初心者や子どもにもできる身近な野鳥観察―住宅街で観察できる野鳥36種の特徴と観察難易度を専門家が解説

木々の葉が散る冬は枝に止まる野鳥を見つけやすく、バードウォッチング向きの季節だと言われています。バードウォッチングと言えば、山や森などに出かけて楽しむイメージがありますが、実は都市部の住宅街でも多くの野鳥を観察できるのはご存知でしょうか? そこで、植物生態コンサルタントで野鳥観察にも詳しい泉健司さんに“都市部の住宅街”でも出会うことができる野鳥36種の特徴と珍しさを教えていただきました。

植物生態コンサルタント・泉健司のプロフィール
泉健司 プロフィール

ビオトープ・ガーデン提唱者・植物生態コンサルタント・自然造形作家

東京農業大学農学科副手を勤めた後、環境アセスメントをはじめとした各種植生調査、フロラ調査の仕事に従事。1996年、ビオトープ・ガーデンを提唱し、様々なメディアで紹介され、自然公園などのプロデュース、草地環境や里山環境の回復に努めている。
教育活動にも力を入れており、スキルの高いボランティアの養成や様々な講演、講習会、各種教育施設での企画展示、ウェブ・コンテンツの制作を行うほか、自然造形物を素材としたネイチャー・インスタレーション、クラフト、フラワーアレンジメント、環境音楽など、多岐にわたる活動を行っている。NPO法人 Green Works 顧問、一般社団法人 山岳環境研究所理事なども勤める。
ホームページ:ビオトープ・ガーデン ~生態系との新しい調和~

植物生態コンサルタントの泉健司です。野鳥の暮らしぶりは年々変化しており、最近は都市環境にも馴染んできたので、公園やお家の庭、ベランダなどでも野鳥観察がしやすくなりました。今回はバードウォッチングのコツや注意点、住宅街でも観察できる野鳥の特徴などをお伝えしたいと思います。

初心者にもできるバードウォッチングのコツと注意点

初心者や子どもにもできるバードウォッチングのコツと注意点
©Kenji Izumi

冬はバードウォッチングに適した季節で、とくに初心者の方が始めるにはオススメのタイミングと言えるでしょう。冬に見られるのは主に一年中日本に生息している「留鳥」たちと、シベリアなどからやってくる「冬鳥」(渡り鳥)です。野鳥は日の出~日没の2時間前くらいまでに活動している種類が多いので、観察に適しているのは日中、とくにさえずり出して活動を始める午前中がオススメですね。

野鳥を観察する際の注意点は、近づきすぎないことと静かに見守ること。野鳥に近づきすぎると警戒されてしまうので、写真を撮るときも距離を保ち、望遠系のカメラやスマホのズーム機能で撮影すると良いでしょう。

身近な野鳥―餌台に来たメジロ
©Kenji Izumi

また、お家の庭やベランダなどに餌を置いて野鳥を呼ぶこともできますが、人工的に市販の餌などをあげるのは、冬の間だけにしましょう。野生を失わせることになりかねないので、自活のお手伝いをする程度に留めてください。一年を通して野鳥をお家に呼びたい場合は鳥の好む草花や樹木を植え、周りの自然と近い種子や実、虫などを食べられるようにすると良いですね。

野鳥の鳴き声は聞き分けられる? 「聞きなし」とは

鳥や虫の鳴き声などを、人間の言葉に置き換えて表すのを「聞きなし」と言いますが、私はウグイスの「法、法華経(ホーホケキョ)」くらいしか、その通りだと思ったことがありません。ホトトギスは「特許許可局」や「天辺翔たか」と聞こえるとも言われますが、そんな風に鳴く鳥を探そうと思ったら見つけられる自信はないですね。鳥たちの鳴き声は繁殖期の“さえずり”やそれ以外の時期の “地鳴き”を始めとして、季節や時間帯、そのときの気分などでも違った鳴き方があるので、聞きなしだけで判別するのは非常に難しいです。鳴き声で鳥を見つけたいときは、動画サイトなどで実際の声を聞いてからバードウォッチングへ行くようにしましょう。

