防災専門家直伝!親子で取り組む自宅で学ぶ防災対策

防災専門家直伝!親子で取り組む自宅で学ぶ防災対策

新型コロナウイルスの影響により、ゴールデンウィークをご自宅で過ごされた方は多いと思います。ただ、その期間に関東地方では2度に渡り地震が起き、いつ災害が起きるか分からないことを再認識させられました。学校によっては十分な避難訓練もままならないという状況で、お子様に防災対策の重要性を自宅で教えるにはどうしたらいいのでしょうか? 防災アドバイザーの高荷智也さんに伺いました。

高荷智也(たかに ともや)
ソナエルワークス代表|備え・防災アドバイザー

「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントをロジックで解説するフリーの専門家。大地震や感染症パンデミックなどの防災から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく実践的に伝えるアドバイスに定評があり、講演・執筆・コンサルティング・メディア出演など実績多数。

公式サイト
備える.jp
https://sonaeru.jp


防災アドバイザーの高荷智也です。お子様に防災のことを教える場合、まずは興味を持ってもらうことからはじめましょう。防災への興味は工作やアニメ、マンガなどのエンタメからも高めることができますので、ご自宅にいる時間が多いこの機会に、ぜひ楽しく学んでみてください。

防災意識の向上につながる! 親子で楽しみながら防災グッズ工作!

手作り防災グッズのなかには、日常品だけで簡単に作れるものがたくさんあります。お子様と一緒に作り方を覚えて、楽しく工作してみましょう。 ただし、注意していただきたいのは、今からご紹介するものはあくまでも、防災意識を高めるための一つのきっかけに過ぎないということ。もちろん、作り方を知っておけば、緊急時に役立つということは間違いありません。しかし重要なのは、いざという時に防災グッズを手作りしなくてもすむよう、日頃からの備えを十分に行うことです。お子様と一緒に手を動かすなかで、家庭の防災対策を今一度、見直してみましょう。

新聞紙を折るだけでスリッパが作れる

手作り防災グッズ 新聞紙スリッパ
手作り防災グッズ 新聞紙スリッパ

新聞紙が1枚あれば簡易用のスリッパを作ることができます。地震が起きてガラスが割れた場合、室内を裸足で歩くのは危険なので、万が一の事態に備えて覚えておきましょう。ただし、靴や上履きを履いて移動する方が安全なのは間違いありません。作り方を覚えておくとともに、すぐに取り出して履ける靴や上履きを寝室などに用意しておくとより安心でしょう。

新聞紙スリッパの詳しい作り方はコチラ
https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-9/

ポリ袋を切って作るゴミ袋カッパ

手作り防災グッズ ゴミ袋カッパ
手作り防災グッズ ゴミ袋カッパ

冬場の屋外避難時は、水濡れ対策が特に重要になります。雨に濡れたままの状態で長時間過ごすと最悪の場合、凍死する恐れもありますので、非常用持ち出し袋にはレインスーツや防寒着、着替えやタオルは必ず入れておきましょう。非常時にレインスーツや雨ガッパがない場合は、簡易用としてゴミ袋カッパで代用します。このゴミ袋カッパは野外レジャーやアウトドア時、突然雨が降ってきた際にも意外と役立つので、作り方を覚えておいて損はないでしょう。

ゴミ袋カッパの詳しい作り方はコチラ
https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-10/

キッチンペーパーマスクの作り方

手作り防災グッズ キッチンペーパーマスク
手作り防災グッズ キッチンペーパーマスク

震災や浸水害が発生した後は、ガレキや汚泥に由来する粉塵が立ちこめたり、場所によってはアスベストなどが飛散したりします。また体育館などの避難所で生活する場合、床に近い場所は砂埃などの影響を受けるため、のどを保護するマスクなどを着用するとよいでしょう。新型コロナウイルス感染拡大の影響で品薄になっていますが、マスクはほとんどの災害時に重宝するので、コロナ禍が収束した後も、マスクの備蓄が足りないようであれば引き続きストックすることをオススメします。

このキッチンペーパーマスクは、避難所生活での喉の保護や防寒対策という面で有効です。また、外部からのウイルスをブロックする効果はあまり期待できないものの、咳エチケット対策にはなるでしょう。

キッチンペーパーマスクの詳しい作り方はコチラ
https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-11/

家庭内でできる防災実験とは?

