過干渉や理想の押し付けはNG? 子どものころ「親にされて嫌だったこと」ランキング

親の行動は、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか? 大人になってから子ども時代を振り返ると、「あれが嫌だった」「あのときは辛かった」などと感じる親子間の出来事を思い出すこともあるでしょう。我が子には幸せな記憶だけ持っていてほしい、子どもが嫌と感じることはしたくないと思われている方も多いと思います。しかし、親子であっても別の人間。親が感じることと子どもが感じることは同じではありません。親が良かれと思うことが、子どもにとって嬉しいこととはかぎらないですよね。また、心に余裕がないと子ども時代の気持ちを忘れ、ついつい我が子に辛くあたってしまうこともあるかもしれません。そこで、マイホームマーケットでは20〜60代の男女を対象に「子ども時代、親がすることで嫌だったこと(親にされて嫌だったこと)」をテーマにアンケート調査を実施。その結果をランキング形式で、理由やエピソードとともにご紹介します。親からの過干渉や厳しすぎるしつけなど、具体的なエピソードから見えてくる子ども時代の本音は、きっと子育てのヒントにもなるはずです。

過干渉、他人との比較、両親の不仲……「親のすることで嫌だったこと」アンケート調査の結果

過干渉、他人との比較、両親の不仲……「親のすることで嫌だったこと」アンケート調査の結果
親がすることで嫌だったこと(複数回答可・n=179)
順位 嫌だったこと
1位 過干渉だった/理想や期待を押し付けられた
2位 両親(家族間)の仲が悪かった
3位 他人や兄弟・親戚などと学力を比較された
4位 しつけが厳しすぎた
5位 交友関係や交際関係に口出しされた
6位 頻繁に怒鳴られたり、ひどい言葉を言われたりした/ヒステリックだった
7位 他人や兄弟・親戚などと性格を比較された
8位 やりたいことや気持ちを尊重してくれなかった
9位 身なりに無頓着だった
10位 愛情を十分受けられなかった/自分に対してあまり関心がなかった
10位 仕事や人間関係などの愚痴を聞かされた
12位 アルコールやギャンブルの依存症だった

子ども時代、親のすることで嫌だったことのアンケート調査を実施した結果、「過干渉だった/理想や期待を押し付けられた」が1位となりました。2位は「両親(家族間)の仲が悪かった」、3位は「他人や兄弟・親戚などと学力を比較された」と続きます。各項目を選んだ方から理由や当時のエピソードも伺ったので、1位から順にご紹介していきましょう。

「親のすることで嫌だったこと」アンケート調査結果のグラフ

親にされて嫌だったことの第1位は「過干渉だった/理想や期待を押し付けられた」

親のすることで嫌だったことアンケート 1位は「過干渉だった/理想や期待を押し付けられた」
親の理想が高く、志望校に合格することを半ば義務付けられていた
地元の学校に通いたかったが、学校の偏差値やその後の進学の観点で遠方の学校に通うことになった
大学受験のときに疲れて寝ていただけなのに、勉強していないと怒られた
自身の判断で必要十分な量の勉強はしていたが、勉強しろと言われていた。とくに姉に対してはよく言っており、姉が精神のバランスを崩したため、それ以降はあまり言われなくなった
過度な期待を持たれていてプレッシャーだった
期待を持たれることがうれしかった反面、プレッシャーに感じている部分もあった
よかったことと裏表ではあるが、中学受験ルートに乗せられた

親のすることで嫌だったこと1位は「過干渉だった/理想や期待を押し付けられた」でした。なかでも多く見られたのは、進学・勉強に関する干渉や、過度な期待についての意見です。進学について、自身よりも親の選択を強制させられた方の意見や、勉強を押し付けられたというコメントが多く見られました。これらの声には、親の考える理想と、子ども自身の希望、双方のズレに対するジレンマが含まれているように感じます。親は良かれと思ってやっていることでも、子どもにとっては受け入れ難かったり、苦しかったりするのではないでしょうか。とくに「勉強を強制された姉が精神のバランスを崩した」というエピソードは、親の理想を一方的に押し付ける行為がいかに危ういかを物語っています。

一方で、「期待されることはうれしかった」「よかったことでもある」など、表裏一体の思いを抱えたコメントも寄せられました。親の期待は子どもの成長を後押しすることもあれば、過度な期待は重荷になってしまうケースもあるようです。