ここからは、住宅街で観察できる野鳥を「4段階のレア度」に分類してご紹介していきます。珍しさの度合いは地域によってだいぶ異なりますので、世田谷区の目撃頻度を基準にしたやや感覚的な目安だと考えてください。

観察難易度:低  人との距離が近めでじっくり観察しやすい
観察難易度:中  人とある程度の距離を保つ
観察難易度:高  物陰に隠れやすいので慣れないと発見しにくい

住宅街で観察できる野鳥 レア度★☆☆☆

シジュウカラの特徴

身近な野鳥―シジュウカラの特徴
©Kenji Izumi

【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:ナッツ類、虫、獣脂など
白、黒、灰色のモノトーンが特徴的な美しい鳥です。もともと夏は山里で過ごし、人里では冬場に見かける鳥でしたが、ここ数十年で夏も人里で暮らすようになりました。ナッツ類の餌が好物で、庭に「エゴノキ」を植えていると遊びに来てくれることもあります。

ハクセキレイの特徴

身近な野鳥―ハクセキレイの特徴
©Kenji Izumi

【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:虫(主に小さなクモ、ノミバッタ、イボバッタのような荒れ地に住む昆虫を食べる)
元々は河原で暮らす鳥でしたが、近ごろは都心部の駐車場やビルの屋上、公園の芝生などでも普通に見かけるようになりました。昔は近くで姿を見ることが難しかったのですが、今ではほんの数メートルまで近寄っても観察できるほどです。都市環境に順応し、暮らしぶりをかなり変化させた鳥と言えるでしょう。

ヒヨドリの特徴

身近な野鳥―ヒヨドリの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:花の蜜、木の実、フルーツ類など
全体的に灰色っぽく、頬と翼が茶色っぽいのが特徴で、木の上でけたたましく鳴いている鳥です。フルーツ類や花の蜜を好むので、お家の庭やベランダに薄めたジュースを置いておくと飲みに来ることもありますよ。かつての人里では冬鳥として親しまれていましたが、最近では夏でも都市部で暮らすようになりました。

メジロの特徴

身近な野鳥―メジロの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:花の蜜、木の実、フルーツ類など
いつ息継ぎをしているのか心配になるほど、とても長いさえずりを聞かせてくれる鳥です。「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」という風に鳴くと言われますが、あのバリエーション豊かなメジロの鳴き声のいったいどこがそのように聞こえるのか、私には見当もつきません。ちなみに梅の小枝によくいるのはこのメジロで、ウグイスではありません。「梅に鶯(ウグイス)」という言葉があるので、勘違いしている人が意外と多い印象ですね。

キジバトの特徴

身近な野鳥―キジバトの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:雑草、草花の種、殻付きの餌など
40年ほど前までは、神社などの鬱蒼とした森で“鳴いている声はすれども姿は見えず”であった鳥で、営巣も背の高い針葉樹の上部と相場が決まっていました。しかし、近ごろはドバトよりも傍若無人に人前を歩き回り、営巣場所も人の手の届く庭木へと変化。同じように営巣場所が変化した野鳥としては、ヒヨドリやハクセキレイなどもあげられますが、これらの鳥はカラスなどにヒナを襲われないように人間をガードマン代わりに利用することで都市化したとも言われています。

スズメの特徴

身近な野鳥―スズメの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
お家の庭やベランダに餌を置いて野鳥を呼びたいときの第一目標。スズメがやってくるとほかの野鳥も警戒を解いてくれるので、呼び込めたときの喜びはひとしおでしょう。珍しくない鳥の代表のように思われていますが、それでもその数は最近20年足らずで最大80%、半世紀前との比較では90%も減少してしまったという研究報告もあります。なので、“なぁーんだ、スズメか”とガッカリしないで下さいね。

