お家の中でも犬や猫を上手に撮りたい! プロが教えるペット撮影のポイント

可愛がっている愛犬や愛猫の写真をもっと上手に撮りたい! だけど、どうやったら印象的な写真になるのか分からないし、素早く動き回るペットはレンズにおさめるだけでも大変ですよね。では、プロのカメラマンはペットを撮影するとき、どのようなテクニックを使っているのでしょうか? 多数のメディアで活躍されているプロカメラマンの瀬川陣市さんにペットを上手に撮る方法について伺いました。構図の話から撮影時の注意点までタメになる情報が満載です!

プロカメラマン瀬川陣市のプロフィール
瀬川陣市 プロフィール

フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所(https://photolala.net)代表。
米国ウィスコンシン州立大学などで写真を学び、帰国後1995年よりフォトグラファーとして活動。2006年よりAll About写真撮影ガイドなど、各種メディア等で写真に関する執筆、講座を行う。「動画撮影の教科書」(秀和システム刊)など著書も多数。現在は、動画、ドローン撮影も含めた映像コンテンツについての講師、コンサルなどでも活動中。

みなさん、こんにちは。瀬川陣市です。今回はスマホでペットを上手に撮る方法についてご紹介します。前回取り上げた「赤ちゃんの写真を上手に撮る方法」とポイントが似ている部分もありますが、予測不能な動きをする点やその動きの早さから、ペットの撮影ならではの難しさもあるのです。これらについての対策をしっかりと行い、愛犬や愛猫の可愛い写真を撮ってあげましょう。

赤ちゃんの写真を上手に撮る方法はこちら

プロカメラマンが伝授!! スマホでペットの写真を上手に撮る方法

プロカメラマンが伝授!! スマホでペットの写真を上手に撮る方法

犬や猫の目線に合わせてシャッターボタンを押すことが大切

ペットを上手に撮りたいならば、スマホのカメラレンズの位置をペットの目線と合わせるようにしましょう。人間の目線からペットを撮ると、どうしても見下ろす形での撮影となり、可愛い表情を写真におさめることが難しくなってしまいます。表情をくっきりと印象づけた写真にしたいのであれば、ペットと同じ目線でスマホを構えることを基本とし、上目遣いを撮りたい場合は斜め上から、表情を力強く撮りたい場合にはローアングルで、というように目線を意識して撮影します。

スマホの向きを変えて構図を意識する

撮影する際にはスマホの向きにも注意が必要です。基本的には被写体の全身が写りやすいよう縦横を使い分けるのですが、それ以外にも際立たせたいポイントによって、構図を変える必要があります。スマホの向きを縦にして撮るか、横にして撮るかによって、出来上がる写真の印象は大きく変わるのです。

縦長の構図で撮影された猫

縦長の構図は横長で撮影する写真に比べて幅が狭いことから、被写体に存在感を持たせることができます。例えば、ペットの表情やしぐさを際立たせたい場合やお家の中の背景を写したくないときは、縦長の構図で撮ると良いでしょう。

横長の構図で撮影された犬

反対に、横長の構図は縦長と比べて、画面に広がりを感じやすくなるので、ペットの全身を撮影したいときや手軽に躍動感のある写真を撮りたい場合に適しています。また、背景を活かして撮影したいときも横長の構図がオススメです。

ペットの動きは連写でとらえる

ペットの動きは連写でとらえる

愛犬や愛猫の躍動感あふれる写真を撮りたいときは、素早い動きに対応できるよう心掛けましょう。人間と比べてペットの動きは格段に早く、予測しづらい部分があります。動き回るペットを撮影すると決めたのなら、常にスマホを構えて、いつでもシャッターを切れるよう準備してください。その際は連写機能も活用しましょう。まずはスマホをぶれないよう固定し、ペットの動き始めから連写します。スマホの固定に慣れてきたら、画面の向きだけを変えて動きを追うようにしてみてください。より迫力のある写真にするため、ペットの目線に合わせて撮影することも意識します。

スマホでペットを撮る際の注意点

ペットの撮影には「無音カメラ」がオススメ

ペットの撮影にはシャッター音をなくすアプリ「無音カメラ」がオススメです。「赤ちゃんの写真を上手に撮る方法」でも無音カメラは取り上げましたが、赤ちゃんと同じくらいペットはシャッター音に敏感です。愛犬や愛猫をビックリさせないためにも、ぜひ取り入れてみてください。シャッターが切られる際に音が鳴らなければ、連写音で逃げてしまうことはありませんし、寝ている様子や自然な姿も撮影しやすくなるでしょう。

手ブレに注意して愛犬・愛猫をバッチリ撮影‼︎

撮影全般に言えることですが、シャッターボタンを押す際は手ブレしないよう、スマホを構えている段階からしっかりと脇を締めるようにしてください。特にペットを撮影する場合は、同じ構図や表情、リアクションを再現するのは非常に難しいので、シャッターチャンスを逃さないよう気をつけます。また、おとなしいペットを撮影する場合であれば、セルフタイマー機能を活用してもいいでしょう。スマホ画面のボタンを押す際の手ブレを防いでくれるので、ケースバイケースで使い分けるのもオススメです。

印象的なペット写真が撮れる! プロの撮影テクニック

「被写体ブレ」を効果的に使ってより躍動感のある写真を撮る

「被写体ブレ」を効果的に使ってより躍動感のある写真を撮る

手ブレをおこさずに写真を撮れるようになったら、「被写体ブレ」に挑戦するのも面白いですね。このテクニックは、被写体のブレを効果的に写真のなかに取り入れるというものです。

例えば、愛猫が手元に置かれたボールやねこじゃらしを触っているシチュエーションなどで、手元の動きの早さが伝わる写真を撮りたい場合は被写体ブレを狙うと良いでしょう。猫が手元を動かしている瞬間の動きがブレて写ることによって、より躍動感のある写真に仕上がるのです。

被写体ブレを狙う際には、しっかりとスマホを固定することを忘れないでください。手元自体がブレてしまうと、全体的にぼやけた写真になってしまいます。しっかりと被写体にピントを合わせながら、連写機能を使って、絶妙な瞬間を逃さないように気をつけましょう。

リアクションやポーズの変化を意識して撮影することが大切

さきほどのボールやねこじゃらしを使う方法もそうですが、愛犬や愛猫が喜ぶコミュニケーションを交わすことで、より印象的なペットのリアクションやポーズを引き出すことができます。

愛犬がお手やお座りなどのポージングを覚えている場合には、声掛けをおこないながらシャッターボタンを押すといいでしょう。猫を飼われているご家庭であれば、ねこじゃらしを使って体をくすぐったり、じゃれつかせたりといった感じです。また、ペットに好物があれば、えさに駆け寄ってくるシーンや夢中で食べている様子を写真におさめることができます。ほかにも、興味を引くような仕掛けを用意してペットのリアクションの変化を引き出してあげれば、ワンランク上の写真を撮ることができるようになるでしょう。

スマホでペットの写真を上手に撮るポイント まとめ

ペットを撮影する際には予測不能な動きに対応できるよう、常にシャッターボタンを押せる準備をしておくことが大切です。そして何より、愛犬や愛猫が喜ぶコミュニケーションを把握して、自分もペットも楽しめるような撮影を心がけましょう。