我が子に親の理想を押し付けるのはNG?
過干渉というよりは心配性で、留学をしたかった際も「女子だから」という理由で許可がもらえなかった
過干渉というか過保護だった。今思えば親の気持ちもわかるが、当時は門限が厳しいと感じていた
自分はもう大人なのに、親にとっては子どもであるため、「余計だな」と思うことを言われることがあった
心配性でやりたいことをやらせてくれないケースが多かった
あまり自由に外出できる雰囲気ではなかった
いろいろな経験で失敗しないように過干渉な部分があった。失敗することで成長することもあると思う
友人と二人で行く予定だった県外のオープンキャンパスに付いて来られた
自分が気付いてほしかったことには気付かず、一方であまり触れてほしくないことには干渉された
いまだに過干渉で、離れて暮らしていても、ほとんど毎日連絡を取っているのが面倒に感じることがある
妹が親にベタベタされたくないタイプなので、基本的に母は私にべっとりで、それは今も変わらない

過干渉については「親が過保護・心配性すぎた」という内容のコメントもたくさん寄せられました。ついつい我が子を心配してしまうのが親心ですが、過剰になりすぎると逆効果となってしまうこともあるようです。やりたいことをさせてもらえなかった、失敗してもいいからチャレンジしたかったなど、子ども時代の後悔を今でも引きずっている方も見受けられます。なかには、「大人になった今でも過干渉」といった意見も。親にとって“子どもはいつまでも子ども”とは言え、成長すれば大人同士でもありますから、お互いに距離感を保つことも大切なのかもしれません。

第2位「両親(家族間)の仲が悪かった」

親のすることで嫌だったことアンケート 2位は「両親(家族間)の仲が悪かった」
毎日、両親が喧嘩していた。家族の喧嘩を見るのは気分がよくない
亭主関白な環境でよく喧嘩をしていた
夫婦仲はあまりよくない、父親が嫌いになった
両親が週1くらいの頻度で大声を上げるような喧嘩をしていた。その場にいて気分がよくなかった
両親の仲が悪く、喧嘩もあった。父親がいわゆる「逆ギレ」みたいな形になることが多く、大声で怒鳴ることもあったため、今でも自分ではない誰かが怒られているのを見聞きしたり、不機嫌な様子を感じたりすると非常に不安になる
亭主関白で、父親が母親の悪口を言っていた
私が大学生のときに一度離婚の危機があった。理由を聞いてみると一過性の感情によるものだったので、その場をなだめることができたが、もう少し家族のことを考えて言動に気を付けてほしいと感じた

親のすることで嫌だったことの2位には「両親(家族間)の仲が悪かった」がランクイン。寄せられたコメントからは、両親や家族間の不和が子どもの心に与える影響の大きさが浮き彫りになっています。とくに「毎日喧嘩をしていた」「大声を上げるような喧嘩が頻繁にあった」などのケースでは、子どもがその場にいるだけでストレスを感じ、家庭内で安心できない状態になっていたことがわかりますね。また、「父親が母親の悪口を言う」「逆ギレする父親が怖かった」などの経験をした方は、大人になっても辛い記憶として残り、他人の怒りや不機嫌さに敏感になる原因となったようです。

そのほかにも、当時の寂しさや苦しさが反映されたコメントが多数届いています。

家庭内で両親同士での会話があまりなく、友人の家庭と比べたときに寂しい気持ちになった
家族仲が悪い時期があり、そのときは暗い気持ちになった
親が不仲なことで、家庭内コミュニケーションもいびつだった
小学生のころ、父と祖父が仲違いして家庭内がごたごたしたのは嫌だった
家庭内であまり会話が弾まなかったので、家族仲が悪いと思っていたが、今思うと、それほどでもないことだった

「家庭内での会話が少なく寂しかった」「親が不仲で家庭内コミュニケーションがいびつだった」などの意見からは、親同士の関係が家庭全体の雰囲気に関わってくることが読み取れます。両親の仲が悪く家族の会話が途切れたり、暗い空気が日常的に漂ったりすることが、子どもにとって孤独感や不安感を生む要因となるようです。一方で、「一時的なものだった」「それほどでもなかった」という旨のコメントもあり、不和の程度や期間が子どもの受け止め方に大きく影響することもわかります。親同士の不和が短期間で解消されれば、子どもの心に嫌な記憶として残ることも少ないのかもしれません。