ツバメの特徴

身近な野鳥―ツバメの特徴
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【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:低
光沢のある藍黒色の背中が特徴的で、渡り鳥のなかでは珍しく、古くから民家などの軒先に巣をつくることで親しまれてきました。春頃に飛来し、秋には去ってしまうので観察できる季節は限られますが、住宅街でも度々見かけることができますね。しかし、環境省によるとこの20年で大幅に減少したそうです。このままのペースで減少し続けると、将来的には絶滅危惧種に指定するなどの対策が必要になるかもしれません。

カルガモの特徴

身近な野鳥―カルガモの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
河川や水田などの水辺に小さな群れで生息しています。庭やベランダに呼ぶことは難しいですが、都市部でも公園の池や住宅地を流れる河川に行けば一年中見ることができますよ。大きめな池のあるお家で、子育てをしている姿がニュースになるなど、水鳥の中ではかなり手狭な環境でも暮らせる鳥です。

ツグミの特徴

身近な野鳥―ツグミの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:中
この鳥を公園などで見かけるようになると、冬が来るんだなと実感します。木の生い茂った場所だけでなく、開けた芝生などでも餌を探す様子がよく見られますね。そこまで珍しい鳥ではありませんが、人との距離を置きたがるので、少し離れた場所から観察するようにしましょう。

ムクドリの特徴

身近な野鳥―ムクドリの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
好きな餌:木の実、フルーツ類、虫など
黄色いクチバシで頭が黒く、ほっぺたが白いのが特徴で、ちょっと見た感じはキュウカンチョウに似た姿をしていますが、しゃべりません。開けた背の低い草地や畑に群れでやって来て、クチバシで芝生などをほじりながら虫を探す様子を見かけます。最近では集団で駅前などの植え込みをねぐらにして騒がしいといったケースもあり、邪険に扱う自治体もあるのでヒヤヒヤしています。

ウグイスの特徴

身近な野鳥―ウグイスの特徴

【留鳥/漂鳥】観察難易度:高
警戒心が強いので、声はしても姿は見えないということが多い鳥です。春は人里で初夏は山里でさえずっていて季節に関係なく日本にいるので、珍しい部類の鳥ではありませんが、観察にはコツが必要。生け垣や笹薮などの物陰に隠れていることが多いので、鳴き声が聞こえたら茂みの中をよく観察してみましょう。ちなみに、寒冷地に住む個体は冬になると暖かい土地に移動するので、住んでいる地域によってはもう少し珍しくなるかもしれません。

住宅街で観察できる野鳥 レア度★★☆☆

ヤマガラの特徴

身近な野鳥―ヤマガラの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:ナッツ類、殻付きの餌、虫、獣脂など
シジュウカラと少し似た姿をしていますが、茶色のベストを着込んだような見た目がヤマガラの特徴です。木の枝に潜む虫が好きなので、獣脂も好んで食べます。冬場に牛脂などをベランダや庭木に吊るしておくと遊びに来てくれるかもしれませんよ。頭が良くて芸を覚えやすいので、昭和の終わり頃までは神社の縁日などで「ヤマガラのおみくじ引き」といった見せ物もあったのですが、最近はさすがにお目にかかれなくなりましたね。

キンクロハジロの特徴

身近な野鳥―キンクロハジロの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:低
オスはかわいいポニーテールが特長の白黒ツートンカラーで、本州より南では冬鳥として日本にやって来る海ガモ類です。広々とした水辺を好むので、公園の池や住宅地を流れる川で見ることができます。人から餌がもらえる場所にいることも多いですね。