停電時に便利! ツナ缶ランプの実験

停電時に便利なツナ缶ランプ
停電時に便利なツナ缶ランプ

普段から美味しく食べられるツナ缶。災害時に非常食となるだけでなく、実は停電対策としても利用できます。缶を少し開け、こより状にしたティッシュを刺しこんで点火するだけで、条件により数十分程度明かりが持つツナ缶ランプになります。火を使うのでお子様だけではできない実験ですが、停電時の明かりの重要性を伝えるにはもってこいでしょう。ただし、これとは別に対策もしっかりと行ってください。停電すると自動的に明かりが付くライトがオンラインショップなどで購入できますので、用意しておくといいでしょう。

ツナ缶ランプの詳しい実験方法はコチラ
https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-8/

懐中電灯を非常用ランタンにする実験

懐中電灯を非常用ランタンにする実験
懐中電灯を非常用ランタンにする実験

懐中電灯は目の前を明るくするのは得意ですが、室内全体を明るくするのには不向きです。そこでご紹介したいのが、身の回りのものを使って、光の変化を確かめる実験。懐中電灯の上にペットボトルを乗せたり、レジ袋を被せたりすることで、ランタンのように光が拡散するので、このことを知っておけば非常時に役立つでしょう。ご家庭にあるものを使って、何が一番光を拡散できるのか、お子様と一緒に探してみるのもオススメです。この非常用ランタンは停電時だけでなく、アウトドアでも重宝するので、ぜひ覚えていただきたいですね。

この実験について詳しく知りたい方はコチラ
https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-13/

防災のプロオススメ! 自宅で防災知識を高めるアニメ・マンガ

防災についての知識はアニメやマンガでも学ぶことができます。個人的にオススメな作品は4つで、アニメは小学生くらいまでのお子様と一緒に観る用、マンガは中学生以上のお子様が防災知識を深めるものとして活用できるものを挙げております。

防災を学べるアニメ① 「はたらく細胞」

清水茜先生のマンガ「はたらく細胞」のアニメ版がオススメです。このアニメでは人間の体内にある赤血球や白血球などの細胞を擬人化し、その仕組みを分かりやすく紹介しています。新型コロナウイルスが問題になっているこの時期に観ておくことで、人体と細菌がどのように戦っているのか、イメージしやすくなるのではないでしょうか。パンデミックに関わらず、避難所では食中毒やノロウイルスなどの感染症が問題になりますので、感染症へのリテラシーを高めておくことは、防災対策としても重要なことです。U-NEXTやNetflixなどの動画配信サービスで視聴可能なので、観られる環境の方は視聴してみてください。

防災を学べるアニメ② 「東京マグニチュード8.0」

フジテレビの人気深夜アニメ枠「ノイタミナ」で2009年に放送された、「東京マグニチュード8.0」もオススメです。このアニメは「もし、東京でマグニチュード8.0の大型地震が起きたら?」をテーマにした作品です。小中学生の姉弟が主人公なので、お子様でも内容がすんなりと入ってきやすいかと思います。大人が観てもかなり感動する作品なので、親子で一緒に楽しみながら、防災を学ぶことができますよ。U-NEXT、もしくはAmazon Primeで視聴できます。

防災を学べるマンガ① 「日本沈没」

小説から映画、テレビドラマまでさまざまな媒体で作品化されている「日本沈没」。なかでも私が紹介したいのは、一色登希彦先生によって、2006年から2008年まで連載されていたマンガ版です(全15巻)。 こちらのマンガでは災害全般について扱っており、知識的にも、エンタメ的にも面白くまとまっています。とりわけ「6巻」の首都直下地震編はシミュレーションがかなりリアルな内容なので、読む前と読んだ後では防災に対する意識が変化するのではないでしょうか。

防災を学べるマンガ② 「彼女を守る51の方法」

2006年から2007年にかけて連載された古屋兎丸先生の「彼女を守る51の方法」(全5巻)という作品は、首都直下地震に巻き込まれた若い男女が主人公の震災をテーマにした作品です。災害が起きた際、どのようなトラブルが起こり得るのかがリアルなシチュエーションで描かれています。全5巻と読みやすく、内容も濃いのでオススメです。

この機会にお子様とハザードマップを見てみよう

手作り防災グッズやアニメ、マンガなどで防災に対しての大切さを学んだ後、余裕があればハザードマップも見ておくといいでしょう。災害の種類別にどこでどのような被害が生じるか、そして、避難場所についての確認ができます。特に、共働きのご家庭の場合、子どもが単独で逃げなければいけなくなる可能性も少なからずあるかと思いますので、避難経路はしっかりと確認させておきましょう。ただ、小学校低学年までのお子様の場合、まだ一人では避難できないことも十分に考えられます。その場合、何があっても家にいて、知っている人が迎えに来るまで待つという意識を持たせてあげましょう。

注意しておきたいのが、ご自宅が災害に巻き込まれる地域にある場合です。小さいお子様にハザードマップを見せることは、災害の恐怖心を過度に助長することにもなりかねません。そのような場合、「見せない」という選択肢もあります。もしくは、街の中心の施設や駅などの安全な場所を限定して見せるようにして、緊急時にはそちらに避難する、ということを教えてあげてください。お子様が成長したら、より具体的な避難経路を示してあげましょう。

ハザードマップの解説はコチラ
https://myhomemarket.jp/magazine/30-disaster-03-earthquake/index.html

自宅でお子様と学ぶ防災対策 まとめ

繰り返しになりますが、災害はいつ何時起こるかわかりません。ご自宅で過ごす時間が多いこの期間を利用して、お子様と一緒に防災意識の向上を目指してみてください。

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