第3位「他人や兄弟・親戚などと学力を比較された」

親のすることで嫌だったことアンケート 3位は「他人や兄弟・親戚などと学力を比較された」
どうしても兄弟と比べられるのは嫌だった
長男のため、友人や兄弟と比較されることが多かった
家でも、学校でも、塾でも姉と比較されるのがとても嫌だった
過度ではなかったが、兄弟との学力や努力の度合いについての比較はしんどかった
3人兄弟の末っ子だったが、兄・姉と比べられたり部屋が狭かったりして、差別されていると感じた

3位には「他人や兄弟・親戚などと学力を比較された」がランクイン。とくに多かったのは、兄弟・姉妹と比較されたという意見でした。兄弟や姉妹と言えど、それぞれに個性や得意分野があり、同じように成績や努力を比べられることを負担に感じていた方も多いようです。とくに「長男だから」「末っ子だから」など生まれ持った立場を持ち出しての比較は、子どもにとって受け入れがたいことがわかります。また、学力そのものだけでなく“努力の度合い”を比較されるのが負担だったという声も。親から見て「もっと頑張れる」と感じたとしても、本人の中ではすでに限界まで頑張っている場合もあるのではないでしょうか。家庭内だけでなく、親戚や友人との比較についても同様の声が寄せられています。

ほかの家庭と比較された
小学校のときの友だちと学力を比較された。塾も成績順に座るのが嫌だった
従妹がどこどこの高校に合格したとか、成績が優秀だとかの話が嫌だった
自身のことだけでなく、ほかの人のことを自分の前で話されるのがあまり好きではなかった
「人と比べても意味がない」とわかってはいるが、大人になった今でも、いつも気にしてしまい、へこんだり自信を失ったりしている

「友だちと比較された」「従妹の話を持ち出された」というコメントには、誰かと比較される環境そのものがストレスになっていたことが伺えます。さらに「塾で成績順に座る」といったシステムが苦痛だったとの声も。成績が目に見える形で明確になることで、励みになる子もいれば、過度な負担となる子もいることがわかります。また、「大人になった今でも気にしてしまう」という声からは、親からの言動や周囲の環境が、後々の自己評価やメンタルに影響を与えることを物語っています。「人と比べても意味がない」とわかっていても、繰り返し刷り込まれた価値観はなかなか拭い去れないのかもしれません。

第4位「しつけが厳しすぎた」

親のすることで嫌だったことアンケート 4位は「しつけが厳しすぎた」
大学生になっても門限が厳しく、それなりに決まりごとが多かった
高校生で門限が19時など、とにかく厳しかった
父親がとにかく厳しい人で、門限などが厳しく自由に遊ぶことができなかった。また、九州男児でとにかく亭主関白、母親に対してもとても厳しかった
心配してくれているのは承知しているが、「女の子だから」という理由で弟と行動(門限など)を区別されるのが嫌だった
友人と遊びに行く場所などの制限が多かった
自営業で接客をやっていたため、他人から見られることへの意識が強く、しつけが厳しかった
親には親の理想があったのか、行動についていちいちうるさかった
厳しかったわけではないが、携帯電話を高校生になるまで持たせてもらえなかったのは嫌だった

4位は「しつけが厳しすぎた」で、こちらもさまざまな意見が集まっています。「大学生になっても門限が厳しかった」「高校生で門限19時」など、門限に関するコメントが多く見られました。高校生、大学生と大人に近付くほど、周囲の友だちは夜遅くまで遊んでいるのに「どうして自分だけ門限が厳しいのだろう」と考えてしまうケースもありそうです。「女の子だという理由で弟と門限などが区別されていた」というエピソードは、親御さんが心配する気持ちも理解できる反面、姉弟間で別のルールを設けられることに本人が納得できなかったことが伺えます。

厳しいしつけに幼いころは萎縮し、思春期を迎えると反抗するようになった
幼少期は、言葉遣いや食事のマナーが厳しかったので、食事の時間が楽しくないと思うことが多かった。中学生になるとマナーが身に付いたのか厳しく言われることもなくなり、食事は家族団らんの時間だった
しつけはかなり厳しかったが、当時は1人目の子どもで育て方がわからず厳しくしてしまったそうで、今は親自身も反省しているとのこと。でも、そのおかげで今の自分があるとも思う
今考えれば必要なことだったと思うが、いろいろと厳しくて当時は「うるさいな」と感じていた