コゲラの特徴

身近な野鳥―コゲラの特徴
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【留鳥】観察難易度:低
好きな餌:虫、獣脂など
キツツキの仲間で、どちらかと言うと山里に住む鳥でしたが、最近では都心の公園や街路樹でも見かけるようになりました。都市部の公園樹木や街路樹の樹齢が進み大木化したことで、彼らにも利用しやすい枯れ枝が豊富になったからではないかと考えられています。せわしなく動き回る鳥ですが意外に人を怖がらないので、見つけさえすればわりと近くで観察できることもあります。

ジョウビタキの特徴

身近な野鳥―ジョウビタキの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】察難易度:低
好きな餌:虫、木の実など
冬鳥たちは主にまとまった面積の林や芝生のある公園でよく見られますが、ジョウビタキは人家の生け垣で見かけることもありますね。庭仕事などをしていると、虫が掘り起こされたりしないかと近くの枝で様子をうかがっていることも。縄張り意識と好奇心の強い鳥なので、怖がらせないように気をつければかなり距離を詰めて観察できますよ。

シロハラの特徴

身近な野鳥―シロハラの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:低
冬に日本にやって来る渡り鳥です。低空飛行しているのでベランダに餌台や水場を置いても来てくれませんが、お家の庭に背の低い植え込みがあれば、落ち葉の中の虫を探しに来ることも。樹木の多い公園で出会えることもありますね。地味な色合いの鳥で動きもややおっとりしているので、人間の方が見落としがちです。

カワラヒワの特徴

身近な野鳥―カワラヒワの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
好きな餌:雑草、草花の種、殻付きの餌など
カワラヒワは少し警戒心が強いので、観察時はある程度距離を置くと良いですね。ですが、好きな餌があると庭やベランダにも意外と遊びに来てくれます。殻付きのアワやヒエ、ヒマワリの種などをブレンドした市販の小鳥の餌を置いておくと、出会えるかもしれません。オリーブグリーンがかった頭と翼の黄色がチャームポイント。

ホオジロの特徴

身近な野鳥―ホオジロの特徴
©Kenji Izumi

【留鳥】観察難易度:中
好きな餌:雑草、草花の種、殻付きの餌など
スズメに似た姿の鳥ですが、喉の色が白くてお腹が茶色いところが見分けるポイントです。近くに林が残っているような住宅地ではわりと見かけますね。春先になると目立つ枝先に止まって、オスが延々とさえずる姿を楽しめますが、スズメよりは警戒心が強いので観察するときはやや距離をとったほうが良いでしょう。

コサギの特徴

身近な野鳥―コサギの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
まとめて「シラサギ」とも呼ばれるダイサギ・チュウサギ・コサギの3種類のなかでは一番小型です。水辺で一年中見られる鳥で、カラスぐらいの大きさですが、足の指が黄色いのでダイサギやチュウサギとは簡単に見分ける事ができます。コンクリートの三面張り河川でもよく見かけますが、やっぱり水草などがある場所の方が好きですね。

アオサギの特徴

身近な野鳥―アオサギの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
なかなか風格のある大型の鳥で、水辺でジーッと魚を狙っている姿を公園の池や河川などで見ることができますよ。日本で繁殖するサギでは最大の大きさの鳥ですが、警戒心は強めなので、せっかちな動きをすると逃げられてしまいますね。観察時はできるだけゆっくりと静かに近づくよう注意しましょう。

アカハラの特徴

身近な野鳥―アカハラの特徴
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【渡り鳥/夏鳥・冬鳥】観察難易度:中
シロハラと似ていますが、その名のとおりお腹の色が赤っぽい褐色です。ちょっとのんきなシロハラよりも警戒心が強く、林の下で見かけてもすぐに草陰などに隠れてしまいがち。観察するのは少し難しいかもしれません。夏は本州中部の山林や北海道で繁殖し、冬になると暖かい地方の平地に降りてきますが、海外から渡来してくることも確認されています。

