですね。小学校高学年だから大丈夫と思っていても、たまたま友達から電話が掛かってきたら遊びに行ってしまうかもしれません。親が知らないうちに子どもだけで外出するのは本当に危険です。「パパやママが帰ってくるまで絶対お家にいてね」とお子様にお願いするのはもちろんですが、できる限り留守番はさせないようにしてください。子どもだけの留守番は、海外では虐待になるほど恐ろしいこととして認識されていますから、小学生でのひとりの留守番は避けてほしいと思います。
お家周りも要注意! 子どもの情報を外に出さないための防犯対策
子どもを守るために、お家周りにも気を付けましょう。前述した通り、子どもを狙う犯罪者はお家の外からも情報を収集するので、子どもがいるとわかるものは外に出さないようにしてください。学校の体操着や運動靴、子どもの洗濯物、三輪車、おもちゃなどは、犯罪者に子どもの存在を教えているようなもの。玄関前に干してあった児童用の傘から子どもの名前を知り、「〇〇ちゃんだよね?」と話しかけて連れ去った事件も起こっています。とくに子どもがひとりでいるときが犯罪者に狙われやすいので、家族構成や子どもの名前・年齢・性別がわかりそうなものの扱いは十分注意しましょう。
子どもを犯罪から守る方法について詳しく知りたい方はコチラ
一戸建て住宅の防犯対策を防犯アナリストが解説 まとめ
犯罪者に狙われないための防犯性を高める一戸建て住宅の建て方や土地の選び方について解説しました。「防犯って大変だな」と感じられた方も少なくないと思いますが、防犯は面倒くさいものなんです。しかし、一戸建て住宅を標的とした犯罪者は、今もあなたのお家を狙っているかもしれません。在宅時に侵入してくるケースもありますから、「これくらいで大丈夫だろう」とは思わず、十分な防犯対策を講じてください。まずはニュースなどで犯罪事件を知って防犯意識を高め、防犯知識も深めつつ防犯生活を送りましょう。お家の安全性を高めるには、音・光・時間・目・通報の5つの防犯対策をなるべくたくさん重ねることも重要です。そして、新築一戸建て注文住宅を建てるなら「防犯環境設計」の施工会社を選んでください。リフォームの際も同様に「防犯環境設計」の施工会社を選ぶのが良いですね。家族を守るために、できることから防犯生活を始めていきましょう。防犯生活を続けて習慣になれば、きっと面倒に感じなくなるはずですから、ひとつひとつの防犯を心掛けて過ごしてくださいね。
狙われやすいお家の特徴を防犯住宅診断士が解説
一戸建て・一軒家の玄関や窓に防犯カメラは必要? 防犯住宅診断士がオススメするマイホームの防犯対策
空き巣などに狙われやすい土地の特徴とは?
一戸建て・一軒家の防犯対策は街選びから? 防犯住宅診断士が教えるマイホームの土地選び
一戸建て住宅に防犯カメラを設置する際のポイント
一軒家は狙われやすい?!一戸建て住宅の防犯対策-防犯カメラの選び方と設置条件とは?