キッチンにパントリーは必要?パントリーのメリット・デメリットと設置のポイントを解説

パントリーは最近人気の設備の一つです。一戸建て住宅の新築時、住みやすい家づくりを考えたとき「キッチンにこだわりたい」と思う人は多いでしょう。どんなキッチンにするか計画する際に重要なポイントのひとつが、収納スペースの充実です。収納できる量や配置次第で料理がしやすく、毎日の家事がラクになります。特に「食品をストックしておきたい」「食器をたくさん揃えている」という方であれば、パントリーがあると便利です。便利そうなパントリーですが、デメリットはあるのでしょうか。新築時にパントリーの設置を計画する際のポイントとともに解説します。

目次
1.パントリーとは?
2.パントリーを設けるメリット・デメリット
3.新築時にパントリーを計画するポイント
4.キッチンのパントリー まとめ

パントリーとは?

パントリーとは?

パントリーとは、食材やキッチン用品を収納するスペースのことです。常温で保存できる食品のストックやキッチンペーパーなどの日用品、食器や調理家電など、さまざまな物をしまうことができます。小さな部屋を設ける「ウォークインタイプ」「ウォークスルータイプ」はもちろん、「壁面収納タイプ」もパントリーの一種です。キッチンの近くに配置することが多く、広さやレイアウトによってはキッチン以外で使う物もまとめて収納することもあります。

パントリーを設けるメリット・デメリット

メリット デメリット
収納量を確保できる
どこに何があるか確認しやすい
整理整頓しやすい
まとまったスペースが必要
スペースを有効に使えない可能性
買い過ぎてしまいがち
キッチンにパントリーを設けるメリット・デメリット

パントリーを設けることでさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。どのような特徴があるのか見ていきましょう。

パントリーを設けるメリット1―収納量の確保

パントリーを設けるメリット1―収納量の確保

パントリーを設けるメリットの一つ目は、収納量の確保です。パントリーを設けることでまとまった収納量を確保できるので、たくさんのストック食材や日用品を保管することが可能になります。セールのタイミングや休日などにまとめ買いした食品やキッチン用品をしまいたいときに重宝します。
災害時に備え、飲料水や缶詰など長期保存できる非常食を備蓄したいときにも便利です。日々の生活で備蓄した食料などを消費し、使用した分を買い足して一定量を保つ「ローリングストック」を継続したい場合も、パントリーがあれば実践しやすいでしょう。

パントリーを設けるメリット2―どこに何があるのか確認しやすい

パントリーを設けるメリット2―どこに何があるのか確認しやすい

パントリーを設けるメリットの二つ目は、どこに何があるのか把握しやすくなることです。キッチン周りのあちこちに収納する場合と比べ、パントリーがあればキッチンに関連するものをひとまとめに収納できます。収納場所を一ヶ所に集約することで、どこに何があるのか確認しやすくなり、食品ストックの在庫状況や、キッチンペーパーやごみ袋など日常的に消費する生活用品の不足をひと目で把握することができます。

パントリーを設けるメリット3―整理整頓しやすい

パントリーを設けるメリット3―整理整頓しやすい

パントリーを設けるメリットの三つ目としては整理整頓しやすいことがあげられます。「いつの間にかキッチンが雑然としてしまう」という方にも、パントリーの設置がおすすめです。まとまった収納スペースを設けることで整理整頓がしやすく、扉がついたタイプのパントリーであればリビング・ダイニングから隠して収納できます。すっきりとした状態を保ちやすく、生活感を表に出したくない方にはパントリーがあると便利です。一か所に集約することで、物の出し入れもしやすくなるので調理するときの作業効率も上がりやすくなります。

パントリーを設けるデメリット1―まとまったスペースが必要

パントリーを設けるデメリット1―まとまったスペースが必要

収納や整理整頓と便利そうなパントリーですが、デメリットももちろんあります。デメリットの一つ目としては、パントリーを設置するにはまとまったスペースが必要になることです。狭小住宅では、設置したくても十分なスペースを設けることができないケースもありますし、パントリーを部屋と部屋の間に設ける場合は、建具を開け閉めするスペースも考慮しなければなりません。キッチンなどの作業スペースに干渉することがないよう、開き戸ではなく引き戸にするなどの工夫が必要です。