ホシハジロの特徴

身近な野鳥―ホシハジロの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:中
渡り鳥で、冬に日本にやって来ますが、国内では北海道でのみ夏鳥として生息します。オスは赤褐色の頭に黒い胸、翼には白帯があるのが特徴で、なかなか派手なデザインです。都心でも池や川などの水辺で見かけることができますよ。

ワカケホンセイインコの特徴

身近な野鳥―ワカケホンセイインコの特徴
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【外来種】観察難易度:中
元々はペットとして飼われていたものが世界各国で野生化している鳥です。日本では大きな樹木の多い首都圏の公園などで見かけることができ、樹洞を利用して繁殖しています。ペットとしては人懐っこいとも言われますが、野生では神経質な一面もあるので、距離感には気を付けましょう。群で鳴きながら移動するので居場所を見失うことが少なく、大型で派手な色合いなので多少遠巻きでも十分見ごたえのある鳥です。

アオジの特徴

身近な野鳥―アオジの特徴
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【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:高
好きな餌:草花の種、虫など
林の中で、落ち葉に潜む虫を探す姿をよく見かけます。林や藪の中ならある程度は近づけますが、気づかれると物陰に隠れてしまうので、野鳥に慣れるまでは観察が難しいと言えるでしょう。樹木の多い公園などで見かけることもありますが、スズメと間違えて見過ごしがちな地味さ加減です。ちなみに、殻着きのヒエやアワを餌台に置けば、庭に来てくれることもありますよ。

住宅街で観察できる野鳥 レア度★★★☆

オナガの特徴

身近な野鳥―オナガの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
好きな餌:フルーツ類など
大きな木がまとまって育っている公園や林のある環境が好きなので、見かけることができる条件は限られている鳥です。お家の近くにオナガが好む環境があれば、リンゴやミカンの切れ端を庭の木の枝先に刺しておいたり、ベランダに置いたりしておくと遊びに来てくれるかもしれません。

オオヨシキリの特徴

身近な野鳥―オオヨシキリの特徴
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【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:中
好きな餌:虫など
水辺に住む夏の渡り鳥で、警戒心は強めです。広々とした環境を好むので、河川敷や大きめな池にまとまった「アシ」が生えていれば都心でも見かけることがありますね。アシ原で騒々しくさえずっているので見つけること自体は簡単ですが、ざわめく葉に遮られて姿は見失いがち。

ゴイサギの特徴

身近な野鳥―ゴイサギの特徴
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【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:中
好きな餌:魚類、甲殻類、虫など
本州以南ならば一年を通して見られる水鳥で、公園の池などでも見かけられます。夜行性の鳥ではありますが、昼間は川沿いや池の近くにある樹木の中でゆっくりしているので、むしろ日中のほうが観察しやすいと思います。

シメの特徴

身近な野鳥―シメの特徴
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【漂鳥/冬鳥】観察難易度:中
好きな餌:木の実、虫など
夏は北海道で子育てして秋になると本州に渡ってくる漂鳥(ひょうちょう)で、落ち葉の下にいる虫を探してついばむ姿を見かけることがあります。木の実も好物なので、ナッツ類や市販の小鳥の餌などを庭やベランダに置いておくとお家にやって来るかもしれません。

カワセミの特徴

身近な野鳥―カワセミの特徴
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【留鳥】観察難易度:中
最近は都心の公園の池などでも見られるようになった鳥。スズメほどの大きさですが、水色の羽根が美しくて「飛ぶ宝石」とも呼ばれます。餌は小魚やエビ、小さなカエルなどの水中に住んでいる生き物なので、庭に呼びよせるなら大きめの池が必要です。

ガビチョウの特徴

身近な野鳥―ガビチョウの特徴
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【外来種】観察難易度:中
元々はペットとして日本にやって来た外来種で、住宅街ではかなり珍しい部類に入りますが、里山をひかえた地域などでは頻繁に見かけます。地味目な姿とは裏腹に、早朝のさえずりが騒々しいと問題になることも。この鳥も茂みの中で鳴いていることが多いので、わりと“声は聞こえど姿は見えず”な鳥です。