子ども時代の厳しいしつけについて「萎縮していた」「食事が楽しくなかった」などの声もありました。しつけは大切なことですが、あまりに厳しい場合はお家での生活が苦痛になってしまう可能性も。また、厳しいしつけがきっかけで、思春期に反抗するようになってしまったケースもあるようです。一方で、大人になってから「厳しくしつけてもらったおかげで今の自分がある」「今考えれば必要なことだった」と納得できている方がいたり、親御さん自身が厳しすぎたことを反省しているご家庭もあったりと、必ずしもネガティブな結果をもたらすわけではないことがわかります。

第5位「交友関係や交際関係に口出しされた」

親のすることで嫌だったことアンケート 5位は「交友関係や交際関係に口出しされた」
学生時代は常に交友関係に口出しされており、広く浅くの付き合いができずに育ってしまった
中高の交友関係に口出しされたことが強く印象に残っている
思春期のときに友達関係をいろいろと把握されていたのが嫌だった
中学高校の多感な時期は、あまり交友関係などに口出ししてほしくなかった
田舎から都会に引っ越してきて交友関係が変わったとき、新しくできた都会の友達を否定されて嫌だった
なかなかにやんちゃなグループで遊んでいたが、強制的に抜けさせられた。自分が親となった今では正しかったのかなと思わなくもないが、当時は「なんで親がそんなことまで口を出すんだ」と非常に嫌だった
私の友人の親についての愚痴を聞くのは嫌だった
交際相手に対して苦言を言われた
自分の友人や恋人について、あれこれ口出しされた

5位の「交友関係や交際関係に口出しされた」には、とくに思春期のころに関するコメントが多く集まりました。中学〜高校生の時期は、子どもが自分の価値観や社会性を形成するタイミング。親の心配が増える反面、子ども本人からすると自身の人間関係やコミュニティに口を出されたり、批判されたりすることは大きなストレスになるようです。「人間関係を把握されていて嫌だった」という意見もあり、監視されているように感じるケースも見受けられました。一方で、「今となっては親の判断が正しかったのかも」と振り返るコメントもあり、親の意図が必ずしも否定されるわけではない点も印象的です。

第6位「頻繁に怒鳴られたり、ひどい言葉を言われたりした/ヒステリックだった」

親のすることで嫌だったことアンケート 6位は「頻繁に怒鳴られたり、ひどい言葉を言われたりした/ヒステリックだった」
常に親の機嫌を伺わなければならず、自分に非がないことでストレスを感じるのが辛かった
ヒステリックな態度は、直接向けられていようが見聞きしているだけだろうが、気持ちを落ち込ませるものだと思う
小さいころから亭主関白の家庭で、感情的に激怒されるのが怖かった
手伝っても「ありがとう」と言われず、「毎回してほしい」と言われ、意欲がなくなった
叱られるときに、こちらが話してもすべて否定されたり、両親がお互いの悪口を私に言ったりしていた。家族に気を遣うようになってしまい、自宅でも安らげないのが嫌だった

「頻繁に怒鳴られたり、ひどい言葉を言われたりした/ヒステリックだった」が6位に入りました。「常に親の機嫌を伺わなければならなかった」「感情的に激怒されるのが怖かった」という声からは、親の感情が子どもの安心感を奪っていたことがわかります。とくに、理由がはっきりしない怒りや理不尽な叱責は、子どもの心にストレスや恐怖を与える可能性が高いと言えるでしょう。また、叱られる際のコミュニケーションにおいて「すべて否定された」といった経験も、子どもにとって嫌な記憶として長く残りかねないようです。

子育てや教育のなかで、親が子を叱らなければいけない瞬間は多々あるでしょう。しかし、声を荒げたりヒステリックな態度をとったりすると子どもを萎縮させてしまい、心に傷を残す可能性すらあります。叱るときは感情的にならず、冷静であるべきだと考えさせられますね。

第7位「他人や兄弟・親戚などと性格を比較された」

親のすることで嫌だったことアンケート 7位は「他人や兄弟・親戚などと性格を比較された」
1歳違いの弟とよく比較された。「お姉ちゃんなんだから」という言葉に縛られていた
兄弟との比較。長子だったこともあり“上には厳しく、下には優しく”を感じた
弟の分のおやつを残しておくことができないと戒められた
私は何もしていないのに、親戚の子や近所の子からちょっかいを出され、親からは私が泣いたせいで空気が悪くなったと言われた。味方が誰もいない絶望と理不尽を味わったので、一生忘れないと思う
すぐに他人と比較され、模範的であることを押し付けられた
生まれ持った性格はどうしようもないことなので、あれこれ言われるのは嫌だった