パントリーを設けるデメリット2―スペースを有効に使えない可能性

パントリーを設けるデメリット2―スペースを有効に使えない可能性

パントリーを設けるデメリットの二つ目は、スペースを有効に使えない可能性があることです。大きなパントリーを設けたはいいものの、リビングが狭くなってしまったり、家事動線が悪くなってしまったりしては本末転倒です。また、必要以上の収納量を確保しても、使いこなせずデッドスペースが生まれてしまい、せっかくのパントリーを使いこなせないこともあります。パントリーに必要な広さは、家族の人数や調理頻度など家庭ごとに異なります。何をどの程度の量しまいたいのか事前に考え、過不足のないスペースを設けるようにしましょう。

パントリーを設けるデメリット3―買い過ぎてしまいがち

パントリーを設けるデメリット3―買い過ぎてしまいがち

パントリーを設けるデメリットの三つ目としては、ついつい物を増やしてしまうことです。食品や備品をストックできるスペースがあると思うと、あれもこれもと買い過ぎてしまう方も少なくありません。「家にあることを忘れて過剰に購入し、だぶらせてしまった」「いつの間にか消費期限切れになってしまった」ということがないよう、マイルールを決めて過不足のない買い物や、どこに何があるか把握しやすいように整理することを心がけましょう。

新築時にパントリーを計画するポイント

次に新築時にパントリーを計画する際に注意すべきポイントを解説します。一戸建てを新築するタイミングでパントリーを計画するのであれば、用途や利用方法に合わせて使いやすさにこだわりたいですね。

パントリー設置のポイント1―家事動線を踏まえた間取り

パントリー設置のポイント1―家事動線を踏まえた間取り

パントリーは、設置する場所により利便性が変わります。例えば、玄関ホールとキッチンの間にパントリーを設ければ、買い物した荷物を最短の動線でしまい、キッチンで使用することができます。冷蔵庫がパントリーの近く、もしくはパントリーの中にあれば買った物の仕分けがしやすく、より便利です。また、パントリーから勝手口に出られる間取りであれば、ゴミ出しがしやすくなります。

パントリー設置のポイント2―どこに何を入れるか事前に計画

パントリー設置のポイント2―どこに何を入れるか事前に計画

せっかくパントリーを設けるのであれば、使いやすさにこだわりたいところです。使用頻度が高い物は目線の高さに収納し、踏み台が必要な高さの場所には使用頻度が低い季節用品や賞味期限が長い食品のストックなどを、低い場所はお米や缶類、飲料水といった重い食品やごみ箱の収納に向いています。どこに何を入れるか事前に見当をつけておくことで、パントリーのサイズや棚の高さなどを決めていきましょう。
棚の奥行きも重要です。奥行きがあるほど多くの物を収納できますが、深い場所に収納すると取り出しにくく、入れたことを忘れてしまうこともあります。奥行きがある場所は引き出し式の収納にすることで入れた内容を見渡しやすいようにするなど工夫が必要です。

キッチンのパントリー まとめ

これからマイホームの購入を考えている方の中には、キッチンにパントリーは必要なのか悩んでいる方もいると思います。パントリーは収納する場所を一ヶ所にまとめることで今ある物を把握しやすく、食品の買い忘れや賞味期限切れを防げます。まとめ買いをしたい方や、災害時の備蓄を兼ねてローリングストック方式で食品をストックしたい方は特に、パントリーがあると便利です。また、ストックをパントリーにまとめて置くことで、リビング・ダイニングをすっきりと見せることもできるでしょう。
家庭ごとに、パントリーに必要な収納量や広さ、ベストな間取りが異なります。毎日の家事がストレスなくできるように、パントリーの設置を計画してみてはいかがでしょうか。

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