ホトトギスの特徴

身近な野鳥―ホトトギスの特徴

【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:高
警戒心が強く、姿を見るのは難しい鳥です。初夏の渡りの季節に明治神宮や都内の公園で鳴き声を聞くことがありますね。鳴き声は「特許許可局」と比喩されますが、個人的には「ホトトギス・ホトトギス・ホトトギス」とだんだん自信なさげに鳴くと表現したほうが分かりやすいように感じます。ウグイスなどの巣に卵を産んでヒナを育てさせる「托卵(たくらん)」という習性が有名ですね。

カッコウの特徴

身近な野鳥―カッコウの特徴
©Kenji Izumi

【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:中
同じく初夏に日本に飛来し、渡りの途中に大きな公園などで鳴いていることがあります。体長は35センチほどで、姿はホトトギスとかなり似ていて紛らわしいのですが、全体的に灰色がかっていて大柄なのがカッコウです。鳴き声はまさに「カッコウ」なので、声を聞けばホトトギスと間違うことはありません。木のてっぺんや電柱の上で鳴いていることが多いので、声が聞こえたらそれらの場所を探してみましょう。ちなみに川原の「アシ」に巣をつくるオオヨシキリなどに托卵する習性があります。

住宅街で観察できる野鳥 レア度★★★★

キビタキの特徴

身近な野鳥―キビタキの特徴
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【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:高
好きな餌:虫、木の実
北海道以外では主に山地で見かけることが多いのですが、春と秋の渡りの時期には低地の庭や公園にいることもあるようです。しかし物陰に隠れることが多く、遭遇するのも観察するのもなかなか難しい鳥だと言えます。

アマサギの特徴

身近な野鳥―アマサギの特徴
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【渡り鳥/夏鳥】観察難易度:高
好きな餌:虫、魚類、カエルなど
4〜9月ごろまで見かけられる夏の渡り鳥です。広々とした環境を好むので都市部ではなかなかお目にかかれませんが、郊外の水田や沼地で虫やミミズ、カエルなどをついばんでいる姿を見かけることがあります。季節によって毛色が変わるのが特徴で、夏毛が亜麻色(薄い茶色)であることから“アマサギ”という名前が付きました。

オオタカの特徴

身近な野鳥―オオタカの特徴
©Kenji Izumi

【留鳥】観察難易度:高
オオタカは都市部に進出するようになって、2017年には国内希少野生動植物種から解除されました。長いこと豊かな里山の象徴的存在として山地や森林で暮らしていましたが、主な餌であるハトや小鳥の生息数が人里で増えてきたこともあり、近年では住宅地でも見かけるように。都心の公園などでの子育てが話題になることもありますが、出会える場所はまだかなり限られていますね。

キレンジャクの特徴

身近な野鳥―キレンジャクの特徴
©Kenji Izumi

【渡り鳥/冬鳥】観察難易度:高
フルーツ類や木の実が好物で、冬になるとヒレンジャクの群に混じって飛来し、木の上で実をついばんでいる姿を見かけることがあります。撮影スポットとしては、皇居のヤドリギが有名ですね。とは言え住宅街では滅多に見かけませんので、観察できたら幸運を噛みしめましょう。

住宅街で観察できる身近な野鳥36種の特徴と観察難易度を専門家が解説 まとめ

暮らしぶりを都市化させる野鳥が増えている昨今、バードウォッチングは近隣の公園やお家の庭でも気軽にできるようになってきました。お子様とも一緒に楽しめるので、その鳴き声に耳を傾け、餌をついばむ姿に癒されてみてはいかがでしょうか。まとまった面積の水辺や林に近い場所と、民家が立て込んだエリアでは環境の差が大きく、出会える野鳥の珍しさ度合いも異なりますが、今回ご紹介したデータも参考にしてみてくださいね。

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