7位は「他人や兄弟・親戚などと性格を比較された」でした。この回答をした方の約7割は「他人や兄弟・親戚などと学力を比較された」も選んでおり、さまざまなシーンで比較された経験の多さが伺えます。この回答には、兄・姉の立場の方からのコメントが多く寄せられました。長子だからと我慢を強いられた、厳しくされたなど、当時の複雑な心境が感じ取れる声が見られます。“お兄ちゃん、お姉ちゃんはしっかりしなければならない”という価値観は確かに存在しますが、先に産まれただけで親の対応が変わってしまうのは、本人からすれば納得できない面もあるのかもしれません。

また、「ちょっかいを掛けられた側なのに親から責められた」「模範的であることを押し付けられた」などのエピソードからは、子ども時代に寄り添ってもらえなかった悲しみが感じられます。親としては、我が子をおとしめたり無理に矯正したりする意図がなかったとしても、子ども心に不信感が残る場合もありそうです。

第8位「やりたいことや気持ちを尊重してくれなかった」

親のすることで嫌だったことアンケート 8位は「やりたいことや気持ちを尊重してくれなかった」
心配性でやりたいことをやらせてくれないケースが多かった
勉強や習い事の押し付けが嫌だった
野球やサッカーを早くからやりたかったが、なかなか許してくれなかった。周りの友人が始めて、やっと許可がおりた
古い考え方だったので、女の子の自主性はあまり尊重されなかった
進路・就職で一部自主性が尊重されなかった
早く結婚しろとお見合いを勧められ、断っているのに勝手に進められた。また、母親は理解があったが父親が頑なで、自分で結婚相手を見つけて紹介したら反対され、結局破談となった

8位は「やりたいことや気持ちを尊重してくれなかった」でした。「心配性でやりたいことをやらせてくれない」「勉強や習い事の押し付けが嫌だった」などの意見からは、自身の意思よりも親の価値観が優先されていたことに対して、不満を抱いていたことがわかります。また、結婚について無理やりお見合いを進められたり、自身が連れてきた相手を反対されたりといったケースは、子どもが結婚を考えるような年齢になったにも関わらず、親御さんが自己決定を認めなかった事例と言えます。「我が子には幸せになってほしい」という親心があったのかもしれませんが、人生を左右する決断においては本人の意思を尊重することも必要なのではないでしょうか。

第9位「身なりに無頓着だった」

親のすることで嫌だったことアンケート 9位は「身なりに無頓着だった」
両親とも身なりに無頓着+若くはなかったので、授業参観の際などは少し恥ずかしかった
食事や身なりなどあまり気にするタイプではなく、友だちを家に呼びたくなかった
服装に関して、干渉されることがなかった。当時の服装は今思うと適当だったのでもう少し気を使いたかった
身なりに無頓着なところが遺伝した
身なりに気を使いたい年頃なのに、勝手に洋服を買われたり、サイズの合わない靴を履かされたりした

9位の「身なりに無頓着だった」については、親・自分(アンケート回答者)それぞれの身なりについてのコメントが寄せられました。親御さんについては「身なりに無頓着・服装を気にしない親が恥ずかしかった」との意見が見られます。小学生や中学生くらいになると、友だちの親と自分の親を比較してしまう部分もあったのでしょうか。また、親御さんが服装に無頓着だったがゆえに、自身にも影響したという声も。コメントでは「子どもの服装にまったく干渉しない」「勝手に服を買ってきた」と真逆のケースが挙げられており、無関心すぎても、気に掛けすぎても子どもの心にモヤモヤを残してしまうことがわかります。身なりに関しては親の適度な気配りが重要なのだと考えられますね。

同率10位「愛情を十分受けられなかった/自分に対してあまり関心がなかった」「仕事や人間関係などの愚痴を聞かされた」

親のすることで嫌だったことアンケート 同率10位は「愛情を十分受けられなかった/自分に対してあまり関心がなかった」

10位には「愛情を十分受けられなかった/自分に対してあまり関心がなかった」と「仕事や人間関係などの愚痴を聞かされた」が同率でランクインしました。それぞれ、どのようなコメントが寄せられたのでしょうか? まずは「愛情を十分受けられなかった/自分に対してあまり関心がなかった」から見ていきましょう。

自分に対して無関心だと感じることが多かった。兄と妹優先で、自由ではあったが家庭内で孤独だったかもしれない
弟に手が掛かっていたため、問題を起こすことのない自分は放任されていた
褒めてもらう機会がなかった
母は過干渉、父は無関心だった
遠くから見守る感じだったと思われるので、自分への関心は薄かった印象
自分に関心がないわけではなかったと思うが、どうすれば愛情をかけていることになるのか、親は理解できていなかったと思う

寄せられたコメントからは、無関心に感じられた親の態度が、子どもの心に孤独感や物足りなさを残した様子が伺えます。「兄弟が優先された」「問題を起こさない子どもとして放任された」といったケースでは、自分自身の存在が軽視されているように感じられたのかもしれません。また、「褒めてもらう機会がなかった」という声からは、明確な愛情表現が乏しかったことで、子ども自身が愛情不足を感じていたことがわかります。一方で、「親はどうすれば愛情をかけていることになるのかを理解できていなかった」という指摘も。親自身が子どもとの適切な関わり方に戸惑っていた可能性もありそうです。

親のすることで嫌だったことアンケート 同率10位は「仕事や人間関係などの愚痴を聞かされた」

「仕事や人間関係などの愚痴を聞かされた」を選んだ方からは、以下のようなコメントが寄せられました。

食事の際、父と母でよく愚痴を話していた
両親の仲が悪く、母が泣きながら父の愚痴を言っているのを聞くのがしんどかった

仕事や生活のなかで、イラッとしたりモヤモヤしたり、愚痴を言いたくなることは誰しもがあると思います。家族やパートナーに聞いてもらうのもストレスを軽減させるためには必要なことでしょう。しかし、子どもがいる前で日常的に話していると、今回のアンケート結果にも見られるように、記憶に残る嫌な思い出になりかねません。子どもは聞いていない、理解していないなどと思わずに、会話内容には配慮するべきだということがわかります。

第12位「アルコールやギャンブルなどの依存症だった」

親のすることで嫌だったことアンケート 12位は「アルコールやギャンブルなどの依存症だった」
離婚した父がアル中だった
ギャンブルが好きで夜遅くに帰宅することがあった
家族へ金銭的な影響を与えていた

「アルコールやギャンブルなどの依存症だった」については、夜遅くの帰宅や家計への金銭的な影響など、家族に負担が掛かっていたとするコメントが寄せられました。アルコールやギャンブルは依存症レベルになると周囲に大きな迷惑をかける危険性があります。子どもの記憶にも嫌な形で残りかねませんから、適度に楽しむことが重要だと言えるでしょう。

子ども時代、親にされて嫌だったこと「その他」の理由やエピソードをご紹介

子ども時代、親にされて嫌だったこと「その他」の理由やエピソードをご紹介

今回のアンケート調査で最も多かった回答は「その他」でした。寄せられたさまざまなエピソードもご紹介します。

高校生になってもメールやLINEをチェックされた
習い事に対する期待が大きく、高い楽器を買ってもらったが正直プレッシャーだった。自分の能力ややる気の限界は見えていたが、「そこまでしなくていい」とも言いにくかった

上記の意見は「過干渉だった/理想や期待を押し付けられた」にも近い内容ですね。親が子どもの人間関係を心配する気持ちは高校生になっても変わらないのかもしれませんが、プライバシーに踏み込みすぎるのは考えものと言えそうです。我が子への期待も、あまりに大きすぎると本人にとってはストレスになりかねませんから、気を付ける必要があるでしょう。また、お金や家庭の経済状況にまつわるエピソードも届いています。

父は事業を起こしては失敗し、さらに買い物依存的なところがあり、かなり借金を抱えていたように思う。そのせいで母が朝から晩までパートに出なくてはならず大変そうだった
お年玉を預けたが、家のローンに使われていた
お金の心配を私がしている状態が嫌だった。周囲がお金を使ってレストランなどに行く際も、自分は我慢して行かなかった
親を見ていると欲しいものを欲しいと言えず、買いたいものが買えなかった

「父の事業による借金で母が苦労した」「自分のお年玉が家のローンに使われた」など、子ども時代にお金のことで辛い思いをした経験が寄せられました。お家の経済状況で不安になったり、金銭面で我慢が多かったりした苦い記憶が、大人になった今でも心に残っていることが見て取れますね。ほかにも、嫌だったことや辛かったことに関するコメントをご紹介していきます。

父親が母親に強く当たることや、暴力を振るったり暴れたりするのが嫌だった
父が母や周りに対して怒鳴ることがあり、そばにいて気分が悪くなったり悲しくなったりした
嘘を平気でつく親だった。嘘も方便とは言え、堂々と周りの大人に嘘をついていた姿を見ていたので「大人は嘘をついてもいいんだ」と子どもながらに不信感を募らせた記憶がある。また、子どもにはわからないと思って嘘を言っていたと思うが、子ども心にわかっていた記憶がある
一度、裏庭にある倉庫に閉じ込められたこと。ただ、母がつくった食事に文句を言った当時の自分が悪いとは思う
母と祖母の仲が悪かったので、祖父母の家に行くのが嫌だった
個人の部屋が与えられず、プライベートなスペースがなかった
自分の知らないところで、自分のことを話題にされた。成績を親族に話されることが嫌だった

暴力を振るう、家族や周囲を怒鳴りつける、平気で嘘をつくなど“親が”というよりも“人として”疑ってしまうようなエピソードを挙げた方もいました。子どもに向けた暴力や嘘はもちろんのこと、誰かを傷付けたり人を騙したりする親の姿を見せてしまうことも、悪影響だと言わざるを得ません。「裏庭にある倉庫に閉じ込められた」というエピソードでは、自身に否があったことも含めて語られていますが、しつけの範囲が難しいことを考えさせられます。「個人の部屋が与えられなかった」「成績を親族に話された」は、プライバシーに関する事柄ですね。個室はそれぞれの家庭の事情もあるので一概には言えませんが、子どもであってもプライバシーは大切にしたいと思っていることがわかります。

親から子ども時代の自慢話(成績トップだったこと)をよく聞かされた。遠い昔に過ぎたことを聞かされ続けて、親を超えるように上位を目指した。結果、満点より上がない事を知った
価値観が古い。田舎の価値観のままで保守的
部屋がいつも散らかっていた
両親が離婚したこと
小学5年生のときに、父が55歳で亡くなった

進学や成績について干渉されたなどのコメントはとても多く寄せられましたが、「親の子ども時代の成績を自慢された」という意見も見受けられました。ご自身にとって嫌だったことではあるものの、結果的に努力につながって、成績トップとなったエピソードには驚かされますね。

ご両親の離婚を経験された方や、早くに親御さんを亡くされた方からの声には「両親が一緒にいてほしかった」「もっとお父さんといたかった」という気持ちが感じられます。アンケートの調査結果からさまざまな方の子ども時代を振り返りましたが、両親が仲良く健在であることが一番ではないかと思わされるコメントでした。

親にされて嫌だったことが「ない」人の割合は?

親のすることで嫌だったことアンケート 親にされて嫌だったことが「ない」人の割合は?

実は「その他」を選んだなかで、65.1%もの方は「とくになし」と回答していました。この回答は、全体の回答数に対しても24.0%にあたります。

嫌だったことはあまり覚えていない。そこまで嫌なことはなかったのだと思う
嫌だったことの記憶がない
恵まれていたと思うので、特に不満はない
思い当たることはとくにない

印象に残るような嫌なことはなかったという方から、恵まれていたと思う方まで多少の違いはあるものの、子ども時代を振り返って、親御さんに対する嫌な記憶がない方も多かったようです。

子どものころ「親にされて嫌だったこと」ランキング まとめ

子ども時代、親がすることで嫌だったこと(親にされて嫌だったこと)のアンケート結果を振り返ってみると、過干渉やプレッシャー、両親の不仲、兄弟や他人との比較など、多くの人が子ども時代に傷付き、苦痛を感じていたことがわかりました。当時の記憶が今でも鮮明に残っているというコメントも多く寄せられ、親子関係が与える影響の大きさをあらためて感じさせられます。親御さんにとっては“我が子のため”と思って取った言動が、結果的に子どもにとって負担となったケースもあったのかもしれません。親子関係は、互いのことを考え、気持ちに寄り添いながら構築していくものだと考えさせられる内容ばかりでした。今回のアンケート結果を参考に、良好な親子関係を築くために家庭での言動を見直したり、子どもへの接し方を考えたりするのもいいかもしれません。

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